2024年3月5日(火) 世界の運河 3
先日、これまで、下記記事を投稿し、
世界の運河 1 (2024/2/24) (P79)
世界の運河 2 (2024/2/26) (P80)
その1でスエズ運河、その2でパナマ運河を取り上げた。
本稿は、これらの続編だが、その他の運河や、世界的なルールについてとりあげ、締めくくりとしたい。
○その他の運河
◆キール運河(正式名称は、北海・バルト海運河)
スエズ運河、パナマ運河とともに、世界三大運河と呼ばれるのが、キール運河だ。
ドイツ北部の、キール軍港近くにあり、バルト海と北海を結んでいて、デンマークのあるユトランド半島を、約250海里:約460kmショートカットしているようだ。
以下に、ネットにある地図を引用。
2つの海の高低差はないが、潮の干満に対応するため、運河の両端に、閘門があるようだ。
この運河は、1895年に完成したが、その後、1907年と1914年の2回にわたり拡張されている。
ドイツ政府は、この運河を利用する船舶に、自由に航行する権利を保障しており、スエズ運河、パナマ運河と同様、第3の国際運河(*)となっている。
*国際運河:国際航路の要路にあたり、公海と公海とを結んでおり、国際条約によって運営が規定され、すべての国の船舶の自由航行が認められた運河。
◆京杭大運河(けいこうだいうんが)
中国国内の運河で、北の北京と、南の杭州とを結ぶ運河で、随の文帝と煬帝によって整備され、西暦610年に完成したようだ。その後、数多くの改修が行われ、現在は、下図のように、全長2500kmに及ぶ、中国物流の大動脈とし活用されており、世界一長い運河と言われている。途中で、中国大陸を、西から東へ上がれる大河、黄河と長江(揚子江)を横断している。
2014年に、運河を構成する歴史的な一部の資産が、世界文化遺産に登録されているようだ。
◆ライン・マイン・ドナウ運河
下図は、ネットにある、ライン・マイン・ドナウ運河で、北海と黒海を結んでいる。運河の長さは170km程だが、北海から黒海まで、長大な水路となっている。
先ず、北海から、ライン川を遡り、間もなく、マイン川に至り、ドイツのニュルンベルグ近辺で、マイン・ドナウ運河に入る。そして、レーゲンスブルグ近辺で、運河を離れてドナウ川に繋がり、後は、流れに乗ってドナウ川を下り、黒海に至る。
ただ、黒海に流れ入る出口一帯は、広大なデルタ湿地帯のため、船舶の航行は困難であることから、途中で黒海に入る水路を建設しているようだ。
この間、オランダ、ドイツなど、9カ国を通る、ヨーロッパを横断する、壮大な水路となっている。
◆セントローレンス海路(SAINT LAWRENCE SEAWAY)
北米大陸で、セントローレンス川と五大湖を結んでいるのが、セントローレンス海路で、アメリカとカナダが、共同で開設事業をすすめ、1959年に完成し運用している。これにより、大西洋と五大湖が結ばれた。
この運河は、手持ちの地図帳にもでている。
(参照:セントローレンス海路 - Wikipedia.html)
運河の所在地と構成図は、ネットから引用し、下図に示すが、やや不鮮明である。
北米大陸には、五大湖周辺と川とを結ぶ運河がある。セントローレンス川の他、ハドソン川やミシシッピ川が、下図のように、運河で結ばれている。図で、茶色で示されているのが、運河である。