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ソチ五輪  カーリング 1

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2014年3月5日(水) ソチ五輪  カーリング 1 

 

 

 先月閉幕したソチオリンピックの概要と、閉会式の様子や、ロシアの時間等については、当ブログで、

     ソチオリンピック  1  (2014/2/28)

の記事にしている。 

 その後、ロシアに隣接しているウクライナでの国内の対立や、ソチと同じ黒海沿岸のクリミヤ半島を巡ってのロシア軍の動きなど、国際情勢が緊迫していて、ソチで、3/7から開催予定の、冬季パラリンピックへの参加を、ウクライナがボイコットする動き等、行方が懸念されるところだ。 

 こんな中だが、今回は、競技の一つである、カーリングについて、今大会の試合の状況等について振り返る事としたい。

 

 

○カーリング日本女子チーム

 筆者が、このカーリングに興味を持ったのは、前回2010年のバンクーバー大会からで、その時に、競技のルール等についてやや詳しく調べ、下記記事で触れている。

        バンクーバーオリンピック  その2 (2010/3/16) 

 カーリング男女の種目が冬季オリンピックに正式に採用されたのは、1998年の長野大会からのようである。日本はこれまで、長野以降も、何度か出場しているものの、彼我の力の差が大きい事を、感じさせられて来ている。

今回は、日本は、国際試合等の成績から、女子のみ出場権を得ていて、国内での選考の結果、北海道銀行チームが、日本代表で出場している。

サッカーやバレーボールの国際試合では、国内のチームの中から有力選手を選んで、日本代表を決めているが、カーリングでは、日頃のチームワークを重視して、クラブチームが、そのまま日本代表となるようだ。

 

 今回の日本女子チームは、ベテランと若手がバランスしたチームで、小笠原、船木、小野寺、苫米地、吉田の5人である。(下図は JCA 日本カーリング協会 オフィシャルページ より)

 

               小笠原   船木 小野寺 苫米地 吉田

  とりわけ、2002年、2006年のオリンピック大会に出場した後、結婚、出産等で一旦競技から離れた、小笠原、船木の2人の選手が、復帰してチームを引っ張っており、親しみを込めて、カーママ(カーリング・ママ)と呼ばれている。

多くのスポーツで、ママさん選手が現役として活躍するのは、外国では決して珍しい事ではないが、日本でも、このような人達が、活躍できると言うのは、極めて嬉しいことで、本人だけでなく、周囲の関係者の努力に敬意を表したい。 

 周知のように、その一人の小笠原歩ママは、入場式で日本選手団の旗手の大役も務めている。今後の方向を示唆する象徴的な出来事のように思える。

             

 

 今大会でのカーリング女子は、出場10チーム総当たりで一次リーグ戦を行い、上位4チームで決勝トーナメント戦が行われた。

日本チームは、粘り強く戦って善戦したものの、予選リーグは、4勝−5敗で、惜しくも5位となり、予選通過はできなかった。

 

 

○予選リーグでの日本チームの戦い

 各試合を簡単に振り返ることとしたい。放送時間の関係で、LIVEだけでなく、録画で視たものも多く、結果だけ知った試合もある。

各試合の出場選手は、以下のように表示している。

 1リード・2セカンド・3サ−ド・Sスキップ:Rリザ−ブの順に、( )内の略称で表示。 選手:苫米地(苫)、吉田(吉)、船木(船)、小笠原(笠)、小野寺(野)

スコアデータは、ネットから引用。(カーリング - 日程・結果 - ソチ五輪2014 : nikkansports.com

 

・2/11 韓国戦  スコア7−12    ○0 ●1  苫・吉・船・笠:野 

 

国・地域

1

2

3

4

5

6

7

8

9

10

スコア

 

韓国

0

2

0

2

0

3

0

2

1

2

12

 

日本

2

0

1

0

2

0

2

0

0

0

7

 インフルエンザでセカンド小野寺が欠場し、急遽、控えの吉田が出場するハプニングとなった。 

途中までは良い勝負で、第7エンドで同点に追いついたのだが、その後、後攻めの第9エンドも、1点をスチールされるなど、一方的に5点を失ってしまった。予期せぬメンバー交代と緒戦の緊張が重なったことが大きかったのだろうか。 

 

・2/11デンマーク戦  8−3   ○1 ●1  苫・吉・船・笠:野

 

国・地域

1

2

3

4

5

6

7

8

9

10

スコア

 

デンマーク

0

0

0

0

1

0

2

0

X

X

3

 

日本

1

1

2

1

0

1

0

2

X

X

8

 同じメンバーだが、緒戦と打って変って、先攻めながら、得点を奪ったり、相手の得点を1点に押さえるなどし、第8エンドで、相手が負けを認めるコンシードで、快勝した。

 

・2/12 ロシア戦   8−4   ○2 ●1   苫・吉・船・笠:野

 地元ロシアに対する強烈な応援で、アウェーの心境ながら、冷静に進め勝利した。

 

・2/13 アメリカ戦  6−8   ○2 ●2    吉・野・船・笠:苫

 小野寺が復帰

 

・2/14 イギリス戦  3−12  ○2 ●3    吉・野・船・笠:苫

 

国・地域

1

2

3

4

5

6

7

8

9

10

スコア

 

英国

2

0

2

1

0

2

5

X

X

X

12

 

日本

0

2

0

0

1

0

0

X

X

X

3

 第7エンドは5点を取られるビッグエンドになり、日本はここでギブアップした。

 

・2/15 カナダ戦   6−8   ○2 ●4       苫・野・船・笠:吉

 

国・地域

1

2

3

4

5

6

7

8

9

10

スコア

 

カナダ

2

0

2

0

0

0

2

1

0

1

8

 

日本

0

2

0

2

1

0

0

0

1

0

6

 結果的に、カナダは、予選リーグを全勝し、金メダルを取った強敵なのだが、日本は善戦している。日本戦での相手のメンバー構成等は定かではないがーーー。

 

・2/16 スイス戦   9−7   ○3 ●4       苫・吉・船・笠:野              

 

国・地域

1

2

3

4

5

6

7

8

9

10

11

スコア

 

日本

0

0

2

1

2

0

2

0

0

0

2

9

 

スイス

1

1

0

0

0

3

0

0

1

1

0

7

 格上のチームと、珍しい延長戦になり、11回で勝利を収めた。 この勝利は大きい。

 

・2/17 中国戦    8−5   ○4 ●4  苫・吉・船・笠:野 

 

国・地域

1

2

3

4

5

6

7

8

9

10

スコア

 

日本

2

0

1

0

2

0

1

0

2

X

8

 

中国

0

2

0

1

0

1

0

1

0

X

5

 10エンドの途中で、中国がギブアップ。今季中国に初勝利し、予選最多勝タイの結果となった。どちらの石がハウスの中心に近いかを巡って、2度も計測している。       1回目の第4エンドは中国の目測ミスが日本を利し、2回目の第9エンドは、計測するまでも無いのに計測させた中国の強引さだった。

 

・2/17スエーデン戦 4−8   ○4 ●5  苫・吉・船・笠:野 

 若し、日本が勝てば、タイブレークになって、決勝リーグ進出の可能性があったのだが、日本は、9回コンシードし敗北を受け入れた。 

スエーデンは、既に決勝進出が決まっていたのに、日本に負けてはくれなかった! 

 この結果、予選リーグは以下のように、日本は5位となり、(勝負数が同じ場合は、直接対決の成績順による)決勝トーナメントへの進出はできなかった。(JCA 日本カーリング協会 オフィシャルページ

順位

 

 試合数

負 

1

Canada

9

9

0

2

Sweden

9

7

2

3

Switzerland

9

5

4

4

Great Britain

9

5

4

5

Japan

9

4

5

6

Denmark

9

4

5

7

China

9

4

5

8

Korea

9

3

6

9

Russia

9

3

6

10

USA

9

1

8

 

○決勝トーナメントとスコア

 上位4チームによる決勝トーナメントは、以下のような結果で、カナダが、バンクーバー大会からの、連続優勝となったようだ。

・準決勝戦

    予選1位 カナダ    6−4  予選4位 イギリス    

    予選2位 スエーデン 7−5  予選3位 スイス  

・3位決定戦

           イギリス   6−5  スイス

・決勝戦

           カナダ    6−3  スエーデン   

 実力が伯仲している事を物語るように、どの試合も、得点が少なく、点差も僅かである。

 

 帰国後、十分に休む間もなく、同じ北海道銀行チームが、一昨日の3/3から、国内の軽井沢で始まった日本カーリング選手権大会に参加し、順当に勝ち進んでいるようだ。

 調べてみたら、一つの試合は以下のように、驚いたことに、途中までで、19−1 という、とんでも無いスコアで、相手チームは、第6エンドでギブアップしている。

 力の差が大きいと、このようになる、という見本でもあろうが、6点、4点のビッグエンドにしたり、先攻でもスチールするなど、流石、オリンピックで鍛えられた日本代表である。(全農日本選手権速報ページ 3月3日 | 長野県カーリング協会) 

                 後攻  1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 EE  計    

   北海道銀行(北海道)  ●   6 4 2 4 0 3 X X X  X       19 

   チーム広島(広島県)      0 0 0 0 1 0 X X X  X      1    

 

 

 今オリンピックでの日本チームは、ベテランと若手を上手く組み合わせる工夫で、スイスや中国に勝つ等、国際レベルに関して、十分に手ごたえを掴んだと言えるようだ。

帰国後、“スイス戦の勝利が、チームの財産になった”、とスキップ小笠原選手は述べている。

 女子だけでなく、男子共々、今後に向けての、一層のレベルアップを期待したいものだ。


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