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野球での二刀流   2

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2016年6月15日(水) 野球での二刀流  2

  

 先日、野球に関して

     野球での二刀流   1  (2016/6/10)

 を投稿し、DH制(指名打者制)と二刀流の現状等について、取り上げたところだ。

  本稿は、その続編で、DH制の特徴、二刀流の実際等について触れることとしたい。

 

 

◇ DH制の特徴

* 投手への、打者としての期待度

  DHを置かない(非DH制)試合では、投手は、通常、交代せずに打席に立つ義務があるものの、その打撃は殆ど期待されておらず、打順は、通常は、打席回数が少ない9番等が多い。

 打順が来れば、投手リレー上、そう頻繁にも代われず打席に立つものの、本人の打ち気も余りなく、凡打が多く、バントしたり、三振することもある。たまたま、ヒットやホームランを打つと、想定外の儲けものをしたように、大きな話題となる。 チャンスの場面では、その投手に代わって、代打(PH)が出されることも多い

  投手が打席に立つ場面は、大方、アウトカウントが1つ増えるだけで、見ていて面白くは無い。

歴代の投手の通算打撃成績を見ると、打率の良い選手でも、2割5分程度だ。(歴代 通算記録

 

 

* DH制で、試合は面白くなったか?

 このような、打てない投手の問題を解消し、試合の面白さを高め、野球人気を盛り上げることを狙って、前稿にあるように、DH制が、MLBで始められたようで、NPBもそれに倣っている。 

DH制の試合では、投手、打者の役割を分業化し、それぞれに有能な選手を充てることとなる。 DH制が行われている、NPBのパ・リーグの試合では、通常は、投手は打席に立たず、代わって、DHが打っている。 

このDH制の導入で、どれ程、野球は面白くなっただろうか、集客効果が上がっただろうか?

 

* 二刀流への期待

 投手と打者の役割を分業し、それぞれを、2人2役で受け持つのがDH制だが、これに対して、この流れに逆らって、元に戻すかのように、2013年から、NPBで現れて来たのが、1人2役となる二刀流であろうか。

従来の非DH制での投手(一刀流)と、二刀流での投手とは、形の上では、なんら変わらないのだが、二刀流の選手は、1人2役をこなし、投手としてだけでなく、打者としても、大いに期待される所が大違いなのである。

 二刀流は、見ている観客にとって、大きな魅力なのである。 野球ファンの、英雄願望、スパーマンへの期待の表われでもあろうか。

 

*選択肢が増えた!

 DH制についての、NPBでのシステム的な変遷でみると、以下のようだ。

  

   非DH制→非DH制(セ・リーグ) →一刀流 ◎

                         →二刀流 ×(実施しているチームは無い)

        →DH制 (パ・リーグ)  →一刀流 ◎

                        →二刀流 ○(日本ハム 大谷選手のみ) 

 此処に至って、バリエーションとして、DH制下の試合でも(さらには非DH制下の試合でも)、投手が、投手で無くDHで出たり、野手で守って打ったりする(準二刀流)事例が出て来たが、この様な選手起用については、特別な規制はないようだ。

更には、同じ試合で、投手で出て、打席に立つことも出来る(リアル二刀流)事例も、出てきた訳だ。この場合、DH制下では、DHを解除しDHを置かないという、リアル二刀流となるが、非DH制下では、そのまま、リアル二刀流である、とも言える。

 非DH制・DH制、準二刀流・リアル二刀流と、多様なパターンが出て来ていて、選択肢が増えたのだ。

二刀流については、日本の1リーグ時代に、関根順三選手、西沢道夫選手などが、経験した前例はあるようだ。

 

 

◇二刀流の実際

*試合状況とスケジュール

 5月末から今月中旬にかけての、日本ハムの大谷選手のスケジュールは下図のようだ。出場する試合(DH、投手、代打等)と、休養・調整のスケジュールが組み合わされている。

 (ネット情報より)

 昨年までの準二刀流に加えて、今季になって遂に、図にあるように、下記で、リアル二刀流が行われている。

     5月29日 日本ハム―楽天戦   DH制  ビジタ-     

     6月 5日、日本ハム―巨人戦  非DH制 ビジター

これらについては、すでに、前稿で取り上げているので、詳細は省略する。

 

 そして、先日の札幌ドームでの交流戦、

     6月12日 阪神―日本ハム戦 DH制  ホーム

で、3度目のリアル二刀流が実現している。 試合の概況を、末尾の「別記」に示す。

 更に、図にあるように、交流戦の最後の

     6月19日 日本ハム―中日戦 非DH制 ビジター

で、またまた、大谷選手は、リアル二刀流で登板予定のようだ。 

 

*二刀流の当人からみたら

 非DH制では、投手を含めて、イニング毎に攻守が交代するので、リズムがあり、攻めの時は、適度の休憩時間も得られる。

これに対して、DH制では、攻めのイニングの時の投手/守りのイニングの時のDHは、休みのイニングができることとなる。やる当人から見たら、楽な面と、やりづらい面があるだろうか。

 一方、DH制/非DH制に関わらずに、1人2役をこなす、リアル二刀流の試合となると、当人は、可なり忙しく、しんどいだろうか。

 

 又、試合が無い時間の過ごし方は、どうだろうか。

 非DH制の場合は、先発投手は、中4日、5日程のローテーションで、登板があるが、大谷選手の場合、スケジュール表では、登板前の2日間は、投手として調整とある。 

 投手としての休養や、野手としての調整も必要で、当人の負担や、身体状況を見ながら、どの様な準備やトレーニングを行うか、難しさもあると思われる。

  

*二刀流が広がらない!

 先述のように、NPBでの、DH制のシステム的な変遷でみると、二刀流は、2013年以降から現在まで、パリーグの1球団の、1選手だけが対象となって、限定的に行われているだけで、広がる気配はない。

 来月のオールスター戦は、2試合とも、DHルールで行われるとあるが、オールスターのファン投票の中間発表では、大谷選手は、投手として人気が高いが、DHとしても名前が出ているようだ。(マツダオールスターゲーム2016 | NPB.jp 日本野球機構

オールスター後、通常シーズンに戻ってからの大谷選手の二刀流は、どうなるだろうか。

 

 再度言えば、二刀流は、何も、DH制のあるパ・リーグの試合に限った事では無く、非DH制のセ・リーグの試合でも、勿論、できる。 現在進行中の、セ・リーグとの交流戦でも、これまでの、

     日本ハムー巨人戦

     日本ハムー阪神戦

では、セのルールに従って、セの公式戦と全く同様に、行われていることだ。

 

 この流れで、二刀流を行うチームとして、2チーム目、3チーム目が現れ、又、後継者として、2人目、3人目の選手が出て来てほしいものだが、どうして流行らないのだろうか?

 下記の様な、幾つかの理由が考えられる(順不動):                                        

    ・難しすぎて、投打の能力のある選手が極めて少ない

    ・二刀流としての評価基準が定まっていない 

    ・実践データの蓄積が不十分

    ・選手生命を考えた長期的な選手育成法が見えない

    ・識者からも、二刀流には問題が多いと懸念する意見も多い

    ・NPBが見倣ってきたMLBで流行っていない!

    

 

「別記」 TV観戦した試合の概況

   (大谷163km連発 (2016年6月13日(月) - Yahoo!ニュース) 

 6月12日 日本ハム 6-0 阪神戦  日本ハムの2勝1敗で終了

  大谷選手の活躍:

    投手 勝利投手(通算5勝4敗)

        1~7回登板(8回から交代)失点0 奪三振8 

        自己の持つNPB最速記録163km/sのタイ記録を、5回も連発

    打者 5番投手で出場(交流戦初のDH解除)

        3打数0安打(四球1 フライアウト2)

    打者としては振るわず、投手としての活躍ばかりが目立った。 

 

 次稿では、二刀流の評価尺度や、スポーツでの複合競技等について触れ、シリーズを締めくくることとしたい。


鏡餅の後日談

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2016年6月18日(土)  鏡餅の後日談 

 

 例年の、我が家の恒例行事である正月飾りの一つとして、鏡餅があるが、今年の正月の様子を、ブログ記事 

        今年の正月―正月飾り  (2016/1/28)

 にしている。

 下図は、記事の中にある鏡餅の写真だが、この鏡餅、包装カバーの中は、切り餅が入っているのではなく、二重になった餅そのものだったので、驚かされたことだ。  

       

  暮れに、この鏡餅を買った時に、抽選付きで草花がプレゼントされるという、申込書が付いていたという。ワイフKが、どうせ当たらないだろうと思いつつ、駄目元で、郵便で申し込んでいたようだ。

 そして、何とつい先日、鏡餅のメーカ(新潟県 T社)から、抽選で当たったと、段ボールに入った、鉢植えの花が届けられたのである!

 

 この草花は、見た事はあるが、添えてある名札から、スパティフィラム(スパシフィラム)と呼ぶ事を知った。

調べてみると、ミズバショウなどと同じサトイモ科の観葉植物で、仏炎苞という、白い後背に守られるようにして、中央に、棒状のいぼいぼの花(肉穂花序)がある。清楚な雰囲気があり、白い苞と、濃緑の葉のコントラストがいい。

 日陰にも平気なので、取りあえず、風呂場ギャラリーに登場である。(下図) 

 

   

 鏡餅は、1000円前後だったと思うが、この、竹籠の鉢植えの生花の方が、余ほど高価で、ネット情報では、2~3000円位はするだろうか。

 偶然に籤に当たったとはいえ、思わぬ生花のプレゼントは嬉しく、花姿にも好感が持てたことで、現金なもので、このメーカが、すっかり好きになってしまったことだ!

 

 調べてみると、このメーカは、鏡餅だけでなく、我が家の常備食品である切り餅や、デザート類、おかゆ等、幅広い食品類を扱っているようなので、今度、スーパーで探して見ようと思っているところだ。

 

 

 

 

 

 

都知事の辞任騒動

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2016年6月21日(火)  都知事の辞任騒動

 

  週刊文春のスクープ記事が、大きなきっかけとなった、都知事の辞任騒動が一段落した。 舛添都知事は、昨日、最後の登庁となり、今日21日付けで辞任した。

都知事選の投票日は、7月31日(日)になったようで、連日、候補者選びのニュースである。7月10日投票の参院選とともに、選挙権のある都民の一人として、暫く、落ち着かない日々になりそうだ。 

 今回の騒動について感じた印象を、思いつくままに記すこととしたい。

 

○週刊誌の力 

 週刊文春が、5/5・12GW特大号(4/27発売)でスクープ記事を載せて以降、舛添都知事に関する話題が、一気に表に出て来て、マスコミの格好の材料となった。週刊文春は、第1弾~第7弾と、息つく暇を与えず、暴露記事を連発した。 筆者は、この週刊誌の現物は見ていないのだが、以下はネット情報より引用した、バックナンバーである(新しい順)。(雑誌バックナンバー - 週刊文春WEB を参照)

 

 

  週刊文春の記事より以前には、舛添知事が外国訪問時の、航空機の座席がファーストクラスであったり、泊まるのが、最高級ホテルのスイートルームだったりと言うのが、都議会で問題になっていたようだ。(舛添知事、米国出張は1泊15万円 いずれも「要人の急な面会に備えて」スイートルーム - 産経ニュース  等)

これに、火に油を注ぐように、週刊誌のスクープ記事が出て来て、都知事を辞任に追い込む、決定打となったと言えるだろうか。

 

 週刊誌の、情報収集力、影響力の凄さ・恐ろしさに驚かされる。 一方で、強大な存在を前に立ち向かった鼠小僧のように、庶民の味方、正義の味方の様な、小気味よさを感じるところでもあるがーー。

 この週刊誌は、先に、政治資金疑惑で、TPP担当だった、前甘利明大臣を、辞任に追い込んだ“実績”もあるようだ。(「リスクを恐れず、訴訟で負けない記事を作る」週刊文春・新谷編集長に聞く(上) (弁護士ドットコム) - Yahoo!ニュース

 

○都知事のステータスと待遇

 上述した、この春頃から都議会で問題となっていた、公務で外国に行く場合の、都知事の豪遊ぶりだが、週刊誌後のマスコミでも、改めて批判された。でも筆者は、このことについては、そんなに度を越しているとは思わない。

  都の担当職員は、これまでの前例に倣って、座席や宿を手配したことで、知事自身が特別に注文を付けたとは思われないのだが。でも、都としての財政の豊かさが、都庁内の体質や空気を、放漫なものにしていた面は、あるだろうか。

  いやしくも、世界の東京の首長として、恥ずかしくないスタイルをとることも必要と考える。レベルは大きく異なるが、筆者のささやかな経験では、国際会議に代表として出席する場合は、どのホテルに泊まるかも、重要なステータスではある。

 

  そして、週刊誌でスクープされた、湯河原の別荘へ、毎週のように、公用車で通った問題だ。 政治家としての事務所と別荘とが、どのように区別されていたのかは不明だが、筆者は、これも、許容範囲内と考える。 別荘を、私邸とすれば、職場から安全に私邸に送り届けるのは、取り巻きの重要な仕事で、少なくとも、往路については、おかしくはない。

 又、都管内で豪雨災害が起っている/起る可能性があるのに、予定通り東京を離れ、公用車で別荘に行ったことも問題視された。都民の安全を守る知事の立場としては、やや離れた場所に移動するのは望ましくはない。

が、知事の仕事は、24時間勤務とも言えることで、息抜きも必要で、所在がはっきりしていて、十分に情報連絡ができる体制こそが肝要だ。この情報ネット時代、居場所が何処であろうと、指揮は取れるのだ。

 顔を見せる対面に拘る日本的な慣習よりも、中身が重要である。

 

○せこいと言われた公私混同

 第2弾で、「血税タカリの履歴」として公表された暴露記事が、命取りになっただろうか。記事の内容は、以下のようだ。

●正月家族で温泉宿 37万円 ●自著100冊買上げ 10万円 ●美術品等 900万円 ●湯河原別荘近くの回転寿司 5万円 ●自宅近所ピザ屋 20万円 ●3000円床屋は子供の分も領収書

 記事の冒頭にある温泉宿は、木更津のホテル三日月のようで、この宿泊費37万円が、政治資金から支出された事が問題となった。 ただの家族旅行だったのでは、との疑惑であるが、当人は、このホテルで、某出版会社の社長と政治に関わる会談を行ったと言っている。

 でも、相手の具体的な氏名等は、政治の機微に触れるとして、到頭、明かされなかった。ある情報では、その某社長は既に亡くなっていて、確かめようが無いようだが、だからこそ、でっち上げたのでは、とも言われている。

 “あれは家族旅行でした”、と、最初に素直に認めていれば、その後の嘘の上塗りも不要となり、事態は、別の方向に展開していたかもしれない。

 

  政治資金の使途に関する、その他のこまごました話題では、自己の趣味や、家族に関するものだったのでは、との疑惑があるのだが、本人は、これを否定して、政治活動上で必要だった、と言い張った。

そして、逃げ道を作るかのように、これまでの疑惑を明らかにするために、第三者の弁護士に、公正な調査を依頼するとしたのだが、単なる時間稼ぎ作戦でもあったろうか。

  暫くして、弁護士による、調査結果なるものが公表され、“違法性はない”ものの、“道義的には不適切”と、幾つか指摘された。でも公表内容に具体性が全く無く、公私混同の疑惑は、少しも晴れなかった。 知事の対応に、誠実さが全く感じられず、議会や都民の信頼を失うばかりであった。

 第3弾以降で取り上げられた話題では、知事本人の人間性を疑わせるようなゴシップが多いようだ。

 

○ 「sekoi」が、国際語となった? 

 今回の、都知事の辞任騒動について、著名な米ニューヨークタイムズ紙は、前知事の行動を表す言葉として、都議会などで最も多く使われたのが、sekoi だった、と報じている。(舛添氏は「せこい」 米NYタイムズ紙 - 政治・社会 - ZAKZAK) 

 日本語の「せこい」は、芸事の世界での隠語から来ているとの説があり、みみっちい、けちだ、等とほぼ同義だが、より卑下した語感があり、俗語に近く、手持ちの通常の国語辞典には載っていない。

 ここで、関連する和英の単語を、反対語と共に、調べてみた。

   みみっちい、けちだ :stingy(スティンジイ)、misaly(マイザリイ) 

   気前がいい      :open-handed、generous(ジェネラス)

 せこいは、日本語としては、普段は、あまり使われないのに、外国人ジャーナリストのセンスは流石、と感心したことだ。 類似の意味の俗語として、「こすい」もあるようだ。

 

 ここで、外国語となっている日本語として思い浮かぶのは

     モッタイナイ    

     オモテナシ    

     ツナミ

     ラーメン

などであるが、これらは、日本の文化的・地勢的特徴を、よく表しているだろうか。

 

今回、これらに、「セコイ」が加わったのだろうか?! 

 国際的には、暫くは、東京のsekoi知事のことが話題となるだろうが、 日本人が、sekoi と言われた訳ではない。日本の首都東京で、行動がsekoiことに端を発して、辞任に追い込まれた知事がいた、ということだ。

 

 次稿では、辞任に追い込まれた直接的な理由や背景等について、取り上げることとしたい。

野球での二刀流   3

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2016年6月23日(木)  野球での二刀流  3 

 

 これまで、野球に関して、

       野球での二刀流   1  (2016/6/10)

       野球での二刀流   2  (2016/6/15) 

を投稿し、その1では、DH制(指名打者制)と二刀流の現状等について、その2では、DH制の特徴、二刀流の実際等について触れたところだ。

  本稿では、先日の試合での二刀流大谷選手の活躍と、二刀流の評価尺度や、スポーツでの種目を複合した競技等について触れ、シリーズを締めくくることとしたい。 

 

◎ 大谷選手の直近の活躍

  先日の12日(日)に、交流戦の、

       日本ハムファイターズ ーー 中日ドラゴンズ  (名古屋ドーム)

が行われ、注目の大谷選手が、二刀流で出場するとあって、NHKのTV中継放送を、最初から最後まで、楽しませて貰った。

 

 この対戦での、大谷選手の活躍は以下である。

   投手  3-2で勝利し、勝ち投手に。チームの2連敗を止める。   

        1~8回を力投 9回は増井投手が継投 

        失点0 奪三振12 与四球1 被安打2  最高球速は161km/s

   打者  打順5 

        打席:左安打(次打者二塁打で得点) 三振  四球  四球(押し出しで打点1) 

  交流戦の全行程を終了した22日、交流戦期間で顕著な活躍をした選手1名づつが、両リーグから表彰されたが(「日本生命賞」)、パ・リーグからは、勝ち数(3勝0敗)、防御率(0.38)の2冠で、最高速を何度も記録した、大谷選手が選ばれた。(ハム大谷が交流戦投手2冠で「日本生命賞」受賞 )  

 

◎二刀流の評価尺度とタイトル

◇通常の評価尺度とタイトル

 通常、野球選手の成績は、投手部門、打撃部門、それぞれに分けて評価される。二刀流の成績は、どう評価されるのか気になる所だが、通常の尺度で評価すると以下のようになる。

 ・2015年

 二刀流の大谷選手は、前稿にあるように、2015年に、一刀流の選手と同じ土俵で、投手部門の3冠(最多勝、最優秀防御率、最多勝率)を獲得したのは立派である。 

・2016年 

 開幕以降、交流戦終了までの通算成績は、以下である。(6/20夜まで)

 投手  6勝4敗

      防御率2.21(登板試合数13 投球回数93 2/3 自責点23)                 

        規定投球回数68(試合数×1.0 チーム試合数は68)をクリア

        年間での規定投球回数は、143以上、

      奪三振111 

  

 打者  打率 .336(出場試合数41 打席129 打数107 安打36)

      打率は、規定打席回数211をクリアしていないので、対象外。

         規定打席回数:チーム試合数×3.1=68×3.1=211 

      本塁打9

  今年の、此処までの公式戦での活躍は立派で、今後、シーズン終了まで、投手・打者として、リーグ内で、幾つかのタイトルを獲得することを期待したいものだ。

 

◇トリプルスリー

  二刀流独自の評価尺度について考察する参考として、打撃の成績の評価の一つである、「トリプルスリー」という称号・タイトルを見てみたい。

  昨年度、柳田(ソフトバンク)、山田(ヤクルト)の両選手が、揃ってこのタイトルを獲得し、大きな話題となり、流行語大賞にもなったのは、記憶に新しい。

このタイトルは、          

     打率    3割以上

     ホームラン 30本以上

     盗塁    30個以上

だ。

 打撃部門の三冠王(首位打者、ホームラン王、打点王 トリプルクラウンン)は有名だが、この三冠は、それぞれの頂点を同時に達成するという快挙だ。NPBでも、何人かが達成している。

 これに対して、トリプルスリーは、打撃部門で、頂点ではないものの、打力、走力を兼ね備えた、隙の無い好打者の証明であるとされる。 打点では無く、やや異質な、盗塁数が入っているのがミソである。

  NPBではこれまでに、多くの選手がこのタイトルに輝いているが、直近では、少し前の2002年に、松井稼頭央選手(西武)が獲得しているようだ。 同じ年度に、複数選手が出るのは、65年振りという。(トリプルスリー - Wikipedia )

余談だが、今後、このタイトルが期待できる若い選手として、楽しみなのは、楽天の新人、オコエ選手だろうか。

                                                                                                              

◇二刀流独自の評価尺度の具体案

 例年、シーズンオフには、年俸交渉が話題となる。 二刀流は、他のチームに全く広まっていない状況だけに、投手と野手(打者)の二刀流を目指す選手にとって、二刀流の選手は、どの様に評価されるのだろうか、気になるところで、二刀流の選手の成績を評価する、二刀流独自の尺度が欲しいところだ。 

 筆者は、二刀流のファンの1人だが、二刀流の目標として、投手、打者として、それぞれの頂点ではなく、適度の位置を狙った、独自目標があれば、より広まる切っ掛けになるのでは、と考える。トリプルスリーのタイトルに倣って、以下に、具体案を示す。 

*年間目標  10勝 10本塁打(呼称 ダブル10)  

  大谷選手は、2014年に、

          11勝、10本塁打

と、すでにこれを達成している。  

 

*年間目標(ハードルをやや高くした案)

           15勝 15本塁打 (呼称 ダブル15)

 大谷選手は、2015年は、15勝はすでに達成しているが、本塁打数は5だ。

 

*年間目標(トリプルスリーに倣って、打率を加える)
          10勝 10本塁打 2割5分(呼称 1・1・Q )

                            Q:Quarter 1/4

 打席数がどうしても不足しがちなので、二刀流向けの規定打席数を新設。

   大谷選手の実績から、出場試合数を、チーム全体の試合数の1/2とし、これに、3.1を掛けて規定打席数とする。 

     年間試合数143 1/2 →規定打席数 222 

 2016年のこれまでの出場実績から、年間の規定打席を推定すると、

        143×41/68×3.1=267

となり、上述の、二刀流規定打席は、十分、クリアできそうで、しかも、これまでの実績からは、かなりの高打率が期待できそうだ。  

 身体状況から、143試合全てに出場するのは勿論無理で、出場回数がどうしても制限されると考えられる。二刀流を実践している大谷選手は、休養を含めて、スケジュールの上で、投手と打者として、どのように調整しているのだろうか。

 

◇識者の意見

  二刀流については、識者の意見は、賛否様々だ。 毎年の成績とともに、生涯成績についても、ケチなことを言わずに、二刀流の選手でも、通常の一刀流の選手と同じにする事を目標にせよ、との意見もあるようだ。 (二刀流 - Wikipedia

  これだと、生涯成績では、例えば、

     200勝

     2000本安打

が目標となるのだがーー。

  

◎ スポーツでのマルチ種目競技

 スポーツには、異種の種目を組み合わせ複合した、マルチ種目競技(本稿での仮称)がある。

主なものとしては、

  陸上  バイアスロン(2種目 スキーと射撃)

       トライアスロン(3種目 水泳 自転車 ランニング)

       十種競技(デカスロン)(10種目 勝者はキングオブアスリート)

  水泳  メドレー(4種目 バタフライ バック ブレスト 自由形)

  スキー ノルディック複合(2種目 ジャンプ ノルディック)

等がある。

  これらは、これまでの文脈で言えば、n刀流の競技とも言える。 れぞれの種目で、それぞれが1刀流で頂点を目指すのでは無く、複数のn種目を複合した競技で、個人で頂点を目指すこととなる。 

 この中で、ルールが簡明で、分りにくい換算がなく、時間による順位だけで決まるので、見ていてよく分るのが、トライアスロンとメドレーであり、これらについて、少し考察する。 

・トライアスロンは、全く異質の3種目(水泳、自転車、ランニング)を組み合わせているのが面白い。勝者は、アイアンマンと讃えられるようだ。 各種目、どれだけの距離にするかは、色々、あるようだ。

 先だっての5月14日(土)、横浜で、世界トライアスロン大会が開催されていて、女子個人で、日本の上田藍選手が、3位になったのは、立派である。

 

・メドレーも、異なる泳法が組み合わされているので、1人でやるのは大変だ。 リオ五輪のメドレーでの、日本の、瀬戸選手と、萩野選手の活躍と、金メダル争いが楽しみである。

 4人で泳いだ時と、1人で泳いだ時とを、日本記録ヲピックアップし、比較してみた。 ( 競泳の日本記録一覧 - Wikipediaより)

   4×100m メドレーリレー 2009年  合計時間  3分30秒74

                              入江 立石 藤井 原田

   400m   個人メドレー  2013年  時間 4分7秒81 萩野

 リレーの方が、個人に比べて、30秒以上も速いのは当然だが、マルチ種目競技の大変さと面白さでもあるだろうか。この夏のリオ・オリンピックでは、この水泳競技が、注目の一つである。

 

 

 2020年の東京オリピックで、野球・ソフトボールが認められるかは、リオ・オリンピック直前の、IOC総会で決まるが、その場合、DH制や、二刀流はどうなるだろうか。

 

都知事の辞任騒動   2 

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2016年6月30日(木)  都知事の辞任騒動  2 

 

 マスコミや世間に対して、恰好の話題とネタを提供した、前 舛添東京都知事の辞任劇は終わったが、先日、当ブログに

     都知事の辞任騒動  (2016/6/21) 

の記事を、投稿したところだ。

 国内では、都知事の辞任との関連で問題となった参院選が、23日にスタートし、7月10日投票となっているが、その後、イギリスのEU離脱問題で世界が揺れており、連日、ニュースが流れている。

 本稿は、先の記事の続編として、知事の辞め方や辞任の理由等について、2、3補足して、早々に、切り上げることとしたい。

 

 ○ 知事の辞め方

 今回の騒動では、都議会による、都知事の不信任決議案が話題となった。

 国政では、内閣不信任決議案が提出されることは珍しくはなく、否決されることが多いが、これが可決された場合に、総理大臣は衆院の解散権を行使して衆議院を解散し、議員内閣制を取っている内閣が総辞職し、総選挙となることとなる。

これに対し、地方の知事の場合は、知事と議会議員は、それぞれ別々に選挙で選ばれているため、知事の不祥事等が理由で、知事が辞めるケースは、やや、複雑である。

  ①、議会は残ったままで、知事が自ら辞職すれば、知事選挙となる。

  ②、議会で、知事の不信任案が可決された場合には、知事には2つの選択肢があるようだ。

    ②-1、知事が辞職する。

    ②-2、知事は残って、知事が議会を解散し、議会議員選挙となる。

形としては、②-2も有り得るのだが、議会との関係が異常なため、結局、知事も辞めざるを得ず、議会選挙と、知事選挙が行われることになると思われる。

 後述するように、今回の事例は、① だったので、無用な混乱も無かったし、選挙費用も、半額の知事選の50億だけで、済んだようだ。

 

○ 今回の辞職まで

 先の都知事選挙時の、舛添氏の立候補の経緯は把握してはいないが、都議会で多数派を占める自民・公明が、中央政府を含めて、全面的に支援したようだ。 今回の疑惑が表面化した当初、特に自民党は、様子見で、態度をはっきりさせなかったのだが、都民の厳しい批判を反映した野党側の攻勢もあって、次第に知事を支えることが難しくなった。

 議会与党は、知事を説得し辞任を迫ったのだが、知事は、9月一杯まではやらせてくれ、と粘ったようだ。この知事の意図は、8月のリオ・オリンピックに出席し、閉会式で、次の開催都市であるTOKYOの首長として、世界中が注目する中で、オリンピック旗を受け取りたかったのだと思われる。これを、辞任の花道としたかったのだろうか。

東京五輪の開催時期と、知事選挙が重ならないようにしたい、との意図もあったろうか。 このようにして、9月までやらせてくれと、なりふりかまわず哀訴したのである。

 これに対して、与党の自公は、辞任時期を、ずるずると9月まで遅らせるのは、目前に迫って来ている参院選への影響が極めて大きく、 己に火の粉が降りかかり兼ねないことを懸念したようだ。

都議会内は勿論の事、国会の自民党や公明党との関係等、水面下では、どんなやり取りがあったのかは不明であるが、6月15日夜、与野党全会派が合意した不信任決議案がまとまり、議長に提出されて、可決される見通しになったのである。

 ここにきて、知事の腹は決まらざるをえなかったようだ。 

 

○ 退職金

 不信任決議案が可決されて辞職することは、不名誉なことで、ある評論家は、江戸時代なら、打ち首に当たるとも言っている。現在の組織で言えば、懲戒解雇で、この場合は、退職金は無い。

一方、決議案が可決される前に、自ら辞意を表明して辞職すれば、名誉は守られ、江戸時代なら、名誉ある切腹となるようだ。現在の組織で言えば、依願退職で、この場合は、退職金は貰える。

結局、舛添氏は、前者を選んだと言う事だ。 

 今回、支給される退職金の額は2200万程で、夏季賞与が380万程といわれ、多すぎると批判された。でも、退職金は在職期間に応じて算出するルールになっていて、額そのものは何らおかしくはない。(舛添要一都知事の退職金、約2200万円 別に850万円支給される

 不祥事で辞めるのに、上述のように、現行では、解雇か依願退職かの、0か1かの選択しか無いことが問題なのだ。 前回や今回の事例を踏まえ、都のルールを改めて、不祥事で辞める場合は、議会で討論して退職金を決める(0%~100%まで)、というやり方にする、というのも一案だろうか。    

  

○ 連続した辞任劇の理由

 先の、猪瀬知事の辞任に引き続いて、又もや、今回、政治と金の問題で辞任することとなった。

 猪瀬知事の場合は、5000万円の闇献金疑惑という、よくあるケースで、或る意味、分り易かったと言える。

 一方、舛添知事の場合は、2年4か月前、前向きな選挙公約の下、クリーンなイメージの政治家として、期待を一身に背負って就任した。選挙時は、中央、地方の自公が、全面的に支援している。

その知事が、今回辞任せざるを得なくなったのは何故だろうか。前稿でも、色々触れたので簡潔に述べたい。

 先ず、都知事就任以前の国会議員時代の、政治資金の使途の問題である。学者から政治家に転身した当初は、資金の使い方は妥当だったようだが、新党改革の党首に就任して以降頃から、杜撰になったとも言われているが、結局、これが命取りとなった。

政治資金規正法はザル法と言われるが、会計責任者がしっかり見ていれば、疑惑にはならないのだろうがーー。

  都知事への就任後については、公用車の利用形態や、外国出張時の高額の経費等についても問題にされた。 取り巻きの都の職員が、前例に倣って手配していることであり、数人いる副知事は、何も進言しなかったのか、とも言いたいのだが、前稿に述べたように、決定的な問題では無いと考える。

 

 国会議員時代から都知事時代を通して、公私混同が続いたようだ。家族旅行が疑われるのに政治活動の一環と言い張ったり、趣味の美術品等を、公費で購入するなどなど、余りにも、せこい話である。

 筆者にとって我慢がならないのは、所謂、セコイと言われた公私混同について、弁護士を介するなど、説明の姿勢に誠実さが全く感じられないことで、本人の人格さえ疑いたくなるのだ。

  氏は、学者や政治家としての、華々しい経歴の持ち主で、多数の著作もあるようだ。著作は読んではいないが、著書での記述や主張と、自身の行動とのズレが、都議会やマスコミで数多く指摘された。他に厳しく己に甘いのが、人の常ということだろう。

 氏には、超エリートとしての表の顔と、金に細かく、小市民的で、スケールが小さいもう一つの顔という、二面性の印象がある。その落差の、余りの大きさには、驚くばかりである。

通常の、政治資金絡みの疑惑では、腹黒さ等が見え隠れするのだが、今回はそれらが余り見当たらず、理解に苦しむのである。

 

 100条委員会の設置もなく、当人は、無言で退庁したことで、今後の疑惑の解明は不可能になったようだ。 やはり、辞めることで終わりとする、日本的な幕引きとなった、と言えよう。もう、これ以上、せこい話題をつっついても始まらないことで、人の噂も75日で、過去の人となるのだろうか。

 繰り返すが、筆者には、結局、辞任したのは、何が根本的な原因・理由だったのか、良く分らないのである。

 

○ 次の都知事選

 次の都知事を選ぶ選挙は、7/14告示、7/31投票ということで、参院選に引き続いて、慌ただしい日程が待っている。

 次の都知事の候補者選びが取り沙汰されているが、都知事の要件としては、どの様な人物が望ましいのだろうか。 昨日のニュースで、“次の都知事候補としては、政治資金疑惑の心配が無い、政治家の経歴が無い人が良い”、 と、或る与党幹部が述べたという報道があったが、何と言う事だろうか、と唖然とした! 今の政治家は、あまねく、疑惑だらけであることを認めている訳だ。 

 7月30日予定の、恒例の隅田川花火大会だが、当日、雨天の場合は、通常は、翌日へ順延されるのだが、今年は、投票日と重なる事から、順延は無いと言う。万が一、30日が雨天になれば、舛添さんの所為で、2016年の花火は見られなかった! と言われるのだろうか。

 

Brexit  1

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2016年7月2日(土)  Brexit  1 

 

  先週の6月23日(金)(現地時間)、イギリスで、EUとの関係を問う国民投票が実施され、その結果が注目されたが、EUからの離脱派が、残留派を押さえて、過半数を占めたようで、世界中に、極めて大きな衝撃が走っている。

 本稿では、先ず、国民投票までの経過と結果について取り上げることとしたい。

 

 

○国民投票まで

  保守党のキャメロン首相は、2015年5月の総選挙で、EUを巡る国内の動きから、選挙公約として、

   「イギリスとEUとの関係について再交渉しEUを離脱するかどうかの選択肢を2017年末までにイギリス国民に与える」

と発表した。 そして、総選挙に勝利した結果を受けて、この2月、選挙公約の国民投票を、今回の日時に行う事を公表したようだ。

 首相は、EUとの関係がイギリスに有利となるよう、国民投票のギリギリまで、EUと交渉し、条件整備に当たっている。言う迄もなく、“民意は、EU残留である”、と踏んでのことである。

 先日のG7会議(伊勢志摩サミット)でも、イギリスのEU離脱は、深刻なリスクとなろうと、各首脳が、一致して懸念を表明している。

 

 ○ 国民投票での争点

 両派の国民投票前の争点と、両派の主な主張は、以下の様なものだったようだ。(【まとめ】イギリスEU離脱問題 国民投票日程と時間・離脱派・残留派の主張  より)

    

 

 離脱派、残留派双方の活発な動きを受けて、マスコミ等の世論調査結果も揺れ動いている。 

でも、大方の予想は、残留派が勝つだろうと予想していただろうか。ロンドンで有名なブックメーカーのオッズも、残留に賭ける人が多かったと言う。

 投票日直前に、残留派の国会議員が、街頭で暗殺されるという事件が、民主主義のお手本とも言われるイギリスの地方都市で起ったが、この悼ましい事件は、世論が、残留派に傾く要因になろうとも言われた。

 

 国連などでは、イギリスは、公式には、

    United Kingdom of Great Britain and Nothern Ireland (UK 連合王国)と呼ばれ、

      ・England(イングランド)

      ・Scotland(スコットランド)

      ・Walse(ウエールズ)

      ・Northern Ireland(北アイルランド)

の、4つの地域(Country)から構成されている。 上述の主要な3地域が、大ブリテン島内に位置することから、イギリスを、ブリテン(略称GBR)呼ぶこともあるようだ。

 

○ 国民投票の実際

 今回の国民投票(Referendum)は、イギリス(United Kingdom)が、EU(Europian Union)のメンバーとして、残留するか、離脱するかを問うものだが、今回のイベントで、次の様な造語も作られたようだ。

     Britain(イギリス)+exit(退出する)=Brexit(ブレクジット)

 下図は投票用紙で、×印を入れて、意思表示するようだ。(図はネット情報より)    

                               上段:Remain(残留)   下段:Leave(離脱)

  投票は、18歳以上の選挙民(登録者数 4650万人)が投票したが、投票率は、72.1%と、直近の総選挙の時(66.1%)よりも高かったようだ。(イギリスの欧州連合離脱是非を問う国民投票 - Wikipedia 等を参照)

 

○ 投票結果

   開票後の得票の行方は、最後まで拮抗したが、最終的には、

      残留すべき  16141万票  48.1%

      離脱すべき  17410万票  51.9%   

となって、離脱派が勝利した。 両派の票数差は、実数で、約120万票強で、ポイントでは、約3.8ポイントという僅差である。

 

 得票状況の地域的な分布を見ると、下図のようだ。(ネット画像より)

      

 図にあるように、

       スコットランド     殆ど残留支持

       イングランド     離脱支持が多いが、ロンドン(拡大図)では、残留支持が多い

       ウエールス     離脱支持が多い

       北アイルランド     残留、離脱が同じ位  

となっている。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

野球での二刀流   補足

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2016年7月4日(月)  野球での二刀流  補足

 

 

この所、当ブログでは、野球での二刀流について、下記のように取り上げて来たが、

 

  野球での二刀流  1~3  (2016/6/10、6/15、6/23)

昨日の、日本ハムーソフトバンク戦は、想定外の展開で、野球ファンの一人として、驚かされたことだ。

 

 本稿は、このテーマに関する今後の更なる変化を期待した、補足編である。

 

 

 

  昨7月3日、オールスター前のパ・リーグ公式戦の

     日本ハムーソフトバンク戦 (ヤフオクドーム)

が行われ、放送時間の関係で、途中からだったが、TV観戦させて貰った。

同一カードの3連戦目だったが、結果は、日本ハムが3勝し、これでリーグ2位に浮上し、首位ソフトバンクとのゲーム差は6.5と縮まり、背中が少し見えて来ただろうか。

 

 試合は、ビジターの日本ハムの先行で、ソフトバンクは、中田投手が先発である。

日本ハム大谷選手の、リアル二刀流での出場は、最早普通だが、今回は、何と、今シーズン初めての、投手で打順1番であった。 これには、ファンは勿論だが、チームの選手達も驚いたようだ。本人は、栗山監督から、前日に伝えられていたようだがーー。

 そして、更に驚かされたのは、大谷選手が、初球を、右中間スタンドへ先頭打者ホームラン! 初っ端に、投手としての己を楽にする得点を稼いだ訳で、省エネのために、ダイアモンドを、ゆっくりと廻る余裕もあったようだ。

その後、得点までには至らなかったのだが、6回表、日本ハムは、相手のエラー等で1死満塁の好機となり、デッドボールを得て押し出しで2点目。 これが、この試合の得点のすべてである。

 大谷は、8回まで投げて、9回は、押さえのマーティンに交代し、0に押さえて、結局、2-0で日本ハムが勝利し、大谷投手は、勝利投手となった。 

 

 大谷選手の活躍は以下である。

◇この試合

投手 10奪三振 被安打5 与四死球2  失点0 

    最高時速161km 直球と組み合わせた緩急のあるスライダーが効果的 

打者 4打席(本塁打 四球 四球(押し出しで得点)三振  四球(敬遠))

    打点1 得点1

 

◇通算 

投手    勝敗  8勝4敗

      防御率 1.90  (自責点23 投球回数 108 2/3

            規定投球回 チーム試合数×1.0=76×1.0=76 以上

      奪三振 132

打者    本塁打 10本

      打率  .339 (チーム試合数76 出場試合数45 打席数146 

                     規定打席数は、76×3.1=235.6 で、未達

 

7/15、7/16日と行われる今年のオールスターには、大谷選手は、投手として選出されているが、打者としてもどの様な活躍を見せるのか、楽しみである。

 

 先月末に行われた、ソフトボールの日米対抗戦で、藤田選手が活躍したが、彼女も、二刀流と言われている。プロ野球では、投手のポジションに対してだけ、指名打者(DH)が認められているが、ソフトボールでは、全てのポジションで、指名選手(DP Designated Player)が認められているようだ。

 

余談:野球場の名称

  このところ、意味が分らず気になっていた、いくつかの野球場の名称を調べてみた。

いずれも、命名権の売買が行われており、命名料は、2~3億/年、3~10年契約のようである。

福岡:“ヤフオク”ドーム 

     ヤフーの提供するネットサービスから: ヤフーオークション(ヤフオク)

千葉:“QVC”マリンスタジアム

     米国TV通販業者の社名QVCジャパンから: Q:Quality V:Value C:Convenience

仙台:“Koboスタジアム”

     楽天の電子書籍サービスから: bookの文字を入れ替え(アナグラム)て、koboに

 

 

 

珍しい植物 1   アルソミトラ

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2016年7月7日(木) 珍しい植物 1  アルソミトラ

  

  この地球上には、数多くの珍しい動植物があるが、それらの中で、筆者が、これまで特に興味を覚えた幾つかの植物達について、取りあげていきたい。

本稿は、空を飛ぶ種の話題である。 

 

 製粉業大手の、ニップン(日本製粉)のTVコマーシャルで、下図にあるように、翼のついた種が、空中を飛翔する様子に、興味を魅かれた。 このコマーシャルの提供元である、NIPPN のサイトを調べて、飛んでいるのは、“アルソミトラ”という植物の種である事が分った。(NIPPNの企業CM「翼の種子アルソミトラ」

  

 この植物、正式名称は、アルソミトラ・マカルカルパ(Alsomitra Macarcarpa)と言い、通称、アルソミトラと呼ばれるようだ。 どこか、回文風のユニークな語感があり、アルソミラなどと間違えやすい。和名は、ヒョウタンカズラ、ハネフクベ、ガンドウカズラとも言われる。

 

 熱帯アジア地域(インドネシア・スンダ列島など)に自生する、ウリ科の蔓性の木本で、木に巻きついて、這い登って行くようだ。

大きい丸い実(直径20~30cm程)を付けるのが特徴で、青い実が成長し、熟すと茶色に変わって硬くなり、実の下部が自然に割れるという。 そこから、ひとりでに、グライダー形の大きな羽根のついた種が、飛び出して行くようだ。TVコマーシャルは、この様子を写したものである。

 

 一体、どんな植物だろうかと、ネットで調べ、以下に写真等を集めて見た。 (ネット画像より)

  

              這い登った蔓(実は何処かな?)                                             ↑ ぶら下がった実 

 

 実の中には、翼のついた種が、4~500枚もぎっしりと、折り重なって詰まっているという。            

       

                    収穫した実(種がぎっしり)                                                 翼の付いた種

 

  通常、植物の種は、根元に落下するが、アルソミトラは、ひらひらと、可なり遠くまで飛んで、状況によっては、1km先までにも達することがあるという。

 

 企業のサイトには、このコマーシャルに込めた思いが、下図のように書かれている。

アルソミトラの種が、空中を自由に飛んでいく「力強さ」と「しなやかさ」とに、世界に向けて挑戦する、企業の未来の姿をイメージしているようだ。

      

 

 日本国内では、アルソミトラの実や種の人気が高いようで、市販されているようだ。

       実   15万円程/個   空の実も、1万5千円程/個

       種   500円~1000円/枚 

アルソミトラ(丸実A) - 軽井沢  ジャムこばやし ロシア人直伝のジャム

 

  筆者も、種を取り寄せて、育てて見たいものだが、環境的に、実が生るのは無理だろう。

育成している熱帯植物園もあるようなので、機会があれば行ってみたいものだ。(板橋区立 熱帯環境植物館

 

 博物館等では、アルソミトラの種の形をした、空を飛ばす工作物も人気があるようだ。

 20世紀初頭、グライダー状の翼のついたアルソミトラの種をヒントにした、飛行体が研究され、エトリッヒ父子が、これに尾翼を付加して、タウベ型飛行機へと発展させたと言う。 (タウベ (航空機) - Wikipedia

    タウベ航空機

  生物の機能を真似する、生物学、化学、工学等の分野を、バイオミメティックス(Biomimetics 生物模倣技術)と呼ぶようだ。言う迄もなく、歴史上では、この関連の数々の発明があり、本件の航空機もそうだが、カイコの絹糸を模倣した人絹などもその一つだろう。 

 筆者が以前やった事がある、空を飛ぶハンググライダーの翼型は、アルソミトラの種の形に似ており、ヒントを得ているかも知れない。

 自然界の動植物は、人間社会のお手本足り得るようで、バイオミメティックスは、先端技術と組み合わせた、現代のフロンティアの一つと言えるであろうか。 (「バイオミメティクス(生物模倣)」  生物から学ぶ先端技術。製品開発に応用。)       

 先日、たまたま観たあるTVで、ハスの葉の撥水性からヒントを得て、新しい布地を作った話が紹介されていた。

 

○ 空を飛ぶ種たち

  アルソミトラの他にも、以下のように、空を飛ぶ種たちがある。

 

◇タンポポ

 空中を飛んでいく種で、ごくごく身近なのは、タンポポである。 花が終わってしばらくすると、冠毛が付いた多くの種が球状になっていて、そこから次々と、自由に空中へと旅立って行く。

この歳になっても、この綿帽子を手に取って、吹き飛ばして遊びたくなることだ。

    旅立ち前

    

◇フウセントウワタ

 ガガイモ科の植物も、ユニークな実を付けるようで、以前、植えた事がある、フウセントウワタも、その仲間である。

花後に、異様な風船状の実が付き、次第に大きく膨れて来て、熟すと、下図のように、袋の中に詰まっていた、綿毛付いた沢山の種子が、割れて飛び出していくのである。(ネット画像より)

   フウセントウワタの袋が割れた!

 

◇翼果

  翼状のものが付いた実を、翼果と呼ぶようで、代表的なものは、カエデである。学問的には、種の周りの果皮が、翼のように変形したものだという。(翼果 - Wikipedia

    カエデの翼果 

 この流儀の呼称では、上述のタンポポの種は、難しくは、痩果(そうか)と呼ぶようだ。この場合、果実=種子となるため、用語としては、果実と種子の区別は無いだろうか。

 先述のアルソミトラや、フウセントウワタでは、(果)実と、種(子)、との区別は明確である。 


Brexit  2

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2016年7月9日(土)  Brexit  2

 

 先月23日に、イギリスで、EUとの関係を問う国民投票が行われ、離脱派が過半数を占める結果となったことについては、下記記事

      Brexit  1  (2016/7/2)

で取り上げたところだ。

 その後、世界の株式市場や、EUとイギリスとの関係、イギリス国内での後継首相選びなどで、状況は、めまぐるしく変化している。

 本稿は、これらについて、大略、触れることとしたい。

 

○ 世界経済の衝撃

 イギリスのEU離脱が明らかになった直後は、世界の株式市場では株価が大きく下落した。

主要市場での、平均株価や指数の変化を、離脱直前(6/22)、離脱直後(6/23)、最近(7/4)に分けて、%で表示した、恰好の図がネットで見つかったので、下図に引用した。図中の、各市場の主要指数名は以下である。

   日本   日経平均株価

   中国   上海/シンセン CSI300指数

   米国   NYダウ

   英国   FTSE100指数

   ドイツ  DAX指数

   フランス CAC40指数

   スペイン IBEX35指数

      

 株価が、%オーダーで下がるのは、大変なことと言われている。

  激震が走った市場は、全体としては回復傾向にあるようで、米国市場は、直前のレベルまでに戻っているようだが、ヨーロッパや日本の市場では、まだ復帰はしていないようだ。

 一方、直後、大幅に下落した、イギリスの株が、離脱直前以上に高値になっているようだ。これは、図には無いが、イギリスの通貨ポンドが暴落し、その後も、ポンド安・株高の状況が続いている、ということのようだ。

 

 日本国内の、為替レート(ドル・円)と、日経平均株価の、7/4までの状況を、より詳しく表しているのが下図である。 両者が、ほぼ連動している状況が、よく見える。(ネット画像より)

  

 イギリスで、国民投票を行うと公表したのはこの2月で、実施されたのは6月下旬だが、これらのイベントが、国内株価へ大きく影響した様子も見えるが、他の要因もあって、円高・株安の傾向は続いているようだ。

 昨7月8日夕の時点では、

   ドル・円レート   100円程/ドル

   日経平均株価    15100円程

と、低下傾向は続いているようだ。

 

○ 後継者選び

 イギリスでは、国民投票終了後、保守党党首のキャメロン首相が、辞意を表明した事から、党首の後継者選びが進められている。

6月30日に立候補が締め切られ、下院保守党国会議員の投票により、候補者数を2人迄に絞る手続きが進められる。 最終的には、全国の保守党党員による決選投票によって、9月9日までに、新党首(新首相)が決まるという。

 当初は、下図の、5氏が立候補したようだ。国民投票までは、離脱派の中心となって主導して来た、前ロンドン市長のジョンソン氏だが、同じ離脱派のゴーブ氏が、自ら立候補することとなり、勝ち目は無いと、突然、立候補を辞退したため、様相が大きく変わったようだ。

    (ネット画像より) 

 保守党国会議員による第1回投票の結果(7/5)は以下のようだ。(以下敬称略)

    メイ    165  残留派  

   レッドソム  85  離脱派

   ゴーブ    48  離脱派

    クラブ    33  残留派 ⇒自主的に辞退  第2回でメイ支持に

     フォックス  16  離脱派 ⇒規定により脱落  第2回でメイ支持に

     総数   347 

 

 引き続き、残った3候補による、第2回の議員投票(7/7)が行われ、以下のようになったようだ。

     メイ    199  残留派

    レッドソム  84  離脱派

    ゴーブ    46  離脱派 ⇒規定により脱落 

     総数    329

このように、国会議員による投票で、候補者が、下図の2名に絞り込まれたこととなる。

     (ネット画像より)

 今後の、保守党党首選びの最終局面では、全国に16万人いると言われる保守党員が投票して決めるようだ。 両候補は、これから全国を遊説し、9月9日までに新党首が決まると言う。 

“忙中閑あり”にも見える、のんびりムードの動きではあるが、諸般の状況は、これを、極力早める必要性が高まっているようだ。

 

 新党首を、新首相に指名するのは、日本のように、国会と思いきや、そうでは無く、国王のようだ。

遡って、総選挙後の首班指名が、議会との関連で、どの様に進められるのかが気になるところだが、国のしきたりの中に、国王の権威が、形式的にせよ、かなり残っているようで、聊か、驚かされる。

 

 両候補とも女性で、このまま進めば、いずれにしても、イギリスでは、サッチャー首相以来の女性リーダ-が誕生するのは、確実な情勢である。

 そうなれば、EUの中心となっている、ドイツ メルケル首相と、EU離脱条件を巡って、女性首脳同士の、熾烈な交渉が繰り広げられることとなるだろう。

この11月のアメリカ大統領選では、ヒラリー候補が選ばれる公算が大で、独、英、米の3カ国の首脳が、全て女性という、興味深い新たな時代になるかもしれない。

 

 ○ 新たな関係は?

  新首相誕生後のイギリス国内では、国民投票結果の国会承認と、それに基づくEUへの離脱通告という、難所が控えている。

「残留」を主張して来たメイ氏だが、「離脱」という民意を尊重せざるを得ず、関連する国内の動きも含めて、難しい舵取りが求められるだろう。

これらの困難を予想してか、メイ氏は、EUへの離脱通告は、何と、年明けになるだろう、と言っているようだ。

 一方で、これまでも、じりじりと待たされているEU側としては、それまでの時間を、どうするのだろうか。この時間を有効利用し、EUとイギリスとの新たな関係を構築することを期待したいものだ。世界全体の、EUを取り巻く漠とした将来不安を押さえる必要があろう。

 

 次稿では、これらを中心に、取り上げることとしたい。

 

珍しい植物  2   バオバブ

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2016年7月13日(水)  珍しい植物 2  バオバブ       

 

  先日、下記記事

     珍しい植物 1  アルソミトラ  (2016/7/7)

を投稿した。本稿は、それに続く第2弾であるが、少し長い前置きを許容されたい。

 

 数年前の2011年11月に、南アフリカ国東海岸の港町ダーバン(マダガスカル島南部の対岸)で、地球環境保護についての、国連気候変動枠組み条約に関する主管庁会議(COP17)が開催されていて、会議の状況は、当ブログの、下記記事で取り上げている。

      気候変動会議  (2011/12/5) 

 その会議で、下図にある、地球を抱くようにして力強く生きている、バオバブの樹がロゴマークとして使われたのが、今も印象に残っている。 

           

  このバオバブの樹のことは、会議以前からも、その後も、地球の自然を紹介するTV番組等で、時々出て来ているので、概略は知っている。

 今般、珍しい植物の第2弾として、マダガスカル島等に自生する、ユニークな樹形の、このバオバブの樹を、改めて、取り上げることとした。  

◇ マダガスカル島

 マダガスカル島は、アフリカ大陸南東部のインド洋上に位置し、サツマイモの様な形をしているが、地球上で、4番目に大きい島と言い、広さは、何と、日本の1.6倍もあるようだ。

南緯20度辺りを中心に、南北に1500kmもの長い島で、亜熱帯地域になるだろうか。11月~4月頃が暑い雨季で、5月~10月頃は、涼しい乾季という。

 この島は、長らくフランスの植民地だったが、戦後の1960年に独立して共和国となり、首都はアンタナナリボで、人口は、1900万人程という。 島内には、鉄道は無く、移動は、主に空路と陸路が使われるようだ。主産業は農業のようだ。 

  この島には、太古の大陸形成と関連して、特異な地形があり、ユニークな動植物が生息しているようだ。 このため、石灰岩が剣山のように無数に突き出ている地形(ツインギー)があったり、表情が面白い固有種の猿等も棲んでいるようだ。

下図にあるように、これらが、マダガスカルの主な観光スポットとなっているようだが、詳細は省略する。(http://www.club-t.com/special/abroad/africa/madagascar/spot.htm) 


 

 今回採り上げるバオバブの木も、島を代表する植物の一つで、日本からのツアー人気は高いようで、上の地図の南西部にある、モロンダバ地区では、バオバブの並木道等が整備されていて、下図の様な風景が楽しめるようだ。

   

    壮大なバオバブの並木  写っている人間が小さいこと! 樹高20m程

 

◇ バオバブの地球上の分布

 筆者はこれまで、バオバブの樹は、地球上で、マタガスカル島だけにしか自生していないと思っていたが、今般、アフリカ大陸内各地や、オーストラリア大陸にもあると知り、認識を新たにしたことだ。 

 バオバブは、植物分類上では、アオイ科バオバブ属(属名:アダンソニア A)に区分されるようで、地球上には、原生種としては8種あると言われている。(バオバブ 【グレゴリウス講座】

               原生種    種名

  アフリカ大陸     1種      A.ディジタータ      

  マダガスカル島    6種      A.グランディディエリ  

                       A.フニー 等 

   オーストラリア大陸 1種       A.グレゴリ     

◇アフリカ大陸内に生育しているのは、幹が太く、ずんぐりむっくり型の、ディジタータという種のようで、通常、アフリカバオバブと呼ばれているようだ。下図のように、西部セネガル地方から南アフリカ北部にかけての 雨が少ない熱帯乾燥地帯(サバンナ)に広く生育しているようだ。 (バオバブ(Adansonia)の播種(種まき)から栽培(育て方)

     アフリカバオバブの分布状況

 アフリカ最大の個体は、南アフリカ北部のリンポポ州・マジャジスクルーフと言う所にあり、「Sunland Baobabu」という愛称で呼ばれているようだ。(下図)(世界最大のバオバブに大興奮 樹齢はなんと6000年! 南アフリカ/ヨハネスブルグ特派員ブログ | 地球の歩き方)  

 

 

                                葉が茂る(雨季)                        

 

                                   葉が落ちる(乾季)

     

       巨大な幹廻り(右下に人物2人)

   樹高は47m、直径15m程という。年輪が無いので、樹齢の推定は難しいようだが、炭素年代測定法では、1700年以上のようだ。(The Big Baobab Limpopo South Africa | The Largest Baobab in the World) 他では、樹齢2000年や、5000年との情報もある。(バオバブ 【グレゴリウス講座】 等)

 *南アフリカ北部のクルーガ―ゲーム禁漁区にあるバオバブ巨木の写真が、数年前、米WSJ紙(ウオール・ストリート・ジャーナル)の一面に載った事があるようだ(世界最長寿の生物たち―10万歳の海草も - WSJ ) 

*西部のセネガルには、小説「星の王子様」のモデルになったと言われる巨樹があるようだ(下図)。 作者のサン・テクジュベリにとって、余ほど気味悪い樹だったのだろうか。(まるで「星の王子さま」の世界!セネガルのシンボル、バオバブの木 | TRIP'S(トリップス)

   

  一方、4年前のロンドン五輪に出場した、サッカーのセネガルナショナルチームのユニホームには、下図のような、バオバブをデザインしたマークを付けたようだ。 

    

◇マダガスカルは、バオバブの宝庫のようで、本稿の、冒頭の図に出ている、背が高く、すらっとしている樹形の、グランディディエリという種が有名で、島を代表する固有種である。

 島内各地に、分布しているバオバブの原生種は6種あると言われるが、ツアーで様々な種類が楽しめるようだ。島内には、樹齢800年と言われる、前項の大陸種のディジタータの巨木もあるようだ。 

 マダガスカル中央銀行発行の2000アリアリ紙幣には、堂々たるバオバブの樹のデザインが印刷されているという。このバオバブの種類は、ビヤ樽型の、フニーバオバブと推定される。日本で言えば、紙幣に桜が描かれている様なものだろうか。

  

 因みに、この紙幣の価値を、最近のレート;100アリアリ=3.47円で換算すると、3.47×20=約70円 程のようだ。

 ◇オーストラリア大陸にも、グレゴリという種の下図の様なバオバブが生育しているようで、北西オーストラリアのキンバリー高原地域と言う。 

    

 本稿の最後に、夕焼けの空を背景にした、バオバブのシェルエットの絶景を借用したい。(ネット画像より)

  次稿で、植物としてのバオバブの一生や、現地の人達の利用法などについて、触れることとしたい。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

Brexit  3

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2016年7月17日(日)  Brexit  3

 

 先月23日に、イギリスで、EUとの関係を問う国民投票が行われ、離脱派が過半数を占める結果となったことについては、下記記事

    Brexit  1  (2016/7/2)

でとりあげた。

 その後の、世界の大幅な株価下落等の経済状況と、イギリス国内での、後継の保守党党首(首相)選びについては、   

    Brexit  2  (2016/7/9)

で、話題にしてきたところだ。

 

 最近、この党首選で変化があり、9/9と言われていた予定が繰り上がって、新党首・新首相が、先日の7/13に決まったようだ。 

いずれにしても、当面のイギリス国内の動勢と、イギリスとEUとの関係の動きに、目が離せない状況であり、これらについて、大略取り上げることとしたい。

 

 ○ 新党首・新首相の誕生  

 保守党党首選の候補者が、2人に絞られ、本命はメイ氏と言われる状況で、党員選挙に向けて全国遊説に入り、9/9迄に新党首が決定され、それを受けて新首相が任命される、というのが段取りであった。(前稿まで)

それが、対立候補のレッドソム氏が、突然、党首選から辞退することとなったようだ。

 情報では、レッドソム氏は、英有力紙の取材で、国の将来について、「母親だからこそ、この国の未来について真剣に考えられる」と述べたという。一方、党首選の決選投票で対決するメイ氏には子供がおらず、長年連れ添う夫と不妊治療のために専門家を訪れたことがある、と英大衆紙に明かしたばかりだったという。保守党議員らからは「子供のいない男女に対する侮辱だ」などと、レッドソム氏への批判が噴出したという。

    (「母親だからこそ真剣に…」イギリスの次期首相候補の発言が物議 - ライブドアニュース))

 元々、先行した国会議員による投票では、劣勢だったのだが、自らの心無い発言で、レッドソム氏は、立候補を辞退する羽目になったようだ。

 

 メイ氏が、13日に女王から首相に任命されたニュースが、日本では、翌朝、流れた所だ。

メイ首相は、就任後初の首相官邸前でのスピーチで、以下の様に述べたようだ。(イギリス2人目女性首相誕生。メイ首相新内閣にはボリス=ジョンソン氏を外相に任命 等より引用)

      初スピーチ

 “先の国民投票での欧州連合(EU)離脱決定を受け、国としての新たな役割を構築していくと言明。「国民投票を経て、われわれは未曾有(みぞう)の変化の時を迎えている」と語った。

 その上で「グレート・ブリテンだからこそ、われわれは困難に立ち向かっていける。EUを離脱し、国際社会において大胆かつ新しい、前向きな役割を築いていこう」と訴えた。

 メイ首相は演説で、国民の多くが「激しい不公平」に苦しんでいると指摘。貧困層の平均余命がより短いことや、アフリカ系国民に対してより厳格な刑事司法制度、男女の賃金格差、若年層の住宅購入が困難になっている状況などを挙げ、「わたしが率いる政権は一握りの特権階級ではなく、国民の利益によって動かされるものになる」と述べた。”

 この就任演説で、首相は、イギリスを、グレート・ブリテン(Great Britain)と言い、連合王国(United Kingdom)とは言わなかったようで、やや、気になったが、原文で確認出来てはいない。

 メイ首相は就任後、新内閣の閣僚を発表した。詳細は略すが、主なポイントは以下の様だ。
     財務相にフィリップ=ハモンド氏: 外相から横滑り

     内務相にアンバー=ラッド氏:   気候変動相から横滑り  首相の前ポスト

     外相にはボリス=ジョンソン氏:  前ロンドン市長  

                           離脱派の先頭で次期首相候補⇒党首選不出馬

                           残留派との融和とEU離脱の手続き等を担当

     国防相にマイケル=フォルン氏: 留任 

 「鉄の女」と畏敬された、故サッチャー首相だが、2人目の女性首相となるメイ新首相のニックネームは、「氷の女王」という。キャメロン前首相の下で、内相を6年間も務めた実績で見せた、厳しい手腕を言うのだろうか。イギリス2人目女性首相誕生。メイ首相新内閣にはボリス=ジョンソン氏を外相に任命

 余談:メイ首相が、エリザベス女王から任命書を貰い、首相官邸前で就任演説を行った当日のファッションについて、英タイムズ紙は、以下の様に絶賛したようだ。(メイ英新首相の装い、10点満点 英紙タイムズが絶賛 配色「女王に配慮」 - 産経ニュース

   

 “ほとんどの部分は「重要な問題を抱えた思慮深い指導者にふさわしい」紺色だが、コートの裾の部分は明るい黄色で「楽観主義や生きる喜びさえ感じさせる」と指摘。同じく明るい黄色が好きな女王の影を薄くしないよう配慮していたと分析した。”

 TVで見た筆者にも、上に着けているコートの裾の部分の明るい黄色が、新鮮に感じられたことだが、女王の好みの色にも配慮している、とはさすがである。(上図はネット画像より)

 

 国民投票後、約50日弱の間、イギリス国内の政治は不安定だったが、新たな内閣もスタートして、イギリスの政治は、徐徐に、軌道に乗っていくことだろうか。

9月9日頃と言われていた新党首・新首相の決定が、約2か月弱、繰り上がって早くなった訳で、いいニュースとして市場でも好感され、ポンドも少し回復したようだ。 

 

 メイ首相は、9/16 チェコの首都 ブラチスラバで開催予定の、次回EU首脳会議に出席し、キャメロン前首相から交代した挨拶を行うようだ。

 メイ首相は、就任間もなく、EUを仕切る両首脳である、ドイツのメルケル首相とフランスのオランド大統領と電話会談を行い、EU離脱交渉の準備に時間がかかると伝えて理解を求めたようだ。勿論、公式に、EU離脱を通告するには、国内手続きが必要なため、そちらは、やはり、年明けになるとも言われている。

○ EUとの新たな関係を模索しつつ

 新首相誕生後のイギリス国内では、懸案が山積している。 国民投票で露呈した国内の分断を修復し、今後の方向を見つけ出していくことが当面の課題だろう。

 ◇Brigret 

 国民投票の結果はEU残留になるだろう、と、漠と想定したのか、余り考えずに投票したのか、答えを予測して投票に行かなかったのか、は不明だが、兎も角、もう一度、国民投票をやって欲しい、と言う、請願書の署名が、400万人を超えていると言うのは驚き。

10万人以上の請願がある場合には、扱いを国会で審議するルールという。

 良く考えずに投票してしまったことが、悔やまれる(regret)、という意味だろうか、この動きをもじった、

      Bregret (Br(itain)+(r)egret ブリグレット)

という造語もあるようだ。

 民主主義を標榜するイギリスのこと、将棋の対局での“マッタ”のように、結果を見てから、投票のやり直しをやるとは思えない。

この言葉は、イギリスが、対外的に自らに対する自責の念を表した、自嘲気味のブラックユーモアに見える。 

 

◇国会承認に向けて

 国民投票の結果には、法的拘束力が無いので、国会の承認が不可欠で、それに基づいて、EUに対して、条約からの離脱通告を行うこととなる。

 イギリス議会下院の勢力分布は、2015年の総選挙直後の結果では以下のようで、総数650議席があり、任期は5年となっている。 (2015年イギリス総選挙 - Wikipedia

     政党名          議席数A 得票率    得票率からの議席数B  A/B

     保守党          331  36.9%      239.8              1.38

     労働党          232  30.4%     197.6               1.17

     スコットランド国民党  56     4.7%      30.6                1.83

     その他           31    28.0%

  やや余談になるが、イギリス下院の選挙制度は、完全小選挙区制で、比例代表は無いようだ。上表で、各党の得票率から想定される議席数と、実際に獲得した議席数との間に、可なりの違いがあるようだ。 

    イギリス国会議事堂

  各政党が、EUとの関係について、どの様なスタンスなのかが問題だが、保守党、労働党共に、国会内では、残留派が多かったとも言われるが定かではない。

  一方、スコットラド国民党は、2年前の住民投票で盛り上がって、党勢を拡大している。

スコットランド地域は、イギリスからは独立したいが、EUには残りたいということで、今回の国民投票では、前稿にあるように、EU残留の希望が多かった。

  国民投票の結果、EU離脱となった直後に、スコットランド国民党のスタージョン党首は、早々と、EU本部を訪れて挨拶するという、勇み足をやってのけたという。

 

  保守党内では、前首相ともども、「残留」を主張して来たメイ首相だが、僅差の多数決で決まった、「離脱」という民意は尊重せざるを得ない訳だ。  今 後の数か月間は、イギリス国内の残留流・離脱派間の融和をはかり、意見を調整しながらの、難しい舵取りが求められる。

  EU離脱後についてのイギリスの思惑は、貿易や物の移動等の、EUとの経済的関係は現状をほぼ維持しつつ、移民等の人の交流は出来るだけ制限したい、ということのようだ。勿論、EUへの多額の拠出金は不要となる訳だ。

EU側としては、イギリスの、このような、いいとこ取りの条件は呑める筈もないだろう。EU内には、EUを離脱したい勢力を抱えている国も多い。EUの結束を乱す、EU離脱の第1号となるイギリスに対しては、甘い顔はできないのだ。

 

  次稿では、最も難解なテーマだが、離脱交渉が難航し纏まらない場合も想定しながら、イギリスの今後の方向と、EUの今後の方向について、取り上げる予定である。

 

 

珍しい植物   2  バオバブー続き

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2016年7月19日(火) 珍しい植物 2  バオバブー続き    

 

  先日、下記記事

     珍しい植物 2  バオバブ  (2016/7/7)

 

を投稿し、バオバブの種類や、地球上の分布等について、話題にしたところだ。

 本稿は、この記事の後半編で、バオバブの植物としての特徴や、現地住民との関わり等について採り上げている。

 

○植物としての特徴

 アフリカの熱帯乾燥地域の気候は、5~10月頃の雨季と、11~4月頃の乾季とを繰り返すようで、バオバブは、このような環境で生息している。 我が国など、四季のある温帯地域に暮らす人間には、理解しにくい環境だろうか。

バオバブの種類(植物分類と原種名等)、 地球上の分布状況、樹齢数百年を超える巨木 等については、前稿で述べたので省略する。 

 

◇花と実

 バオバブについては、筆者は、そのユニークな樹形にばかり気をとられて、花や実の事は、余り気にしたことがなかったのだが、植物であるからには、花が咲き、実が生るのは当然のことだ。

バオバブは、雨季になると葉をつけ、6月下旬頃には、下図の様な、めしべが飛び出したような白い花が咲くという。

 受粉すると、子房が紐状に下に伸びて行き、先端部が丸く膨らんで、若い実になるようだ。実の付き方は落花生を連想させるが、実の形は、キウイフルーツや、ラグビーボールに似ているだろうか。(図はネット画像より)

   

                                 花                                                        ぶら下がる若い実

  葉が落ちた乾季に、実を収穫するが、実の形や大きさは、下図左のように、種類によってやや異なるようだ。 硬い殻を割ると、中に、スポンジに包まれたような白い種が、沢山詰まっているという(下図右)。

       

                          収穫した実                                          実の殻を割るとーー

 ◇幹

  バオバブの木は、乾季の乾燥にも耐えられるように、内部に、大量の水を蓄えられるような構造になっているようだ。貯水量は、10トンにもなると言われている。

2004年に開催された、浜名湖花博で、下図の様に、会場内にバオバブが植えられ、太い幹を切った現物が展示されたようだ。(世界の木材、樹木 | バオバブ )

 日本国内でも、バオバブを趣味的に栽培して楽しむことはできるようだが、生育環境に近い状態で育成できるのは、植物園(例 京都府立植物園)等の専門機関に限られるようだ。 浜名湖花博会場内で植栽・展示され、開花したのは、例外的であろう。               

   

                          花博会場のバオバブ                                         木の横断面 内部は柔らかい!

 

  幹の表面の樹皮の中に葉緑素を持っていて、これで光合成を行い、落葉した乾季の、自身の栄養源としている、との情報もある。

 

○ 現地住民との関わり

◇ 生活での用途

  バオバブは、地元住民にとっては、生活の中で、重要な樹木ともなっているようだ。

  アフリカの熱帯地域では、コーヒー豆やカカオなど、大規模なプラテーション形式で、輸出用に栽培されているものもあるが、バオバブの木は、全て個人所有という。 バオバブを育成している、アフリカの数百万戸の零細農家を支援し、ソーシャルビジネスとして展開する活動も行われているようだ。(ADUNAの社会的責任 | ADUNA公式サイト

 現地での、主な用途は以下のようだ。 

  木   幹・枝 :家屋の建築材料

      樹皮  :耐火建材 織物用繊維

       葉    :薬用 化粧品 食用

  実   果肉  :食用 ジュース シャーベット

             栄養価の高い、スーパーフルーツとも言われるがーー。

      果皮  :容器 土産物

      種    : 搾油

  

◇ 重要な観光資源 

  前稿にあるように、バオバブの巨木が、単独で、観光名所になっている所も多い(南ア北部の、Sunlandバオバブ 等)。

又、公園として纏められ、公的に整備されている、

    ・バオバブの並木道(マダガスカル南西部 モロンダバ地区)

    ・ダランギーレ国立公園(タンザニア バオバブ公園の別称も)

などもある。

  これらでは、観光関連産業に従事したり、維持管理作業に従事したりすることで、地域の活性化や雇用拡大になっていると思われる。

 

○ 地球環境上の懸念

  今回、ネットで調べていく過程で知ったことだが、バオバブの個体数が減少傾向にあり、マダガスカルの2原種は、危機的な状況にあるようだ。

この要因としては、

  ・地球温暖化による、砂漠化の進行 

    水分不足で木の個体が維持できなくなる

    乾季に食糧や水を求めて象が樹皮を剥ぐ例もあるとか

  ・人為的な伐採や焼畑農業

    宅地開発や耕作等の生活上の必要性から

    木を利用する循環型生活スタイルの喪失

等が考えられるようだ。

 

 前稿で、国連の気候変動枠組み条約の主管庁会議(COP17:2011年 南ア ダーバン)のロゴマークが、バオバブの木のデザインだったことに触れたが、今回、その意味しているところが、改めて分ったように思われる。

 

 

珍しい植物  3  モンキーポッド(日立の樹)

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2016年7月24日(日) 珍しい植物 3  モンキーポッド(日立の樹)             

  

 当ブログに、これまで、珍しい植物として、

      珍しい植物 1  アルソミトラ  (2016/7/7)

      珍しい植物 2  バオバブ    (2016/7/13)

      珍しい植物 2  バオバブー続き (2016/7/19) 

アルソミトラとバオバブについて投稿している。  

 土曜の夜に、良く視ている民放の人気TV番組 「日立 世界ふしぎ発見!」 で、スポンサーの総合電機メーカーの日立のCM中で、すっかり有名になっているのが、通称、“日立の樹”である。

 この樹の立ち姿は、 “♪ この木なんの木 気になる木 名前も知らない木ですから ♪” というコマソンと共に、筆者には、長年に亘って印象深いものである。この樹の名前は、モンキーポッドと言うようだ。 

 本稿は、珍しい植物シリーズの第3弾として、この、モンキーポッドに登場願うこととした。

 

 

○ 日立の樹の概要

  ネットで調べた概要は、以下である。(『この木なんの木 気になる木』の歌詞が意外と感動的と話題に! - NAVER まとめ 他)

   樹種  モンキーポッド  

   樹勢  樹齢 130年 

         高さ  30m

         幹廻り  7m

            枝張り 40m(直径) (地上投影面) 

     所在地 米国ハワイ州オアフ島 ホノルル市内

               モアナルア公園(Moanalua Garden)内

              公園内に同種の樹が複数本植栽

     記事  2010年、公園内の他の2本と共に、ハワイ州が特別な樹(Exceptional Tree)に指定 

              日本人観光客の来訪が多い。

       

                                                                       日立の樹    

 

○モンキーポッド一般  

 モンキーポッドの一般的特徴は以下のようだ。(モンキーポッド - Wikipedia 他)

   分類  マメ科ネムノキ亜科 落葉高木  

        英名 Monkey Pod:Podは実の莢(さや)のこと 猿が実を好むという。Raintreeという別名も。

        和名 アメリカネム(ノキ)  日本のネムノキと近縁

   分布  原産 熱帯アメリカ(中央アメリカ、西インド諸島、南アメリカ北部 等)

        ハワイや東南アジアにも帰化し、多く植えられている。

   特徴  和名のように、葉は、朝開き夕方閉じる

        綿毛状の桃白色の鮮やかな花を付け、細長い莢入りの実が生る。 

       

                        花                                    熟した実 

     用途  公園樹、街路樹、緑陰樹

          木材、木工品等の利用

    日本  日本で育成して楽しむ栽培キッドも販売されている。 

 

○ 樹形の美しさと親近感

  TVコマーシャルを見て、最も印象深いのは、樹形の美しさである。

 樹形は、一般的に大別すると、

         ①自然界のもの、と

         ②人為的なもの(庭園、盆栽 など)

があるだろうが、当初、筆者は、日立の樹は、まるで、大きな盆栽か? と感じたほどだ。

 でも、この樹は、人間の手が余り加えられておらず、ほぼ自然のままだろうと思われる。

 

  ①の樹形には、各種有るようだが、当該樹の樹形は、傘型に入るようだ。傘型でも、直線的な番傘風ではなく、丸みのある、洋傘風だろうか。

 日射しの具合や周囲の競合樹の状況等によって、樹木の成長は変わるようだ。日立の樹は、樹高が比較的低いと言えるが、ハワイなどでの日当たりが良い場所では、太陽光を十分に浴びられるよう、横に広がったのだろうか。

  

 筆者にとって、日立の樹の印象は、樹形を含めて、以下の様に言えるだろうか。

 A 左右対称の美

   日立の樹は、見る方向によって、幾分、姿形が違うようだが、ほぼ左右対称の、整った美しさである。

   咄嗟に連想するのは、独立峰の富士山のことで、整った左右対称の美と言えよう。

 B 水平の美

   地面と下枝の空間が、ほぼ水平で均一に見えるのも驚きである。 前出の図をみると、人物の2倍程の隙間である。 定期的に下枝    を整理しているのかもしれない。

 C  親近感

   下枝が低く、手が届きそうで、幹も木登りが出来そうに見える。又、朝夕に葉を開閉したり、季節には、可憐な花をつけ、実が生る等、現役の若さもある。身近な存在として親しみやすさが感じられる。

 

 一方、一般的な大樹、巨木の場合は、背が高く、幹が太く、非対称が多く、近寄りがたく、神々しさも感じられる等の印象だ。(死ぬまでに見たい木 - 樹樹日記死ぬまでに見たい 世界の気になる巨木・奇木 16 等)         

 

○ 各地のモンキーポッドの樹形

   世界各地のモンキーポッドも、美形だろうかと、少しく調べてみた。

 ・オアフ島の同じ公園内にある他の樹は、下図のようで、樹形は、円蓋形だろうか。(Moanalua Garden より)

       

 ・タイにある木は下図の様で、公園で通常見かける樹形(円蓋形)だろうか。 生育地の環境に応じて、生きていると言える。(Albizia saman/ アメリカネムノキ :タイの植物チェンマイより

       タイのチェンマイの公園樹

改めて、日立の樹の秀麗さが分るようだ。(かなり、褒めすぎ !?)

 

○ CMに登場する樹木の歴史

 ここで、件のCMに登場する樹木の歴史を調べてみた  。(日立の樹について:日立の樹オンライン

初代はイラストの樹で始まって、2代目から実際の画像になっている。 ハワイの日立の樹を手始めに、世界各地の樹木を巡回することとしたようだ。しかし、以下のように、数年経過後、驚いたことに、視聴者からの要望で、スタート時の、2代目に戻し、それ以降、6代目として、現在まで続いているという。

       1973年(S48) 初代  イラストで描いた樹 

                世界各地の樹木を画像で巡回する(2年交代で)。 

       1976年(S51) 2代   日立の樹  オアフ島

                   3代   マンゴー  ハワイ島

                   4代   バニヤンツリー  シンガポール

                   5代  カリフォルニアオーク カリフォルニア

                視聴者の要望から、2代の日立の樹に戻り、現在に至っている。

       1985年(S60) 6代  日立の樹  オアフ島

   日立から、公園の管理団体に対し、年間40万ドルの独占撮影権料を支払う契約という。

 

 3~5代での、世界の樹木巡りでは、CM中の樹木の映像が、視聴者にはピンとこなかったようで、視聴者の要望で、元の日立の樹に戻っているのは、頷けるものがある。

  先項で述 べたように、日立の樹には、日本人の美意識に通じるものがある中で、親しみやすい印象がある事が、高い人気の理由と、筆者には思われる。

 CMは、自然指向を表に出しながら、日立の樹に託して、巨大企業グループとしての、安定したシステム的総合力を、控え目にして雄弁に、アピールしているように思える。

珍しい植物  2   バオバブ ー 続続き

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2016年7月30日(土) 珍しい植物 2  バオバブー続続き   

 

  先日、下記記事

    ① 珍しい植物 2  バオバブ     (2016/7/7)

    ② 珍しい植物 2  バオバブー続き  (2016/7/19)

 

を投稿し、バオバブの種類や、地球上の分布、植物としての特徴や、現地住民との関わり等について採り上げている。

 前稿の記事②に対して、世界遺産に詳しい知人から、以下のコメントを貰ったことが切っかけで、新たに調査して分った事項があり、これらを纏めて、続続編としたのが、本稿である。

 コメント:世界遺産ソコトラ島 

  ソマリアーイエメンの間ソマリア沖にある世界遺産ソコトラ島はバオバブの生育する島。
  ソマリア海賊が出没する海域にある島です。
  海賊達は上陸して、実を食べたのでしょうか。

 

○ ソコトラ島

◇概況

 ソコトラ島は、世界地図上で、足の形に見えるアラビア半島の、踵の部分になるイエメンの、沖合のインド洋にあり、埼玉県程の大きさで、イエメンに所属しているようだ。 インド洋航路(往時の海のシルクロード)上の要衝でもあり、ソマリア海域には、現在も海賊が出るようだ。

 この島には、独特の自然環境と生態系があり、アフリカのガラパゴスとも言われ、学術的な面から、2008年、ユネスコの世界自然遺産に登録されている。

珍しい動物、植物、自然景観などで、観光地としても人気が高いようだ。

        ソコトラ島の位置(ネット画像)

◇ユニークな植物

・竜血樹

 ユニークな植物として、特に著名なのが、竜血樹である。

異様な形状に加え、樹 皮を抉ると、赤い血の色をした樹液が出るようだ。これから採取する樹脂の「竜血」は、古来、島の主要な特産品で、薬品、塗料、化粧品等の材料として、取引されているようだが、近年は、観光地化もあって、採取量が過剰になり、個体数が減少傾向という。ここでは、これ以上の詳細は省略したい。

        竜血樹(ネット画像)

 

・ボトルツリー

 ソコトラ島の、もう一つのユニークな植物は、ボトルツリー(Bottle tree)だ。

幹の下部の形状が、正にボトル(日本流なら、徳利)のようで、上部に枝がある。太った幹の内部には、多量に水を蓄えているようだ。(下図) これまで見て来た、アフリカのバオバブと可なり似ている。

 土壌の少ない荒れ地だけでなく、切り立った崖の岩場などに貼りついていることもあるという。

季節になると、鮮やかな赤桃色の花を付けるようで、「砂漠のバラ」との別称がある。

                            

      ボトルツリーの異形                     砂漠のバラが開花

 このボトルツリーは、植物分類上は

       キョウチクトウ科 アデニウム属

になるようだ。 

 日本国内では、これを基に育成されたものが、多肉植物(根塊植物)の園芸品種で、赤い花が素敵な、アデニウムとして販売されているようだ。(下図)(アデニウムとは - 育て方図鑑 | みんなの趣味の園芸

    

            園芸種 アデニウム

  

○ 世界のボトルツリーとバオバブと

◇オーストラリアのボトルツリー

   やや、紛らわしい話だが、ボトルツリーという植物は、オーストラリアにもあるようだ。 北東部のクイーンズランド州から、東海岸一帯に分布しているようで、市内の公園等でも良く見かけるようだ。(下図  ネット画像より)

    公園内のボトルツリー(ブリスベーン)

 植物分類上は

    アオギリ科 ブラキキトン属

になるようで、オーストラリアの東海岸一帯に20種、ニューギニアに1種という。この中で、幹の下部が肥大するのは、ルペストリスという種という。

 

◇ オーストラリアの原生種バオバブ

 本稿冒頭の①記事で触れたが、バオバブには、アフリカから遠く離れた、オーストラリアにも、原生種1種があり、西オーストラリア州のキンバリー高原地域に自生しているようだ。 

 オーストラリアのバオバブは、植物分類上は、他の地域と同様、

    アオイ科 アダンソニア属

で、固有種名は、グレゴリー/ギボーサと言うようだ。 

現地では、Baobabuを短縮したように、Boab(ボアブ)と呼んでいるという。 姿形は、太っちょの、ずんぐりむっくりで、下図の様だ。(ネット画像より)

    

 

 下図左は、上述のキンバリー高原地域のダービーという場所に生育している、往時、囚人を収容したとも伝えられるバオバブで、信じられない異形であり、樹齢1000年以上とも言われる。 下図右は、マダガスカルにある、同じ様な形のバオバブで、対比するために示したものだ。

   

         ダービーの監獄のバオバブ                        マダガスカルの妊婦のバオバブ

地質時代には、ゴンドワナ大陸として、アフリカとオーストラリアは陸続きだったと言われるが、その生き証人であろうか?

 

◇アフリカのバオバブ

 バオバブの原生種の中で、

    ・アフリカ大陸に生息する1種(ディギタータ)

については、前稿①、②で取り上げたので、詳細は省略したい。

 

又、 

    ・マダガスカル島に生息する6種(グランディディエリ  他)

の中で、グランディディエリは、有名なマダガスカルのバオバブ・アベニューに林立する、姿形がすらっとして、天に手を広げたようなバオバブだが、①で紹介済である。

 この、グランディディエリという種は、樹形が生育環境によって変異することでも有名のようで、乾燥した石灰岩土壌では、ズングリムックリな樹形になることが知られているようだ。

下図左、下図右は、マダガスカルの南西地域の風景であるが、グランディディエリの背が低くなって、ズングリムックリになったと言えるだろうか。

 本稿で取り上げた、ソコトラ島のボトルツリーや、オーストラリアのボトルツリーは、マダガスカルの、これらのバオバブと、可なり形状が似ているだろうか。

  

◇ まとめ

 本記事の冒頭で紹介したコメントでは、ソコトラ島のバオバブとあるのだが、正しくは、ボトルツリーとなるようだ。

でも、このような異形の植物は、植物分類上では、狭義には、それぞれに異なっているのだが、筆者には、大元は同じで、「広義のバオバブ」と言えるように思われる。 

 各地のバオバブやボトルツリーなど、異形の植物類をあれこれ見た後に、マダガスカルのバオバブ並木道の、下図のような、バランスのある整った風景に接すると、筆者には、ほっとするような美しさを覚えるのは、なぜか不思議でもある。

やや飛躍するが、富士山を見て、清々しい美しさを感じる感覚に近いだろうか。

     バオバブの並木道

 

 

風呂場ギャラリー -- 秋の気配

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2016年8月8日(月)  風呂場ギャラリー ーー 秋の気配

 

  厳しい残暑が続く中で、我が家の屋上庭園で、元気にしている草花たちを、ワイフKが、切り取ってきて、久々に風呂場ギャラリーに飾ってくれた。(下図)

   

 

 屋上の人工池で、大きく伸びている、シペラスとパピルスのコンビが面白い。(下図)

   

         シペラス           パピルス

 シペラスは、和名は、シュロカヤツリと呼ばれるが、長年、屋上の水槽で生育している水草である。 

 茎は直線的で、葉も、扇を広げたように放射状になっている。 今回のギャラリーで、わざと茎を折り曲げているセンスは、なかなかのものだろうか。

  パピルスは、和名は、カミカヤツリと呼ばれ、往時、エジプトのナイル川に生えているこの水草を原料にして、ペーパー(紙)を作ったといわれる。 この植物も、我が家の長い住人だが、寒さに弱いので、例年、冬期は、室内に取り込んできたが、この冬、初めて屋外のままで、無事、越冬している。だんだん、育つ環境に慣らされてきた、という事だろうか。

 こちらも、茎は直線的だが、葉は、細く柔らかい糸状で、曲線的な、丸みを帯びた形である。 

 

 薄紫色の可憐な花は、ルリフタモジである。春から秋遅くまで、次々と、蕾が出てきては、花を楽しませてくれる。 

    

          ルリフタモジ           

   黄色が鮮やかなオミナエシ(女郎花)は、庭の一角を賑やかにしているが、秋の七草の一つで、暑気の中に秋の気配を感じさせてくれる。 昨7日は、二十四節季の立秋を迎えたところだ。 

   

         オミナエシ                                 


新東京都知事

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2016年9月6日 (火) 新東京都知事 

 

 この夏の7月31日(日)に実施された、東京都知事選挙で、自民党の支持がないまま、無所属で出た小池候補が、党の公認候補や他党の候補を抑えて、下のように圧勝してから、まだ、1か月程だ。 

 東京都知事選  投票率59.73%

  候補者名    政党      得票数   (得票率)

  小池百合子  無所属     約291万票(44%)

  増田寛也    自・公・日   約179万票(27%) 

  鳥越俊太郎  民・共・社・生 約134万票(20%) 

  これほどの大差になるとは、誰も予想できなかったようだ。イギリスやアメリカで台頭している女性パワーへの期待だけではないようで、既成の政党や組織が限界に来ていて、それに変わる新たな流れが生まれているようにも見える。 

 8/2に登庁・就任した新知事は、すっきりしたブルーのスーツ姿で、マーケティング用語の、新たな価値を求める「ブルーオーシャン戦略」を、さりげなくアピールしてみせたようだ。 

 

 本稿では、その後の知事の多忙な活躍ぶりについて、かいつまんで触れることとしたい。

 

 

◇五輪・パラ輪 フラッグセレモニー

 その後、新知事は、リオ・オリンピックへ赴くに当たって、随行者の人数を5人に絞り、知事本人と随行者の航空機やホテルの経費を極力削ったようだ。前知事だったら、大変な大名旅行となったことだろうにーー。

 8月21日(BST)の閉会式で、次回2020年のオリンピックの開催都市である、東京TOKYOを代表して、知事は、バッハ会長からIOC旗を受けとったが、小雨の中で和服姿が印象的だった。

        

  もうじき始まるリオ・パラリンピックでも、9月21日(BST)の閉会式で、パラリンピック旗を受け取る大役が続くこととなる。  両旗を、都庁前に掲揚する計画という。

  

◇築地市場の移転

  そして、築地市場の豊洲への移転をめぐっては、選挙の時から論争が続いたが、知事は、新旧両市場の視察の後、一歩立ち止まって考えるということで、この8月31日に、11月7日に移転するとしていたこれまでの計画をとりあえず延期し、来年1月に再度判断する、と正式に表明している。(小池都知事が築地市場の移転延期を発表「安全性など疑問解消されず」

主な理由は、

  ・安全性への懸念

  ・巨額で不透明な費用の増加

  ・情報公開の不足

の3点のようだ。

 当然ながら、現市場の閉鎖も、延期することとなり、年末の繁忙期は、現在のままで進められることとなるようだ。

 

 急遽、計画を延期することとなった事態は、移転に向けて諸準備を進めてきた市場関係者にとっては、極めて大きなインパクトだろう。

現市場の跡地に、オリンピック等を見込んで道路を建設する計画が進んでおり、そちらへの影響が懸念されるところでもある。

豊洲の新市場の施設は、ほぼ完成しているようなので、移転を延期することに伴い、新市場の維持費など、700万/日の費用が発生すると言われ、期間にもよるが、全体で4億円もの経費が余計にかかることとなる。

    

  第一の問題である、安全性への懸念については、ガス工場跡に建設する豊洲市場の土壌から、環境基準値の43000倍ものベンゼンが検出されたこと等が大きい。土壌を改良し、有毒物質を除去する工事が行われてきていて、改善状況をチェックする、地下水モニタリングの調査が、2014年11月から行われており、この11月に行われる最終調査の結果が、17年1月に出る予定になっていたようだ。

 その結果を見て、判断しようということだろうに、このことが分かっているのに、移転期日を11月7日と決めたのはどういう事なのか。モニタリング結果は、どうせ、シロと出ると、サバを読んでのことだろうか。食品の安全性や施設従事者の健康を、軽く見ている姿勢ともいえる。

  第二の問題である全体の整備費も、計画が進むに従って膨らんで来て、当初の約4000億円弱から、昨年で、5900億円弱まで膨らんだようだ。新市場の建設費も、昨年で2700億円強と、約2.8倍に膨らんでいるという。 

 これらの緊急の課題に対処するために、「市場問題プロジェクトチーム(PT)」を、9月中に発足させて、移転の可否を含めて判断するということのようだ。

ここまで来て、移転中止という答えは考えられないが、9月末にはPTの中間報告を取り急ぎまとめるとか。

 

◇環状2号線

 戦後間もなくから始まった東京都の環状2号線道路計画は、長い年月の間、幾多の変遷があったようだが、神田から新橋までの都心部については、マッカーサー道路も含めて、一昨年12月に、漸くにして完成している。(築地市場移転延期、どうなる環状2号線 東京五輪の重要な輸送路(乗りものニュース))

      

                       環状2号線 全体図

 この環状線の湾岸部については、築地市場跡地を通り、オリンピックの選手村が建設される晴海や、豊洲新市場を経由し、有明まで整備する計画となっている。豊洲から先の有明までの区間は、既に完成して供用されているようだ。

  また、新橋から豊洲の間は、築地市場敷地周辺を除き、主要な橋梁や道路は、ほぼ完成しているようだ。(環状2号線、来年12月に豊洲まで暫定開通 | ワクスタ

      湾岸部拡大図

 

 環状2号線の建設は、都心と湾岸部とを結ぶ幹線道路として、現在の晴海通りとともに重要なものだが、当初の計画に、オリンピック関連が加わったことで、選手村と競技会場とを結ぶ輸送路としても極めて重要なものとなり、時間的に、後ろが切られた厳しいものとなった。

 築地市場移転後の跡地に、道路を整備する訳だが、諸事情で移転が遅れた場合を想定して、迂回する暫定的な仮設道路の建設も計画されてはいるようだが、移転問題の解決が長引けば、オリンピックへの大きな支障ともなるだろうか。

◇都政改革本部のスタート 

 9月1日に、都政改革本部を発足させている。メンバーは、外部の有識者12名と、都庁の局長クラスで構成されているようだ。(<都政改革>情報公開や東京五輪に調査チーム 第1回会議 (毎日新聞) - Yahoo!ニュース

発足にあたって小池知事は、都政改革を進める視点として、

  ・都民ファースト

  ・情報公開

  ・税金の有効活用

を掲げ、早速、会議自体を、公開としたようだ。

  そして、改革本部内に、以下の2つの調査チームを設置している。

*情報公開調査チーム

  原則全ての情報を公開することが有効として、公開される資料や、一部非公開とされている現状の改善を検討する。

 *オリンピック・パラリンピック調査チーム

  東京大会の予算の全体像を明確化し情報公開する。

  都が負担している予算の使途や、出資している組織の活動をチェックする。

 

◇副知事

 東京都の副知事だが、任期切れで、前知事が辞任する直前の6月21日に議会で承認されたようだ。今回から、3名から4名にし、1人を、オリピック担当とするという。(東京都、副知事4人体制に 五輪・パラリンピック専任 - 産経ニュース

   秋山→2016.6退任

   前田→2016.6退任

   安藤→2016.6留任 順位1

   中西→2016.6新任   2

   川澄→2016.6新任   3

   山本→2016.6新任   4 

 

副知事についての小池新知事の意向は分からないが、当面は、このままで行くのだろうか。

 知事選では、全面的に小池候補を支援した、若狭勝衆院議員(自民 東京比例(非並立))を右腕の副知事とするのでは、との思惑もあったが、どうなのだろうか?

 

◇自民東京都連と衆院補選

 都知事選で、党の公認候補を擁立し、大敗した自民党東京都連は、責任をとって、石原伸晃会長(衆院議員 東京8区)、内田幹事長(都議 ドン)は、8/4に辞任したが、その後の状況は把握していないが、二人の後任は、まだ決まっていないようだ。

知事選で、堂々と党紀違反者となった、小池議員と、若狭議員の処分問題の処理も残っている。

 また、小池衆院議員の都知事選立候補で、欠員となった、東京10区(豊島等)の補欠選挙は、10月23日に投票が行われるようだが、候補者の擁立は、どうなっているのだろうか。 

 なんと、上記の若狭氏が、自民党の二階幹事長も承知の上で、補選に立候補するという、びっくりぽんなニュースがあり、政治家の言動や行動は、あてにならないという見本のようだ。(自民・若狭勝衆院議員、東京10区補選出馬の意向表明

  

◇都議会

 この9月28日からは、都議会が始まるようで、築地市場や、オリンピック関連、都政の改革等、山積した諸問題が審議される。

 知事の女性としてのこまやかさの中に、都民の視線を忘れず、何物も恐れず、毅然として問題に向き合う姿勢が立派で、都政が、分かりやすく、極めて身近になった印象だ。ささやかな一票を投じた、都民の1人として、これほど嬉しいことはない。

 スエーデン1国にも匹敵するという財政規模をもつ東京都の、日本の首都としての今後の進んでいく方向に期待したいものである。

新東京都知事  その後

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2016年9月30日(金) 新東京都知事 その後 

 

 大きなニュースがあると、時間の経過は早くなると感じるようで、この夏の7月31日(日)に実施された都知事選挙で当選した、小池百合子知事が、矢継ぎ早に出てくる諸課題を、精力的にこなしているのには驚かされ、瞬く間に時間が過ぎていくようだ。

本稿は、当ブログの下記記事

   新東京都知事  (2016/9/6)

の続編として、その後の経過を、取り急ぎまとめたものである。

 

◇パラ輪 フラッグセレモニー

 9月18日(BST)のパラ輪の閉会式で、次回2020年の開催都市である東京を代表して、知事は、リオのバエス市長から、車椅子のIPCクレイブン会長の手を経て、パラ輪旗を受けとった。今回の知事のいで立ちは、軽快な黄色の洋装であった。

        (ネット情報より)

  9月21日には、五輪旗、パラ輪旗が、活躍した選手たちによって、都庁前で、早速、お披露目されている。また、11月1日からは、両旗を都庁2階に展示公開するという。 

また、10月8日からは、複製旗が、都内の、全区市町村と、東北の被災地の三県などを巡回する、フラッグツアーが計画されているようだ。

 

 ◇築地市場の豊洲移転

 知事は、築地市場の豊洲への移転時期を、11月7日に移転するとしていたこれまでの計画を、地下水のモニタリング調査の最終回の結果が判明する、来年1月頃に再度判断する、と正式に延期を表明して、あわただしくリオに向かったが、この前後に、建設済みの豊洲新市場の敷地の建物下部が、盛り土されておらず、コンクリートの箱の空洞になっていて、水が溜まっている新事実が発覚したのである。

 以前、豊洲への市場移転を検討した専門家会議(平田健正座長(放送大和歌山学習センター所長))は、敷地全体に盛り土することを都に提言したようだが、それを受けた都は、理由は不明だが、建物の地下は、盛り土せず、コンクリートの空洞にして、施工されている。

 このように変更した理由ははっきりしないが、工事費を節減する、工期を短縮する、問題発生時の作業空間を確保する、等が考えられるだろうか。

発覚当初は、筆者は、表向きは提言通りに実施したことにして、裏で都と業者間で癒着していたのではと、手抜きも疑ったがーー。

     

 上図のように、石原都知事の時代に、豊洲の敷地や建築物の基本部分は決まっているようだが、元知事だけでなく、市場を担当する責任者である、代々の市場長も、マスコミのインタビュー等では、建物地下の構造については、報告を受けていなかった、把握していなかったと、部下の実務担当者の判断で行われたとしている。

知事や市場長等は、本当に知らなかったのか、知っていても嘘をついているのか、ハンコを押して決済したのは誰か、ーーーは不明である。

 都庁内部での、土木部門と、建築部門間の、意思の疎通が悪く、情報の共有が行われていなかった(今も いない)とも言われる。 

 ガバナンスの問題として見ると、上下関係で責任者にしっかりと知らされず、横の連携もないままに進められてきたということで、責任の所在が曖昧で、責任者としての自覚も希薄という、日本のお役所仕事の典型でもあろう。

今日30日の、知事の定例記者会見でも、この案件に関する内部調査結果が発表されたが、何時、誰が決めたのか等は、明らかには出来なかったようで、想定通りである。

都の、黒字で巨大な財政規模が、このような組織風土を生んできたのだろうか。

 

 犯人探しも必要だが、最も肝心なことは、新市場の安全性はどうかということだ。現状の空洞のままでいいのか、埋め戻す作業の可否と効果はどうなのか、今後の地盤や地下水の推移はどうなるのか、などが問題となろうが、今後、後述する関係組織や会議等で、精力的に検討が進められよう。 

 問題発覚後、以前の専門家会議が再招集され、平田健正座長は、現地を視察した上で、溜まった水の安全性は問題ない等とコメントしている。

 一方、知事は、これらの緊急の課題に対処するために、9月23日の定例記者会見で、外部の、8名の専門委員からなる「市場問題プロジェクトチーム(PT)」の人選(座長 小島敏郎 元環境省審議官)を明らかにし、この29日に、第1回会合をスタートさせている。 取り急ぎ、PTの中間報告をまとめるという。

下図は、豊洲市場移転の鍵をにぎる両座長が、17日に、共同で会見しているもの。

 (ネット情報より)

  市場問題PT 小島座長      専門家会議 平田座長

 

 現築地市場の老朽化は進んでいて、果たして、いつまで大丈夫だろうか。空調設備なども不十分で衛生的にも問題があり、スペース的にも狭隘という。

そんな状況下で、市場関係者の総意と工夫と努力で、ここまで運営してきたということで、日本の産業文化の塊とも言える、築地ブランドが確立しているようだ。

 筆者は、築地市場に勤めていた知人の案内で、早朝、現地の内部を見せてもらったことがあり、職場が築地地域にあったことで、場外市場にはよく出かけたことだ。

 

 そして、ショッキングなニュースだ!

昨29日、都から、最新の8回目の地下水のモニタリング調査の結果(8月末頃サンプル採取)について、一部から、環境基準値を上回る、ベンゼンとヒ素が検出されたと公表されたのである。

モニタリングする地下水は、建物の周囲の敷地の201地点に、やや深い揚水井戸を掘り、そこから採取するようだが、3地点で、環境基準値を超えた有害物質が検出されたようだ。以前、敷地内から、基準値の43000倍ものベンゼンが検出されたことがある。

 (ネット画像より)

 

   井戸  検出物質  検出値      基準値     検出値/基準値

   井戸1 ベンゼン  0.014mg/L 0.01mg/L    1.3倍

   井戸2 ベンゼン  0.011        0.01       1.1倍

   井戸3 ヒ素     0.019        0.01       1.9倍

 

 このような事案が生じると、この程度では安全性には問題はない、などという声がでてくる。基準値は、有害物質を含む水を、70年間(一生涯)飲み続けた場合の危険性という、あり得ないようなケースのようだが、でも、基準値は基準値として、尊重しなければなるまい。

 

 筆者だけでなく、知事を含めて、地下水のモニタリング調査は念のため、位に思っていたと推測されるだけに、今回の事案は、建物の地下の空洞に溜まっている水以上に、関係者には大変な事態と言えるだろう。

2年前から続けられている、これまでの7回分のモニタリング結果は、すべてOKだったとされてきたが、実際は、いい加減な測定で、都合の悪い結果は隠ぺいしていたのでは、との疑問すら湧くところだ。(今回だけは、真面目にやったからNGが?) 

 地下水の動きは、福島の事故原発でのように、土木の門外漢には、よく理解できず難解なのだが、抜き差しならぬ事態なのだろうか、そんなに深刻に考える必要は無いのだろうか、仮に移転した場合の風評被害も怖いところだ。

複数ある専門家の集まりの場で、検討・評価と対策が、速やかに出てくることを待つしかない。 

 

 

◇都政改革本部のスタート 

 9月1日に、都政改革本部を発足させている。メンバーは、外部の有識者14名と、都庁の局長クラスで構成されているようだ。

有識者メンバーは、10名の特別顧問、2名の特別参与、2名の特別調査員からなっていて、特別顧問の上山慶応大教授が、有識者メンバーの統括となっている。

詳細は不明だが、上山氏と他の4人の特別顧問は、都の公的な組織の構成員となるという。

 

  そして、前稿で触れたように、本部内に、以下の2つの調査チームを設置している。

*情報公開調査チーム

  原則全ての情報を公開することが有効として、公開される資料や、一部非公開とされている現状の改善を検討する。

*オリンピック・パラリンピック調査チーム

  東京大会の予算の全体像を明確化し情報公開する。

  都が負担している予算の使途や、出資している組織の活動をチェックする。

  早速、昨29日、知事に対して、3競技会場についての見直しの提言がなされたようだ。

 

知事の、30日の会見では、3つ目の調査チームもできたようだが未確認である。 

 

◇自民東京都連と衆院補選

  先の都知事選で、党の公認候補を擁立し、大敗した自民党東京都連は、責任をとって、石原伸晃会長(衆院議員 東京8区)、内田幹事長(都議 千代田区 ドン)は、8/4に辞任したが、その後、都連の役員は、 

  会長  下村博文衆議院議員(東京11区)

  幹事長 高島直樹都議(足立区)

等に決まったようだ。

 知事選で、公然と党紀違反者となった、小池候補と、応援した若狭勝議員(東京 比例)の処分問題の処理は残されたままである。

  また、小池衆院議員の都知事選立候補で、欠員となった、東京10区(豊島等)の補欠選挙は、10月23日に投票が行われるが、候補者の擁立だが、なんと、上記の若狭氏が、都連だけでなく、自民党の二階幹事長も了承の上で、自民党の公認候補として、補選に立候補するという、びっくりポンなニュースである。

政治家の言動や行動は、あてにはならず、己の利益のためにはなんでもあり、という見本のようだ。(自民・若狭勝衆院議員、東京10区補選出馬の意向表明

これを受けたのか、ネットの都連のサイトでは、これまでは、若狭氏は、国会議員としては削除されていたのだが、いつの間にか、復活している!

一方、小池候補を応援した、自民党都議7名は、現在も、離党勧告を受けたままのようだ。

 小池知事は、政経塾(希望の塾)を立ち上げるとして準備を進めているようで、この動きは、知事の、自民党都連や都議団に対する牽制球にも、ジェスチャーにもみえる。

 来年に行われる都議選や、想定される国政選挙に向けて、旧来の党派にとらわれない、新しい感覚の政治の動きや勢力の誕生を、期待したいものだ。

 ◇都議会

 9月28日から、16日間の都議会が始まったが、築地市場や、オリンピック関連、都政の改革等、山積した諸問題が審議される。TV(YOKYO―MX)でも、都議会の様子が中継され、所信表明を視聴したところだ。これについては、改めて取り上げることとしたい。

 裏取引ではなく、ガラス張りで公表しながら、有言実行で進める小池都政に期待したい。時の人である、知事本人の健康が最も気がかりだが、多忙で厳しい環境の中で、気遣いと笑顔を忘れない柔軟さが嬉しい。

風呂場ギャラリー  秋の草花と実と

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2016年10月4日(火)  風呂場ギャラリー ーー 秋の草花と実と

 

  雨の多い天候が続く中で、季節は秋である。 我が家の屋上庭園では、秋の草花が賑やかだが、実をつけたものもあり、9月末に、ワイフKが、8種類を切り取ってきて、風呂場ギャラリーに飾ってくれた(下図)。 今は、スッカリ萎れてしまったがーーー。

   

 

  背が高く、先端の葉が、糸状に細かく分かれているのは、常連のパピルス(和名 カミカヤツリ)で、左側の穂先は、小さな花を沢山つけている。 大きな屋外の水槽で育つ熱帯性の水草で、この冬は、外で、2度目の越冬をする予定だ。

     

              パピルスの葉先の花                         パピルスの葉

 

       

                   

  つるが絡んでいるのは、ホシアサガオ。星のように小さな、かわいいピンク色の花をつける。種がこぼれて、毎年、自然に生えてくる、我が家の秋の七草の一つである。前図で、このつるが、パピルスの葉先同志を、針金のように連結している。 

                

 

                 

 

               

 

  長芋や、以前、土産に買ってきた伊勢芋などは、芋の成長には時間がかかるが、これらの子供の芋が、毎年、芽をだし、葉の付け根に、丸い茶色い実、ムカゴを沢山つける。それを炊いた、ムカゴご飯は、我が家の大事な秋の味覚。

                                            ムカゴ1                       ムカゴ2

 

               

 

                               

                                                               

  

Brexit  4

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2016年10月10日(日)  Brexit  4

 

 この6月の国民投票の結果、イギリスは、予想に反してEUを離脱する方向となり、世界に大きな衝撃を与え、世界の株価等が、大きく変動した。 一方、責任をとって辞任した、キャメロン前首相の後継が、慌ただしく、メイ首相に決まったが、これらについて、下記記事

   Brexit  1  (2016/7/2)

   Brexit  2  (2016/7/9)

   Brexit  3  (2016/7/17)

で、取り上げたところだが、本稿は、これらの続編で、その後の経過等に触れている。 

 

◇直近の動き

 今月の10月2日、メイ首相が、イギリスのEU離脱の正式通告を、年内には行わず、来年3月末までに行うと、バーミンガムでの保守党定期大会に合わせ、TV番組で公式に表明したようだ。(【英EU離脱】メイ英首相、来年3月末までにEU離脱交渉開始 - 産経ニュース

   

                               党大会で演説するメイ首相

  正式な通告によって、EU基本条約であるリスボン条約の50条が発動され、離脱交渉が開始されるが、遅くとも2年以内に交渉を終える、という規定になっているようだ。

 英国内では、EU離脱省と、国際貿易省を新設したようだが、離脱方針を巡って、これら新設省と外務省間の主導権争いも出ているようで、国内が纏まるまでには曲折もありそうだ。

 

○ メイ首相のドイツ・フランス訪問

◇イギリスのメイ首相は、就任後初めての外遊先にドイツを選び、この7月20日に、メルケル首相との首脳会談に臨んでいる。
 詳細は省略するが、メルケル首相は、英国が正式な離脱交渉の開始となる、リスボン条約50条を発動するまでは、条件の交渉には応じないとの立場を改めて表明している。

  独首相は、一方で、イギリスに対して離脱交渉の開始時期を早めるよう求めたが、英首相は「今年は行わない」と話し、この時は、交渉開始は来年になるとしたようだ。上述のように、今般、これを、3月末と明言している。

建前では、このようだが、実際は、事前の非公式な折衝は行われるのだろうか。  

                                独メルケル首相      英メイ首相 

◇引き続いて、メイ首相は7月21日、パリを訪れ、オランド仏大統領と会談している。  

 オランド仏大統領と

 会談でメイ首相は、「今後6カ月で交渉の準備を行いたい」と述べ、年内にはEU離脱の手続きを開始しない方針を示し、早期の離脱を求めてきたフランスに理解を求めた。これに対しオランド大統領は、「政権が樹立されたばかりで時間が必要なのは分かるとした上で、(離脱は)早い方が良い、と従来の考えを堅持している。

 メイ首相は、イギリスとしては、国民投票で民意が示されているとして、移動の自由は受け入れられないとの考えを示したが、これに対し、オランド大統領は、イギリスが、EUの単一市場に残るためには、「移動の自由」が前提との原則論を述べ、イギリスは、「移動の自由」を認めるか否かで、単一市場に残るか、制限された貿易を取るかを、選択しなければならないと、厳しい姿勢を示したという。           

フランスでは、EU離脱を問う国民投票の実施を掲げる極右政党の国民戦線の動きがあり、来年春の仏大統領選との関連もあって、オランド大統領としては、EU離脱には、大きな代償を伴うことを、国内に印象付けたい思惑があるという。

これまでは、フランスの来年春の大統領選挙や、ドイツの来年秋の総選挙後に、イギリスのEUからの離脱交渉が始まるとの憶測もあったようだ。 

 先月の9/16に、チェコの首都 ブラチスラバで、EU首脳会議が開催されたが、イギリスを除いた首脳達が集まったようだ。ここでは、各国の足並みが揃わず、当面する、難民・移民対策、テロ対策や、イギリスが離脱した後のEUの具体的な方向性等は、打ち出せなかったという。 筆者は、これまで、この会議には、イギリスも出席するものと思っていたのだがーー。(EU首脳会議:難民・テロ 重点政策の行程表 加盟国、足並み乱れ - 毎日新聞

  

○ EUの実情

 ここで、EUの規模や組織等の実情について、改めて調べてみた。 EUのこれまでの歴史等については、今回は省略する。

・擬似国家としてのEU

  イギリスを含めた28の加盟国で構成されるEU全体を、一つの国(擬似国家)とみなした時の規模は以下のようだ。

    面積   約438万km2 (日本の約12倍)

    人口   約5億人  

    通貨   ユーロ (イギリス、デンマーク等は、自国通貨のまま)

    GDP  約16.1兆ドル(2012年 IMF) 全世界の約26%

        

・組織 

 イギリスの、キャメロン政権時代の、EUの仕組みは下図のようだ。(ネット画像) 

        

最高機関 欧州理事会(Europian Council)  各国首脳による首脳会議  EU首脳会議とも

        欧州理事会の議長は常任で、EU大統領とも呼ばれ、EUを代表する一人。

        現在の議長は、トウシェスク議長(元ポルトガル首相) 

立法    EU理事会(Council of the EU)  各国閣僚により構成する理事会  

       欧州議会(Europian Parliament) 

         両院制で、選挙で、各国から議員を選出(議員定数754人 各国に配分)         

行政   欧州委員会(Europian Comission)  行政執行機関 3万人の職員 ブリュッセルに本

      部  常任の委員長は、EUを代表する一人。 現在は、ユンケル委員長  

司法   欧州司法裁判所(EU版最高裁判所)

他    欧州中央銀行  欧州対外活動庁(EU版外務省)

  この6月の伊勢志摩サミットには、G7各国首脳に加え、EUを代表して、トウシェスク議長、ユン

ケル委員長の二人が参加している。

・予算 

 EUの財政的な 状況については、余り把握していないが、予算は、EU全体としての税収入と、各国が拠出する分担金等によって賄われているようだ。

*その中で、各国の分担金は、経済規模に応じて拠出額が割り当てられていて、データは古いが、2005年では、総額約873億ユーロを100%とした加盟各国の分担率は、以下のようだ。 

              ドイツ  20.1%

             フランス 17.6

             イタリア 13.7

             イギリス 11.3

             スペイン  9.9

             オランダ  5.1

             ベルギー  3.0

             ――――

             マルタ   0.1未満  (欧州連合の予算 - Wikipedia

  ドイツ、フランスが圧倒的に多額で、更に、これに、イタリア、イギリス、スペイン、オランダ、ベルギーを加えると、約80%以上にもなる。

*一方、政策支出(農業など)である各国への配分額は、同じ2006年のデータで、総額974億ユーロとなっている。この詳細は、ここでは省略する。

*加盟各国の、予算分担額と政策配分額との差が、国の純拠出額で、プラスの国と、マイナスの国とがある訳だが、上と同じ2006年のデータがある。(欧州連合の予算 - Wikipedia

これに関し、みずほ銀のレポートに、最近の2014年のデータで、分かりやすい下図が見つかったので引用する。(「英国のEU離脱とその影響」2016.6.9みずほ総合研究所)

  

 図右側の、ドイツ、フランス、イギリス、オランダ、イタリア等は支援する側で、図左側の、ポーランド、ハンガリー、ギリシャ等は、支援して貰う側ということだ。

金額はともかく、この状況は、2006年と余り変わっていないようだ。  

 昨年夏、財政危機に陥ったギリシャが、EUに支援を請うた事案は、記憶に新しく、当ブログでも取り上げたところだ。

      

○今後のEUは、どう進むのだろうか

 壮大な理想を掲げて、ここまで進んで来たEUだが、道半ばにして、主要加盟国のイギリスのEU離脱という状況が生起して、今後、どのように進むのか、方向が問われていると言えるだろうか。

◇ 加盟国は拡大するか、縮小するか

    EUに加盟したいという国:バルカン諸国、トルコ、ウクライナ、―――

    国の内部に離脱したい勢力が強い加盟国:フランス、オランダ、スウェーデン、―――

    拡大を抑制する要因は、なんだろうか? 

 

◇ 統合の内容―経済統合から  

 EUは、経済的な統合から始まり、共通通貨ユーロも導入されている。

経済統合により域内は単一市場が形成され、自由な取引が可能となっていて、域外との間の取引にだけ関税が設定される。 この面では、域内が、一つの国(擬似国家)と言えよう。

このような自由な取引は、プラスに働く面もあるが、強者と弱者(利益を得る者と、奪われる者)に分かれることによって、域内での格差の拡大を齎すことにもなる。

 域内では、入国管理が無くなることで、人的往来も自由になっているが(シェンゲン協定)、イギリスでのように、移住者によって、元から居る国民の仕事が奪われる、といった不満も出てくる。

この最たる事象が、中東やアフリカからEU地域へ押し寄せる、難民、移民の急増で、これをどう受け入れるのか、現在のEUの最大の懸案だ。

経済は、政治の違いを超えて、均一化・グローバル化の方向に急速に進むだろうか。

 

◇統合の内容―政治的な統合はどこまで進められるのか?

 比較的最近の世界は、歴史、民族、宗教等の違いから、下記のように、政治的には、分離・独立の流れ、多極化・多様化の方向にあると言えるだろうか。

   ソ連邦の崩壊   →ロシア連邦、東欧諸国(ベラルーシ、ウクライナ)

                 カフカス諸国(グルジア、アゼルバイジャン、アルメニア)、

                 中央アジア諸国(カザフスタン、ウズベキスタン、キルギス、タジキスタ

                 ン、トルクメニスタン)

   チェコ・スロバキア→チェコ、スロバキア

   ユーゴスラビア  →クロアチア、セルビア、ボスニア、モンテネグロ、コソボ、

                マケドニア 

 そんな中で、EUは、極めて珍しい、逆向きの、政治的な統合を目指す動きだ。 

現在のEUは、実国家と擬似国家という、屋上屋の二重構造の組織体制のため、複雑で分かりにくく無駄があるようにも見える。

EUの加盟国が更に増えると、組織運営は、より複雑で面倒になるだろうか?

 EUに加盟することで、文化的な一体感と、国の安全が緩やかに保証されるという、安全保障的な期待があるようにも思える。

 

 EUの目指す国家像は?

EUの手本として目指す国家像はどんなだろうか?

現状の2重構造を延長したような体制だろうか。

もう少し、政治的な統合を進めるとしたら、ロシアや中国のような、半ば、専制的な国家ではないだろうから、民主的で開かれた国家として、どのような擬似国家・連合体をめざすのだろうか?

アメリカ合衆国のような、各州と連邦という国家像である、欧州合衆国のようなイメージだろうか。

 

◇安全保障―EUとNATO

 EU各国には軍隊があり、更に、アメリカ、カナダを加えて、NATO(北大西洋条約機構)を構成する安全保障体制がある。仮に、イギリスが、EUを離脱しても、NATOの一員であることには変わりはないだろう。 EU加盟国と、NATO加盟国は、下記の一部を除いて、ほとんど一致している。

    EU加盟でNATO非加盟:スウウェーデン オーストリア フィンランド アイルランド

                    キプロス マルタ

    EU非加盟でNATO加盟:ノルウエー アイスランド アルバニア  トルコ

                     アメリカ カナダ

  イギリスは、EUを離脱しても、イギリス連邦の盟主として、世界有数の経済規模を持ち、国連安保理の常任理事国でもある存在感は変わらないだろう。  

 

◇現EUの抱える問題

 現EUの当面している緊急の懸案は、前述のように、難民問題と言われる。 

ドイツは、ナチの反省から、難民受け入れには寛容的で、理想郷と映るEUに、膨大な数の難民・移民が押し寄せている。域内の往来の自由が、いまや、試練に立たされているだろうか。

 EUにやってきた16万人の難民を受け入れるべく、EUでは、加盟各国へ、受け入れの割り当てを行っているが、拒否反応がひどいハンガリーでは、ハンガリーへの割り当て数1300人ほどをめぐって、受け入れに対する賛否を問う国民投票を、10月2日に実施した結果、

    投票率             約43% (50%以上で国民投票成立)

    投票結果 受け入れ反対   98%

 国民投票は不成立という、分かりにくい結果になったようだ。 政権自身が受け入れに反対で、国民投票に行かず、ボイコットするように呼びかけたという。この民意を受けて、政権はEUに政策の変更を求めると言うが、EU側の姿勢は変わらないようだ。 昨年の、財政危機をめぐる、ギリシャの国民投票が連想される。 

 イギリスのEU離脱問題が、EUの目前のもう一つの懸案で、EUの今後にとって、巨大な一石を投じていると言えようか。

 

  来年2017年のG7サミットは、イタリアのシチリア島で開催されるようだが、その頃は、EUとイギリスとの間で、離脱交渉が始まっているだろうから、初めて参加するイギリスのメイ首相をはじめ、EU代表を含めた各首脳は、どんな表情を見せるだろうか注目したい。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

新東京都知事  続その後

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2016年10月16日(日) 新東京都知事  続その後 

 

 先日の10月1日は、都民の日だったが、土曜と重なったせいか、やや、印象は薄かった。

このところ、時の人である小池都知事の関連では、当ブログの下記記事

     新東京都知事    (2016/9/6)

     新東京都知事 その後(2016/9/30)

で取り上げてきたところだ。 

 9月23日から始まった都議会の冒頭で、都知事の初の所信表明演説があり、TV中継され、視聴したことだ。 

その時の草稿がネットで入手できたので、これをもとに、ゆっくり、内容を確かめてみた。(平成28年第三回都議会定例会知事所信表明|東京都)     

               

  今回のブログ記事では、現在、大きな話題になっている、築地市場移転問題や、オリ・パラ施設等に関しては、触れずに次稿に回すこととし、一寸視点を変えて、所信表明演説に数多く出てきた言葉や、気になった横文字の用語等に注目して、取り上げることとしたい。 

 

◎都政運営に対する基本姿勢

●都民ファースト

  基本中の基本として、「都民ファースト」という言葉が、これまでも、演説でも、何度か使われている。一都民として、この言葉から受ける印象は、当然の姿勢と思うのだが、悪い気はしない。

でも、スローガンとして言うのは簡単で、掛け声倒れに終わる可能性もある。 

この言葉に類似した、同義語(シノニム synonym)としては、

     アスリートファースト、レディファースト、お客様第一、国益最優先

などがあろうか。

一般的には、反義語(アントニム antonym)をイメージすると、元の言葉の意味が、更に良くわかることも多いが、都民ファーストの反義語は、何だろうか?

     「役人ファースト」 「議員ファースト」 

等だろうか。公務員としての自分の職場での保身や、自身の生活や利益を優先するということだ。職場では、改善意見は抑えて、できる限り前例に従う、となるだろうか。これらは、筆者も含めて、身に覚えがあることなので、理解しやすい処世術だ。

  都には、行政窓口などの一般公務員の他に、

   ・教育関係者(先生)、警察・消防関係者  約13万人

     ・公営事業関係(病院、交通、上下水道等  約 2万人 

など、大変な数の職員がいて、全体で、16万8千人にも上るようだ。  ((表8)職員数の状況|東京都 )

  通常の会社では、

           会社ファースト

で、会社のためなら、法や社会常識に反することも、承知の上でやることもある。 公務員、会社員を問わず、働いて賃金をもらい、己の生活を維持することが、大前提なのは言うまでもない。

 

  知事は、演説の最後の締めくくりとして、元東京市長である後藤新平の、「自治三訣」を、引用している。

本稿では、この自治三訣も、都民ファーストに通じる、基本姿勢のひとつと見て、ここで取り上げることとした。

「自治三訣」は、以下のようである。

      ①人のお世話にならぬよう

      ②人のお世話をするよう

      ③そしてむくいをもとめぬよう

このような先人の言葉があることは、筆者はほとんど知らなかったが、「公僕の精神」として、ボーイスカウト等で、言われたようだ。 公務員は、以前は、「公僕」とも呼ばれたが、今は死語に近いだろうか?

 世に、個人を中心に見た場合の、社会全体での援助として

    自助:自身で支える(家族を含めて)

     共助:近隣・地域での支え合い(ボランティアを含む) 

     公助:公的機関(自治体等)による支援

があると言われる。

  時代背景は異なるものの、上記の観点から、「三訣」の①~③について、筆者なりに考察して見ると、以下のようになろうか。

 ①は、自助ということで、自立の精神と、健康な生活の勧めと言える。

    当時は、他への依頼心は弱みでありこれを抑える、とされている。

 ②は、共助ということで(当時は互助と言われたようだが)、お節介と社会奉仕の精神で、お互い

        様ということで、震災時等には、大いに発揮される。

        公務員としての、仕事上でのサービス精神も含まれよう。

①、②、ともに、誰にでもわかる、極めて平易な言葉なのが、印象的である。 

でも、病気になったり、仕事がうまくいかなくなった時は、①も、②も難しくなる。このような状況を補完するものとして、公助があるだろうか。

  日本には、古来、人の世話になる(人を頼る)のを、潔しとしない風潮があるが、当時としては、どこまで、公助を想定していたのだろうか。 現代では、公助を求め、利用することは、憲法で保障された、基本的人権の一つとされている。 

③も、平易で分かりやすい言葉で、公僕としての自身に対して、地位を利用して袖の下を求めたくなる誘惑を自制する、戒めの姿勢であり、無償の奉仕とも言える、極めて重い言葉である。

先日のTV報道によれは、国家存亡の危機状態にあると言える、アフガニスタンでさえも、行政サービスを受けるには、賄賂が当たり前の状況という。中国等でなら分かるのだがーー。

  以前の官業等が、戦後になって、大幅に民業に移行している現在、公務員だけでなく、教育、運輸、情報通信、金融関連、医療等の民間事業の関係者も、公的な性格を帯びていることが多い。

これらの事業の関係者にも、①、②、③の三訣は、当てはまるだけでなく、人間関係一般でも、広く通用する言葉だろうか。 

●都政の透明化 

  知事は、選挙の当初から、密室やブラックボックスでの非公開をなくし、情報を公開し、見える都政、分かりやすい都政とすると公言し、知事就任後は、すぐに実行に移している。

都政改革本部の設置と各PTの活動がすでに始まっているが、ここでは詳細は省略する。

今後は、巨大な伏魔殿と言われた都庁や都政の様子が、少しずつガラス張りになっていくことだろうか。

  知事は、豊洲問題等の解明のためとして、内部告発制度(公益通報)を始めるようだ。このシステムは、組織が、コンプライアンス(法令遵守)を維持するための、現代の有力な手段ではあるが、なんといっても、職員1人1人の自覚と意識改革こそが、最後の決め手となろう。 

●ワイズスペンディング wise spending

   浪費を抑え、後世への負の遺産(レガシー)をなくして、税金の有効利用をはかることのようだ。

著名な経済学者ケインズの提唱している、将来を見据えた賢明な資金の使用と投資をする、という経済用語が、基になっているようで、素人目には、至極、当たり前のことに見えるが、横文字になると、都政の立派な柱になるから不思議! 

  知事給与を半減する議案が話題になっていて、議会最終日に、そのように議決されたようだ。筆者は、八面六臂の多忙さという業務の中身からみて、都知事の給与は、高すぎて無駄金だ、とは全く思わないのだが、選挙公約の一つとして、有言実行するのは、けじめであろう。

副知事以下、都議や、都庁職員の給与の話まで、発展させる意図はないと、知事は明言しているが、関係者には、無言のプレッシャーにはなるだろうか。

片や、各地の地方自治体で問題になっている、議員の特別調査費という、みみっちい話題もある。

  

◎目標とする未来像「新しい東京」の3つの都市イメージ

  都民フーストの都政を展開し、都政に対する都民の信頼を回復したその後に、 サスティナブル(sustainable 持続可能な)な首都東京を作りあげるために、 3つのシティを実現するとしている。

            

1 ダイバーシティ :都民誰もがいきいきと活躍できる

<用語>ダイバーシティは、 

       diverse (形)  異なる

       city    (名)  都市

とを結合して、

    diver(se)+city=divercity

とした、造語と思われる。

 同じ語源で、

    diversity (名)  相違 多様性 

という言葉があり、これと重ねた意味を持たせているようだ。 

  国連の条約に、生物多様性条約と言うのが有り、正式名称は、

     Convension on Biological Diversity (略称  CBD)

である。この締約国会議(COP10)が、2010年11月に、名古屋で開催された事で、当ブログでも取り上げている。

この地球環境保護活動は、文字通り、地球上の生き物の多様性(biolological diversity)を如何に守っていくか、ということだ。

 小池知事は、divercityの意味の中に、男も、女も、老人も子供も、健常者も障害者も、分け隔てなく暮らせる社会をイメージしているだろう。

自分の好きな言葉で言えば、排他的なホモジニアスの社会ではなく、寛容なヘテロジニアスの社会である。

 

演説の項目は以下のようで、詳細は省略する。

<待機児童問題>

  待機児童解消に向けた緊急対策での3本柱

  東京の子育て環境の充実

<働き方改革>

  ワーク・ライフ・バランス→ライフ・ワーク・バランス

  都庁での「イクボス宣言」→ 職場のルールを変える

<一人ひとりの希望を応援>

  地域包括ケアシステム

  ソーシャルファーム  障害者が働ける場

  教育支援と人材の育成 意欲ある子供の就学支援

 

2 セーフシティ :安全・安心・元気な

 <用語>

      セーフシティ:safe(安全な) city

<都民目線で災害に備える>

   主要道路沿線の耐震化、不燃化

   防災面からの無電柱化の推進

<地域社会を安全・安心・元気の要に>

   災害時の共助と日常的な絆

<多摩島しょ振興>

   地域の特性を生かした持続的発展

 

3 スマートシティ :世界に開かれ、成長を続ける

  <用語>

  スマートシティ:smart city

  この言葉は、狭義には、先進技術を活用して電力の有効利用等を図る、環境配慮型都市というものだが、現在は、このエネルギー制御だけでなく、生活全般、経済活動、都市交通、行政活動等も包含した、拡大した概念のようだ。 

東京は、日本の成長のエンジンであり、以下のような最新技術の活用を進める。

        IoT:Internet of Thing

        AI :Artificial Itelligence

        フィンテック:Financial Technology

 <環境先進都市・東京>

   低炭素社会の実現

   もったいない精神 

<再び国際金融の中心へ>

   大手町~兜町地区を世界の金融センターに

<持続可能な成長に向けて>

   東京のブランディング 

      伝統工芸品や都市農業

   インバウンド(外国からの来訪者)の増加  

 

⇒これらの政策を具体化した、「2020年に向けた実行プラン(仮称)」を、年内を目標に策定し、来年度予算に盛り込む予定と表明している。合わせて、2020年以降の東京の未来像も描くとしている。

果たして、お題目だけでない、どのような具体案が示されるのか、新知事の指導力、調整力、実行力等に期待しながら、待つこととしたい。 

 

この後の演説では、オリンピック、パラリンピック関連が出てくるが、これらについては、ここでは省略し、次稿で取り上げることとしたい。

 

 

 

 

 

 

 

 

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