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ソチオリンピック  1

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2014年2月28日 (金) ソチオリンピック 1 

 

 

 第22回の冬季大会となる、ソチオリンピックは、2月7日(日本時間2/8早朝)の開会式で始まり、瞬く間に進行して、2月23日(同2/24早朝)の閉会式をもって終了した。先日は、沢山の日本選手たちが帰国し、記者会見などで慌しかった。3月7日からは、同地で、引き続きパラリンピックが行われる。

 開催期間中には、当ブログの記事にすることは出来なったが、一段落したこの期間を利用して、印象に残った事項や競技について、何回かに分けて記してみたい。 

 

○開会式

 どのオリンピックも、その国の威信をかけて開催される訳だが、今回は、ロシアにとっては、特に力が入るものだったろう。共産圏初となる、1980年の夏季モスクワオリンピックは、旧ソ連時代の東西冷戦下の対立から、西側の、米、独、日、カナダ、韓国等が、参加をボイコットするという中で行われ、その後のオリンピックでは、今度は、東側がボイコットのお返しをするなど、変則的な状況が続いた。

 旧ソ連の解体を経て生まれた、プーチン大統領率いる現ロシアにとって、今回のオリンピックを成功させる事は、それ以来の悲願だっただろうか。

 

 開会式は、開閉会式専用に建設されたという広大な屋根付き会場で開催されたが、開会式プログラムの詳細は省略するが、バーチャルな映像と、リアルな人・物とを巧みに組み合わせた、見事な演出であった。 世界中に広く愛されている、音楽や舞踊等をふんだんに取り入れながら、往時から現代に繋がる、ロシアの歩み等が紹介されている。

 会場の映像と重なる中で、リアルな出入り口が現れ、選手団の入場が始まった。オリンピックでの選手団の入場は、通常は、ラテン文字のアルファベット順に行われる。 一昨年のロンドン大会でもそうで、過去3回の日本でのオリンピックでもそのように行われたが、日本Japanは、Jの順番になる。

 

 今回は、開催国の言語であるロシア語(キリル文字)のアルファベット順に行われたようだ。それによれば、慣例で最後尾になる、開催国ロシア(РОССИЯ:ROSSIYa)は別にして、アルファベットの最後の文字Яを冠する、日本(ЯПОНИЯ:JaPONIYa ヤポーニャ)が参加国の最後に入場した。 

 ロシア語は、国連の公用語の一つでもあり、世界での話者人口も多いことから、ロシア語順でもいい、と思ったのだが、IOCのルールでは、開催国の言語の順でもいいようだ。

 この伝で、2020年の東京オリンピックでは、思い切って、五十音順の入場や、漢字による国名表示の併用も、いいPRになるかもしれない。

 

 カーリングの小笠原選手を旗手に、日本選手団(参加総数は、113名)が入場した。フィールドには、下の日本地図が写されたが、図中の国名は、仏、英、露の順である。 

 (ネット画像より) 

 開会式では、下図左の、色鮮やかで、面白い形をした建物や人形たちが現れ、会場の観客を、おとぎ話の世界に誘ってくれるようだ。これらは、下図右の、マトリョーシカ人形のイメージとも似ていて、ロシアらしい色あいと形は、大好きである。(ネット画像より) 

  

 メインイベントの一つとして、アテネからはるばる運ばれて来た聖火が、最後に点火される場面で、どんな驚きの演出があるかと期待した。でも、導火線のように火が上に昇って行く、単純明快な仕掛けは、やや、物足りないものに感じた。

 開会式が夜に行われるのは、珍しいだろうか。 これは、燃え上がる聖火を引きたたせ、次々と打ち上がる花火や、オリンピックパーク全体の色鮮やかな照明を生かす事を狙ったものであろうか。

 

 

○ソチオリンピックの概要は以下である。 

・参加国数  88地域(83ヶ国+5地域)

  冬季オリンピックは、地球上で、雪や氷に恵まれている温帯以北(以南)の国や、設備・装備が必要なことから、経済力のある国からの参加に限定されやすい。このことから、ヨーロッパからの参加が、圧倒的に多い。参加国数は増えたものの、参加者数が僅かの所も多いようだ。

  夏冬が逆になる、地球の南半球からの参加は、どの位、大変だろうか。また、将来、冬季大会を南半球で開催することは、あるだろうか。

  夏季大会に比べて、アフリカ、中南米、中近東、南アジア等からの参加は少ないが、五輪マークの精神に照らして、淋しさがある。 

・参加者数  約2800名    

・競技会場  沿岸エリア:コースタルクラスター

                  山岳エリア:マウンテンクラスター

・競技種目  7競技 15種別

                スキー :6種別  アルペン、ジャンプ、クロスカントリー

                                       ノルディック複合、フリースタイル、

                                        スノーボード

               スケート:3種別   スピードスケート、フィギュアスケート、 ショートトラック 

               アイスホッケー

               ボブスレー:2種別 ボブスレー、スケルトン

               リュージュ

               カーリング

               バイアスロン  

競技全体で98種目   この数だけ、金、銀、銅メダルがある。 

 

今回新規に追加された競技種目              +12

       スキージャンプ女子                  +1

       スキーフリースタイルハーフパイプ男女   +2

       スキーフリースタイルスロープスタイル男女 +2

       スキースノーボードスロープスタイル男女  +2

       スキースノーボードパラレル回転男女    +2

 

       スケートフィギュア団体                +1

       リュージュチームリレー                +1

       バイアスロン混合リレー               +1

 

前回バンクーバー大会(2010年 カナダ)の状況 

・参加国数  82地域

・競技種目  7競技86種目

・参加者数  約2600名

 

 

○ロシアの時間

◇9つの標準時間

  ロシアは、言うまでも無く、世界一の広大な国土を持ち、その広さは、何と、日本の45倍程になる。

地球を、ほぼ半周する程に広がった国土に対応して、ロシアには、下図の9つの標準時間があるようだ。(ロシア時間 - Wikipedia

  あれ、8つしか無い! と思って改めて下図を見ると、左端に、カリーニングラード時間と言うのが見つかった。この地は、歴史上、曰くつきのロシア領の飛び地のようだ。 

 

カリーニングラード    エカテリンブルク   クラスノヤルスク    ヤクーツク       マガダン

    モスクワ             オムスク   イルクーツク       ウラジオストク 

  この中で、ソチはモスクワ時間(UTC+4)になり、日本標準時(UTC+9)との時差は5時間となる。でも、上図で見ると、日本と同じ、経度135度付近になるのは、ウラジオストク時間(UTC+11)だが、日本より、2時間(経度30度分)ほど進んでいるようだ。

 ロシアでは、2011年3月に、季節で変わる夏時間制を廃止して、国全体を夏時間にしたようで、これで、経度の時間よりも、1時間は早くなっている。ソチが含まれるモスクワ時間は、本来なら、UTC+3になるようだ。

 一つの標準時で活動している日本人と比べると、ロシアの人達は、この標準時だけをみても、複雑な世界を生きているのだ、と感心させられる。

 

◇競技時間と放送時間

 特に、屋外の競技は、通常は昼に行われるが、今大会は、スキーのジャンプが、夜間、照明を点けて行われるなど、夜も多かった。

この理由は定かではないが、地形から来る風向きや気温などが関係しているのかも知れない。

 

 また、放送時間だが、現地のソチと日本との時差が5時間なので、今回のオリンピックは、日本時間の、夕方から夜にかけて、テレビ観戦が出来ると期待したのだが、開会式、閉会式や、幾つかの競技など、深夜の放送も多かったのには、やや、驚いた。

 現地からの生中継(Live)に勝るものはないので、眠いのを我慢して、TV観戦した事も多い。

でも、ニュースなどで結果が分っているので、やや、迫力には欠けるものの、時間をずらして、そっくり放映された番組で、ゆっくり楽しませてもらった競技も多かった。

勿論、ダイジェス版の放送もあり、また、ネットでも、競技の状況や結果については、ニュースとして、速報されている。

 

 放送事業者などのメディア側からすると、競技現場からの生中継や、現地スタジオからの放送、東京のスタジオからの録画放送や解説番組など、手段が多様化している分、逆に、かなりややこしく、慌しかったのではないかと思われる。

 

 

 

 

 

 


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