2014年11月24日(月) 祝日と休日と
以前に比べて、最近は、祝休日が多くなっている。
折りしも、昨11月23日は、勤労感謝の日で、日曜日と重なったため、今日は、振替休日となっていて、土曜を含めると、3連休の最終日になる。
例年のことだが、年末が近づくと、気になる事の一つが、新年の暦や手帳だが、つい先日、来年の手帳を買い求めた。
手帳を見る迄もないが、色んな種類の祝日があり、日本の祝日の数は、現在は15で、来年の祝日数も、15で変化はない。
現役の頃は、祝休日が増えると、それだけ楽しみが増えたわけだが(一方では苦労も)、毎日が、これ日曜日とも言える自適の身の現在では、余り実感はないのだがーー。
今回は、とりとめの無い、祝休日に関する話題である。
◎ 祝日の意味
我が国の祝日は、言うまでも無く、意味があって祝日となっている訳だが、先ず、この点から見てみたい。
自分流の分類だが、以下のような、A、B、Cのグループになるだろうか。 それぞれの祝日の意味付けは、国民の祝日 - Wikipediaから引用させて貰っている。
A 国の成り立ち
名称 月日 意味付け「 」
・建国記念日 2月11日 「建国をしのび、国を愛する心を養う」
旧紀元節(神武天皇即位)
・昭和の日 4月29日 「激動の日々を経て、復興を遂げた昭和の時代を顧み、国の将来に思いをいたす」
以前の昭和天皇誕生日→みどりの日→昭和の日
・憲法記念日 5月3日 「日本国憲法の施行を記念し、国の成長を期する」
・天皇誕生日 12月23日 「天皇の誕生日を祝う」
今上(平成)天皇
B 自然の中で
名称 月日 意味付け「 」
元日 1月1日 「年のはじめを祝う
春分の日 3月3月曜 「自然をたたえ、生物をいつくしむ」
春の彼岸の中日 旧春季皇霊祭を改称
みどりの日 5月4日 「自然に親しむとともに、その恩恵に感謝し豊かな心を育む」
5月3日と5日の間の休日→みどりの日
海の日 7月3月曜 「海の恩恵に感謝するとともに、海洋国日本の繁栄を願う」
海の記念日 以前は7月20日
秋分の日 9月2月曜 「祖先を敬い、なくなった人々をしのぶ」
秋の彼岸の中日 旧秋季皇霊祭を改称
C 人々の営み
名称 月日 意味付け「 」
成人の日 1月2月曜 「大人になったことを自覚し、自ら生き抜こうとする青年を祝いはげます」
以前は1月15日 小正月
子供の日 5月5日 「こどもの人格を重んじ、こどもの幸福をはかるとともに、母に感謝する」
端午の節句 母に感謝するという意味もあるようだ。
敬老の日 9月3月曜 「多年にわたり社会につくしてきた老人を敬愛し、長寿を祝う」
以前は9月15日 老人の日を名称変更
体育の日 10月2月曜 「スポーツにしたしみ、健康な心身をつちかう」
以前は10月10日(1964東京オリンピック開会式)
文化の日 11月3日 「自由と平和を愛し、文化をすすめる」
憲法公布日 旧明治節(明治天皇誕生日)
勤労感謝の日11月23日 「勤労をたつとび、生産を祝い、国民たがいに感謝しあう」
旧新嘗祭(新米を頂く) 収穫祭
◎祝日の期日
他方、我が国の祝日について、期日の決まり方から見ると、以下のように、Ⅰ、Ⅱ、Ⅲのグループに分けられるだろうか。
Ⅰ グループ:日にちそのものに重要な意味(前述)があるため、期日が決まっている祝日(月日固定)
元日 1月 1日
建国記念日 2月11日
昭和の日 4月29日
憲法記念日 5月 3日
みどりの日 5月 4日
子供の日 5月 5日
文化の日 11月 3日
勤労感謝の日 11月23日
天皇誕生日 12月23日
Ⅱ 太陽の運行から、年ごとに期日が決まる祝日 (年による差は、±1日)
2013 2014 2015 2016
春分の日 当年の春分日 3/20 3/21 3/21 3/20
秋分の日 当年の秋分日 9/23 9/23 9/23 9/22
Ⅲ 祝日の期日を固定することに、そんなに大きな意味が無い場合は、従来の固定期日と同じ頃の第N月曜を、曜日固定とする祝日(ハッピーマンデー制度) 移動祝日とも呼ぶ。
従来は、期日固定の祝日が休日と重なると、月曜を振替休日としていた。 新制度では、休日はそのままで、月曜を積極的に祝日としたもので、
振替休日→祝日
と、呼称を変更したものとも言える。 祝休日数は変わらない。
成人の日 1月第2月曜日(従来は期日固定の1月15日)
海の日 7月第3月曜日(従来は期日固定の7月20日)
敬老の日 9月第3月曜日(従来は期日固定の9月15日)
体育の日 10月第2月曜日(従来は期日固定の10月10日)
尚、Ⅰグループの月日固定の祝日が、休日(日曜日)と重なった時は、以前のように、翌日の月曜日を、振替休日とする。
今年は、今日、11月24日がこれに該当する。 又、祝日が土曜日に重なっても、振替休日はない。
◎ 祝日と休日
○ 国民の休日
用語について、改めて見てみると、一般用語として「休日」とは、祝日や日曜日に、土曜日も含んだ、「休みの日」のことである。 週休二日制などという言い方はこれになる。
でも、法律上の用語としては、祝日とは法律で定められたもの(国民の祝日)だけを言い、狭義では、休日とは、日曜日の事だけを指しているようだ。 前述のように、祝日が休日と重なると、月曜が振替休日となる。
ここで、ややこしい話だが、祝日、休日、振替休日とは異なる、「国民の休日」なるものもあるようだ。サンドイッチ型に、祝日と祝日に挟まれた日のことで、以前の5月4日がこれに当たるという(今は、祝日みどりの日)。勿論、狙いとしては、3連休にして、国民の休みを増やすということだ。
そして、来年(2015年)9月のカレンダーでは
敬老の日 -9月第3月曜日―21日
秋分の日 -秋分日 -23日
という巡りあわせから、間に来る、-22日 が、国民の休日になるという。
来年の手帳にも、そのように表示されている。 このような、国民の休日は、次は、1932年まで無いというから、来年は、大事にしたいもの。
○七曜制
7日からなる週を単位として繰り返す習慣(暦 カレンダー)は、古来から使われており、七曜といい、各曜日に、日、月、火、水、木、金、土の天体を対応させている。
ここで、休日という視点で見ると、七曜制の西洋などでは、日曜日は、安息日の休日で、教会に行って神を崇めるという習慣が、古くから確立していた。
一方、我が国では、江戸時代などの、六曜では、
先勝 友引 先負 仏滅 大安 赤口
の各日で、生活上の行事等の吉凶を対応させていたようだが、残念ながら、休息日といった記述は見当たらない。
我が国には、
貧乏暇なし
稼ぎに追いつく貧乏なし
働かざるもの食うべからず
などにあるように、働く事、身体を動かす事が「善」で、のんびりと休むことは「怠慢」「悪」だ、といった価値観があっただろうか。庶民には、休めるほどの蓄積がなかった、とも言えよう。
労働再生産のために、積極的に休むようになったのは、そんなに古い話では無い。今年、世界遺産に登録された旧富岡製糸工場で、明治初期に、羽織袴姿で格好良く働く工女たちが、日曜はしっかりと休む、というスタイルが、大きな話題だったようだ。
太陽暦に切り替えられ、七曜制が採用された明治6年以降は、日曜日は、休みになったようだ。
土曜日は、自分が体験したことだが、以前は、半ドンの仕事日で、役所も業務をやり、学校も登校日だった。それが、隔週で休み、などと、次第に休日に変わってきて、現在は、特別な業務を除いて、社会全体として、土曜日も休日という、週休2日制が定着している。
「ローマの休日」(Roman Holiday)という映画があり、オードリー・ヘップバーンとグレゴリー・ペックが好演する、大好きな映画の一つだが、ここでいう休日とは、楽しく愉快なお休みの日ということで、カレンダー上では、何曜日かを云々するのは、野暮というものだろう。
◎ 山の日
戦後になって、祝日も、増えてきている。筆者が社会人になった、1972年以降では、
みどりの日
昭和の日
海の日
体育の日
が、あらたな祝日となっただろうか。
祝日といえば、既にある海の日に対し、山の日も、ということで、8月11日を、国民の祝日、山の日とすることが、国会で決まったようだ。 昭和28年(2016年)より実施されることとなっているようで、祝日が増えて、16日となる。時期的に、お盆休みと繋がりやすいが、月日固定の方いいのだろうか。
山の日 8月11日 「山に親しむ機会を得て、山の恩に感謝する」
でも、来年の手帳の見開きにある、案内用の2016年のカレンダーの8/11には、その表示がない。2016年当年のカレンダーではないので、基本的には、何の問題もないのだが、カレンダーに関連の深い手帳業者にしては、うっかりしたのだろうか。それとも、まだ、実施細則などが出来ていない、などなのだろうか。
◎世界の祝日
日本は、先進国では、祝日数が最も多いとあり、休み難い国柄・風土がその理由という説明があったのだが(国民の祝日 -Wikipedia)、幾つかの国の祝祭日について、ネットで調べて見た。
国名 祝日数(月日固定|移動祝日) 記事
日本 15(9|6) 春分・秋分は移動祝日に
イギリス 7(3|4) 他に地域だけの祝日5
ドイツ 9(5|4) 他に地域だけの祝日6
フランス 13(8|5) 移動祝日はキリスト教関連
アメリカ 11(5|6) 歴代の大統領の日あり
韓国 15(8|7) 日本から解放された日も祝日(光復節)に
旧歴の月日固定7は、新暦では移動祝日に
中国 16(10|6) 特定者だけ休みの祝日が多い(子供は1日、女性、青年、軍人、教師・学生は、それぞれ半日)
国慶節は3日間休日
中国歴の月日固定6(春節3日間等)は、新暦では移動祝日に
他に休みなしの祭日も多い
・各国それぞれに、祝祭日が決められているが、欧米では、宗教関連の祝祭日が多い。
・中国では中国暦の春節、韓国では旧暦の正月や秋夕(お盆)も、祝日になっている。
日本の正月は、祝日は、元旦だけだが、習慣的に、3日までの3ヶ日は正月休みで、事実上、祝日が2日増えている。
・月日固定の祝日の他、欧米では、移動祝日(大半が、曜日固定の祝日)も多い。
キリスト教圏での最大の宗教行事と言われる復活祭は移動祝日だが、旧暦と新暦(グレゴリウス暦)の関係や教会の系列などが
絡んで、復活祭行事の期日の決め方が、重大事項のようだ。
・日本の祝日を改めて見て見ると、天皇制との関係の深さに、いささか驚かされる。
神武天皇即位→旧紀元節→建国記念日
皇霊祭
以前は、春・秋の彼岸の中日も、春季・秋季皇霊祭として、天皇制と結びつけていたようで、戦後になって、それが解き放た
れ、自然や、祖先を崇める日になったようだ。
春分日 旧春季皇霊祭→春分の日(皇霊→自然)
秋分日 旧秋季皇霊祭→秋分の日(皇霊→祖先)
天皇誕生日
明治天皇誕生日→旧天長節、旧明治節→文化の日
昭和天皇誕生日→→→昭和の日
平成天皇誕生日--------平成の日(?)
○○天皇誕生日--------○○の日(?)
今後、天皇制が続く限り、天皇誕生日は、増えていく訳だが、昭和の日は、特別のようにも思えるが、どうするのだろうか。
アメリカでは、歴代大統領を讃える、大統領の日と言うのがあるようだ。
我が国の祝祭日には、宗教的なものは無いが、強いて言えば、皇室の祖先として、広い意味で神道との関係が深い、と言
えるだろうか。