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ソチ 五輪パラ輪  総集編 5

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H2014年4月24日(木) ソチ 五輪パラ輪   総集編 5 

 

 

 本稿は、下記の続編となるものである。

     ソチ 五輪パラ輪   総集編 1  (2014/3/29)

     ソチ 五輪パラ輪   総集編 2  (2014/4/2)

     ソチ 五輪パラ輪   総集編 3  (2014/4/8)

     ソチ 五輪パラ輪   総集編 4  (2014/4/17) 

 

◎今回のキーワードは、「2020パラ輪」である。 ソチ パラ輪については、前稿で触れている。

 

  2020年夏には、東京で、五輪・パラ輪が開催されるが、このパラ輪について考えて見たい。 

◇障害者スポーツ

  筆者の場合、パラ輪に特に関心を持ち始めたのは、2012年夏の、ロンドン大会以降である。中でも、車いすテニスや、視覚障害者のゴールボールなどが、強く印象に残っている。

  今回のソチ大会期間中の、あるTV番組で、パラ輪が始まった時の経緯や、ドイツでの障害者スポーツの話が紹介された。

パラ輪の当初は、福祉目的で、障害者の「治療」と「リハビリ」のために始めたものが、次第に、「スポーツ」として競技する方向に、変わっていった、という。

 

 日頃、気楽にスポーツと言う言葉を使っているが、スポーツとは、何なのだろうか、改めて、考えて見る事としたい。

身体を動かす運動の中に、“技を競う”として、スポーツ競技がある訳だが、当然のことながら、そこには、一定のルール(競技規則)が必要だ。このルールには、偏らない公平さが求められ、このため、必要により、クラス分けが行われる。

この、オープンになったルールの下で、これを互いに守りながら、公正に競い合う訳で、スポーツ大会での選手宣誓で、御馴染のことだ。

 

  ルールに基づいて競技することから、時間や距離などに関する到達目標が生まれ、それを達成しようとする向上心が湧き、たゆまぬ努力がなされるだろう。 一方、名誉をかけて、勝負に対する意欲も出て来るのは、自然・当然なことだ。

 

  そして、スポーツで忘れてはならないのは、一緒にやる仲間だろう。ライバルも含めて、ともに支え合い、競い合い、語り合う仲間の存在は、極めて重要な要素であろう。 

 

 

◇福祉型社会の方向

  先の番組だが、ドイツでは、障害を持つ患者を扱う医療機関が、治療やリハビリのために、患者の障害に合った、スポーツやスポーツクラブを紹介する仕組みがある、と言うのは、新鮮な驚きであった。

当然、障害者が、スポーツをして楽しむための設備・施設(ハード)と共に、ソフトとしての指導・支援体制も整備されているということで、そのような福祉型の社会システムになっている、と言う事だろうか。

 

  今回のソチパラ輪に、日本から出場した選手20名の、公表されているポートレートに拠れば、各選手の障害原因は以下のようになるようだ。(NHK福祉ポータル ハートネット|ソチ パラリンピック) 

 

     ・先天的な障害          5名

     ・後天的な障害         15名  

            病気             4

           冬のスポーツ事故  3

          交通事故        7

              職場での事故     1

 

 この数字を見ると、冬のスポーツでの事故や、交通事故などの、後天的な原因で障害者となった人も多いことが、目につく。この人達は、五体揃った健常者としての人生経験の後、ある日から突然、障害者となった訳で、その時の心境は、想像できない程だ。

選手諸君は、先天的、後天的な障害を問わず、上述の、医療機関やスポーツ施設との関連、仕事との関連、家族との関連など、それぞれの状況の中で、大変な努力を重ねて来ていると言えるだろう。 

 

 理想論としては、障害者も、健常者と同じように、対等に社会を構成する一員という認識が浸透しているという社会は、より進んだ福祉社会なのだろうか。

 このドイツでも、実態は、すべてがうまくいっているとは思えず、その整備レベルについての情報は持っていないが、大きな理想に向かって進んでいるのは確かだろうか。 

 

 

◇2020年パラ輪に向けて

 五輪の陰に隠れて、とかく、後回しになり忘れられがちなパラ輪だが、2020パラ輪までに、更に、その後を見越して、社会全体として、どのように準備し、進めればいいのだろうか。

 

 我が国のパラ輪の所管庁が、これまでは、厚労省だったものが、五輪を担当する文科省に、最近、移管され、一元化されたようだ。(文科相の五輪担当相兼任を決定 パラリンピックも移管へ 

前述の流れと同じように、治療、リハビリからスポーツに変わった、と言えるだろうか。

 

 パラ輪で、選手諸君が活躍して、メダルを取り、入賞することは、大きな目標だ。一方、このことが牽引車となって、社会の仕組み全体が、障害者にとって、より、住みやすいものになって行き、そこから、新たにスポーツを楽しむ人達が生まれて来ることも重要だ。

ともに、目的であり、手段であるという、車の両輪の関係なのだろう。

 

 筆者は、我が国での、障害者スポーツの状況や、社会システムの整備状況については、よく分ってはいないのだが、ドイツなどとの彼我の差を埋めるべく、今後、長い道のりを進んで行かねばならないだろう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


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