2023年12月30日(土) 岸田政権の今後
28日は、官庁のご用収めで、これを過ぎると、世の中は、年末、年始モードに変わった。
当ブログでは、先日、下記記事を投稿したところだ。
政治資金疑惑の中で (2023/12/27) (P60)
本稿は、これの続編で、岸田政権の今後について取り上げる。
⚫収まらない政治資金疑惑
・27日、衆院池田議員の3カ所の事務所で、検察が、家宅捜索を行ったようだ。
(自民 池田佳隆衆院議員の事務所捜索 安倍派の政治資金問題 東京地検特捜部 _ NHK _ 政治資金.html)
今回の疑惑で、議員側が、事情聴取だけでなく、直接、強制捜査を受けるのは初めてのようだ。 検察としては、国会が閉会している(議員の不逮捕特権がない)一方、疑惑の立証に目処がついている、と言うことだろう。
・29日になって、参院大野泰正議員の、岐阜県 羽島市の事務所の捜索が行われたようだ。5000万円超のキックバックがあった疑惑という。
・通常国会は、1月26日招集の公算が大きいようで、この場合は、150日間の会期で、6月23日の閉会となる。
国会の開会前に、何処まで捜査が進むのかも注目されるが、開会後は、来年度予算案の審議を人質にとりながら、野党側が、政府を追い詰めて、疑惑の解明とこの対策が、何処まで具体化されるのか注目されるところだ。
来年2024年の主な政治日程は下図だ。
(参照:2024年政局予測!自民党裏金疑惑の影響は?自民党総裁選を基軸に政局が動く?選挙ドットコムちゃんねるまとめ(選挙ドットコム) - Yahoo!ニュース.html)
今後の展望の中で、上図にあるように、岸田総理の任期は2024年の9月までで、総裁選が行われる予定だ。政権は、今後、どのように対処していくのだろうか、次項に述べる。
⚫岸田政権の行方
以下のサイトの解説記事を参照して、政権の行方を見てみる。
(参照:【解説】安倍派幹部4人任意聴取 今後の“裏金捜査”…政権への影響は? 追い込まれる岸田首相(日テレNEWS NNN) - goo ニュース.html)
日本テレビの田中秀雄政治部長は、下図に示す考えられる3つのケースについて、以下のように解説している。
ケース1:自民党総裁選で再選
経済や外交などで実績を上げ、再選を果たす、と言うのが基本戦略と言われているが、最大派閥の安倍派幹部が抜けた状態で、岸田首相を取り巻く環境は、極めて厳しいようだ。
首相は、来年3月に、バイデン大統領の招待で、アメリカを訪問する方向で調整中のようだ。
ケース2;岸田内閣が総辞職
政権運営に行き詰まり、首相が辞任し、内閣が総辞職するケースで、石破元幹事長は、アリだ、と見ているようだ。
来年度予算案をなんとか成立させて、その後、総辞職となる想定だ。
ケース3:解散・総選挙
岸田首相が、衆議院の解散に打って出るケースで、可能性は極めて低いと見られているようだ。ここで総選挙となれば、未だに続いている政治資金疑惑や、内閣支持率の低さからみて、自民党の敗北は必至だろうか?
記事では、どのケースになるか、岸田首相の指導力にかかっている、としている。
⚫日本に関する、BBC記者の見方
日本の政治情勢についてどう見ているのか、イギリスの公共放送である、BBCのフランシス・マオ記者の、下記サイトにある解説記事が注目される。
(【解説】 日本政治を揺るがす裏金疑惑 岸田政権はどうなるのか - BBCニュース.html)
この記事には、静岡県立大学の竹下誠二郎教授の見解が、数多く引用されている。
イギリスには、現政権の保守党に対抗できる、労働党があり、大きな問題が起これば、政権交代となるが、日本には、そのような状況がなく、改革の動きが生まれず、国民(有権者)は、冷めて行く一方、とみているようだ。
解説記事を書いた記者は、以下の見解で結んでいる。
「この政治資金の集め方で利益を得ている人が、日本には大勢いる。国の現状とはそういうものだと承知している人たちだ。そして、まさに、現状の打破こそ、日本人が嫌うものだ。」
筆者には、記事のこの結びは、衝撃的である。
日本人は思考が保守的で問題が起こっても現状を打破しようとせず、長いものには巻かれろ式、の思いが強いだろうか?