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パートナーシップ証明書

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2015年11月18日(水) パートナーシップ証明書

 

 

 この所、LGBTなど、同姓愛者に関する話題が、TV番組でも、良く出て来る。都内の渋谷区で、区の条例に基づいて、この11月5日から、「パートナーシップ証明書」の交付を開始したことが、切っ掛けになっているようだ。

 

本ブログでは、下記記事

   選挙と国民投票  その3 (2015/6/2)

 

で、同姓婚をめぐる、アイルランドでの国民投票を話題にした時に、LGBTを取り上げている。この記事の中で、渋谷区の動きのことも、簡単に触れている。(下図はネット画像より)

          

         渋谷区の条例成立を喜ぶ                         国際LGBTシンボル旗

  LGBTに関しては、上記記事で詳しく触れたので、ここでは省略するが、日本においても、性的マイノリティに対する社会全体(マジョリティ)の認識が、漸く、広がって来ている、と言う事だろうか。 

 1億2000万と言われる人口の中で、どの位の人がLGBTなのだろうか。公にしているのはまだ少数で、言い出せずに、秘密にしている人は多数いると思われるーーー。

 

 渋谷区で、条例に基づく新制度ができたのは、この3月末だが、以降、諸準備がなされて、10月下旬から、窓口での申し込みの受付が始まり、上述のように、いよいよ、11月上旬に、証明書の発行・交付が開始されたようだ。

 

 このパートナーシップ証明制度は、悪用される危険性もあるため、証明書の権威が問われるところだが、渋谷区の場合は、同姓関係の正常性、をどの様に、確認するのだろうか。

区は、交付対象者の条件を以下としている:

   ・「渋谷区に居住し、かつ、住民登録を行っていること」

   ・「20歳以上であること」

   ・「配偶者がいないこと及び相手方当事者以外の者とのパートナーシップがないこと」

   ・「近親者でないこと」

 これらは、いずれも尤もな事項ばかりだが、良く調べると、更に、申し込みにあたっては、「任意後見契約に係る公正証書」と「合意契約に係る公正証書」を作成、登録していることが原則的に求められるという(特例あり)。

これらの、2種類の公正証書の中身は未調査だが、これが肝心な書類のようで、公証人の前で、2人の関係を述べて誓約するのかも知れない。 公正証書に掛かる費用は、数万円と見込まれ、自己負担となるという。

 通常の婚姻届では、第三者である、2人の成人(通常は媒酌人夫妻など)が確認することとなっているがーー。 

        証明書の見本 

 このパートナーシップ証明書があることによって、不動産業界では、当事者2人が住む住宅の貸し借りや、保険業界では、保険金の受取人などで、これまでのビジネス上の慣習が、徐々に見直されて、同性同士でも、受け入れられる動きにあるようだ。  今後は、同居している子供(婚姻前からの連れ子)の就学や、医療機関の受診等の面でも、証明書が、生かされて行くこととなるだろうか。

 渋谷区の隣の、世田谷区でも同様の動きが始まっている。こちらは、条例よりは弱い、要綱に基く制度で、当事者に、パートナーシップ宣誓書を提出してもらい、その受領証を、区長名で発行すると言う。

 

 言う迄もないが、我が国の憲法の規定では、「婚姻は両性の合意のみに基づく」とされ、異性婚のみ、正式な配偶関係と認められ、同性婚は、認められていない。 

同姓婚の、憲法上での実質的な除外と、条例レベルでの容認との間の落差は、極めて大きいのだが、この溝をどの様に埋めていくかは、今後の課題の一つだろう。 同姓婚を認める場合、憲法上の表現を、どの様に変えればいいのだろうか。

 

 最近、職場等での、妊娠を理由に女性の処遇等を差別する、「マタハラ」(マタニティ・ハラスメント)に関する裁判の、差し戻しが話題になっている。又、現政権のアベノミクスの新3本の矢では、介護離職をゼロにする、という具体的なスローガンもあり、更に、夫婦別姓を巡る訴訟では、年内には、最高裁の判断が示されるという。

  これらを総じて見ると、家族関係のあり方や、女性の生きがい等に関わる、今後の重要課題が、目白押しというところだ。機会を捉えて、取り上げることとしたい。

 

 


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