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AEDを活用しよう

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2014年5月22日(木)  AEDを活用しよう

 

 

 先月の23日、NHKの朝のニュース番組「おはよう日本」で、“AEDを使うには”と題して、AEDの事が取り上げられた。 

一般の人がAEDを使う事が認められてから、今年でちょうど10年になるようだ。

市中でも、下図の様な表示は、結構見掛けるようになっていて、認知度も上がって来てはいるだろうか。

    (ネット画像より)

 

 でも、思うようには使われていないようで、総務省の纏めでは、救急搬送前に、AEDを使って電気ショックを与えたケースは、僅か、3.7%にとどまっているという。

 

 この啓発のために、番組で取り上げたようで、放送では、AEDを使う場合の一般人の不安を解消すべく、スタジオでの現物を使った実演を通して、分りやすく説明してくれた。

 

 当ブログでは、昨年2月、NHKのTV番組が切っ掛けとなり

     救急救命とAED   (2013/2/9)

の記事で、自分なりに納得(した積りで)整理して、かなり詳細に取り上げている。

 以降、幸か不幸か、AEDが必要となるような場面には出くわしてはいないが、今回改めて、自分なりに、AEDの使い方のシュミレーションを行った、ことである。

 

 

 前稿とも重複するので、AEDの概要や救急全般については省略し、今回、改めて確認し、分った情報を主に、以下に、?〜?として、記すこととしたい。(文中の画像は、これまでの放送|NHKニュース おはよう日本 等より引用)

 

?交通事故で、生死が危ぶまれ動かしたりするのは厳禁など、傷病者には、色んなケースがあり、状況の見極めが必要だ。

 ?で後述するように、消防の119でも、通報時に、状況に応じてアドバイスしてくれるが、

          #7119 

 の番号だと、ゆっくり相談に乗って貰えることを、筆者は経験済である。

 

 傷病者の呼吸が確認できれば、心臓マッサージや、AEDの使用は不要で、傷病者を横向き(回復体位)にして、救急車を待つ。

 呼吸の有無は、鼻息や、横から見た胸の上下で、判断・確認することとなる。

 

?傷病者の呼吸が確認できない時は、AEDが到着する前から、可能であれば、心臓マッサージ(心肺蘇生、胸骨圧迫)を行うのは極めて    有効のようだ。

   心臓マッサージの要領は;

    ・実施者の両手の位置(傷病者の左乳首上)と、腕を直角に立てて体重を乗せる姿勢が重要。

    ・1分(60秒)間に100回、0.6秒に1回の、結構早いテンポで、30回反復。

    ・暫し休んで、再度、マッサージを30回行う。必要により実施者を交代する。

    ・呼吸の様子を見ながら、これを繰り返す。

  この措置で、心臓の機能が回復し、呼吸が戻ることもある。

   一般人がやる場合は、人工呼吸はしなくてよい。

 

?AEDが到着したら、一旦、マッサージを止め、早速、傷害者に装着して電源を入れることだ。

 AEDに関する世論調査では、AEDを(使う事が)できない理由は、下図のようになっているようだ。 

   

 前稿にもあるが、傷病者の救命成功率は、下図のように、分単位の経過時間とともに急激に低下することはよく知られている。(図は、ネット画像より)

   

 救急車が到着する時間は、通報を受けてから8分後位のため、救命成功率は、精々、10%程度なのだ。

だからこそ、何もせずにあたふたしながらただ待っているだけではなく、現場での応急の救命措置が、極めて有効で、市民の参加が必須、ということのようだ。

 

 上図のような出来ない理由が重なれば、AEDを取りに行くことも、更に、AEDの所在を探すことも、無いだろうか。また、心臓マッサージも期待できないだろう。

 このような、悪循環を断ち切って、一歩踏み出すことが要請されている、ということで、人助けであるとともに、何時の日かの、我が身の為でもあろうか。 

 

 さて、上図のできない理由で、半数以上を占める、「使い方が分からない」を、先ず、解消する必要がある。 

 救急処置や機材について、経験も少なく、良く理解できていない状況では、誰しも、AEDは、操作を誤ると、傷病者によからぬ強烈な電気ショックを与えるのでは、といった不安があり、自分にとっても怖い機材というイメージもあろう。

 先ず大事なポイントの一つは、AEDには、電源投入のボタンと、電気ショックのボタンと、別々に、二つあるということだ。

AEDを傷病者に装着すると、直ぐ、自動的に、電気ショックを加える、と思われがちだが、当然ながら、装着しただけでは、なにも起こらない。何でもそうだが、まず、機器・機材の電源を入れないことには始まらないのだ。 

 装着したら、電源投入のボタンを押す。この場合も同様に、電源を入れると、自動的に、直ぐ電気ショックを加える、と思われがちだが、そんなことは無い。 ここで慌てて、(間違えて)続けて、電気ショックのボタンを押してしまわない事だ。

 

 そして、最も重要なことだが、電源が入ったAEDは、電気ショック云々の前に、先ず、傷病者の状態を診察・診断する能力をもった、謂わば、ドクターである、ということを理解していることだ。

 

 AEDは、機材自体で自動的に、傷病者の心臓が止まった状態(呼吸していない状態)か否かを調べ、電気ショックが必要か否かも判断し、指示してくれるという。

この間、無音だと不安になるので、AEDからは、調査診断中を知らせる音声ガイダンスが流れるようだ。

 そして、AEDから、電気ショックの指示アナウンスがあった場合だけ、実施者が、二つ目の電気ショックのボタンを押せばよく、ここで漸く、電気ショックが傷病者に加えられることとなる。

 言うまでも無いが、電気ショックを加えるのは、AEDの名称のように、傷病者の心臓の細動を除去(除細動)し、心臓を元の状態に回復させるためである。 

ここは、“ドクターAED”を信用して任せ、指示通りにやれば、何の不安も無いようだ。

 

 上図にある二つ目の理由の、「AEDを使うべき状態か分からない」という不安や疑問だが、ともかく安心して、装着し電源投入すれば、使うべき状態か否かは、AED自体が判断してくれる、と言う事だ。

従って、AEDを使った事が却って不味い結果にならないか、といった不安も、ドクターAEDが解消してくれることとなる。

 

 三つ目の理由の、専門家である、「救急隊を待った方がいいと思う」というのは尤もだが、ドクターAEDも、かなりの専門家として指示してくれるので、待っている必要はないのだ。前述の図にあるように、ただ待っているだけでは、命は救われない可能性が高いのである。

 

 

?AEDを装着後、救急隊が到着するまでは、AEDの指示に従って、心臓マッサージと、電気ショックを繰り返すこととなる。  

 電気ショックを加える操作は、AEDからの指示があった場合だけ行えばいいが、心臓マッサージについては、行ったり、止めたりすることも、AEDが指示してくれるようだが、やや、不明確である。

  心臓が正常に戻り呼吸が回復すれば、そのことを、監視しているAEDが自動的に検出し、心臓マッサージを中止するよう指示してくれるので、それまでは、心臓マッサージは継続することとなろう。

 

 

?自治体の消防では、119通報を受けた時に、通報者の不安を取り除くために、AEDの使い方等の応急措置について、24時間体制で、電話が繋がったまま、「口頭指導」を行う所が、最近、増えているようだ。番組では、福岡市の口頭指導のやり取りの実例が、音声付きで紹介された。

 福岡市の場合、口頭指導が効を奏し、下図のように、AEDを使った市民の数は、5年間で8倍(103/13≒8)に増え、救命率は、全国平均の3倍になっている、と言う数字である。 

   

 救急現場に居合わせた一般市民からみると、以前に仕入れたおぼろげな知識を頼りに、不安を抱えながら対処するよりも、リアルタイムで専門家に指導して貰いながら措置する方が安心なのは当然で、積極的に協力しようという気持ちにもなる。

携帯電話が広く普及している時代だからこそ、実現可能となった対応と言えるだろう。

 

 一方で、消防側の人的体制整備や訓練など、コストアップは避けられない訳で、どの様なバランスにするか、行政としても、難しいところだろうか。 


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