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くさやー3  五感と嗅覚

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2014年1月12日(日) くさやー3 五感と嗅覚  

 

 

 このところ、当ブログに、くさや から始まって、においに関連する記事

     くさやー1 臭い珍味    (2013/11/30)

     くさやー2 においの感覚 (2013/12/18)

を掲載して来た。

 これまでの記事の延長線上で、今回は、五感と、その中の においを感じ取る嗅覚について、大まかに取り上げる事としたい。  

 

 

○ においと五感について

 前稿の においの感覚で、言葉として触れたように、においには、大別すると

   悪い側Bad : 悪い、嫌な、気持ち悪い  におい

   良い側Good: 良い、心地よい、爽やかな におい

とがある。 勿論、においの良悪の感覚や程度には、個人差がある。

 においは、鼻を使った嗅覚で感じる事になるが、この仕組みとしては、原因物質があり、それと生体との化学反応で においを感じる、と言われる。 

 

 人間の五感(視覚、聴覚、味覚、嗅覚、触覚)については、古来、様々に論じられて来ているが、我流ながら、以下のように、大きく二つに分類してみた。 

◇一つのグループは、視覚、聴覚、触覚で、これらは、やや抽象的に言えば、センサーである感覚器官(目、耳、皮膚)が、光、音、電気、温度、凹凸等の、主要な幾つかの現象(主として物理現象)を感知するもので、しかも、主要な原理で説明できる分野、と言えよう。 これらは、単純化して言えば、高校の理科の「物理」の領域になるように思える。 

 このため、現象等を、人体の代わりに機械的に、感知・計測したり、作りだすことが、比較的容易なことから、広範に機械化が行われていることは言うまでも無い。 

 しかも、光や音等での人体の感知能力を超える領域では、それをカバーする機材や手段(望遠鏡、顕微鏡、拡声器、電気通信、遠隔操作機械 等)が整備されている。

又、人体に不具合や欠陥がある場合は、これを補うため、メガネや補聴器なども、数多く準備されてもいる。

 視覚や聴覚に関しては、科学技術の発展により、人間の能力の限界が、大幅に拡張されて来ている、と言えるだろうか。

 

 

◇もう一つは、嗅覚と味覚で、これらでは、感覚器官である鼻や舌(口)で、個別の物質との化学的な反応を捉えると言うことで、扱う物質が極めて多様で、現象も様々で、個々に異なる状況が多い事が特徴だ。

 これらの中に、どの様な共通的な事項が存在するのか、筆者には良く分らない。

 このグループは、高校の理科で言えば、主に、「化学」の領域になるだろうか。

 

 人体における、これらの感覚器官の、生理的な仕組みの解明は、どれ程明らかになっているのだろうか。

又、嗅覚や味覚に不具合がある人もいるようだが、該当者が少ないのだろうか、余り聞いたことは無い。

 

 味覚に関しては、食文化として、幾つかの体系が出来ているが、少なくとも、嗅覚に関しては、様々な においは、どの様に分類・体系化され、においの種類や原因物質の数は、どれ位あるのだろうか。 

 人間の鼻や舌に代わって、機械的に、原因物質を限定して計測することは可能であろうが、どの様に計測するのだろうか。又、どの様な単位を使うのだろうか。 

 更に、においや味を、人工的に作りだすことは、現在では、どの程度出来るのだろうか。 

 

◇ネットを見ていたら、五感について、上記とは、異なる分類がなされている記述を見つけた。それに依れば、五感は一般的に、刺激からの距離によって、大きく2種類に分けられるようだ。

    1つは“遠隔感覚”といわれるもの  :視覚、聴覚、嗅覚が入る。

    もう1つは“接触感覚”といわれるもの:味覚、触覚が入る。

 遠隔感覚で離れた所から餌や敵・仲間に関する情報を集め、接触感覚で目の前の環境状態の適・不適や、安全・危険などの情報を集めている、ということだ。(動物の嗅覚ー視覚以外の遠隔感覚) 

五感の生存上の役割に着目し、動物全体から見た、こちらの分類は、尤もで、異論は無い。

 

 

○動物の嗅覚 

 時々、テレビ等で、空港の税関で活躍する麻薬犬や、事件や災害現場で、必死に働く警察犬が話題になる。

       空港で お仕事中の麻薬犬(ネット画像) 

 においは、鼻の粘膜にある「嗅細胞」というもので検出すると言われ、動物の嗅細胞数は、以下のようになるようで、犬は別格のようだ。(動物の嗅覚ー続き より引用) 

     犬     約2億個

     人間    約500万個

     ハト    約600万個

     ウシガエル 約800万個

     イモリ   約80万個 

 細胞数で比較すると、犬には、人間の、約40倍の嗅覚能力がある、と言う事になる。このことで、犬は、人間に比べて、検出できる においの種類が多く、又、濃度に関しても、極めて微量でも分ると言う事だろう。

  ネットに、“犬は、においの感覚が極めて鋭敏なのに、色んなにおいを嗅いで、何故、参ってしまわないのか” という素朴な疑問が出ているのが面白い。 この筆者は、犬の嗅覚について、嗅細胞数が億オーダーというのを、感度が人間の1億倍と勘違いしたように思われる。 

 でも、その記事中にあるように、犬君が、普段よく嗅いで親しんでいる においには、飽和効果(?)の様なものがあって、余り強く感じなくなる、ということで、“参った”りはしないようだ。(犬の嗅覚「人間の1億倍」は何基準か

 

 

○五感による周囲環境からの情報摂取

 人間が、基本的な生存のために、五感に依って周囲環境(外界)から摂取する情報量は、あるサイトに依れば、視覚が83%程と圧倒的に多く、聴覚が11%程度と言われる。 他の比率は、嗅覚3.5%、触覚1.5%、味覚1%程と、極めて低いとされる。(視覚情報の優位性: よく見えること。よく生きること)

 別のサイトには、嗅覚、触覚、味覚の比率は同じで、視覚がやや減って、聴覚がやや増えている数字も示されているが、大勢は変わらないようだ。(http://www.d1.dion.ne.jp/~yisma/kininaruzuhyo/gokan.htm) 

 勿論、人間だけにしか無い文化的な活動では、聴覚や、味視や、嗅覚の比重が高くなる場合もあるのは言うまでも無い。

 一方、動物の世界全体でみると、生存環境の違いから、種に依って、これらの比率が変わっている場合もある。(動物たちの嗅覚の役割

 

 嗅覚は、人間の五感の中で、最も鈍感な感覚と言えるだろうか。人間社会では、特に嗅覚については、他に比べて、科学的にも、文化的にも、調査研究や蓄積が余り進んでおらず、その分、未開拓の分野が多いとも言えるだろう。換言すれば、今後大きく発展していく可能性を秘めた分野かも知れない。

 でも、今後の文明の発展で、嗅覚だけでなく、五感全体が、ますます必要性が薄くなり、退化していく方向にある、と言えるようにも思える。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


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