2023年12月19日(火) COP28ドバイ会議
○これまでの経過
中東のアラブ首長国連邦(Uited Arab Emirates)の主要都市ドバイで、国連の気候変動枠組み条約UNFCCC*の、28回目の締約国会議(COP28)が、11月30日から、12月12日まで、開催されたが、会期を1日延長して、13日、閉幕した。
*United Nations Framework Convention
on Climate Change
以下は、ドバイ会議のロゴと、会議風景である。
先日は、首脳級会議があり、日本の岸田首相も、出席し演説したところだ。
8日からは、閣僚級会合が始まり、日本からは、伊藤信太郎環境相が出席している。
国連のUNFCCC会議は、極めて重要な会議で、条約が締結されて以降ほぼ毎年、主管庁会議COPが開催されており、最近は、2015年のCOP21で、「パリ協定」が締結されて以降は、以下のように経過している。
気候変動に関する、専門家の組織である、IPCC*との密接な連携の下に進められてきている。
(* Intergovernmental Panel
on Climate Change)
2015年 COP21 フランス パリ (パリ協定採択)
2016年 COP22 モロッコ モロッコ マラケシュ
1017年 COP23 ドイツ ボン
2018年 COP24 ポーランド カトヴィッツエ
2019年 COP25 スペイン マドリード
2020年 (コロナ禍で開催されず)
2021年 COP26 イギリス グラスゴー
2022年 COP27 シャルムエルシェイク (下図の実行計画を決定)
2023年 COP28 UAE ドバイ
会議の成果文書での表現を巡って、調整が難航し、会期を1日延長して、なんとか閉幕しいる。
今会議の成果と今後の課題について、下記サイト等を参照し、以下に要約してみた。
(参照;COP28 結果報告 |WWFジャパン.html )
(参照;COP28首脳級会合終わる 再生エネ発電容量3倍へ110か国以上誓約 _ NHK _ COP.html )
前回の実行計画にある、基金の創設に関しては、冒頭に審議し、基金の運用に向けた具体的なルールが決まったようで、多くの参加国から歓迎されたようだ。
世界の平気気温の上昇を、産業革命前と比較して、1.5度に抑えるためには、温室効果ガスの排出量を、2019年と比べて、2030年までに43%、2035年までに60%削減する必要がある、とされたようだ。
このためのポイントとなるのが、化石燃料(石炭、石油、天然ガスなど)の扱いで、今回の対策強化に向けた交渉では、この化石燃料が最大の焦点となり、
・先進国や島嶼国:段階的な廃止を強く求めた
・産油国や途上国など:廃止に反対
で、協議が難航。
会期を延長して採択した最終文書では、段階的な廃止には言及せず、
「化石燃料からの脱却を進め、この重要な10年間で、行動を加速させる」
となったようだ。
UNFCCCのステイル事務局長は記者会見で、「化石燃料の時代に終止符を打つことは出来なかったが、合意は化石燃料の終わりの始まりとなる。」と述べている。
環境問題の専門家(高村ゆかり教授)は、「化石燃料からの脱却を加速し、最終的にはゼロに近づけていく方向性を示す、歴史的文書だ」と評価しているようだ。
最終文書では、「エネルギーシステムにおける化石燃料からの脱却をはかり、2050年までに、温室ガス排出の実質ゼロを達成する」としたようだ。
また、2030年までに、再生可能エネルギーの発電総量を3倍にし、炭素回収・貯留などの技術を加速させることも盛り込んだようだ。
来年2024年のCOP29の開催地については、当初、アゼルバイジャン、アルメニア、ブルガリアが候補に上がったが、ブルガリアにはロシアが難色を示し、ナゴルカラバフ問題の解決もあって、アゼルバイジャンに決まったようだ。
(参照:COP29、アゼルバイジャンで開催へ(毎日新聞) - Yahoo!ニュース.html)