2023年3月17日(金) 塩竈神社のこと
〇つい先日、NHKテレビの、ニュースの交通情報で、協会の説明者として、「桒田」さんが、久しぶりに登場した。風変わりな苗字なので、よく憶えていて、以前、下記の記事にしたことがある。
桒田さんのこと (2023/2/18) (O76)
〇上記記事の中にあるが、桒は俗字で。桑が正字という。
正字、俗字の例として、外に、かめ(亀)を取り上げている。通常使われている亀は俗字で、正字は、難しい字体で、よく読めない漢字が出ている。
漢字辞典オンラインで調べて、細部が判明した字体は、以下である。
龜
この字には、どのように言えばいいのか、言葉では表しにくい複雑さがある。
〇難しいこの字体を見ていて、仙台出身の家内が、近郊にある「塩竈神社」(しおがま)を思い出したようだ。筆者は行ったことは無いが、お詣りしたこともある彼女は、よく知っている。
以下に、塩竈市周辺の地図と、鳥居にある表札、鳥居入口からの階段を示す。
Image may be NSFW.
Clik here to view. 塩竈市周辺地図
Image may be NSFW.
Clik here to view. Image may be NSFW.
Clik here to view.
表札(鹽竈神社) 鳥居入口からの階段
表札にある塩竈の字を拡大すると、以下のようになり、極めて複雑怪奇である。
鹽竈
どちらの字にも、上述の、亀の正字にある難しさの要素が含まれているようだ。
鹽は旧字体だが、部首は、しおへん(鹵)になるという。手持ちの漢和辞典には、現在の塩(部首は、土へん)という字は、正字である鹽の、俗字と出ている。
一方、竈の字体について、調べてみた。
この漢字は、はじめは、亀のしっぽのような形の、「へんあし(かえる)」という部首と思ったが、竈の部首は、なんと「穴かんむり」という。
竈の意味は、「かまど」のことで、往時は、炊飯などに、家庭でよく使っていたものだ。
釜は、湯を沸かしたりする道具のことだ。
鹽竈とは、塩を作るために、藻塩を煮詰める道具の、竈のことで、神社では、往年の製塩法を今に伝える、貴重な神事が、下図のように、毎年、行われている。
(参照:御釜神社 例祭 藻塩焼神事 -2022年- [祭の日].html)
また、この神事は、宮城県の、無形民俗文化財に指定されているようだ。
(参照:指定文化財〈県指定無形民俗文化財〉鹽竈神社藻塩焼神事 –)
Image may be NSFW.
Clik here to view.
(参照:御釜神社 特殊神事藻塩焼神事|行事のご案内|鹽竈神社.html)
〇手持ちの地図帳でも、前述の地図でも、塩釜でなく、塩竈と出ているのは驚きである。
市役所では、市名について、S56年にアンケート調査を行ったところ、竈の字は難しいので、変えた方がいい、という意見が多かったが、由緒ある神社に因んだ地名であり、正式には、竈とするが、釜も使用して良い、ことにしたようだ。
(参照:「竈」の字について - 塩竈市ホームページ.html)