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韓国大統領が罷免に

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2017年4月4日(火)  韓国大統領が罷免に 

 

 この所、内外の大きな、興味深いニュースが続いていて、目が回りそうだが、そのうちの一つが、3月10日、韓国憲法裁判所が、朴槿恵(パク・クネ)大統領の、国会での弾劾は正当であると判断し、罷免が決定された事案である。そして、前大統領に対して、検察が、逮捕状を請求し、又しても、ソウル中央地裁が、逮捕を妥当と判断し、収監されたというニュースも流れている。

このようになると予想していた筆者には、大きな驚きは無かったのだが、韓国国内では、罷免は妥当とする勢力と、罷免に反対する勢力との衝突があり、死者が3人も出ているようで、国論は、2分されているともいう。こんな中で、つい先日は、沈没して多数の犠牲者が出たフェリーセオウル号の引き上げが行われたようだ。

 韓国憲法の規定により、罷免から60日以内に、新たな大統領を選ぶ必要があり、大統領候補者の擁立を巡って、野党、与党内の様々な動きがあるようだ。最大野党の、ともに民主党の文在寅(ムン・ジェイン)候補が優勢と言う。氏は、前回の選挙戦で、前大統領に惜敗しているようだ。

大統領選の投票日は、規定されている60日ギリギリの、5月9日にしたようだ。この日は、平日の火曜日だが、何と、国全体を臨時休日にするという。

 又、北朝鮮は、5年目となる金正恩(キム・ジョンウン)総書記体制の下、核とミサイルの開発をすすめる一方で、クアラルンプール空港で、総書記の異母兄の金正男(キム・ジョンナム)氏が、公然と毒殺されるなど、極めて刺激的なニュースである。北朝鮮が、何をしでかすか分からない危険な時期だけに、韓国が揺れているのは、気がかりである。

 

 当ブログでは、韓国関連では、これまで、下記記事 

   日韓外相会談―従軍慰安婦問題  (2016/1/4)  

等で、何度か触れている。

 本稿では、最近の状況について、筆者なりの印象を、簡単に述べることとしたい。

 

  

○ 今回の事件―操り人形

 弾劾を妥当とした憲法裁判所の判決文では、前大統領には、どんな罪があるというのだろうか。また、知人の崔順実(チェ・スンシル)容疑者との関係はどうなのだろうか。詳細については、ここでは省略したい。

 前大統領は、父親である朴正熙(パク・チョンヒ)大統領の娘として、外国に留学するなど、極めて良い環境で育っている良家のお嬢さんだが、若くして事件で母親を失い、その後、父親の朴正煕大統領も、暗殺事件で失うなど、極めて不幸な運命のようだ。

前大統領が、どんな経過で、大統領に選出されたのかは、未調査だが、親の七光も大きかったと思われ、当初は、ハンナラ党のジャンヌダルクなどと持ち上げられて、期待も大きかったようだ。(朴槿恵 - Wikipedia など)

 こんな中で、崔容疑者が接近した様子は、TV等で、詳しく報道されており、操り人形になっていったようだ。世襲や七光りだけでは立ち行かない、政治の現実を見る思いだ。

国内では、彼女はこれまで、「初めての女性大統領」と称えられる一方で、「氷姫」などと揶揄されたが、今般、「初めて罷免された大統領」という、不名誉なあだ名も加わった。

 

○ 韓国の歴代大統領

 1945年の世界大戦の終了後、北緯38度線を境に、南北に分断された朝鮮半島で、1948年に、アメリカの後押しで、半島の南に韓国が建国され、初代の、李承晩(イ・スンマン)大統領が誕生している。その後、1953年に朝鮮動乱が勃発し、大国を後ろ盾とした南北間で、熾烈な戦いが繰り広げられている。

 その後、12年も続いた李大統領が交代したが、大雑把に韓国の政治史をみると、初期の数代は独裁的で、軍事政権やクーデターなどもあったようだ。在任期間が17年と居座った大統領もいる。

 1987年に、第六共和国憲法が制定され、大統領の選出は、間接選挙から直接選挙となり、任期は五年で、再任を禁止することとなった。1988の選挙から、これが実行され、盧泰愚(ノ・テウ)新大統領が選ばれた。これで、国内の民主化が、一歩前進したとされ、以降、これが守られて現在に至っている。 概況を、下図に示す。(大統領 (大韓民国) - Wikipedia など)

大統領名

読み方

当時の日本での呼称

就任日

退任日

記事

 

李承晩

イ・スンマン

りしょうばん

1948.7.20

1979.10.26

   多選可能な選挙制度に

 李承晩ライン設定

許政臨時代行

 

 

 

尹潽善

ユン・ボソン

1960.8.13

1962.3.22

軍事クーデターで辞任

 

 

朴正煕

パク・チョンヒ  ぼくせいき

1963.12.7

1979.10.26

軍政

日韓基本条約

暗殺 

崔圭夏臨時代行

 

 

10

崔圭夏

チェ・ギュハ

1979.12.8

1980.8.16

粛軍クーデターで辞任

朴忠勲臨時代行

 

11

12

全斗煥

チョン・ドファン

ぜんとかん

1980.9.1

1988.2.24

粛軍クーデター

光州事件

第五・六共和国憲法制定

 

 

13

盧泰愚

ノ・テウ

1988.2.25

1993.2.24

金大中事件

ソウルオリンピック

 

14

 

金泳三

キム・ヨンサム

1993.2.25

1998.2.24

 

軍関係政治からの離脱

 

15

金大中

キム・デジュン  きんだいちゅう

1998.2.25

2003.2.24

 

北との太陽政策

 

16

盧武鉉

ノ・ムヒョン

2003.2.25

2008.2.24

弾劾訴追で失職・復活

高建臨時代行

収賄疑惑で自殺

 

17

李明博

イ・ミョンバク

2008.2.25

2013.2.24

竹島上陸

 

18

朴槿恵

パク・クネ

2013.2.25

2017.3.10

従軍慰安婦問題日韓合意

弾劾で罷免

黄教安臨時代行

 

 

19

 

 

 

 

 

 

 

 

   

 韓国では、初代以降、朴前大統領までで、まだ18人目とは驚きである。日本の首相は、第一次吉田内閣以降、現安部総理で、もう、32人目である。

 でも、韓国では、政治的な独裁はなくなって、民主化が進められたものの、汚職がらみのスキャンダル等はいまも絶えないようで、前大統領も例外ではなかった。

地位や権力を利用して、我自身や身内の利益を図るというのは世の常だが、特に韓国ではこの傾向が強いようで、国民体質的な弱点だろうか。

歴代大統領それぞれの末路が、それを、雄弁に物語っているようだ。(韓国大統領歴代一覧と在任期間 なぜ暗殺や逮捕が多い?

 

 戦後の我が国でも、汚職スキャンダル等は無いわけではなく、田中角栄首相のロッキード事件が最たるものだが、悲惨な末路を辿ったという政治家の話は、あまり知らないところだ。

日本での、昭和40年頃の安保闘争や、昨年の安保法制騒動では、国論が2分したが、これらは、政治闘争で、ある意味、健全性を示している、とも言える。

それに対して、今回の韓国の騒動は、政治・思想闘争ではなく、汚職疑惑、情報漏洩疑惑など、かなり低レベルの問題で国内が紛糾しているわけで、韓国の若い諸君は、情けなさにうんざりしているのではないか!

 

 

○ 韓国の今後

 次の大統領の選出に向けて動き出した韓国で、一日も早く、正常な政治と社会活動が回復するのを祈るばかりである。   

前述のように、この所の北朝鮮の動きに目が離せず、韓国と、日・米・中等の連携した対応が重視される。

 今後できる韓国新政府の対日姿勢の変化も、気になるところだが、抗議の意思表示で、一時帰国していた駐韓の長嶺大使が、今日、帰任したというニュースは、日本の積極的な姿勢を示すもので喜ばしいことだ。

従軍慰安婦問題など、後ろ向きの問題を早期に解決して、長年の隣国として、経済関係の回復や来年のピョンチャンオリンピックの成功などに向け、日韓が、大いに協調していきたいものである。  

  

 余談:

   今回、韓国の歴代大統領の名前等を調べるなどしたが、呼び方が、なかなか、覚えられず、難渋した。

   前出の大統領一覧表に、韓国式の呼称と、聞き慣れた日本式の呼称(特に、当時の)とを、一部併記している。

  国際的には、人名や地名などの固有名詞は、次第に、現地住民が日常的に使っている呼称や表記法を使う、というルールに、少しづつ変わってきているだろうか。

 しかし、韓国や中国に関しては、以前の日本時代の関係もあり、まだまだ、日本国内では、古い使い方も混在しているようで、特に、筆者に関する限りは、そうである。

 でも、例えば、韓国の人名に関しては、日本国内では、呼称では、李は、りでなく、イとなり、朴は、ぼくでなく、パクとなる一方、表記では、漢字表記が全く無くなって、カタカナか、更には、ハングル文字になる日がやってくるのだろうか。

 

 

  

 

  


小池都知事ー豊洲移転の決断

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2017年4月12(水)  小池都知事―豊洲移転の決断

 

 

  昨年7月末の東京都知事選で、新たに、小池都知事が誕生して、まだ、8か月程だが、次々と身近な話題が生じていて、都民の一人でもある筆者にとっては、目が離せないところだ。

当ブログでは、これまで、新都知事に関して以下のように取り上げてきているが、最近は、特にテンポが速く、フォローできていない状況だ。

    新東京都知事         (2016/9/6)

    新東京都知事    その後(2016/9/30)

    新東京都知事   続その後(2016/10/16)

    新東京都知事  続々その後(2016/11/3)

 

 報道では、これまで、築地市場の豊洲移転に関連する話題や、オリンピックの会場に関するものが、多かったのたが、最近では、この夏の、都議選をめぐるニュースも、熱を帯びている。

 今回は、とりあえず、豊洲移転問題の大まかな経過と最近の状況について取り上げ、一区切りとしたい。

 

○ 移転時期の延期

 周知のように、新装なった豊洲新市場へは、昨年11月15日に移転することとなっていた。

これに対して、小池知事は、就任後の昨年8月、移転の延期を発表した。理由は、

    ・地下水などの安全性への懸念

     この1月に、地下水モニタリング調査の最終9回目の結果が出るので、それを見てから移転の可否を判断する

    ・6000億円と大幅に膨れ上がった整備費の検証

      ・耐震性などについての事業者に対する情報公開の不足

等と言われた。

 

○盛り土無し/地下空間ありが発覚

 移転延期を決めた後、建物を新築した豊洲の土地に、本来あるべき「盛り土」がなされていないことが発覚した。また、建物の地下部分に、図面にはない大きな空間があり、そこに、地下層から染み出したとみられる、かなりの水(汚染水?)が溜まっていることも判明した。

このように、これまで公表されていた情報と、土地建物の実態が食い違っている事が分かり、大問題となった。

盛り土がなされていなかったことから、都の環境局が以前に行った環境アセスメントのやり直しも必要となり、かなり、時間がかかると言われた。 

 これらから、安全性確保の前提が崩れたとして、汚染対策や建物の耐震性等を改めて検証し、報告書を纏めたうえで、この夏ごろに判断することとなった。

 

 盛り土なし/地下空間ありの問題には、二つの側面があるだろうか。

    ①安全性の問題

     盛り土が無くても、コンクリート被覆があるから問題はないのか?

     環境アセスメントのやり直しが必要とされたが、その後どうなったのか?

     地下空間に溜まっていた水は、現在はどうなのか? 

   ②事実と異なる報告等の問題 

     地下空間の存在⇒独善的な縦割りの仕事の進め方(連携がない)

     盛り土なしで実行⇒工期短縮で経費節減?

                  業者とつるんだごまかし? 

     事実と異なる表示や報告 ⇒ガバナンスの欠如

 

○地下水モニタリング最終結果にびっくり!

 この1月の第9回目の調査は、201箇所で行われたが、約3分の1に当たる、72箇所から、

   ・最大で環境基準の79倍のベンゼンを検出

   ・検出されてはならないシアンを検出

2014年から8回にわたって行ってきたモニタリング調査では、ほぼ、問題がなかったのに、最終回で、、とんでもなく悪い値が検出される結果となり、またもや大騒ぎとなった。 

 急遽、調査する主体や調査方法(4機関で並行)を変えて、1か月程を掛けて、再調査が行われた。そして、この3月下旬に、再調査結果が公表された。

再調査は、27箇所で行われたが、結果は下記のように、9回目よりも悪く、環境基準を超える有害物質がみつかったようだ。

  ・環境基準の最大100倍の ベンゼンを検出  25か所

  ・検出されてはならない シアン を検出  18か所

  ・検出されてはならない ヒ素 を検出  5か所 

この結果について、自身も再調査に加わった、専門家会議の平田健正座長は

  ・土壌中に有害物質が残っている可能性

  ・地下水をくみ上げるシステムが最近稼働しているため、汚染された地下水が広がった可能性

があると述べたようだ。そして、

  「汚染土壌に人が接触したり、地下水を飲んだりするリスクは無いため、法律的、科学的には安全である」

と断言したようだ。これは、筆者には、大きな驚きであった。

 (本項は、「豊洲か築地か 移転はどうする?」(時論公論) | 時論公論 | NHK 解説委員室 | 解説アーカイブス 等を参照)

 

○都議会百条委員会

 一方、都議会でも、豊洲にあった東京ガスの工場跡地を取得し、そこに、新市場を移転することに決定した経緯をめぐって、都議会内に、百条委員会が設置され、当時の関係者や責任者の証言が聴取された。詳細は略すが、汚染物質の除去や瑕疵担保責任等が論議されたが、結局、新たな事実は見つからなかったようだ。

 

○現築地市場の改修案

 豊洲新市場の問題で、もたもたしている一方で、急遽、都のプロジェクトチーム(小島敏郎座長)が、現市場の業務を中断せずに、施設を改修する案を検討し、最近、市場関係者に説明された様だが、大変な反発があったという。

筆者としては、改修案の内容を調べる意欲も湧かないところだ。 

 

 以上述べてきた各事案について、筆者としては、時間的な前後関係、事案相互の関連、出てきた問題等のその後の措置等については、十分把握してはいないのだが、いくつかの率直な疑問や意見を以下に述べて、この問題を締めくくることとしたい。 

イ、昨年の都知事選の時に、小池候補は、豊洲移転をどのように捉え、いくつかの問題があるという情報を把握していたのだろうか。安全性に関し、盛り土がされていない問題、土壌汚染がかなり残っている等を知っていたとは思えないがーー。 

前述のように、知事は、移転延期を判断するにあたって、

 ・安全性については、最終結果を見ないで、それより早く移転時期を決めていたのはおかしい。最終回の結果をみてから判断すべきだ。

と、常識的に分かりやすい論理に従ったのだと思われる。むしろ、安全性以外の

 ・整備費が巨大になってしまった状況の精査、

 ・建物の耐震性等に対する事業者への説明

等を意図したようにも思える。 都知事選でも、これらを取り上げていたのだろうか。

 

ロ、地下水モニタリングの意義

 上述のように、9回目の最終調査結果が、予想に反して、基準を超える異常値となり、再調査が行われたが、この結果も、やはり異常値であったようだ。

この結果に対する専門家会議の平田座長の発言は、上述の通りで、マスコミでも報道された。筆者の率直な印象は、土壇場で、“梯子を外された”という思いである。

  法律的、科学的に、どのような状況を「安全」と言うのかは、筆者は、よくは知らないのだが、土壌汚染による人の健康被害の防止を目的に制定された、根拠となる「土壌汚染対策法」(平成14年5月 法律第53号 略称:土対法)では、

   人が汚染された土に触れたり、汚染された水を飲んだりしない対策が必要

とされ、これを充たしていれば、「安全」ということのようだ。

 豊洲新市場では、盛り土の有無にかかわらず、地表はコンクリートで覆われ、地下水を業務用としては使用しないことから、法的には安全であるという。平田座長は、開き直ったように、明言しているのである。

 それならば、もっともっと早い時期に、専門家会議として、盛り土がされていなくても、地下水に環境基準を超える有害物質が検出されても、安全性に問題は無い、と、発言出来なかったのだろうか。

 

 これまで、地下水のモニタリング調査を行って来たのは、消費者に「安心」して貰うための、いわば、上積み対策(おまけ策?)というのだろうか。土対法では、対策終了後も、地下水を定期的にチェックすることとされているがーー。最近のマスコミの報道のトーンも、やや、変わってきたようだ。

 小池新知事は、選挙戦の時期から、モニタリング調査のこのような位置づけと意義を承知の上で、最終結果がでてから判断したい、としていたのかも知れない。悪い値が出ることは、勿論、想定外だったろうが! 

 

 平田座長は、法的だけでなく、科学的にも安全としているが、後者はどういう意味だろうか?

地下水の汲み上げ禁止や、上水道との区分は、明確なのだろうか。

筆者には、東京湾周辺で巨大地震が生起した場合の安全性が気になるところである。地震で、地下に埋設された汚染物質や地下水が、地表に出てくる事態になれば、安全性はどうだろうか。

心配すればきりがないと言われそうだがーーー。

 

ハ 石原元知事の発言

 百条委員会での証言で、石原元知事は、“小池知事は、安全と安心を混同している”と批判し、専門家も安全と言っているのだから、(豊洲移転を決めた当事者としては当然ながら、)早期に移転すべきだ、と述べた。

また、“風評被害を恐れるのは、近代国家として恥ずかしい事だ”とも述べている。

 

 安全と安心については、前項ロで触れたところだ。

 一方、風評被害についてだが、原発事故での放射能汚染問題にみるように、現実には、国内外からの風評被害は厳然としてあり、「根拠のないただの風評だ」と言い切るには、膨大なデータや検証が必要とされ、一定の時間の経過も必須だろう。

 板子一枚の船底の下は、底なしの海という環境で働く海の男の心意気は演歌になる。が、魚市場の建物が建つコンクリートの下には、ある程度の汚染物質が残っている一方、汚染されている地下水は利用しないから安全だ、というのは、庶民感覚的には、引っかかるものがあるのは自然だろう。

 

ニ、最終判断の時

 都知事としては、「市場の在り方戦略本部」を、俄かに設置して、市場問題の決着を図りたいようだ。ここで論議した上で、市場の今後の方向付けを行うようで、先日の4/3に、第1回が開催されている。(市場のあり方戦略本部(第1回)の開催について|プレス発表|東京都中央卸売市場

この組織は。決断する知事の負担を減らす狙いだろうが、屋上屋を重ねる回りくどい印象もある。

    

 この夏の7月2日には、都議選が行われる。市場移転問題は、都議選の争点にはしない/ならない、と言われるが、最終判断が行われるのは、選挙前か、選挙後か、不透明である。でも、筆者には、後者になりそうな予感がある。

 昨秋に移転を延期して以降、現在まで、一日500万円とも言われる豊洲新設備の維持費がかかり、移転を見込んで準備していた事業者への補償も必要だ。

 

 今は、じっくり検討を行っている状況ではなく、速やかに方向付けすべき時である。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

  

 

 

 

 

 

トランプ大統領の100日  1

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2017年4月19日(水)  トランプ大統領の100日  1

 

 

 昨年11月のアメリカの大統領選挙で、共和党のトランプ候補が当選するという、予想外の結果となって以来、アメリカをめぐって世界中が大きく揺れている。

この1月20日に、トランプ氏が、新しくアメリカの第45代大統領に就任したが、就任後、次々と、大統領令を発出したり、連日のように、ツイッターでつぶやくなど、慌ただしい動きが続いていて、既に、2か月も過ぎ、間もなく、ハネムーン期間として、好意的に見てもらえると言われる、就任100日を迎えようとしている。

 

 大統領選挙やその後については、当ブログでは、下記記事

     アメリカ合衆国 1     (2016/11/29)

     アメリカ合衆国 2 真珠湾 (2016/12/12) 

で、簡単に触れただけで、就任後は、余りの変化の多さに、フォローするのを諦めている。代わりに、アメリカ自身をもっと理解する方向に切り替え、以下のように、建国の歴史や地理等を、扱ってきたところだ。御蔭で、アメリカの50州は、ほぼ、諳んじられるようになっている。

     アメリカ合衆国 3~6  2016/12/22~2017/1/10)

      州を覚える   1~3  2017/1/13~1/21)

      アメリカの自然 1~4  2017/1/26~2/6)

      アメリカの産業―農業、―サンベルト (2017/2/11~2/19)

 

でも、アメリカでの実際の政治の動きが気になるところで、以下のような話題

   ①閣僚等の体制整備

   ②日米首脳会談

   ③入国規制問題 

   ④オバマケアの取り下げ

   ⑤米中首脳会談

   ⑥米国のシリアの爆撃

   ⑦日米経済対話

等が、立て続けに飛び込んできている。

 

 これらについて、「トランプ大統領の100日」シリーズとして、筆者の関心の赴くまま、大雑把に見てみることとした。 

 

①閣僚等の体制整備

 アメリカでは、大統領が交代すると、前の大統領の時の閣僚だけでなく、各省庁の政府高官まで、3000人ほどもが、入れ替わるようだ。閣僚クラスの人事では、上院の承認が必要と言う、高いハードルがある。

 日本の場合、国会で首班指名があると、一気に、大臣候補者が指名され、皇居で、形式的な認証が行われて、閣僚が決まる。 副大臣等の、省庁関連の政治ポストも引き続き任命される。これらについての、国会の承認は必要ではない。

 一方、各省庁の高級官僚は、前政権の時のまま、残るのが通例である。

 米国とは大変な違いである。

 

 今回のトランプ政権の閣僚等の出身母体には、勿論、州知事経験者などの政治家もいるが、以下の、3G関係者が多いと、揶揄的に言われているようで、これまでの政権とは、大分状況は異なるようだ。

   大富豪 :Gazillionaire

   GS  :Goldman Sacks(銀行家)

   将軍  :General(軍人) 

そしてアメリカでは、前述のように、閣僚候補者は、上院で所信を述べ、承認を得なければならないルールだ。

1月20日の就任当日までに上院で承認済みの閣僚は2人だけだったという。

これまでの政権では例を見ない、最悪の未承認ぶりのようで、やや古いデータたが、2月20日の時点では、閣僚が決まっていない省庁が、21人中、7人が未承認ともいわれた。中には、指名された候補者が、自身のビジネスとの関係で、利益相反の問題があって就任出来ず、辞退せざるを得ないケースもあったようだ。

  閣僚は決まっても、官僚のポストには、何と、いまだに空席もあって、実務が稼働していない部署もあるとも言われる。

現状はどうなのだろうか、全容を知りたいところだ。

 

 主な閣僚として、以下のような陣容が、出来つつあるようだ。

   ポスト   氏名       経歴等       記事 

   副大統領 M.ペンス氏 インディアナ州知事 日米経済対話 4月来日 

   国務長官 R.ティラーソン氏 実業家(石油) 2月来日

     国防長官 J.マティス氏 中央軍司令官(海軍大将) 「狂犬」 1月来日

    商務長官 W.ロス氏   投資家  知日派 4月来日

   USTR代表 R.ライトハイザー氏 弁護士 USTR次席代表

   国連大使 N.ヘイリー氏 サウスカロライナ州知事  女性 インド系

   駐日大使 W.ハガティ氏   実業家  夏頃に着任予定

 

 大統領の側近中の側近として、上院の承認が不要な、数人の補佐官がいる。

安全保障担当のフリン氏が、大統領就任後間もなく、対ロシア疑惑で、解任されたのは、大きな驚きだった。

その後任として、軍人上がりの、マクマスター中将に交代した。氏は、湾岸戦争当時からの名うての軍人で、各方面の信望も厚いようだ。米ロ関係をめぐって、ウクライナ問題などで、大統領と意見が異なるとも言われている。  

 補佐官には、他に、バノン補佐官、フリーバス補佐官がいる。

それぞれの役割は、把握していないが、バノン氏は、選挙当時から、陰の大統領ともいわれ、隠然たる存在のようで、新設された「戦略企画官」である、主席戦略官として、大統領令の発出等にも、大きくかかわったと言われる。

フリーバス氏については、情報不足である。

大統領府内での、3人の勢力争いが見ものとも言われている。

 

 そして、ごく最近の4/5に、バノン氏の役割が変わって、米国の安全保障会議(NSC)のメンバーから、外れたというニュースだ。 NSCメンバーとして、新たに、統合参謀本部議長、国家情報長官(NID)が加わったと言う。

マクマスター補佐官の力が、強くなったとも言われるが、マスコミでは、これまで、素人のバノン氏がNSCメンバーだったのが問題だったようで、漸く、本来の陣容になったと言われている。 

北朝鮮、シリア、中国、ロシア等をめぐる国際情勢が緊迫している時だけに、トランプ政権内の動きが注目されるところだ。

 

 

②日米首脳会談

  大統領就任後の2月10日、安部総理と会談したニュースは、かなり大きく取り上げられた。

安全保障関連では、東アジア情勢などが話題で、日米安保条約の防衛範囲に、尖閣諸島も包含されることを確認、などもあったようだ。

経済問題に関しては、貿易不均衡や、TPPや、FTAなどの、具体的な話題は出なかったようで、双方のNO.2、麻生副総理と、ペンス副大統領をトップとする「日米経済対話」の場を設定し、ここで協議することとなったようだ。(そして、昨18日の副大統領の来日で、既に動き出している。)

 両首脳は会談後、大統領が、個人的に所有するフロリダの別荘に泊まり、ゴルフを楽しんだようだ。 相互に、人となりを知り、今後のパートナーシップを構築する上で、いい機会になっただろうか。

 日本が、アメリカにすっかり取り込まれてしまって、今後、反対したり、言いたいことが言えなくなるのではないか、とも言われたが、杞憂だろう。

国同士にしろ、個人同士にしろ、予断無しに、相互の長所、欠点や、得意、不得意等を知り、理解しあうことは、共存していく上での基本中の基本であろう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

トランプ政権の100日  2

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2017年4月23日(日)  トランプ大統領の100日  2

 

 

 トランプ大統領の100日シリーズの第2弾である。

前回は、

   ①閣僚等の体制整備

   ②日米首脳会談

について触れたが、今回は、

   ③入国規制問題 

について取り上げたい。

 

 

 中東からの移民等の入国を規制する大統領令が、大きな話題となっているが、入国規制問題に具体的に触れる前に、以下の2点について、筆者として、予備知識を習得した。

 

*大統領令とは

 アメリカの「大統領令」という用語は、余り聞いたことはなかったが、

     Executive Order 略称:EO 

と呼ばれ、大統領が、行政機関や軍に対して発出する、文字通りの行政命令のようだ。

 トランプ大統領になって、矢継ぎ早に、何通か発出されたことで、この言葉は、スッカリ、御馴染になっているが、就任後、全体で、どのようなものが、どのくらい出されているのかは、把握できていない。

歴代大統領でも、多い場合と少ない場合があるようだ。(大統領令/アメリカ歴代大統領研究ポータル )

EOを実行するのに、予算措置が必要な場合は、言うまでもなく、議会の承認が必須となる。

 

  日本では、首相の意向は、議会での審議の場などで、「○○を指示した」などと伝えられるが、大統領令に該当するものは、余り聞かないところだ。

アメリカの場合は、会議等での意見表明に加えて、大統領としての意思表示を権威づける手段として、大統領令がある、とも言える。

 

*アメリカの司法制度 

 州の独立性が強いアメリカでは、州毎に、州法を定めて、議会、政府、裁判所や、軍隊があるようだ。

一方、アメリカ全体としては、合衆国憲法のもと、連邦議会、連邦政府(大統領)、連邦裁判所があり、軍隊も保有している。

 今回話題となる連邦裁判所は、日本と同様、3レベルになっていて、連邦地域裁判所(地裁:各州に、1~4あり、全国で89 他に、DCとグアム)、連邦控訴裁判所(高裁:12 DCと、50州を、下図の11の巡回区に分けて管轄)、連邦最高裁判所(最高裁:1 ワシントンDC)があるようだ。(アメリカ合衆国の司法制度 - Wikipedia

   

 連邦控訴裁判所の所在地は、以下である。#の次の数字は、巡回区番号

    ワシントンDC、#1ボストン、#2ニューヨーク、#3フィラデルフィア、

    #4リッチモンド、#5ニューオーリンズ、#6シンシナティ、#7シカゴ、

    #8セントルイス、#9サンフランシスコ、#10デンバー、#11アトランタ 

 

◇ 中東からの入国を規制する大統領令(旧)

 政権発足後間もなくの1月27日、トランプ大統領は、欧州などで頻発しているテロから、国を守るという名目の大統領令(第13769号)を発出した。これは、39もある選挙公約の一つと言われた。

大統領令の内容は、テロリストの潜入が疑われる、以下の中東7カ国

   シリア、イラク、イラン、リビア、ソマリア、スーダン、イエメン

からの一般市民の入国を、90日間、禁止するというもの。又、すべての国からの難民の受け入れは、120日間凍結するが、シリア難民は、無期限としたようだ。

アメリカの永住権を持つ人や、ビザを所有している人まで、空港で足止めされたことで、世界中で大混乱となった。

 

 この大統領令に対して、各方面から反対の意思表示があり、多くの訴訟が提起されたようだ。流石に、訴訟が日常茶飯事と言われる国だけのことはある。

その中で、イスラム教徒への差別だ、などとして、ワシントン州の司法長官が原告となって、シアトル連邦地裁に提訴し、2月3日、連邦地裁が、大統領令を差し止める、仮処分を言い渡したというニュースが流れた。

 地裁の判決を不満として、トランプ政権は、サンフランシスコ連邦高裁(#9)に控訴したが、2月9日、高裁は地裁の判決を支持したようだ。このときの判事は、3人だったようだ。これで、政権側の敗北と言う形で、ひとまず、混乱は収まった。

 

 ◇中東からの入国を規制する大統領令(新)

 後に引けないトランプ政権は、3月6日に、上項の大統領令(旧)の一部を修正した、新たな大統領令を発出した。主な変更点は以下という。

  ・イラクを対象国から外す

  ・アメリカの永住権を持つ人や、ビザを所有している人は対象外

  ・シリア難民受け入れは、無期限禁止から90日に緩和

新大統領令の発表は、トランプ大統領は欠席し、以下の関係3閣僚が行った。

   ティラーソン国務長官、セッションズ司法長官、ケリー国土安全保障長官

この新たな大統領令に対しても、またもや、反対表明と訴訟が起こり、メリーランドとハワイ連邦地裁で、イスラム教徒への差別などとして、新大統領令を差し止める仮処分の判決が出た。

 この連邦地裁の判決を不満として、政権がリッチモンド連邦高裁(#4)に控訴したが、この5月9日に、10数人の判事による大法廷形式で審理を開始するという事が、先日の4月14日、発表された。果たして、どのような判決が出されるか、注目される。

同じように、ハワイ連邦地裁の判決を不満として政権側が上訴し、こちらも、サンフランシスコ連邦高裁(#9)で、5月15日に審理が始まるようだ。

 

 テロの脅威から国を守る、という趣旨には、大方の人は、異論なく賛成するだろうが、アメリカの永住権を持つ人や、ビザを所有している人は対象外にしたのは、当然だが、テロリストの入国を規制する場合、どのように判別するかが難しいところだ。 

旧、新大統領令とも、原文は見ていないが、イラクの扱いがどのように変わったのか、シリアなどからの難民の受け入れもどのように変わったのだろうか。

 建国以来、自由を掲げ、移民を基本にして発展してきたアメリカだけに、今回の大統領令の行方がどうなるかは、今後のアメリカにとって、大きな岐路になるかも知れない。

 

◇専門職就労ビザの審査厳格化の大統領令 

 高度な専門技能を持つ外国人向けの査証(ビザ)H1Bの発給に関し、申請手続きを優先処理する「特急審査」を、4月から、最大6ヶ月間停止する措置を発表しているようだ。そして、高度な学歴を必要としない初級レベルのプログラマーは、ビザ発給の対象外とすることで、動いている。このビザの発給枠は、年間8万5000件と言われ、IT業界にはかなりの影響がでるようだ。

このような大統領令を、この4月19日、発出したようだ。 (米政府、専門職ビザの審査厳格化 IT業界に影響も  :日本経済新聞 )

外国の安い労働力によって、アメリカ人の雇用が奪われることなく、アメリカ人の雇用を優先するという考えである。 

 

◇不法移民を追放する大統領令

 アメリカは、建国以来、移民によって成り立ってきた国だが、移民の数は、正規の移民が2013年で、4130万人ほどのようだ。そして、不法移民は、2014年で、1300万人(3.5%)と言われる。(アメリカ社会の深刻な不法移民問題 | Listn.me  等)

  不法移民は、国境を越えて侵入したり、ビザの期限が過ぎても、居残るケースなどだ。

メキシコとの国境にある壁を、更に増設する、と選挙期間中から、トランプ大統領は息巻いている。

 

 オバマ政権時代は、一部に限って、不法移民を認める大統領令を出したようだが、トランプ政権になって、これを否定し、不法移民を積極的・強制的に国外に追放する大統領令をこの1月27日に出したようだ。

これに対して、政策に反対する勢力と、支持する勢力とで、いろんな動きがあるようだ。

最も影響を受ける不法移民当事者の動揺は大きく、彼らの供給元である隣国のメキシコ政府や中南米諸国の政府も躍起だ。

 彼らは、低賃金ながら、アメリカ経済の底辺を支えている実態がある。農場・造園業・建設業等の現場労働、食品加工などの工場労働,レストランなどのサービス業などでの作業労働などだ。 これ等の労働者を強制送還してしまえば、アメリカ経済は成り立たなくなるだろうか。

 

 不法移民である親が、強制的に本国に送還されると、残された子供たちは、どうやって生きていくのだろうか。

 アメリカでは、国内で生まれた子は、アメリカの国籍を取得できる道があるようだが、正式な出生届がされていない子供たちには、大人になった段階で、社会生活上の支障が出てくる。

 

 アメリカには、ワシントン、ニューヨーク、サンフランシスコ、ロサンゼルスなどの大都市を中心に、「サンクチュアリ・シティ」を宣言している地域があるという。ここでは、不法移民であっても、人権が保護されるようだ。バード・サンクチュアリなどが連想される。

不法移民をめぐって、トランプ政権とこれらの地域の行政当局が、対立関係になりつつあるといわれる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

トランプ大統領の100日   3

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2017年4月25日(火)  トランプ大統領の100日  3

 

 

 トランプ大統領の100日シリーズの第3弾である。これまで、下記記事、

 

    トランプ大統領の100日  1  (2017/4/19)

では、

   ①閣僚等の体制整備

   ②日米首脳会談

について触れ、前回の、

 

   トランプ大統領の100日  2  (2017/4/23) 

では、  

   ③入国規制問題 

について取り上げたところだ。

 

 今回は、内政に関する大きな問題である

   ④オバマケアの取り下げ

 に関する話題で、正確には、オバマケア代替法案の取り下げである。

 

 

◇ アメリカの医療保険制度―オバマケア前まで

 周知のように、日本では、国民皆保険制度になっていて、低額で医療サービスが受けられるようになっている。 下図のように、日本だけでなく、G7メンバー各国が、2011年データでは、公的な医療保険の人口カバー率が100%(ほぼ100%)で、アメリカだけが、極端に低い。(「米国の歴史的医療保健制度改革、オバマケア」 大和総研 2015.5.14 ) 

       

 個々人や企業の自由を重んじ、小さな政府を目指すアメリカでは、医療保険は、民間企業が行ってきていて、部分的だが、公的機関が所掌する医療保険制度が始まったのは、1965年の

     メディケア  65歳以上の高齢者・障害者 向け

     メディケイド 民間の保険に加入できない低所得者 向け

と言われる。これらが、上図の数値となっている。 

 

 2008年時点の米国人の保険加入状況は下図である。(ネット画像より)この中で、職場で加入するのは、雇用先が提供する民間の医療保険で、全体の半数以上を占めている。

   

  また、メディケア、メディケイドや、軍人保険は、公的医療保険になる。

  無保険は、何の保障もない人たちで、2008年のこの統計では、4634万人で、全人口の、13.4%となっている。全人口の約15%にあたる4900万人が無保険というデータもある。  

 

◇ オバマケアの登場

  アメリカの医療保険制度に風穴を開けたのが、オバマ大統領率いる民主党政権だ。

幾多の困難を乗り越えて、国民皆保険を目指し、2010年3月、略称で

         「医療費負担適正化法 (Affordable Care Act:ACA)

                         注:affordable 手ごろな価格の

を成立させた。 これを、大統領の名前を冠して、通称、オバマケアと呼んでいる。  

 詳しい内容は把握できていないが、日本のような公的機関が全面的に所掌する社会保険ではない。従来の民間ベースの職域の医療保険を中核としながら、公的機関が大きく関わりながら、メディケア、メディケイド等も拡充する形になっているようで、主なポイントは以下のようだ。

   ・最低限の医療保険への加入を義務づけ

   ・保険加入を斡旋する医療保険取引所の開設

   ・保険料、保険金に関する保険会社への公的規制の強化

   ・メディケイドの加入資格の対象を拡大

   ・中小企業雇用主への指導 

等が行われ、2014年4月以降から、完全実施となっている。 

 アメリカで、1965年、メディケア、メディケイドがスタートしたのは、医療保険制度でのエポックメーキングな出来事と言われているが、2010年にスタートした、オバマケアは、それに匹敵する、画期的な制度の改革と言われる。

 

◇  オバマケア開始後の推移

 制度開始後、医療保険加入者数は、下図のように増えてきているようだ。(残念ながら、最近のデータは見当たらない)

 2014年で、加入者は1400万人ほど増えており、それに応じて、無保険者の比率が、2012年の、人口の20%程から、13%程に改善されているようだ。(前出 大和総研) 

 また、先述の図では、無保険比率は、2008年時点で、すでに、13.4%とある。更に、他のサイトでは、無保険率は、2009年以降、徐々に悪くなり、2013年に最悪18%程だったのが、2014年になって、13%に改善されたともあり、数値はかなり不明確だ。

いずれにしても、オバマケアによって、無加入者が、大きく減少した事は間違いないようだ。 

 一方、自治体等の財政面の状況や、連邦政府の医療費の抑制はどうなのだろうか。 オバマケアについては、これは社会主義だ、などと、制度への根強い批判も続いてきたようだ。

 

 ◇ オバマケア代替法案の上程と撤回

  トランプ大統領は、選挙期間中から、オバマ政権の医療保険制度(オバマケア)を批判し、それを廃止することを、選挙公約の目玉の一つに掲げてきた。

 1月の大統領就任直後に、トランプ政権は、オバマケアに関する大統領令(13765号)を発出し、廃止に向けた予備的措置をとったようだ。そして、程なく、オバマケア代替法案(American Health Care Act:AHCA)を下院に提出したようだ。

代替法案の内容は、十分には把握していないが、保険加入の義務化の廃止や、メディケイドの縮小などという。 

 連邦議会予算局が、代替法案を実施した場合の見通しを試算したようだ。それによれば、10年後(2026年)の、連邦財政赤字の削減は、1500億ドル程で、一方、無保険者が、現状の2800万人から、2400万人増えて、5200万人になるという。これは、前述の、2008年のデータよりも悪化する予想だ。

 共和党内の保守強硬派は、代替法案は、まだ不十分だとして反対する一方、共和党内の穏健派も、2014年以降、オバマケアが半ば定着しつつある中、代替法案が成立すると、上記のように、無保険者が、再び大幅に増えることは、国民の支持が得られないだろうと懸念し、反対したようだ。

  アメリカ議会の下院に提出していた、オバマケア代替法案について、トランプ大統領は、与党共和党のライアン下院議長と会談し、法案通過のために必要な賛成票が得られないと判断し、この3月24日、法案を取り下げたようだ。

当然ながら、当面は、オバマケアが継続することとなる。

 与党が多数を占める下院だが、内部の反発で、過半数の賛成で、議会を通過させる見通しが立たず、採決直前ギリギリで、法案を撤回したようだ。

内政上の最大の課題に関して、不戦敗の形で敗北する結果となり、政権への、大きな打撃となろうか。

   

 

 

 

  

 

 

トランプ大統領の100日   4

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2017年5月1日(月)  トランプ大統領の100日  4

 

 

 トランプ大統領の100日シリーズの第4弾である。

これまで、下記記事、

 

    トランプ大統領の100日  1  (2017/4/19)

    トランプ大統領の100日  2  (2017/4/23) 

     トランプ大統領の100日  3  (2017/4/25) 

では、

   ①閣僚等の体制整備

   ②日米首脳会談

   ③入国規制問題 

   ④オバマケア代替法案の取り下げ

について、取り上げたところだ。 

 先日の4月29日で、トランプ大統領が、この1月20日に就任後、100日目となる節目にあたっていて、国の内外で、世論調査等で、100日の評価が行われている。

 

当ブログでは、今回は、残された

   ⑤米中首脳会談

   ⑥米国のシリアの攻撃

   ⑦北朝鮮をめぐる緊張

等について触れ、シリーズの一区切りとしたい。 

 

 先日、①で取り上げた閣僚等の体制整備に関し、昨夜のNHKのTV放送によれば、政権の官僚等の任命率は、27/550という、驚くべき数字であった。

 又、政権は、成果の1つとして、TPPからの離脱を挙げているが、あれは、交渉もなく、大統領令に署名しただけの行為で、成果と言うには無理があるだろうか。

  

⑤ 米中首脳会談 

 2月上旬の日米首脳会談の記憶が鮮明に残っているが、それに続く形で、中国の習近平国家主席が、4月6日、7日にわたってアメリカを訪れ、就任間もないトランプ大統領と、米中首脳会談が実現した。筆者には、かなりの驚きでもあった。 

経済力や軍事力を背景に、国際的な発言力やプレゼンスを増しつつあり、アメリカに対抗する姿勢にも見える中国だが、両者は、フロリダの大統領の別荘で会談している。

会談後の記者会見もなかったようなので、会談の詳しい内容は不明だ。

 

 北朝鮮の核やミサイル開発に関しては、本気で影響力を行使してこなかった中国に対して、アメリカの強い意思が伝えられたのだろうか。中国の北朝鮮からの石炭輸入や、中国から北朝鮮への石油の供給などの制裁措置について、かなり突っ込んだ話し合いが行われただろうか。南シナ海への中国の進出についても、アメリカは、積極的な姿勢を見せたようだ。 

 驚いたことに、周主席の歓迎晩さん会の中途で、アメリカは、ミサイルによるシリア攻撃を行ったようで(次項)、攻撃したことを、周主席に伝えたという。 賓客のはずの自分をほったらかして、見えないところで、とんでもないことを公然と実行したわけで、周主席としては、面目まるつぶれだ。 が、周主席はじっと耐えて、その後、米中首脳の電話会談が何度か行われる等、両者のパイプは継続されているようだ。

 

 大統領は、選挙戦の終盤頃と思われるが、台湾との貿易を見直したいようなコメントを出し、一つの中国を通す中国政府から、猛反発された一コマがあった。分かっているのに敢えて話題として、相手の意見で主張を引っ込めるという、トランプ流の交渉術に猛ける側面を見せられた印象だ。 

 

⑥シリアへのミサイル攻撃

 前項で触れたように、米中会談の最中に、アメリカによるシリアへのミサイル攻撃が行われ、世界を驚かせた。  

シリア内戦の構図は、下図のように言われているが、複雑で、良くわからないところだ。(クローズアップ2017:シリア、サリン使用か 米の方針転換、裏目 政権存続容認「戦争犯罪後押し」 - 毎日新聞

   

 3月はじめ、シリア政府軍が、反政府軍が支配している地域に、サリンを使った化学兵器を投下し、市民等の多数の生命が失われたと報道され、国連でも大きな話題となった。

アメリカは、人道上の重大問題で、決して許されないと、自国だけの判断で、明確な証拠も示さずに、地中海上の戦艦から、アサド政府軍の基地があるシャイラート空軍基地に、59発ものミサイルを撃ち込み、基地機能を破壊したという。

 

この事実を、国際社会や国連は、どのように扱うのだろうか。

・先ず、政府軍が化学兵器を使用したという、アメリカの言い分の、事実関係はどうか。

化学兵器は、国際的に禁止されているのだが、ときどき使われているようだ。シリアでは、化学兵器の使用は、これまで、何度か行われているようだ。今回は、患者が運ばれたトルコの病院の関係者は、サリンだったと証言しているようで、サリンだったことは確かなようだが、誰が行ったのかは、曖昧なままのようだ。

シリア政府とロシアは、政府の通常爆弾が、反政府軍の倉庫の生物兵器に当たった、と言っているという。(前出サイトより)

 

・国連の決議も無しに、人道上という名目で、アメリカが単独で軍事行動に走ったことはどうだろうか。

ミサイル攻撃後、アメリカのヘイリー国連大使が意見表明し、正当性を主張している。

 

 ⑦ 北朝鮮をめぐる緊張

 北朝鮮では、各種記念日や、アメリカ等の動きに合わせて、大規模な軍事火力演習や、ミサイル発射など、慌ただしい動きが続いている。かなり、デモンストレーション的で、国営TVでは、最大級の口先の威嚇が多い。 

        

 アメリカは、空母カールビンソンを中心として、日本や韓国と連携した合同軍事訓練を行いつつ、朝鮮半島に近い日本海海域に入っている。

連邦議会の公聴会では、太平洋艦隊のハル司令官が、艦隊の現在位置と移動方向について明らかにし、北朝鮮へは、艦載機が2時間で行ける、と、公然と証言している。

また、米国の長距離弾道ミサイルの技術の正確さを誇示するかのように、カリフォルニアの空軍基地から、マーシャル諸島海域(距離6700km)に向けて、ICBM発射試験を行い、成功したと27日に発表があったようだ。

こんな中で、29日に行われた北朝鮮のミサイル発射実験は失敗と言われ、双方の技術の差は明白である。 

北朝鮮が開発中のミサイルの到達距離は、下図のようである。(ネット画像より)

上記のマーシャル諸島は、下図のグアムに近い。

  

   シリアだけでなく、北朝鮮に対しても、力を背景とした姿勢を展開している訳だが、アメリカが軍事行動に踏み切るには、シリア攻撃とは違って、少なくとも、国連決議か、北朝鮮からの先制攻撃が必須だろう。

 

 国連では、先日、アメリカ主導の閣僚級会合が持たれたが、安保理常任理事国で、殆どアメリカのやり方に異を唱えている、中国、ロシアは、平和的な解決を模索すべきと述べており、最後は外交が鍵となる。

外交の中心となる、肝心要のアメリカ国務省の体制だが、情報では、閣僚のティラーソン長官は決まっているが、その下の、中間の局長クラス等がまだ揃っていないようで、十分な交渉が出来ないという。

 中国への期待が大きいが、中国に出来る北朝鮮への制裁措置としては、石油供給ストップ、石炭輸入ストップなどと言われる。 また、ロシアは、北朝鮮との間で、近々、万景峰号の航路(日本とは制裁で中断中)を開設するようだが、どのような説得のカードを持っているだろうか。

 

   朝鮮半島情勢は、今後、どのように展開するのだろうか。又、北朝鮮の核開発や、核放棄は、どう進むのだろうか。いくつかのシナリオが考えられるのだが、具体的に挙げるのは諦めている。

何をしでかすか、先が読めないトランプ大統領だが、実務ベースで動く軍隊を指揮する、国防長官やマクマホン補佐官等の判断を信用するしか手はないところだ。

 

 今後の方向が全く見えない状況で、筆者としても、身辺の不安は無いわけではないが、不思議と、韓国国内は緊張していないとも伝えられ、日本国内も連休ムードである。

 

アフリカの諸国  1

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2017年5月8日(月) アフリカの諸国  1

 

 

  当ブログでは、ここしばらく、アメリカに因む話題を取り上げてきたが、前記事までのトランプ政権の100日シリーズで、一区切りである。

パズル形式で州あてクイズを楽しめるサイトも見つかって、目標としてきた、全米50州の名前や位置が、ほぼ、頭に入った状況であり、アメリカについては、そのうち、改めて取り上げることとしたい。

 

 筆者の地図好きは、アメリカの州の数(50)とほぼ同じ数(54)の国々があるアフリカについて、挑戦してみようという展開となった。

アメリカについて御世話になった上述のサイトで、アフリカの国々についても、パズル形式で、国名と位置について早速やってみた(Africa - Geography Maps -Map Game)。

だが、結果は、殆どの国が曖昧で、自信をもって答えられたのは、

     エジプト、エチオピア、南アフリカ、マダガスカル、ソマリア

くらいだった。

 

 アフリカには、広大な面積の国々や、細々と小さく仕切られた国々が、全部で54あるが、当惑したのは、筆者の知識と比べて、国境や国名が、かなり変化してきていることで、以前、地図に出ていた名称が、何時の間にか、変わってしまっている!

アフリカには、欧州列強の植民地として支配され、地域紛争も絡んだ中で、そこから独立してきた歴史がある訳で、勢い、歴史を調べる必要も出てきたようで、こちらは容易ではない。 

 ともあれ、アフリカの現状からスタートすることとし、先ず、地理的な状況を見てみたい。

 

 

◇地理的状況

 地理的な状況は、時間が経過しても、変化しない訳だが、アフリカ大陸の通常の地図は、国境線が入った、下図のようなものだ。(ネット画像より)

アフリカ大陸は、世界全体の陸地の22%をも占めている。

     

 ・スエズ地峡でユーラシア大陸と繋がっていて、地中海、大西洋(ギニア湾)、インド洋、紅海に囲まれていて、ヨーロッパとの間には、ジブラルタル海峡がある。

アフリカ大陸周辺の島嶼には、インド洋上の、日本全体の約1.6倍も広いマダガスカル島(間は、モザンビーク海峡)は別格として、コモロ諸島 セイシェル諸島 モーリシャス諸島など、多くの島々がある。 

・大陸全体としては、平らな台地状の地形が多く、これらは、地学的には、楯状地、卓状地とよぶようだが、これらについては、まだ、把握してはいない。(地体構造-新期・古期造山帯,安定陸塊(楯状地・卓状地)) 

その地形の上が、熱帯雨林や、高原(エチオピア高原等)や、砂漠(サハラ砂漠、ヌビア砂漠、カラハリ砂漠等)、草原(マサイ草原等)、盆地(コンゴ盆地等)、平野(ナイルデルタ等)などとなっているのだろうか。

・山脈としては、日本からすれば極めて少なく、生成時期が新しいとされる、北端地中海沿岸のアトラス山脈と、生成時期が古いとされる、南端に近いドラケンスバーグ山脈があるだけだ。他に、独立峰的に、赤道近くのキリマンジャロ山(アフリカ最高峰 5895m)や、サハラ砂漠の中のところどころ等に、高山がある。

・水系では、世界最長のナイル川(白ナイル、青ナイル)、流域面積が広いコンゴ川、ニジエール川、ザンベジ川などがある。

湖としては、大陸最大のビクトリア湖(ナイルの源流)、タンガニーカ湖、マラウイ湖、チャド湖(水量が激減)等がある。

 

 

◇大地溝帯

・アフリカ大陸の、地質学的な特徴としては、巨大な地割れである、地溝帯(Rift   Valley)が存在する事だろう。下図に赤線で示す、東北部のエチオピア高原から、ビクトリア湖の東側を経て、タンガニーカ湖、マラウイ湖を通り、ザンビアに達する、長大な東リフトバレーがあり、エチオピアの反対側は、紅海を通って死海にまで達するという。

一方、ビクトリア湖の西側を通り、マラウイ湖からザンベジ川流域に達する西リフトバレーがある。(図のように、海側は、ニアサ・リフトバレーと呼ぶこともある)

     (ネット画像より)

 

・地溝帯沿いには火山も多く、温泉などもあるようだ。地溝帯に属する、エチオピア北部のエルタ・アレ火山には、地下のマグマが、恒常的に地表に表れている溶岩湖があるようで、TVで観た事もある。(アフリカ大地溝帯を歩く(エチオピア) - 西遊旅行の添乗員同行ツアー(130号) ) 

・地溝帯は、地球内部のマグマが、地表を押し上げる結果、地割れが生じて形成されるようだが、年間4cm程度づつ、地割れ広がっているそうな。計算するまでもなく、100年で400cm=4mも広がることとなり、このままだと、数10万~数百万年後には、アフリカの東部が、南北に分断されるという。地球は動いている、という実感だ(地球のダイナミズム

 

◇ アフリカの気候

 ・世界各地の気候は、通常、下図のケッペンの気候区分で表示される。(ネット画像より)

      

  この気候区分では、植生に着目し、気温と降雨量によって、

            5 気候帯

           12 気候区分

に分けられ、気候区分は、さらに、29まで、細分化されている。

 

 ・アフリカの気候は、中央を走る赤道との関係などから、特徴的だが、ケッペン気候区分で表示したのが、下図である。(ネット画像より)

アフリカ大陸の気候には、3つの気候帯があり、それぞれが

        熱帯気候   3区分、

        乾燥帯気候 2区分

        温帯気候  4区分

に分かれて、全体で、9に区別できるようだ。(下図、凡例参照)

                                  

気候帯   熱帯      乾燥帯  ←   温                  帯 →      ←  亜       寒        帯  →     寒帯

区分    雨林       砂漠       地中海性  冬期少雨  湿潤       (     省             略 )        ツンドラ

      弱乾季     砂漠        地中海性   冬期少雨   西岸海洋    (     省            略 )        氷雪

     サバナ     ステップ                     冬期少雨     西岸海洋       (     省             略 ) 

                                                                        (      省            略 ) 

          太字は、アフリカに存在する区分                               (      省            略 ) 

・赤道周辺には、コンゴ盆地とコンゴ川流域に熱帯雨林があり、その周囲の、ギニア湾周辺や、モザンビーク東海岸に、サバナが広がっている。

・熱帯気候地帯の北部には、世界最大の、広大なサハラ砂漠がある。また、東部のソマリア半島周辺や、南部の西海岸にも、砂漠地帯がある。砂漠の周囲には、ステップ気候帯が広がっている。

・南回帰線よりも低緯度なのだが、アフリカ南部のザンビアなどに、温帯性気候の地域があるが、湿潤な日本と違って、冬期は、雨が少ないようだ。

又、狭い地域ながら、地中海に面しているモロッコ北部は、地中海性気候に属し、南端のドラケンズバーグ山脈の南には、西海洋性気候の地域もあるようだ。

・マダガスカル島には、上記の地域が混在しているようだ。 

 

  アフリカ全体としては、台地状の陸地を、広大な砂漠と、熱帯雨林とサバナ、ステップが大半を占めていて、居住や耕作に適した温暖な地域は、ごく、限られていると言えるだろう。

ナイル川に支えられて、古代文明が栄えたエジプトも、カイロを含め、全体が砂漠地帯である、というのは、やや驚きである。

 

 

アフリカの諸国  2

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2017年5月15日(月) アフリカの諸国  2

 

 

 アフリカシリーズの第2弾である。

 前稿では、アフリカの地理について取り上げたが、今回は、アフリカの、地域的な区分や、発展段階別の区分等について話題にしている。

 

 

◇国連の地域区分

 国連では、アフリカの国々を、下図のように5地域に分けている。それぞれの気候条件の違い等もあり、地域毎の経済活動のまとまりともなっているようだ。    

                                   

 北アフリカ地域を除く、サハラ砂漠以南全体を、サブサハラ(ブラックサハラ)と呼ぶようだ(スーダンを含む)。北サハラ地域は、アラブ人が主だが、サハラ以南は、黒人が主となっていることから、こう呼ばれているようだ。

 

 

◇ 開発状況による分類

 国際的には、開発状況によって、国々を、以下のように分類している。

*先進国  Developed  Country(先進国 - Wikipedia 参照)

 先進国か否かを判断するために、各種国際機関等により、8つの各種指標(後述のGNI、HAI 等)が挙げられている。 

・これ等全てを充たす国は、以下の24ヶ国のようだ。

    西欧(英、独、仏、伊など18ヶ国)、北米(米、加のみ)、東アジア(日、韓のみ)、

    オセアニア(豪、ニュージーランドのみ)

・各種指標を部分的に充たしている国は、26ヶ国あり、両者を合わせると、50ヶ国となる。

・先進国は、OECD加盟国と、重なる国も多いようだ。

  

*後発開発途上国 Least Developed Country:LDC  48ヶ国

  最も開発が遅れている国々をこう呼んでいるが、以下の3条件で判断・区分されているようだ;

     ・所得水準が低い  GNI(国民総所得)992米ドル/年・人 以下

     ・人的資源に乏しい HAI:Human  Asets  Index(人的資源開発程度を示す指標)が一定値以下 

                      カロリー摂取量、乳幼児死亡率、就学率、識字率から算出

     ・経済的に脆弱だ  EVI:Economic Vulnerability Indexが一定値以下

  不名誉だが、最貧国などと呼ばれることもある。

 

*開発途上国(発展途上国)  Developing  Country 

  上記の、先進国、後発開発途上国以外の、多くの国々 

 

 

◇LDCの状況

 2016年現在、世界で、48カ国が指定されている。(3年ごとに見直し) アフリカの多くの諸国(北アフリカ・南部アフリカ・一部の中部アフリカ 以外)の他、アジア、オセアニア など。

前記の3条件をクリアすると、LDCの指定が解除されるが、今後2025年までの指定解除(卒業)の見通しは以下のようで、アフリカの後進性が際立っていることだ。  (後発開発途上国 - Wikipedia等 より)

           2016現在 2025  記事

    アフリカ    34      30  大半が残留(卒業見込みは4ヶ国のみ)

    アジア      9       1  カンボジアのみ残留

    オセアニア   4       0

    北アメリカ    1       1  ハイチのみ残留

     計       48      32 

 

アフリカのLDCの状況を下図(青色)に示す。

図中の緑色の国は、最近、LDCを卒業した、以下の国である。

   ボツワナ(1994)、ケープベルデ(2007)

又、図中の青色のイエメンはアジアだが、2025年には卒業見込み。

     

 

 

 

 

 


アフリカの諸国   3

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2017年5月20日(土) アフリカの諸国  3 

 

 当ブログでは、これまで、アフリカシリーズとして、下記記事

    アフリカの諸国 1 (2017/5/6)

    アフリカの諸国 2 (2017/5/15)

で、アフリカの地理や、国連による開発状況の区分等を取り上げてきた。 

本稿では、現在のアフリカ諸国を理解する上で避けて通れない、植民地の歴史をみることとしたい。

 

◇アフリカの植民地化の完了まで

 ヨーロッパ勢力のアフリカへの進出は、初期は、スペイン、ポルトガル等が、北アフリカやギニア湾の沿岸周辺で、珍品を扱う等が主で、内地までは達していなかったという。

ギニア湾の一帯には、19世紀初頭まで、奴隷海岸、象牙海岸、黄金海岸などと呼ばれた地域があったようだ。アメリカへの奴隷貿易も盛んに行われたが、奴隷制に対する世界の批判の中で、この貿易は無くなっている。 

列強が、アフリカを植民地にする狙いは、何だったのだろうか。 工業化が進んできた欧州で、天然資源や農産物等の原料の供給源に対する必要性が高まるとともに、工業生産物の消費市場の拡大にも繋がったようだ。 奴隷に代わる安価な労働力の供給源ともなっただろうか。 

 このようにして、欧州列強が、我が庭のようにアフリカを分割し、植民地化する動きは、19世紀後半(1880年代)頃から活発化し、先発国、後発国が入り乱れた、熾烈な争いを繰り広げている。 

 

 先発国であるイギリスは、エジプトから南下するとともに、南端のケープ植民地から北上する、大陸を南北方向に進む政策(大陸縦断政策)をすすめた。

一方、フランスも、マグレブ地域(モロッコ)から始まって、東西方向(大陸横断政策)に進み、紅海に面したジブチまで達している。

これらに続くように、イタリア、ドイツ、ベルギーも争奪戦に参入し、古株のポルトガル、スペインも加わっている。

 このようにして、1911年にイタリアが、リビアをトルコから獲得したことで、下図のように、第一次世界大戦直前に、欧州列強7ヶ国による、植民地の山分けが完了したと言われる。(以上 アフリカ分割 - Wikipedia など) 図にあるように、分割の対象にならなかったのは、当時独立を保っていた、エチオピアとリベリアのみだったという。

   

 この、分割されなかったエチオピアとリベリアだが、エチオピアは、一時、イタリアに支配された時期もあるようだ。また、リベリアは、アメリカの奴隷解放後、解放された奴隷たちによって作られた特殊な国家という。

 

 地図で分かるように、植民地の境界線は、川や湖などもあるが、目標がない砂漠地帯では、人為的にならざるを得ない事もあり、緯度・経度による、直線的な国境線も多い。

土着の民族・部族が機械的に分断されることで、後述する植民地から独立する段階で、紛争の要因にもなっているようだ。

 

◇ ドイツの敗戦

 第一次世界大戦の結果、ドイツが敗れたため、ベルサイユ条約(1919)で、ドイツ領の植民地は、当時の国際連盟の信託統治領となり、細分化され、統治国は、図にあるように、次のようになっている。 

 ドイツ領東アフリカ→ルワンダ・ウルンディ (オランダ信領)

               タンガニーカ (イギリス信領)  

              キオンガ (ポルトガル信領  後にポルトガル領モザンビークに統合)

 ドイツ領カメルーン→東カメルーン(フランス信領) 

               西カメルーン(イギリス信領)  

 ドイツ領トーゴランド→東トーゴランド(フランス信領)

                西トーゴランド(イギリス信領  後にイギリス領ゴールドコーストに統合)

 ドイツ領南西アフリカ→南アフリカ信領 

 

アフリカの植民地は、第二次世界大戦後までこのような状況が続いて、次項の、独立の時代を迎えている。

 

◇植民地からの独立

 欧州列強の植民地として、長い間収奪されてきたアフリカだが、下図にあるように、第二次世界大戦が終了した1945年を経て、植民地からの独立が相次いだ。中でも、1960年は、アフリカの年と言われ、多くの地域が独立国(17国)となった。   

    アフリカ諸国の独立時期(ネット画像)

 図にある、第二次世界大戦以前の独立国は、前記2国以外は、イギリスから独立していた

     エジプト(1922年)、南アフリカ(1931年)

だけであり、4国以外の諸国は、すべて、大戦後に独立している。

 

 ここで、独立した諸国を、植民地の宗主国(信託国を含む)別に、国境線と国名を中心に、大雑把に見てみたい。 各宗主国の後の文字は、以下の意味である。

   A1 独立時、植民地の時の国境線は、ほぼ、そのまま引き継いだ所。

      独立後の国名も、そのまま

  A2 独立時、植民地の時の国境線は、ほぼ、そのまま引き継いだ所。

     独立後の国名は変更 

   B1 独立時に、地域が細分(又は統合)されて、独立国となった所。

      国名は、そのままの所と、変更された所がある。

  国名略称:英:イギリス 仏:フランス  伊:イタリア 西:スペイン

                白:ベルギー 葡:ポルトガル 蘭:オランダ 南ア:南アフリカ

 

 英 A1(エジプト)、(南アフリカ)     

      ナイジェリア、タンガニーカ、シエラレオネ、ガンビア、スワジランド        

   A2 ゴールドコースト→ガーナ

      ニアサランド→マラウイ

          北ローデシア→ザンビア

      南ローデシア→ジンバブエ

      ベチュアナランド→ボツワナ(ベチュアナの現地音)

      バストランド→レソト

      西カメルーン→東カメルーン(仏)と統合してカメルーン 

      英領ソマリランド→ソマリア(伊)と統合独立(1960) 

                                                 (ソマリア内戦後、現在も実質分断中)

   B1 アングロ・エジプト・スーダン

         →スーダン→スーダン、南スーダン(2011)

      イギリス領東アフリカ→ケニヤ、ウガンダ

 

仏  A1 モロッコ、アルジェリア、チュニジア、マダガスカル、ジブチ

     A2 東トーゴランド→トーゴ

            東カメルーン→西カメルーン(英)と統 合してカメルーン   

   B2 フランス領西アフリカ→モーリタニア、マリ、ブルキナファソ、ニジェール、

                        セネガル、ギニア、コートジボアール  

      フランス領赤道アフリカ*→チャド、中央アフリカ、コンゴ、ガボン

                                    *1910年、フラス領コンゴ(現在のコンゴ、ガボン)を包含

伊  A1 リビア→イタリアの敗戦で、英仏共同統治に→独立(1951)

      エリトリア→エチオピアが編入→エチオピアから独立(1993) 

      伊領ソマリア→ソマリランド(英)と統合独立(1960) (ソマリア内戦後、現在も実質分断中)

西  A2 リオ・デ・オロ→西サハラ(非独立国 モロッコが領有権主張 現地に解放戦線)

白  A2 ベルギー領コンゴ→コンゴ民主→ザイール(1971)→コンゴ民主(1997) 

葡  A1 アンゴラ、モザンビーク

    A2 ポルトガル領ギニア→ギニアビサウ 

蘭  B2 ルワンダ・ウルンディ→ルワンダ、ブルンジ

南ア A2 南西アフリカ→ナミビア    

  

◇独立後の状況

  独立後、民族・部族間等の争いが絶えない地域もあり、下図にあるように、大戦後の70年を越える歴史の中で、○○戦争、△△動乱、××内戦等が、各地で生起している。

国名に冠している「共和国」(Republic)は、名ばかりで、独裁的で、政治的に不安定な国も多いようだ。

最近の各国の状況については、次稿以降で取り上げる予定である。

       (ネット画像)

アフリカの諸国   余談

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2017年5月22日(月) アフリカの諸国  余談

 

 

  当ブログではこれまで、アフリカシリーズとして、

        アフリカの諸国  1~3  (2017/5/6~5/15~5/20)

を、投稿してきたが、ここで、余談である。

 

◇ アフリカの植民地に関してネットで調べていると、

      アルトゥルイズム altruism 

という言葉に出会った。筆者は、全く聞いたことは無かったが、辞書によれば、愛他主義、利他主義という意味とある。

これの反義語は、辞書でも

      エゴイズム  egoism 

とあり、利己主義の意で、こちらは良く知られている言葉だ。

 altruismの語源は、ラテン語の 

      alter 他者

に遡ると言う。(利他主義(りたしゅぎ)とは - コトバンク

 

 欧州列強がアフリカに進出するにあたって、アフリカの人たちは人種的・文明的に劣等である、という強い意識を持ち、支配下に置いた人たちに、ヨーロッパ式の宗教、政治制度、言語、文化を「与える」ことは、未開な人々を文明化する行為である(altruism)とみなされ、植民地獲得は文明の名のもとに正当化された、という。(アフリカ分割 - Wikipedia から) 

これが本当だとすれば、思い上がりも甚だしい。強烈な利己主義を裏返した、偽善的なまやかしの理屈で、これは、ナチの、優生主義の思想と同じだろう。軍隊と一緒に、宣教師も派遣されたのである。 

大戦中、日本軍が、南アジアに進攻したことで、イギリスの植民地から解放された、といった理屈も同じだろう。

 

◇ 本来の意味での愛他主義、利他主義とは、どんなものかは知らないのだが、その精神を言葉で言えば、

      慈愛、博愛、思いやり、自己犠牲、忍容

等だろうか。

*孔子は、論語の中で、

      己の欲せざる所は、人に施すこと勿れ

    (自分が人からされたくないと思うことは、人に押し付けたりしないことだ)

と話し、これを、「恕」、「仁」の心と説いたと言われる。

英語表現では、以下のようになるだろうか。

   Don’t do to others what you don’t want others to do to you.

 

*一方、キリストは、聖書の福音書の中で、

   Do to others as you would have others do to you.

等と言ったという。以前、英文法では苦労した文型だがーーー。

これを、日本語表現にすれば、以下のようになるだろうか。

    己の欲することを、人に施すべし

  (貴方が人にしてもらいたいと思うことを、人にしてあげなさい)

 

 同じことを言うのに、東洋では、ネガティブ表現で、西洋では、ポジティブ表現なのが面白い。

いずれにせよ、聖人ならぬ凡人には、到底実践できない生き方ではある。

  

◇ “他者も、己のように思っている”、という基本理解から、筆者は、己と他の、双方に益をもたらす考え方が重要と考え、これをどう呼べばいいだろうかと思いめぐらし、

      相利主義 利相主義

      相互主義 互助主義 

等が思い浮かんだが、いまいち、ぴったり来ない。

 

 ここで、最近良く使われる、横文字の

      win―winの関係

が思い浮かんだ。この日本語として、この所、外交でも良く使われる、

     (戦略的)互恵関係

がみつかり、

      互恵主義  reciprocity レシプロシティ

とするのがよさそうと考えた。 これを、win―winと同義語、とみてもよさそうである。

 今“はやり”の、利己的で、我田引水の、○○第一主義、△△ファースト主義ではなく、他も尊重しながら、利害の相違があっても、「互恵主義」で進めることが、これからの、いろんなレベルでの関係づくりで、重要となるだろうか。

仲睦ましい男女間の関係を、「相思相愛の仲」と表現するが、生来、互いに異質なものを持っている男女が、愛し合い魅かれ合うのは、当たり前のことで、 win-winの原点だろう。

 

 

 

 

 

 

 

アフリカの諸国   4

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2017年5月29日(月) アフリカの諸国  4 

 

 当ブログでは、これまで、アフリカシリーズとして、下記記事

     アフリカの諸国 1   (2017/5/6)

     アフリカの諸国 2   (2017/5/15)

     アフリカの諸国 3   (2017/5/20)

     アフリカの諸国 余談 (2017/5/22) 

で、アフリカの地理や、発展段階、植民地分割、利他主義等を取り上げてきた。

本稿は、シリーズの続編で、アフリカの産業に関し、農業と天然資源の現況等についての話題である。 

 

◇ アフリカの農業

 年間降水量等の気候的な状況により、アフリカの農業地域は下図のようになっているようだ。(地理B を参照) 

    

 上図のように、砂漠・サバナ地域は、伝統的な遊牧・オアシス農業で、殆どが、原住民自身の生活を支える程度の零細規模だろう。

熱帯雨林地域は、零細な焼畑農業もあるが、プランテーションも行われているようだ。 後者は、イギリス系の植民地だった、ナイジェリア、ガーナ、ケニヤなどの地域で、商品として輸出するための農業が行なわれている。図にあるように、

     カカオ豆 コーヒー豆 サイザル麻 落花生 茶 アブラヤシ

などが、生産されている。

 2008年のデータだが、世界全体に占める割合が高いのは、

     カカオ豆59.8%、茶22.0%、サイザル麻19.6%、落花生10.2%、コーヒー豆11%(2010年)

等という。(地理B を参照) 

 

 下図は、主要農産物である、

     コーヒー、カカオ、ラッカセイ、綿花、アブラヤシ

の生産地の分布地図(2005年データ)で、上図とも、ほぼ重なっている。

     (ネット画像より) 

 

◇アフリカの天然資源

 アフリカは、天然資源が豊富と言われている。 下図にあるように、エネルギー関連では、北アフリカ一帯などで、

       原油、天然ガス、石炭

が産出されているが、世界全体に占めるシェアは、さほど、大きくは無い。  

 一方、鉱物資源関連では、南部アフリカ地域や、中部アフリカのコンゴ等で

      プラチナ、ダイヤモンド、金、コバルト、銅

等が産出され、世界に占めるシェアが、極めて大きいものもある。(図は、ネット画像より)              

       

 天然資源は有限で、掘りつくせば、いずれ枯渇してしまう運命だが、推定埋蔵量でみると、下図のように、まだ、かなり期待できるものもあるようだ。(ネット画像より)

       

 ◇ モノカルチャー経済

 上記の農産物と天然資源だが、下図のように、2010年のデータで、産出国によっては、その国の輸出全体に占める比重が、かなり高い国があり、モノカルチャー経済になっているのが気になるところだ。(ワールドカップの開催されるアフリカに注目 より) 

           

アフリカの諸国   5

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2017年6月5日(月) アフリカの諸国  5

 

 

 当ブログでは、これまで、アフリカシリーズとして、下記記事

 

    アフリカの諸国 1~4 (2017/5/6 ~ 5/29)

 

で、アフリカの地理や、開発段階、植民地分割、利他主義、産業(農業・鉱業)を取り上げてきた。

本稿は、シリーズの続編で、世界全体で開発を進めていくための、国連の取り組みについて取り上げている。

  

◇ ミレニアム開発目標

 2000年9月の国連総会(ミレニアム・サミット)で、発展途上国向けの開発目標として、2015年を期限とする、以下のような、8つの目標が設定されている。 

 先行して存在していたいくつかの国際目標等を、西暦2000年というミレニアム(千年紀)のスタートを期して統合し、共通の目標として設定されたもので、国連活動としては、画期的な出来事といえよう。(外務省: [ODA] ODAとは? ミレニアム開発目標(MDGs)とは

     Millenium Development Goals :MDGs 

 これらは、いずれも、地球上の人類が生存していくために、緊急性の高い課題ばかりである。

8つの目標(Goal)と、これを細分化した、具体指標を含んだ21のターゲット(Target)が示されている。

 目標(ゴール)毎のターゲット数は、上図では、主なものが示されているが、詳しくは以下。

      目標1  3、目標2~4  各1、目標5  2、目標6  3、目標7  4、目標8  6 

 この中で、目標8はやや異質で、7つの各目標を達成するために不可欠な、連携性(パートナーシップ)が謳われており、国連を中心とした関連国のODAの支援の在り方等が示されている。

 

◇目標達成状況

 MDGsの達成状況について、目標年の2015年の前の2013年に、検証されているようだ。(下図)(http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/files/000115356.pdf

 

 上図を、概略で言えば、MDGsは、下記のように、一定の成果を達成した一方で、未達成の課題も残されたと言われる。

   ・極度の貧困半減(目標1)や、HIV・マラリア対策(目標6)等を達成。

   ・乳幼児や妊産婦の死亡率削減(目標4、5)は未達成。サブサハラアフリカ等で達成に遅れ。

又、15年間で国際的な環境も大きく変化し、以下のような新たな課題が浮上しているという。

   ・環境問題や気候変動の深刻化

   ・国内や国際間の格差拡大

   ・民間企業やNGO等の役割の拡大  等

 

◇ 地域別達成状況

 又、達成状況を地域別にみると、下図のプログレスチャート(2014年)になるようだ。

  表の冒頭にアフリカがあるが、北アフリカ地域では、かなりの目標が達成されているのに比べ、サブサハラ地域(サハラ以南)では、現状のままでは、殆どの目標が、達成不可能となっている。

また、オセアニア地域でも、殆どの目標が、達成不可能のようだ。 (外務省: [ODA] ODAとは? 開発に関する国際的取組 ミレニアム開発目標(MDGs)とは) 

 

 これらの、ミレニアム開発目標(MDGs)と達成状況や新たな課題は、2016年の国連サミットで採択された、次の目標である、「持続可能な開発のための2030アジェンダ」の17の目標(SDGs)と169のターゲットに、発展的に継承されている。(次稿で触れる予定)

 

アフリカの諸国   6

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2017年6月15日(木) アフリカの諸国  6

  

 当ブログでは、これまで、アフリカシリーズとして、下記記事

 

     アフリカの諸国 1~5 (2017/5/6 ~ 6/5)

 

で、アフリカの地理や、開発段階、植民地分割、利他主義、産業(農業・鉱業)、国連の取り組みのMDGsまでを取り上げてきた。

本稿は、シリーズの続編で、その後の国連の取り組みの、SDGsを中心とした話題を扱っている。

前稿以降は、国連中心の話題のため、アフリカからは、一時、やや遠くなるがーー。

 

◇ MDGからSDGへ

 前稿で取り上げた、ミレニアム開発目標(MDGs)の達成状況や新たな課題も包含して、2016年9月に開催された国連サミットで、次の2030年を目標とした、「持続可能な開発のための2030アジェンダ」が採択され、英文原文で、35ページに及ぶ文書に纏められている。

2030アジェンダの取りまとめや採択に当たっては、国際協調主義を国是の一つとしている日本としては、積極的に関与し貢献したようだが、細部についてはここでは省略する。

 

2030アジェンダ文書全体の構成は、以下の様になっている。

 

●「前文」 Preamble

 新たな目標に向かって船出するにあたって、

   誰一人として置き去りにしない

   no one will be left behind

という、高い理想を掲げている。

 

 また、開発を進める重要分野として、以下の 5Pを提示している。(ネット画像より) 

  

●宣言 Declaration (本稿では、Dec.と略)

 文書では、全体で、91の宣言に纏めている。

  ・導入    Introduction  Dec.1~6

  ・ビジョン  Our vision    Dec.7~9

  ・原則と関与 Our shared prinsiples and comitments   Dec.10~13

  ・今日の世界 Our world today  Dec.14~17

  ・新アジェンダ The new Agenda  Dec.18~38

  ・実現手段  Means of Implementation Dec.39~46

  ・フォローアップと評価  Folloe-up and review Dec.47~48

  ・行動の要請  A call for action to change our world   Dec.49~53

 

◇Sustainable Development Goals and targets

                                              Dec.54~59

 

 Goal 1~17 一覧表

 これら17の目標を、英語と絵文字で表示したものが下図である。やや、聞き慣れない表現もある。(ネット画像より) 

 

下図は、日本語に直したものだが、分かりやすくする工夫がみられる。((ODA)持続可能な開発のための2030アジェンダ | 外務省

 

            ((ODA)持続可能な開発のための2030アジェンダ | 外務省

 

THE GROBAL GOALSとして、17の目標(SDGs)と169のターゲット(到達指標)にまとめられているが、各々の詳細については省略。 

 

◇実現手段とグローバル連携  Dec・60~71

 (詳細は略)

 

◇フォローアップと評価    Dec.72~91

   ・国内レベル

   ・地域レベル

   ・グローバルレベル 

                 (詳細は略) 

 

◎ 用語について 

採択された文書には、余り聞き慣れない英語表現が良く出てくる。これらを以下にまとめた。

 ( n 名詞   a 形容詞   v 動詞 ) 

*agenda n アジェンダ

 もともとは、会議等での事務的な協議事項、議題等の意味。 

 目標年を入れ、全体を、言いやすい、「2030アジェンダ」としたセンスは見事だ。

 

*sustainable a サスティナブル 

2030アジェンダでは、

   Sustainable Development Goals;SDGs持続可能な目標

と呼ばれ、開発を進める上で、“sustainable”という言葉が多用されている。

この言葉は、

   持続可能な、継続性のある、

ということで、継続できる仕組みをもっていて一時限りでない、という意味で、

   sustain v 維持する 支える

からきている。名詞は、

   sustenance n 継続

である。  

 

*regilient  a  レジリエント

 これも、アジェンダに良く出てくる言葉で、元の意味は、弾力ある、柔軟な と言う事だが、

   逆境に強い、災害に強い、強靭な

と言った意味が含まれているようだ。 関連語は、

   resilience n 弾力 回復力 復元力 強靭さ

   resile v はね返る 

である。

 

*inclusive a インクルーシブ

 これも多用されていて、“包摂的な”、と訳されているが、社会的に切り捨てないで包含している、と言う事のようだ。

 関連語は、動詞は、

   include v

である。また、反義語は、

   exclusive  a 排除された 排他的な

   exclude   v 排除する

である。

 

*gender n ジェンダー

生理的な性sexに対して、社会的な性をgenderというようだ。

   feminine gender  女性

   masculine gender 男性

性的マイノリティーを表すLGBTも、この社会的な性に含まれる。

 つい先日のTVニュースでは、X ジェンダー(男でもない、女でもない)の集まりのニュースがあった。

  

◎ MDGsは、途上国支援が主体だったが、SDGsは、先進国にも等しく適用される、ユニバーサルな性格を持っている。

 開発のために不可欠な、資金的な側面については、アディスアベバ行動目標(開発資金国際会議(2015.7 アディスアベバ)で採択)で、示されている。 

 言うまでもなく、目標として掲げている17SDGsを、どのように実現するかがポイントとなる。

このアジェンダ2030で示されている約束事は、国際条約になるのかどうかは良く知らないが、実施手段とフォローアップレビューについて、各国政府(先進国、途上国)や、各国際組織等の、役割分担や義務事項がどのように明確にされていて、どのように評価されるのか、気になるところである。

 SDG13では、地球を守るために、気候変動対策の具体的なアクションが掲げられていて、パリ協定が引用されている。このパリ協定は、昨年採択され、条約として各国で批准されているのだが、アメリカのトランプ政権が、これからの脱退を決めたことで、先日のG7の環境相会議が、ガタガタになってしまっている。条約ですら、簡単に反故にされるのだ!

  

余談だが、原文は、高い理想を含む格調高い文章であり、英文の教材テキストとしても興味深く、時間があれば、よく読んでみたいものだ。

 

次稿では、日本のアフリカ支援に関するTICAD等について取り上げることとしたい。

 

 

 

アフリカの諸国     7

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2017年6月24日(土) アフリカの諸国  7 

  

 当ブログでは、これまで、アフリカシリーズとして、下記記事 

     アフリカの諸国 1~6 (2017/5/6 ~ 6/15) 

 で、アフリカの地理や、開発段階、植民地分割、利他主義、産業(農業・鉱業)、国連の取り組み(MDGsまで・SDGsを中心)を取り上げてきた。

本稿は、シリーズの続編で、日本のアフリカ支援に関するTICADと、政府開発援助ODAについて取り上げることとした。

 

◇ TICAD

 TICADは、

  Tokyo

  International

  Coference

  on

  Arfican

  Development

の頭文字をとったもので、日本が主導し、国際的な機関とも連携しながら進める、アフリカの開発をテーマとする会議のことで、日本語では、

 「アフリカ開発における東京国際会議」、 (略)「アフリカ開発会議」

と称されるが、通常は、

  TICAD Ⅳ 

等と、呼ばれている。

 

下表にあるように、1993年に第1回が開催され、2016年の第6回まで来ている。

 当初は、開催は、5年周期だったが、3年周期に短縮されることが、前回の第6回で決まり、次回は、2019年に日本で開催されることになっていて、横浜市が名乗りを上げている。(アフリカ開発会議 - Wikipedia、等より)

 

当ブログで取り上げてきた、国連の開発計画目標は

   MDGs  2000年9月 国連サミット

   SDGs  2016年9月 国連サミット

で採択されており、TICADは、これ等の動きと連携している。 

 

会合

議長

開催期間

開催国・地

記事

第1回アフリカ

開発会議(Ⅰ)

東 祥三

1993年

10/5~6

東京都

「アフリカ開発に関する東京宣言」採択

第2回アフリカ

開発会議(Ⅱ)

 

1998年

10/19~21

東京都

「東京行動計画」採択

閣僚レベル会合

 

田中真紀子

2001年

12/3~4

東京都港区 *

世界銀行が、以降共催者に

第3回アフリカ

開発会議(Ⅲ)

森 喜朗

2003年

9/29~1

東京都

「TICAD10周年宣言」発表

アジア・アフリカ貿易投資会議

川口順子

2004年

11/1~2

東京都港区 *

 

平和の定着会議

 

塩崎恭久

2006年

2/16~17

エチオピア

アディスアベバ

 

持続可能な開発のための環境とエネルギー閣僚会議

岩屋 毅

2007年

3/22~23

ケニア

ナイロビ

 

第4回アフリカ

開発会議(Ⅳ)

福田康夫

2008年

7/7~9

横浜市 +

「横浜宣言」「横浜行動

計画」採択

野口英世アフリカ賞

第5回アフリカ

開発会議(Ⅴ)

安倍晋三

2013年

6/1~3

横浜市 +

「横浜宣言2013」

“援助から投資へ”

第6回アフリカ

開発会議(Ⅵ)

ケニア

チャド

日本

2016年

8/27~28

ケニア

ナイロビ

初の現地アフリカ開催

開催周期を5年から3年に短縮

「ナイロビ宣言」採択

第7回アフリカ

開発会議(Ⅶ)

 

2019年

日本

(横浜)

 

                                       *赤坂プリンスホテル +横浜国際平和会議場 

 

◇ ODA

 各国政府による、開発途上国に対する公的援助は、Official Development Asistance(ODA 政府開発援助)と呼ばれる。

ODAには、以下のような、いくつかの種類があるようだ。

 

 日本では、ODAには、上図のように、資金的なものと、人的な技術協力があるが、これらに関する実務は、2008年10月以降、組織を新たにしたJAICA(JApan International Cooperation Agency ;国際協力機構)に一元化されている。 

 第2次世界大戦で敗れた日本は、終戦後、アメリカ等の援助の下、急速に復興し、国連にも加盟し、経済大国となった。 援助を受ける国から、援助をする国に変わったのである。 (私の提言:第41回 池亀美枝子さん

 

下図は、主要支援国の、ODA額の推移を示している。

 日本は、上図のように、ODA支援額が、暫く、アメリカに次いで、世界2位だったのだが、ここ数年、財政状況から援助額が削減され、ドイツ、イギリスに次いで、世界4位となっている。 でも、苦しい中で、少しづつ増額をしているところだ。

援助額は、絶対額だけでなく、GDPと対比した場合の比率も問題となるが、0.7%が国際目標とされているが、日本は、まだまだ、クリアしていないようだ。

 

◇ ODAの課題とその克服 (政府開発援助 - Wikipedia 等より)

 ODAは、公的な資金だけに、歴史的にも、多くの問題があったようで、見直しが行われてきているが、現在は、以下のような課題が指摘されているようだ。 

*贈与比率の低さ

  日本のODAは、贈与ではなく、被支援国が返済を要する有償資金協力(円借款)の比率が高い。これは、日本がODAの被支援国から支援国へと移行していくに際し、贈与を行うだけの財源がなかったことに加え、ハードインフラの整備へ向けた低利融資によって日本の輸出市場を拡大していくという政策目的も背景にあったとされる。

また有償の円借款協力は「借りたものは必ず返す」という意味で、日本の援助哲学でもある「自助努力」を促すことになり、途上国の自立の精神を涵養するという一面を持っている。

欧米の原則無償の援助は、「人道」を前面に出しているものの、往々にして依存心を産んで、自立の精神を阻んでいるとも指摘されている。

*ハード支援比率の高さ

 日本のODAは、道路鉄道発電所などのハードインフラストラクチャー整備の占める割合が大きい。多くの日本人が『ODA』と聞いて連想するのも、こういった支援形態である。

ハードインフラの整備自体は、被援助国の経済発展とそれに伴う貧困削減のために重要とされるが、ハードインフラ整備を巡っては、多額の受注費を巡って政治家と日系企業が癒着し、仲介業者が不当に多額の報酬を取得しているとの指摘がある。

ただ、昨今では、請負企業を日系企業に限定するタイド(いわゆる紐付き援助)案件の割合は大幅に低下し、2001年時点で20%を下回っている上、日系企業の受注率も低下している。

一方、昨今では、人材育成や法・制度構築や教育などを中心に、ソフト面での支援に力を注いでいく考え方が強まっている。

ソフトインフラ整備支援の代表例としては、経済発展や民主主義の基盤となる基本法や経済法の起草支援、裁判所などで、法令の運用・執行に関する支援を行う法整備支援が挙げられる。近年日本に限らず、世界各国が法整備支援に力を注いでいる。

*アジア中心から世界へ

日本のODAは、アジアに対するものが大きい。日本に限らず、どの援助国も、歴史的、地理的、経済的な理由で、援助対象国の地域的な偏りが見られ、日本の場合は、ODAが、アジアに対する戦後賠償に端を発している、という特殊要因も挙げられる。

昨今のアジアは、世界経済の牽引役と言われるほどに経済発展を遂げつつあるが、その要因としては、アジア各国の勤労意欲、文化などに加え、日本のODAによる経済インフラ整備も挙げられる。

また、未だ貧困率の高いアフリカに対し、日本のアジアでの援助経験を活用していこう、という考え方も強まっており、先述のTICADを梃子に、アフリカ支援に力を入れている。

*現地のためになっているか。

  前項で触れたが、ある国に、資金を提供し、道路・橋梁などの工事を完成させる援助の場合、工事を請け負う業者が指定されて、ひも付き(tied)になると、割高で発注することとなり、この業者が、ODAを食い物にしてうまい汁を吸うこととなる。現地の政治家等が、私腹を肥やすケースもあったようだ。 一頃までは、このような援助の構図が、随所にあったようようだ。

  国民の税金が、有効に使われたとは言えない。  

さすがに現在は、ひも付きでない(un―tied)援助が中心で、日本の企業の受注率も、低くなっているという。

  言うまでもないが、工事自体も重要だが、援助される現地の側から見て、その後のメンテはどうするのか等もあり、地域の業者の参画や、人材の育成も極めて重要である。

 

*PPPの仕組み 

開発援助の形として、この所、よく、PPPと言われる。これは、

   Public-Private Partnership 

の頭文字をとったもので、日本語では、

   官民連携

と言われる。(PPPとは?改正PFI法とは? 等を参照)

 

 途上国の持続的開発のためには、民間企業のもつパワーが不可欠との観点から、近年、米国やドイツなど主要援助国では、民間企業と連携した援助の新しい形態を模索する動きが目立っている。

政府がODA資金を使って道路、港湾、エネルギーなどのインフラを整備した地域に民間企業が進出することで企業リスクを軽減、進出企業による技術移転、雇用機会の増大、貿易投資の拡大などを狙っている。

 PPPの仕組みは、新たな形のひも付き援助にも見え、新植民地主義に繋がるようにも見えるが、援助する側と、援助される側との利益のバランスがポイントで、今後の動きが注目されるところだ。

 

 上記のように、PPPは、インフラ整備がメインだが、農業分野も対象となっていて、アフリカの3カ国(ブルキナファソ、マラウイ、タンザニア)について、PPPの実態を、2014年に調査した結果、

“PPPによる農業開発では、貧困層は参画の程度も低く、投資の利益を享受するのは一部の特権階級となる可能性が高いことがわかった”

という報告等、相変わらずの、想定通りの問題状況もあるようだ。 (調査報告書「官民連携が招くモラル・ハザード?」

 

 

アフリカ観光地巡り  

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2017年6月29日(木) アフリカ観光地巡り

 

 

 当ブログでは、アフリカシリーズとして、これまで 

      アフリカの諸国 1~7 (2017/5/6~6/24) 

の記事を投稿してきた。

 

 今後の発展が期待されるアフリカだが、その4で触れたように、地下資源に依存するなどの、モノカルチャー的経済の体質が問題と言われている。

昨年、ケニアで開催された、日本が主導する国際会議 TICAD Ⅵで採択された「ナイロビ宣言」では、アフリカの安定した発展のために、農業、畜産業、製造業、海洋産業、技術革新産業、観光業等を含めた、経済の多角化と産業化のための支援を行う事が謳われている。

 

 本稿では、地理好きの筆者として、この中の観光業を採り上げ、アフリカの観光地巡りを行って、アフリカシリーズを締めくくることとしたい。筆者はこれまで、残念ながら、アフリカを訪れたことは無く、ネットでの擬似体験だけであるがーー。

 

◇アフリカの絶景30選

 観光地としても、アフリカは多くの魅力を持っているが、一生のうちに一度は訪れたい絶景30選、と言うサイトが、ネットで見つかった。(一生のうちに一度は訪れたい! アフリカの素晴らしき絶景30選 | トジョウエンジン ) 

この記事を参照し、これら30地域を一覧表にすると、以下のようになる。 

No 観光地名称           所属国       記事  

① マラケシュ旧市街地        モロッコ      世界遺産   

② ナミブ砂漠             ナミビア      

③ デッドフレイ(ナミブ砂漠)    ナミビア      

④ ビクトリアの滝           ジンバブエ  

⑤ クイーンエリザベス国立公園  ウガンダ    世界遺産    

⑥ カフラー王のピラミッド      エジプト

⑦ キリマンジャロ          タンザニア   

⑧ セレンゲティ国立公園     タンザニア     世界遺産

⑨ マサイマラ            ケニア

⑩ オルドイニョレンガイ火山   ケニア

⑪ トゥリアーラ            マダガスカル  

⑫ ボネ・ド・パップ山        マダガスカル       

⑬ ナマクワランド          南アフリカ           

⑭ バオバブ街道          マダガスカル         

⑮ シディ・ブ・サイド        チュニジア           

⑯ サハラ砂漠            モロッコ             

⑰ クルーガー国立公園      南アフリカ           

⑱ ブライデリバーキャニオン   南アフリカ              

⑲ アイット・ベン・ハドゥ       モロッコ      世界遺産          

⑳ ンゴロンゴロ           タンザニア           

㉑ キガリ               ルワンダ            

㉒ ザンジバル島のサンゴ礁とマングローブ タンザニア        

㉓ ポールジャンティ        ガボン              

㉔ エルタ・アレ火山        エチオピア            

㉕ ダナキル砂漠のダロール地帯  エチオピア             

㉖ リシャット構造          モーリタニア           

㉗ ツィンギ・ド・ベマラハ     マダガスカル  世界遺産        

㉘ ボゴリア湖             ケニア               

㉙ ザンジバルのストーンタウン  タンザニア          

㉚ モザンビーク島          モザンビーク          

 

 これ等の所在地を、国名入りのアフリカ白地図上に、余り正確ではないが、自作で、数字入りの赤○で示したものが、下図である。 

アフリカ54カ国の名前と所在は、なんとか頭に入っているのだが、今回の絶景30に出てくる地域は、地図にあるように、特定の国(15カ国)に偏っているようで、タンザニアは5件、マダガスカルは4件もある。

    

 

*これらは、大まかに、以下の2分野に分けることができる。

 自然  砂漠   ②  ③  ⑯

      山岳   ⑦  ⑩  ⑫  ㉔

      地形   ⑱  ㉖  ㉗ 

      湖海   ⑤  ㉒  ㉕

      滝    ④ 

   

      動植物  ⑧  ⑨  ⑬  ⑭  ⑰  ⑳  ㉘

 

 人文  街並み  ①  ⑪  ⑮  ⑲  ㉑  ㉙  ㉚ 

      建造物  ⑥ 

      産業   ㉓

 

◇ 観光関連のビジネス

  アフリカには、日本を含め、世界各地から大勢の観光客が訪れるが、その狙いは様々だろう。前項にあるように、驚異的な自然の絶   景や、珍しい動植物の様子を見たい人も多いだろうか。また、歴史的な建造物や、美しい街並みに魅かれる人も多いだろう。

  観光に関係するビジネスとしては、航空機、船舶、自動車等の交通関係がある一方、ホテルや土産物、レストラン等もあり、ガイド業もあろうか。全体を纏めて面倒見るツーリスト業も重要だ。

 

  観光客は多くても、出発国の事業者や個人が、大方を手配することから、必ずしも、現地の企業や住人たちは恩恵を受けていない実態もあるという。

  上記⑭に、マダガスカルのバオバブ街道が出ているが、以前、アフリカのバオバブについて、下記記事を投稿したことがある。

     珍しい植物 2  バオバブ つづき(2016/7/19)

この中で、ある団体が、ソーシャルビジネスとして、バオバブを所有する零細な現地住民を、支援していることに触れている。

 

  観光に出かける人たちや出発国の事業者だけでなく、観光客を受け入れる側の事業者や現地住民にとっても、持続可能なウインウインの関係が出来るような、観光業の発展を望みたいところだ。

   

  

 

 

 


メトロ文学館

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2017年7月2日(日)  メトロ文学館 

 

 先日の火曜日、東京メトロの千代田線に乗って都心に出かけたが、電車内に掲示されたポスターの、「メトロ文学館」の作品が目にとまった。 つり革に捕まりながら見た作品は、「月めぐり」と題する、大変印象深い詩だった。

以前、通勤していたころは、このような掲示は、良く見かけたが、最近では、珍しいことだ。 持っていたデジカメで写そうと思ったのだが、結構、乗客も多かったので、不審な行動に見えるか?、と思い止まった。

帰宅後、早速、メトロ文学館をキーにしてパソコンで検索し、画像表示にしたところ、ズバリ、あのポスタ-が出てきて、出典のサイトも判明した。この4~6月に車内に掲示された、最新の公募採用作品で、作者は、島村晶与氏(多分 女性)である。以下に引用させて頂く。(メトロ文学館 | 公益財団法人メトロ文化財団

    

 

以下に、この詩について、筆者なりの印象を記したい。 

情景の設定は、作者の年老いた母親のこれまでの生涯を、母親の気持ちになって、折々の月の変化に託して、詠われている。(月の名前は、月の名 等を参照)

  

・最初は、銀座の街角での父と母の出会いの情景で、月は朧月だったというのは、おぼろな恋心を誘ったようだ。

・次は、神田川沿いの風景で、二人で暮らした日々だ。寝待月という表現で、仕事に追われる父親の帰宅を、待ちくたびれる母親の姿を彷彿とさせる。 

・勝鬨橋の近くで、母親は作者の自分を生んでくれたと、嬉しさいっぱいである!

出ていた月は、満月で、天満月と書いて、“あまみつつき”と読むようだ。月明かりが、空いっぱいに広がる。上の写真も、この情景だろうか。 

・そして、現在のスカイツリーをみて、母は、天にいる父を思い出している、という風景だ。

片割月(かたわれづき)とは、半分だけ光る弦月のことだが、やや、ストレートな表現で、深い寂しさを現しているだろうか。

 

この詩全体からは、仲の良かった両親が、折々に、作者である娘に語って聞かせてくれた光景が思い浮かぶ。

また、月の変化についての作者の蘊蓄が素晴らしく、和歌なども嗜んでいるだろうか。筆者は、恥ずかしながら、天満月という表現と、読み方は知らなかったことだ。

 菅原道真公を祀った天満宮(天神さま)は、関西、九州、関東など、全国各地にあるが、この“天満”(てんま てんまん)と、月との関係はどうなのだろうかと、今回調べた範囲では、不明である。

 

 前出のサイトには、今回目にした作品と一緒に、他に、以下の2作品が出ていて、地下鉄の他の路線の車内に、同時に掲示されたと思われる。

   ・降りることのない駅

   ・見知らぬ笑顔

これらも読んでみたが、筆者には、やや難解で、ぴったり来ないものであった。

 

 

 

 

 

半夏生  

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2017年7月3日(月)  半夏生

 

 昨7月2日は、二十四節気には含まれない、雑節の半夏生(はんげしょう)である。太陽黄経が100度に達する時で、夏至から数え10~11日目に当たり、この頃が梅雨明けとも言われる。

 

 我が家には、ハンゲショウという草花があり、知人から分けて貰ったものだ。下の写真のように、この季節になると、白い穂状の花が咲き、花の近くの葉が、花弁のように白くなって、化粧したように見えることから、半化粧とも呼ばれている。 

   ハンゲショウ

 

  ややこしい話だが、漢方薬で、半夏(はんげ)と呼ばれる薬草がり、通常は、カラスビシャクという雑草だが、これも、この時期に、特異な花をつける。(下図)

  カラスビシャク(ネット画像) 

 

  一昨日、近隣のスーパーの魚コーナーでは、半夏生に因んだ、プチセールがあった。田んぼに植えた稲の苗が、蛸の足のように、しっかり根を張るようにと、蛸を食べる習慣があるというので、PRしていたもので、普段は高めなので敬遠している蛸だが、つい、買ってしまった。鯖やうどんを食べる習慣の地域もあるという。

               

風呂場ギャラリー   初夏

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2017年7月5日(水)  風呂場ギャラリー  初夏

 

  夏至も過ぎて、このところ、梅雨空が続くが、ワイフKが久々に、我が家の屋上庭園の草花で、風呂場ギャラリーを飾ってくれた。

風景の後方にみえる手摺は、先だって取り付けて貰ったものだ。

    風呂場風景

 

  初雪草 

 白い縁取りが目立つのは初雪草で、ユーフォルビアともいう。花は良く見ないと分からない地味な薄黄色で、むしろ、葉が花のように見える。

2年ほど前、園芸店で買い求めたものだが、種がこぼれて、そかから、春に芽がでてきたもの。大事に育て、風対策の支柱もつけたら、立派に成長してくれた。

何とも爽やかで、雪を思わせるネーミングもいい。

 

 ホタルブクロ 

 下向きのユニークな花をつけるのはホタルブクロ。大好きな野草で、通常の花は、赤紫や白色だが、青色の花をつける珍しいこの種類は、山形への旅行で手に入れたものだ。

子供が小さい頃に読んであげた童話の中で、初めて、この名を知ったのだが、ホタルブクロというネーミングは、筆者の幼い頃、近くの田んぼで採ったホタルを、大きな繭(まゆ)の中に入れて楽しんだ思い出と重なるようだ。

 

  ルリフタモジ

  文字通り可憐なルリ色の花を付けるのは、ルリフタモジで、ニラに近い仲間である。

大分前に、知人から分けて貰ったものだが、いまや、我が家を代表する草花の一つで、秋口まで、次々と花芽が出てきては、楽しませてくれる。

これまで、実に沢山の人達に、おすそ分けしたことだ。

都議選が終って  

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2017年7月11日(火)  都議選が終って 

 

  定例の都議会議員選挙が、この7月2日(日)に行われ、終了した。都民の一人として、投票を行ったが、これまでの都議選とは大きく異なる印象である。

 

◎今回の都議選の概要

*有権者数と議員定数

 有権者数 1126.6万人(今回から18歳以上。 前回より約67万人増)

 全体の議員定数127が、都下42選挙区毎に割り当てられた。今回は、選挙に先立ち、総定数は変えない見直し(2増2減)があり、定数が増えたところはいいとして、減った2選挙区の当事者は、後述するように、大変だったようだ。

   定数変更  1増:町田(3→4) 北多摩3(調布 狛江)(2→3)

           1減:北(4→3)  中野(4→3)

 

*投票率        今回         前回

    投票率    51.28%      43.50      

 今回は、昨年夏の小池新知事の誕生で、政治状況が大きく変わり、各党とも、国勢選挙並みの取り組みが行われ、都民の関心も高かったが、投票率は、前回よりも、8ポイント程高くなったものの、有権者の約半数程度が棄権している、と言う実態は、やや、驚きである。

 その中で、期日前投票は、投票数135万票強で、前回の1.5倍となったようだ。有権者の権利行使時への配慮が、効を奏している、と言えるようだ。

住んでいる足立区内では、投票所の総数は76だが、今回は、家族の都合から期日前投票を行った。期日前投票ができる会場が区内に8か所あり、通常の投票所と同程度に近かったのが幸いであった。

 

* 得票結果

 今回の都議選の得票結果は、マスコミで、トップニュースとして大々的に報道されているように、都民ファーストの会(略 都民F)の圧勝と、自民党の惨敗という、想定を越えた結果となった。党派別には以下のようだ。

      改選前  改選後  今回状況

自民党 57    23  

公明党  22    23     候補者全員当選

共産党 17   19

民進党  7    5

都民F   6   49        候補者50人 島以外当選  

                                 選挙後、無所属6を追加公認 

他 ネ維  4   2

無        13   7        選挙後、追加公認で1に

計     126 127 

  選挙結果、議会内の勢力分布が大きく変わり、小池知事を支持する勢力が、都民Fの選挙後の追加公認と、公明党を加えて、過半数の64を大きく超え、78となった。

 

 ◎ 選挙区の概況

*注目区の状況

  選挙区を定数別に見ると、選挙前→選挙後の変化は、以下のようで、自民から都民Fへの大きな流れがある。

     1人区  7 全て自民→自民は島のみ 他は都民F  

    2人区 15 1人目 全て自民+他

                                              →1人目14都民F+1公明、2人目自民6 

                                        都民Fが2議席独占の区もある 

   自民候補の状況は、どの選挙区でも苦戦しており、目黒(定数3)では、現自民2人が揃って落選。一方、世田谷(定数8)では、現3人が全員当選と、健闘しているのは例外的だ。 

  自民関係幹部等の状況は以下。   

  ◇千代田(定数1) 都議会自民党のドンと言われた、内田前幹事長の引退で後釜が出馬したが、都民F候補に完敗し落選。

      x昨年11月の区長選でも、自民候補が、都民F候補に敗れている。

   ◇北区(定数3) 現自民党の幹事長が、都民F議員団幹事長等に1200票程の差で敗れ落選。定数減の影響が大きい。

   ◇中野区(定数3)現自民党都議会議長が、都民F候補等に1300票程の差で敗れ落選。定数減の影響が大きい。 

 

*足立区

 筆者の御膝元の足立区だが、以下のようだ。

・足立区 定数6       得票率   

 都民F 新 後藤奈美  16.6%

 共産  新 斉藤真里子 13.4 

  自民  現 高島直樹  13.2  都連幹事長  

 公明  新 薄井浩一  13.1

  都民F 新 馬場信男  12.9

 公明  現 中山信行  12.0

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 自民  現 発地易隆   9.4  法定得票

  民進  新 銀川裕衣子  5.7  法定得票

 維新  元 鈴木勝博   3.3 

  足立区では、他の区と同様、都民Fの女性候補が早々と当確を決めたが、自民都連の幹事長ポストを、前任の内田ドンから引き継いだ高島議員は、開票速報では、なかなか、当確にはならなかった。 公明や共産は組織力で優勢だったが、かなり遅くまで、都民F、公明の2議席目や、自民現職の2議席の行方が定まらず、マスコミも容易には決めかねただろうか?

  結局、上記のように、6議席のうち、都民Fと公明が2議席を、共産が1議席を確保し、自民は、高島幹事長は問題なかったものの、現職1人が落選する結果となった。又、民進党候補は、自民大敗の流れに乗れなかった。 

 *舛添前知事の辞任劇から小池新知事の誕生までと、豊洲移転問題を含めた、小池知事のその後の動きについては、以下のブログで触れている。

    新東京都知事             (2016/9/6)

    新東京都知事 その後      (2016/9/30)

   新東京都知事 続その後     (2016/10/16)

   新東京都知事 続々その後   (2016/11/3)

   小池都知事  豊洲移転の決断(2017/4/12) 

 このため、これらの詳細については省略するが、今回の都議選は、何が争点だったのだろうか? 又、結果は何を意味するのだろうか? 

  直接的に都と関係する、築地市場・豊洲移転問題や、オリ・パラ問題等もあるが、筆者には、小池都政への期待が大きい一方で、国政に対する批判が、かなりの比重を占めているように思われるのである。

これらについては、稿を改めて取り上げることとしたい。

 

 

 

都議選が終って 続    

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2017年8月25日(金)  都議選が終って 

 

 

  先月7月4日の都議会議員選挙では、想定を超える選挙結果となり、下記ブログでも取り上げたところだ。

        都議選が終わって  (2017/7/11)

その後、この結果は、国政など各方面にかなりの影響があったようだ。

 

 これ以降、ブログ記事の投稿は、夏バテなのか、暫く休んでしまっているが、ブログを再開し、内外のニュースが飛び交った主な話題について、簡潔に採りあげることとしたい。

本稿は、都議選後の状況について、続編として簡単に纏めたものである。 

 

 舛添前知事の辞任劇から小池新知事の誕生と、豊洲移転問題を含めた、小池知事のその後の動きについては、以下のブログで触れているが、詳細については、今回は省略する。

    新東京都知事 (2016/9/6~2016/11/30) 計4回

    小池都知事  豊洲移転の決断(2017/4/12)

 

◇築地市場移転問題

 昨年秋に小池新知事が誕生以来、あれ程大きな話題となった、築地市場の移転問題だが、不思議なことに、今は、スッカリ鳴りを潜めているようなのはどういうことだろうか? 

 築地市場の豊洲移転問題については、当初予定の昨年11月移転を、延期することとして以降、盛り土が無かったり、地下空間が見つかったり、地下水から環境基準値を超える有害物質が検出される等、大騒ぎとなった。

 専門家会議は、豊洲新市場は、種々問題があっても、安全性は確保されていると公言している。

一方、都のPTが、築地の再開発と将来方向について検討を進めていたようで、検討結果をまとめ、屋上屋を重ねるやに見える「市場のあり方戦略本部」に上げて議論したようだ。

 これ等の場で、どのような検討や議論が行われたのかは、把握していないが、小池知事は、都議選公示直前の6月20日、緊急の記者会見を行い、市場に関する都の方針を発表した。

これによれば、以下のようだ。(築地市場の豊洲移転問題…小池都知事が基本方針発表

   ・先ず、豊洲に移転し市場を開設する

   ・5年後をめどに現築地市場跡地を再開発し、市場機能を残した「食のテーマパーク」とする

   ・築地・豊洲の両立をはかる

というものだ。     

余りにも漠とした方向付けが行われた訳だが、選挙中も、選挙後も、具体的な動きは見えず、鳴りを潜めて現在に至っている、と筆者には見える。

 9月の定例都議会等で、具体的に論議されるものと思われるが、両市場を生かして使うという二股作戦が、どのように展開されるのだろうか。何といっても、宙ぶらりんの状態を余儀なくされている、市場関係者の意向や動きが注目されるところだ。

 

 ◇ フランス大統領選と総選挙

 小池知事誕生後に急いで結成された都民ファーストの会が、都議選で大勝利を収めた訳だが、選挙のレベルは異なるものの、フランス大統領選挙と総選挙結果が、かなり似ているので、取り上げてみたい。

 フランス大統領選挙では、4月23日の第1回投票には、11人が立候補し、予想通り、マクロン候補、ルペン候補の2人が、5月7日の決選投票に残り、EU再結束を掲げるマクロン大統領の誕生となった。フランスのEUからの離脱も辞さないとするルペン候補が勝利するのを、大方の国民が避ける結果となった。得票率は以下である。 マクロン大統領の議会内の与党勢力はたったの数名だったという。(2017年フランス大統領選挙 - Wikipedia

           政党         1回      決選

  マクロン候補 アンマルシュ    24%    66%

  ルペン候補  国民戦線      21%    34% 

  引き続いて行われた議会下院の総選挙だが、マクロン新大統領は、就任後「共和国前進」という、新党派を作り総選挙に臨み、第1回投票は6月11日に行われた。

 2回目の決選投票は、6/18に行われ、共和国前進が圧勝し、大統領多数派が議会の約60%を確保した。得票率と獲得議席数は以下だ。( 2017年フランス議会総選挙 - Wikipedia

総選挙でも、ルペン候補の「国民戦線」は殆ど支持されなかった。フランスの民主主義は大丈夫、との印象である。

                        1回   決選  獲得議席数

大統領多数派(中道) 共和国前進  28% 43%  306

                       民主運動    4    6     42

小計                      32  49    348

中道右派                   21  26     35

中道左派                    9   7     44

その他                      38  18    46

  (国民戦線)                                (13)     (8)   (8)

計                                              573 

 

「共和国前進」の結成と圧勝という状況は、「都民ファーストの会」の状況と良く似ている。 

  都民ファーストの会の体制だが、二元代表制の問題等があるというので、都議選終了後、小池知事は、代表の座を退いている。東京都だけでなく、日本の地方自治体では、首長も議員も選挙で選ばれている。

 

  国政レベルでは、日本は、議員内閣制をとっているので、首相は、間接的に選ばれ、イギリスやドイツもおなじだ。

一方、フランスだけでなく、大統領制の仕組みをとっているアメリカや韓国などでは、二元代表制の問題があるとも言える訳だ。

  代表(首長)を、直接的に選ぶか、間接的に選ぶか、両方式には、長所と短所がある訳で、国政レベル、自治体レベルで、果たして、どちらが優れているのだろうか?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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