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日本百名山一筆書き踏破  1

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2014年12月11日(木)  日本百名山一筆書き踏破  1 

 

 深田久弥氏の著名な山岳随筆『日本百名山』が出版されたのは、昭和39年(1964年)で、それから今年で、50年という。これを記念して、NHKが、とてつもないイベントを、企画・実行したようだ。 

 それは、一人の冒険家が、日本百名山全ての頂を登り、その間、一切交通機関を使わず、自分の脚とカヤックだけで、一筆書きでつなぐ、というもので、途方も無い挑戦である。

名付けて

  “日本百名山一筆書き踏破―グレートトラバース” 

 これに挑むのは、日本を代表するプロアドベンチャーレーサー 田中陽希(ようき)氏。

以下、本記事では、敬愛の念を込めて、「YOKI」と呼ばせて貰うこととしたい。 

 

 本稿では、イベントの概要について触れ、次稿で、筆者の、幾つかの印象を述べたい。 

 

○日本百名山

 言うまでも無く、日本は山国で、山の定義は難しいが、あるサイトによれば、国内の山の数は、18000座もあるようだ。(Amazon.co.jp: 日本山名総覧―1万8000山の住所録: 武内 正: 本

その中から、作家であり登山家でもある深田久弥は、多くの山を踏破した自身の経験から、

   ・品格、歴史、個性 を兼ね備え

   ・原則として、標高1500m以上

という条件で選んだというのが、日本百名山である。

   ① 日本百名山 (深田久弥)

      (ネット画像より)

 

 この元祖とも言うべき、日本百名山が切っ掛けとなって、

   ② 日本二百名山 ①+100座   (深田クラブ)

   ③ 新日本百名山 ①の52座を含む (岩崎元郎)

   ④ 日本三百名山 ①+200座   (日本山岳会)

などが、公表されている。 (日本百名山 - Wikipedia など)

更に、多くの地域で、その土地の身近な百名山等を選んで、発表しているようだ。

 

  『日本百名山』の出版当時は、山岳界の反応は弱く、文芸作品としての評価が高かったという。

 以来、この選ばれた百名山については、様々な評価があるようだが、山を愛する一般の人々を魅了し続けるバイブル的な存在で、一つの目標にもなっているだろうか。 

この本は、筆者も、以前持っていたのだが、今や、行方不明である。 

 

○イベントの概要

 さて、グレートトラバースだが、計画では、下図にあるように、4月1日に、屋久島 宮之浦岳からスタートし、北海道 利尻島の利尻岳までの100座に、連続して登頂するもので、総移動距離7800km、累積標高差10万m を、およそ200日間で踏破するというものだ。(グレートトラバース|グレートトラバース - NHK

    

 上図には、綿密な検討に基づいて、各山に登頂する予定期日が示されている訳だが、自然が相手であり、自身の身体との関係もあって、必ずしもスケジュール通りには行かないのは当然の事だ。登頂開始(スタート)と登頂完結(ゴール)の、予定と実行とは以下のようだ。

            計画    実行

   登頂開始   4/1   4/1    

   登頂完結  10/16 10/26    

   所要期間  199日  208日18h 多少の遅れを見込んで210日以内を目標 

 登頂する順序だが、本での記載順は、北から始まって南に並んでいるが、トラバース順は、逆に、南から始まって、北で終わるとなっている。ただし、最初/最後の山は同じである。

トラバースでは、終わり近くなって、冬を迎える北海道の寒さや雪が懸念されたのだが、素人考えでは、雪解けを待って、北からスタートする方が楽な様にも思えるが、外野席からの詮索は止めにしよう。

 

 密着取材したNHKが、この様子を、BSプレミアムの2時間番組で、以下の5回に分けて放送する計画で、実際も、予定通り実行されている。 下にある期日は、図中の予定である。

    第1集 2014/5/24 放送  屋久島・宮之浦岳~四国・剣岳 (①~⑨ 4/1~5/9)

    第2集 2014/7/12 放送  紀伊半島・大峰山~南アルプス・北岳(⑩~㉒ 5/10~6/4)

    第3集 2014/8/2  放送  日本アルプス大縦断・鳳凰山~白馬岳 (㉓~㊸ 6/6~6/28) 

    第4集 2014/9/20 放送  富士山・八ヶ岳・尾瀬  関東近辺33座を巡る(㊹~76 6/30~8/7)

    第5集 2014/11/22 放送 最終回 7800km完全踏破へ! 東北・北海道24座を巡る (77~100 8/7~10/16)

 

 上記の本放送に加えて、各集の再放送や、追加の話題等、かなりの回数、TVで情報が流されているようだ。 

 これらの本放送、再放送等を、筆者は、テレビで、断片的に何度か観ているのだが、通しで観てはっきり記憶しているのは、第2集、第3集と、第5集だ。

特に、第5集では、番組放送中の11月22日夜の10時半ごろに突然起こった、長野県北部での震度6弱の地震放送のため、番組が中断してしまった。

“最後がどうなったのか観たかったのに残念”、と思っていたら、それが通じたかのように、予定を繰り上げて、1週間後の、11/29の同じ時間帯に、冒頭から放送されたので、2度観ることとなった。更に、12/7には、第5集の再放送があったようだが、都合もあってパスした。

 

 NHKでは、登山歴豊富な数人のスタッフが、全面的に支援するとともに、密着取材を行ったようだ。

とくに、登山、下山のシーンでは、カメラで映像を写しながらの動作となるので、YOKI本人以上に大変なことだ。

 番組の中で、ヘリコプターから写した映像もあるなど、多元的な取材となっていて、これらを纏めた、以下の様な取材の裏話の放送もあったようだ。

 もうひとつのグレーとトラバース~密着! 百名山人力踏破の舞台裏  2014/9/19 放送 

 

 また、現地の登山愛好家達も、支援しながら、山頂でYOKIを出迎える等、大変なコミット振りである。

【5日間密着】グレートトラバース”日本百名山ひと筆書き”①(前半) 【5日間密着】グレートトラバース”日本百名山ひと筆書き”②(後半)

 

 


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