2023年12月8日(金) 国産ジェット機事業の明暗
先月、下記記事で、
航空機の話題から (2023/11/1) (P46)
「飛び恥」、「SAF」、「三菱航空機の撤退」について取り上げた。
本稿は、よく知らなかった、好調なホンダジェットについて調べ、国産ジェット事業に関し、明暗を分けた両社の事情について取り上げこととした。
◎好調なホンダジェット
前稿では、ホンダジェットに関し、2028年の導入に向けて、開発をスタートさせたと述
べたが、これは間違いで、ホンダジェットは、2015年から、商用に提供しており、2022年2月現在で、全世界で、200機以上が運用中といい、2017年から5年間連続で、小型ビジネスジェット機分野で、販売数が世界一となったようだ。
現在は、7人乗りで、乗員1・乗客6/乗員2・乗客5となっている。
(参照;HondaJet - Wikipedia.html、ホンダジェット、納入数で世界首位 5年連続、昨年は37機 - 産経ニュース.html)
次期ジェット機として、座席数を増やした11人乗りの開発を、2028年導入を目標に進めているようだ。
(参照:ホンダ 新型ビジネスジェット機開発へ “2028年ごろ販売を” _ NHK.html)
◎三菱航空機の撤退
三菱航空機の撤退については、前稿で触れているので、繰り返しは避ける。
三菱重工の子会社である三菱航空機が、2008年にスタートさせた、小型ジェット旅客機(MRJ:Mitsubisi Regional Jet)の、開発プロジェクトだが、今年の2月に、撤退すると発表している。(参照:三菱重工業 国産ジェット機「スペースジェット」事業撤退発表 _ NHK.html)
まぼろしのSPACEJET
MRJの座席数は、最大88席で、中型機の領域である。
MRJが失敗した理由はいろいろあるようだが、型式証明の壁が立ちはだかり、納期を6度も延期している。型式証明については、よく知らないが、安全性に関わる重要事項で、乗客数が多くなるほど、それだけ、安全性が要求されるということだろう。
(参照:Mitsubishi SpaceJet - Wikipedia.html)
◎国産ジェット機事業の明暗と今後
明暗が分かれた、2社の国産ジェット機事業について、下記サイトには、明確な記述があるので参照した。
(参照:三菱スペースジェット失敗の理由、ホンダジェットとの比較を詳解 三菱に欠けホンダにはあったリーダーシップと信念(1_10) _ JBpress (ジェイビープレス).html)
三菱に欠け、ホンダにはあったのは、リーダーシップと信念という。
国家も関係した、MRJプロジェクトには、親方日の丸的な意識が強く、厳しい視点が欠けていたようだ。ホンダには、創業者の社風がグループ全体に根付いていて、自主独立の姿勢で、技術と需要の中心となるアメリカに、開発の拠点を移している。
今後、ジェット機事業で、世界に追いつくのは容易ではないが、失敗と成功の経験を生かして進んで行って欲しいものだ。