2021年4月21日(水) 原発事故汚染水の処理 続続き
当ブログでは、10年前の原発事故に関し、最近話題になっている、汚染水の処理について、先日、以下の記事を投稿した。
原発事故汚染水の処理 2021年4月16日
原発事故汚染水の処理 続き 2021年4月20日
本件は、これらの続編であり、原発外部への放出について取り上げている。
◎トリチウムの生成
◇自然界
自然界では、トリチウムは、地球の大気と、宇宙線とが交わることで発生し、酸素と結びついた、トリチウム水の形で、川や海に存在しているようだ。
飲料水を通じて、人体内にも、数10ベクレル程のトリチウムが存在しているという。
(安全・安心を第一に取り組む、福島の“汚染水”対策④放射性物質の規制基準はどうなっているの?|スペシャルコンテンツ|資源エネルギー庁_files)
◇原発関連
原発の通常運転下で、トリチウムが生成されることがあるようだ。原子炉の運転中の冷却水に含まれる微量(0.015%)の重水素が、原子炉の中性子を吸収して、トリチウムが生成されるという。
この水を外部に放出する時は、トリチウムを極力減らして放出しているという。(中電 浜岡原発のサイト)
福島の事故原発では、ALPS処理後の冷却水に、多量のトリチウムが含まれているいるのは、周知のことだ。
◎飲料水や食品に対する各国規制
各国で行われている、飲料水に対するトリチウムの規制について、以下のサイトから引用する。
サイト1 (安全・安心を第一に取り組む、福島の“汚染水”対策③トリチウムと「被ばく」を考える|スペシャルコンテンツ|資源エネルギー庁.html)
サイト2 同様に以下のサイトから引用
トリチウムを含む水の規制値は? _ _ SYNODOS -シノドス-.html
両サイトの重複部分をカットし、まとめたのが下表である。
表にあるように、飲料水については、日本には、規制値は無いようだ。
一方、排水については、60,000Bq/Lがあり、福島第一原発での地下水バイパスなどで、運用目標としている。
先日の政府発表では、排出には、国内規制基準(60,000Bq/L)の1/40(1500Bq/L)に希釈して行うようで、これは、WHOで決めている飲料水基準(60,000Bq/L)の、1/7となる(上表とは、少し異なっているが)。
◎日常生活で受ける放射線量は、ミリシーベルトレベルのものが殆どで、人体への健康影響があるのは、
100ミリシーベルト以上と言われている。
下図の被爆線量の早見表は、以下のサイトから引用している。
身の回りにある放射線|放射線の基礎知識|放射性物質汚染廃棄物とは|放射性物質汚染廃棄物処理情報サイト|環境省.html
◎当面の進め方
今回の調査で、筆者なりに、今後の進め方の方向が見えてきたように思える。トリチウム水は、そんな
に危険なものではなく、環境とのバランスに配慮して、希釈するなどの措置を行えば、放出してもよい
といえそうだ。
前稿で述べたように、政府として、IAEAの支援を得て、トリチウム水の処理を進めても、よさそ
うだ。
良く言われているように、政府と東電が、風評被害を怖れる地元の不安を解消する対策がポイントだが、
対策としては、以下のようなものだろう。
・安全性についての十分な説明と了解
・放出後の、複数ポイントでの海水のモニタリング
・実被害、風評被害が出た場合の補償
これらについては、以下のサイトも参照している。
海洋放出の決まった「トリチウム」って、どれくらい危険な物質なの? - M&A Online - M&Aをもっ
と身近に。.html