2023年6月2日(金) 朝ドラ 「らんまん」
○「舞い上がれ」に続く朝ドラ 「らんまん」が、4月3日(月)からスタートした。早いもので、もう、2か月になる。新しいものが始まると、古い方を、いつの間にか忘れてしまうものだが、長崎県五島列島を舞台にした「舞い上がれ」を思い出し、バラモン凧や、パイロットになる夢に近づこうとする姿が、印象深かった記憶がある。
仕事の現役の頃は、朝ドラは殆ど見る機会は無かったのだが、フリーになった昨今は、朝8時と、昼12時45分の2回チャンスがあるので、殆ど見逃す事は無く、毎日のドラマの展開を楽しみにしているところだ。
更に、最近発見したのだが、NHK―BS放送で、朝の7時30分から流していることが分かり、試聴して、確認したことだ。
余談だが、先日は、北朝鮮のミサイル発射で、沖縄地方に、Jアラートが発出され、朝ドラの放送がなかったが、その分は、次の回に、2回続けて放送されている。
○今回の、朝ドラ「らんまん」は、我が国の植物学を確立した「牧野富太郎」が主人公である。物語は、土佐から始まったが、酒屋の御曹子に生まれた、槙野万太郎が、家業そっちのけで植物の観察や採集に、野山を駆け回るなど、熱中する姿が印象的。
ドラマ作成に当たっては、自叙伝等の原本は無く、脚本はすべて書下ろしのようで、事実ではない創作部分もあると思われるが、ややコミカルに、楽しく描かれている。
○自家製の酒を、上京して品評会に持っていく話、万太郎が。菓子屋の娘、寿恵子に一目惚れする話、小学校中退の学歴の万太郎が。東京大学の植物学教室への出入りを許される話、自由民権運動が盛んだった土佐の演説会で、警官に捕まる話、顕微鏡やら、辞書・図鑑などの書籍に金をつぎ込む万太郎をみて、武雄が万太郎に、「峰屋は金蔵ではありません」、と何度も復唱させる話、田邊教授に勧められて顔を出した音学会で、洋装姿の寿恵子を、偶然発見するハプニング、などなど、話題は尽きないようだ。
○毎週、話題となる植物名が、サブタイトルになっており、ネットでは、第13週まで、以下のように、明らかになっている。
(「らんまん」花_草_植物まとめ、サブタイトル(副題)の登場植物一覧|NHK朝ドラマニア)
筆者がよく知らない草花の写真は、ネットから引用した。
第1週 「バイカオウレン」 4/3 ~4/7
万太郎が幼い頃に亡くなった、母が好きだった花
第2週 「キンセイラン」 4/10~4/14
第3週 「ジョウロウホトトギス」 4/17~4/21
第4週 「ササユリ」 4/24~4/28
第5週 「キツネノカミソリ」 5/1 ~5/5
みんなでの帰り道、祖母のタキが名前を教えてくれた。
第6週 「ドクダミ」 5/8 ~5/12
第7週 「ボタン」 5/15~5/19
第8週 「シロツメクサ」 5/22~5/26
この植物は、日本では、クローバーと呼ばれ、今は、シロツメクサとは余り言わないが、以前、物
を箱に入れる時の、「つめもの」に使われた事が語源のようだ。
四つ葉の四つ葉のクローバーは、西洋では幸せのシンボルと言われるようだ。
聖パトリックの教えでは、三つ葉は、信、望、愛を表し、四つ目の葉は、幸福を意味すると言われ
ている。ドラマでも、田邊教授が、4つ葉を、この様に紹介するくだりがある。
(参照;四つ葉のクローバーの意味や花言葉は?なぜ幸運のシンボル? - YOU GO,)
近隣のスーパーマーケットのライフのブランドは、四つ葉である。
第9週 「ヒルムシロ」 5/29~6/2
水中の蛭が、葉を筵のようにして休むという、素敵なネーミング。
第10週 「ノアザミ」 6/5~6/9
第11週 「ユウガオ」 6/12~6/16
第12週 「マルバマンネングサ」 6/19~6/23
第13週 「ヤマザクラ」 6/26~6/30
先日の5月26日で、第8週が終了したところで、今週の第9週も、今日で終わりである。
サブタイトルになっている植物は、よく知っているものもあるが、初めての名前もあり、14週以降、どんな植物が登場してくるのか、楽しみである。
○万太郎は、以前、木登りして落っこちて助けられた、お菓子屋の娘の寿恵子に再会、一目惚れする。
せっかちな万太郎は、すぐ、物事に熱中するが、寿恵子は、おおらかで素直な。万太郎の人間性に魅かれたのかもしれない。
○万太郎の祖母のタキ(役 松坂慶子)の存在感が大で、ドラマ全体を引き締めている。
・「何かを選ぶことは、何かを捨てることじゃ」は、印象的な素晴らしい言葉だ。
・峰屋の安泰のために、タキは、万太郎と綾との結婚話を勧めようとするが、自身、姉と思っている綾は猛反発。結局、綾は酒造りを忘れられず、武雄と家業を継ぐことになるようだ。
・家業を継がない万太郎と、タキが泣きながら抱き合うシーンがあったが、我が道を進む孫を理解しつつも、心が揺れ動くシーンは感動的。
○外国への留学経験のある、田邊教授(役 要潤)の存在も大きい。万太郎の特別な才能を評価し、学内の植物学教室への受け入れを決めたり、学会の立ち上げを行ったり、植物学会の機関紙の発行を認めるなど、大きな存在である。
明治政府が、諸外国に追いつくために、鹿鳴館活動などが必要、と説いている。
○筆者との不思議な縁を感じる話題。
・東京大学に至近の根津界隈は、筆者が、可なりの間、住んだ場所だ。
万太郎と竹男が住んだ、十徳長屋や、寿恵子の生家の菓子屋の梅花堂もこの周辺のようだ。
・筆者が、学生時代を過ごし、伴侶をみつけたのが仙台だが、牧野富太郎が、仙台近郊で発見したスエコザサは、
亡き妻寿恵子を偲んで命名したという。