2014年12月3日(水) ATPワールドツアー・ファイナルズ
テニスの、錦織 圭選手の今年の目覚ましい活躍は、国内だけでなく世界を驚かせた。締めくくりとなる、ATPワールドツアー・ファイナルズに出場した、錦織選手の試合を、TV朝日のBS放送等で、何度か、LIVE観戦した。
日本のテニス界にとって、新たな1ページが加わったと言えるだろう。
やや、記憶から遠くなってしまったのだが、自分の整理を兼ねて、簡単に振り返ってみたい。
○世界のテニス大会
世界のテニス界では、グランドスラム(GS)と言われる最高位の、以下の4大大会が毎年、開催されている。
1月 全豪オープン (現地では真夏) 1905~
5月 全仏オープン 1891~
6月 ウインブルドン(全英) 1877~
8月 全米オープン 1881~
イギリスの名門コートでのウインブルドン大会など、いずれも、大変な歴史と伝統を誇る大会である。 現在は、世界テニス連盟 (International Tennis Federation:ITF)が主催しているようだ。
国際的なテニス大会には、ATPのランク付けがあり、最高位はGS4大会だが、それより、低いランクとして、ATP200、ATP500等、数多くある。
これらの多くの国際大会の成績を含めた、ポイント制のランキング上位者(上位8名)による、最後の締めくくりの国際大会が、ATPワールドツアー・ファイナルズ大会(以下 ATP大会)のようで、このような大会があることは、今回、初めて知ったことだ。
ATP大会は、世界男子テニス協会(Association of Tennis Players :ATP)が主催している。 この大会が、今年は、イギリスロンドンで開催された。会場は、ウインブルドンのコートではなく、02アリーナのコートのようだ。
○ 出場資格と選手
最高位のGS大会に参加し、いい成績を取ることは、日本選手の長年の夢だった。過去には、何人か参加者はいるが、ビッグニュースにはならなかった。
それが、錦織 圭選手が、今年の、全米オープンで、準優勝となり、他のGSでも上位に入るとともに、ATP200の日本オープンで優勝する等の好成績があって、年間獲得ポイントのランキング5位となり、ATP大会の出場権を獲得したのである。
勿論、日本選手としても、アジアでも初めての快挙である。
今年のATP大会は、当初出場を予定されたのは、以下の、①~⑧の8名だ。が、③のナダルは、入院手術のため不参加となったようだ。このため、④以下が、繰り上がって組み合わせが出来た。
順位に従って、A,Bのグループに分れて、先ず、総当たりのリーグ戦があり、グループでの、上位の2名づつによって、決勝トーナメントが行われた。
また、⑧のラオニッチは、リーグ戦の途中から、棄権したため、急遽、補欠の⑩のフェレールになったようだ。
① ジョコビッチ(セルビア) A
② フェデラー(スイス) B
③ ナダル(西)
④ ワウリンカ(加) A
⑤ 錦織(日) B
⑥ マレー(英) B
⑦ ベルディヒ(チェコ) A
⑧ ラオニッチ(加) B
⑨ チリッチ(クロアチア) A
⑩ フェレール(西) B
A、Bの予選リーグの結果、決勝トーナメントの組み合わせは
A1位 ジョコビッチ ――B2位 錦織
B1位 フェデラー ――A2位 ワウリンカ
となった。
○ 観戦した試合
これらの試合の中で、眠いのを我慢して、TVのLIVE中継を観たのは、
予選リーグ 錦織――フェレール戦
準決勝 錦織――ジョコビッチ戦
フェデラー――ワウリンカ戦
である。
以下に、これらについて、記憶も薄れているので、簡単に触れることとしたい。
・予選リーグ 錦織――フェレール戦
(4-6)
(6-4)
(6-1)
当初のラオニッチ選手から、フェレール選手に、急遽変わったため、錦織選手は驚いたようで、第1セットを失ってし
まったが、第2セットでペースを取り戻し、3セットは危なげなく圧勝し、これで、錦織のB組2位が確定し、準決勝に
進んだ。
・準決勝 錦織――ジョコビッチ戦
(1-6)
(6-3)
(0-6)
本調子ではなかったと言うジョコビッチには、これまで勝ったこともあるが、第1セットは、2度ブレークされるなど、い
い所はなかった。でも、第2セットで、持ち前の粘りがでてきて、調子を取り戻し、セットをとったのである。でも、第3
セットは、初めのゲームで、2度のブレークチャンスを逃がしてしまって以降、いいところなく敗れてしまい、残念なが
ら、準決勝進出はならなかった。
・準決勝 フェデラー――ワウリンカ戦
(4-6)
(7-5)
(7-6)(8-6) タイブレーク
長年、世界に君臨して来たフェデラーが、第1セットを失ったことで、同じスイス出のワウリンカにもチャンス
か、と思ったが、経験に勝るフェデラーが、第2セットを取り、第3セットも、激戦を制して、準決勝に進出した。
第3セットは、ゲームカウントが、6-6になり、タイブレークとなった。1本づつサーブを交代しながら、一方の
スコアが7を越えて以降、2ゲームの差がつくまで続いたが、スコアが8-6となり、3セット目は、7-6でフェ
デラーがものにした。息詰まるタイブレークを観たのは、久しぶりである。
・決勝 ジョコビッチ――フェデラー
楽しみにしていた決勝戦だが、フェデラーが体調不良で棄権したため、ジョコビッチの不戦勝での優勝(一昨年
から3連続)となったのは、残念である。
○ 今後に向けて
フィギュアスケートでは、各地で開催されたワールドカップの上位者による、「グランプリファイナル」があり、先日の最終6番目の日本大会(NHK杯)が終了した。この結果を含めたポイント制で、出場者6人が決定した。日本男子からは、町田、無良、羽生選手の3人が、出場資格を得ている。今回は、残念ながら、女子はいない。
日本のフィギュアスケートの世界では、グランプリファイナル出場は、近年は、当たり前のようになっているのだが、日本人選手の活躍と層の厚さに、改めて驚かされたことだ。
テニスの世界で、これに相当するのが「ATP大会」といえるが、テニスでも、漸くにして、世界レベルに、一歩近付いてきた、という事だろうか。
GSの全豪オープンが、来年1月には始まる。GSでの初優勝に向けて、錦織選手の今後の活躍に注目したい。
一方、テニスでも、裾野が広がって、新たな選手が多く出て来る事を期待したいものだ。