2024年2月26日(月) 世界の運河 2
先日、下記記事を投稿したが、
世界の運河 1 (2024/2/24) (P79)
本稿は、これの続編で、パナマ運河を取り上げる。
○パナマ運河の開設
パナマ運河は、アメリカが主体となって、1914年、10年の歳月をかけて完成している、
建設に当たっては、アメリカが、コロンピアからパナマを独立させ、運河地帯の永久租借権を獲得。開通後、暫く、アメリカが管理したようだが、漸く、1999年になって、パナマに全面的に引き渡されたようだ。
パナマ運河は、カリブ海と太平洋をつなぐ運河で、運河の途中にある、ガツン湖などとの水位を調整するための閘門(こうもん)が設けられている。
いくつかの閘門があることから、パナマ運河の構造は閘門式と呼ばれる。
一方、スエズ運河では、高低差が無いため、構造は水平式と呼ばれる。
高低差が無いと言っても、地中海と紅海との水位が同じとは、考えられず、わずかな差で、
緩やかな水流があるのかも知れない。
下図は、パナマ運河の全体の構成を示したものだ。
図が詳細に渉っているため、かえって解りにくいようだ。
○パナマ運河の効用
パナマ運河は、カリブ海・大西洋と太平洋をつなぐ運河だが、この運河が無い時代は、南米大陸の南端(マゼラン海峡など)を回る必要があり、アメリカ大陸での、東海岸と西海岸の往来や、欧州とアジアの往来には、極めて大きな効用が生まれる訳だ。
東海岸のニューヨークと西海岸のサンフランシスコ間の航路でみると、パナマ運河経由時の航路は、約8000マイル(約12800km)短縮されるという。
パナマ運河では、水位を調整するために、いくつもの閘門の操作が必要だが、これによって通過時間は、1日程度長くなるという。
(参照:パナマ運河とは?歴史や通行量など特徴を簡単にわかりやすく解説 _ 世界史バンク.html)
○パナマ運河の現在の問題
閘門を操作するためには、大量の水が必要となるのだが、地球温暖化の影響で、途中にある湖の水位が低くなり、深刻な水不足を来していて、航行する船舶の数や重量に制限を課しているという。
東太平洋のパナマに近い、南米ペルー沖で発生する、エルニーニョ現象も関係しているようだ。
(参照:中米パナマ運河 記録的干ばつで通航できる船舶数を削減へ _ NHK _ 気象.html)