2023年12月27日(水) 政治資金疑惑の中で
国会も閉会し、政治資金にからむ疑惑の検察による捜査も本格化している。
瀬戸際に立っている自民党政権は、今後の体制の立て直しを図るべく、26日、党幹部が集まり、来年1月の通常国会前にも、改革案をスタートさせることとしたようだ。(【速報】自民党が年明けに新組織立ち上げへ 派閥の政治資金問題めぐり改革案など議論)
本稿は、投稿事例が少ない分野ながら、この所話題の、政治資金疑惑について取り上げることとしたい。
⚫政権幹部の交代
政権幹部の交代で、岸田政権はガタガタである。
・閣僚の交代
安部派4閣僚が辞任し、後任閣僚に安倍派以外の議員が就任。
・党役員の交代
自民党の党役員が以下のように交代
政調会長 萩生田光一氏⇒⇒渡海紀三朗氏(元文科相)(無派閥)
国対委員長 高木 毅 氏⇒⇒浜田 靖一氏(前防衛相)(無派閥)
参院幹事長 世耕 弘成氏⇒⇒(後任は置かず)
・閣僚に加え、安倍派の副大臣・政務官が一部交代していて、一方、党役員も交代したことで、全体としては、下図のようになるようだ。
安倍派で見ると、会長不在で、塩谷座長と5人衆(松野、西村、萩生田、高木、世耕)は下図のようだ。
⚫NHK世論調査結果
政治資金疑惑の影響だろうか、10月以降から、支持する、支持しない、の差が広がる一方で、来年1月には、果たしてどうなっているか注目される。
BBCのサイトでは、支持するが、17%との数字も出ている。
⚫政党交付金の状況
政治には金がかかるとして、国庫から政党交付金が支給されるようになったのは、かなり以前のようだ。
この所は、年々、全体で300億を越える資金が交付され、使途の公開を義務づけているようだ。
共産党は、制度の趣旨に反対し、交付金を受け取っていない。
・2022年
総額 315億円
・2023年
表金といえる政党交付金があっても、それでも、後述する、裏金といえる金が必要のようだ。
⚫政治活動と裏金
裏金の必要性:私設秘書の雇用、選挙事務費用、など(選挙違反すれすれまで)
裏金の作り方:政治資金パーティーの開催など
政治資金パーティー開催時は、議員毎のノルマを設け、それを越えて販売した場合は、超過分は、記載せずに、キックバックしたようだ。議員側から見れば、キックバック分は記載する必要が無く、自由に使える、おいしい裏金となる。
これらの関係を、下図に示す。
⚫党内派閥
自民党内の派閥は、総裁選や、資金集めのパーティーなどで必要のようで、目下、6派閥があり、各派閥の状況は下図のようだ。(参照:自由民主党の派閥 - Wikipedia.html)
安倍派は、党内最大派閥で、今回の疑惑の中心にいるが、安倍氏が凶弾に倒れた後は、会長空席のままで、塩谷立氏が、まとめ役の座長を務めている。
なお、安倍派の、歴代総務部長は以下のようで、今回の政治資金疑惑の当事者といえる。
2019.9~20~21.10 松野博一氏(細田派の時代から)
2021.10~2022.8 西村康稔氏
2022.8~ 高木 毅氏
次稿で、岸田政権の今後について、取り上げることとしたい。