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Channel: つれづれの記
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紅葉に因んで

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2014年11月12日(水)  紅葉に因んで

 

 

 先週だろうか、テレビを見ていたら、秋山の紅葉に因んで、

    「山 装う」(やま よそおう)

という、俳句の季語が紹介された。 粧う とも書かれるようだ。

紅葉の美しい風景は、錦秋などとも言われるが、擬人化した表現が素晴らしい。

  (ネット画像)

 

この種の季語では、自分としては、春の山の風景を表した、

        「山 笑う」(やま わらう)

が大好きである。 何と大胆な表現だろうか! 

下記ブログ記事でも触れている。

     風の色はなんの色  (2010/1/31)  

  (ネット画像)

 

この流れで、冬はどうだろうか、と調べたら、

       「山 眠る」(やま ねむる)

という、立派な季語があるようだ。

  冬山の静かな風景が目に浮かぶ。 雪国育ちの筆者の感覚では、やはり、下図のような、雪に覆われた、里に近い白い山がイメージされる。

  (ネット画像)

 

   最後に、夏はどうだろうか。

余り知られていないようだが、ネット情報では、 

       「山 滴る」(やま したたる)

とある。 木々の緑の葉から、日射しが滴り落ちるような風景だろうか。 

 夏山についてこの言葉を知る前は、筆者には

       「山 輝く」 「山 響く」

等も思い浮かんだがーーー。

  (ネット画像)

 

  ネットには、これらの季語を使った、沢山の俳句が出ている。その中から、幾つかを引用させてもらった。

また、筆者には句作の経験はないのだが、捻りだした幾つかの駄句も載せてある。 

 

 

山笑う  ネット  遺伝子についての講義山笑う

             山笑うねずみ捕らない猫ばかり 

      筆者   入学に向かう車窓の山笑う

            何時しかに温もりの来て山笑う

 

山滴る  ネット  甲斐の山滴る中へ帰郷かな

            リスもいてグリズリもいて山滴る

      筆者   山滴る葉陰もとめて登山道

            ダムの道通う後ろに山滴る 

 

山装う  ネット  山粧う空は離れていくばかり

            山装うプレハブ小屋の十字旗

      筆者   山装い赤黄緑の三つ揃い

            一歩づつ愛でる道々装う山

 

山眠る  ネット  手で開ける電車のドアや山眠る

            山眠る♪のごとくに★がある

      筆者   生きものも山も眠って人の里

            噴石も灰も包んで山眠る 

 

  これら4種の季語の出典は、中国 宋時代の「臥遊録」という文献のようだ(他の説もあるようだがーーー)。

それには、以下のように出ていると言う(山笑ふ・山粧ふ・山眠る(『改正月令博物筌』・『臥遊録』より) 等) 

     春山(しゅんさん)淡冶(たんや)にして笑うが如く、

        夏山(かさん)蒼翠(そうすい)として滴(した)たるが如く、

        秋山(しゅうさん)明浄(めいじょう)にして粧(よそお)うが如く、

        冬山(とうさん) 惨淡(さんたん)として睡(ねむ)るが如し

 

 


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