2024年3月11日(月) 最近のウクライナとロシア
ロシアの大統領選と、ウクライナ軍総司令官の交代については、下記記事
ロシアとウクライナ (2024/2/11) (P74)
で触れている。
本稿は、その後の、最近のウクライナとロシアについて取り上げる事としたい。
◎ウクライナ情勢
東部バフムートの攻防など、局地戦が行われていて、バフムートを放棄した、等の情報もあるが、詳細は不明である。
下図は、ロシアがウクライナ南東部4州を併合した、2022年10月時点のものだが、州名がよく分かる。
プーチン大統領や東部の新ロシア勢力は、領土拡大を意図して、下図のように、上図よりも、更に、ウクライナ領に入り込んだ、4州より広い地域を、ノボロシア地域(新ロシア)と言い出しているという。
下図は、久し振りのお馴染みのNHKの最新の3月7日時点の戦況地図だ。状況は変わっていないようで、膠着状態と言え、長期戦の様相とのコメントが出ている。
上述のブログ記事で、ウクライナ軍総司令官の交代について触れたが、失職していた、ザルジニー前総司令官は、今般、ウクライナの駐英大使に任じられたようで、大統領の周辺が整備されてきているようだ。
◎ロシア年次教書演説
2月24日で、ロシアのウクライナ侵攻から2年を経過したが、先日の2月21日、プーチン大統領が、年次教書演説を行ったようだ。
演説の詳細については、下記サイトに出ているので、ここでは省略する。
(プーチン大統領が侵攻継続姿勢を強調 侵攻後初の年次教書演説 _ NHK _ )
◎ロシア大統領選
ロシアの大統領の任期は、6年だが、今回の選挙で選ばれれば、プーチン氏は、2036年まで、君臨出来るという、恐ろしい事態となるようだ。
(参照:プーチン氏が36年まで続投も ロシア下院、大統領任期「リセット」の改憲案を承認 - BBCニュース.html)
東西に長いロシアには、11の時間帯があり、選挙が終了するのに、3日もかかることから、ロシア大統領選は、3月15日~17日に行われる。
自由な選挙と言いながら、形式的なもので、実態は、独裁体制が続いているといえよう。
立候補の受け付けは締め切られており、4人が立候補しているようだが、プーチン候補以外は、体制内候補という。
政権に批判的だった、ナデジディン候補は、受付時に不備を指摘され、裁判沙汰になっていて、本件については、上述の記事で取り上げている。
もう1人の政敵は、反体制指導者のナワリヌイ氏だが、本件については、次項で触れる。
プーチン氏の圧勝は堅いようだ。
上述の地図にある、ウクライナ南東部の、ドネツク、ルガンスク、ザポロージャ、ヘルソン 4州の(ウクライナの)住民も、投票させられるようだ。勿論、併合済み(とロシアが主張している)クリミアの住民も投票する。
◎ナワリヌイ氏の死と死因
反体制指導者のナワリヌイ氏だが、シベリアの刑務所に収容され、先だって、獄死してい
る。氏の死因については、毒殺が疑われており、妻のユリアさんが求めていた、遺体引き渡しには、暫く(毒の反応が無くなるまで)、応じなかったようだ。
ナワリヌイ氏の死を悼む、市民の動きが、続いているようだ。
2023年6月に、ワグネルの反乱事件を引き起こした、ブリゴジン氏の乗った航空機が墜落し、氏が死亡した事件も、通常の事故ではなかったのでは、との疑惑もある。
不都合な人物は抹殺する、プーチン政権のやり方は、恐ろしいばかりだ。
◎その他の懸案事項など
*アメリカのウクライナ支援
最大支援国であるアメリカ議会で、ウクライナ支援の予算が、上院は通ったものの、下院は不透明の状況という。
*ウクライナ戦線では、ウクライナ、ロシア双方の無人機が、相互に相手領内を攻撃する、無人機合戦も行われているようだ。
ロシアのウクライナ侵攻から、2年が経過したが、紛争の先行きが見えない。更に、パレスチナ紛争や、アメリカ大統領選も加わって、世界の情勢は混沌としている。