2023年3月 10日(金) LGBTとSOGI 続き
先日、下記記事を投稿したが、本稿は、その続編である。
LGBTとSOGI (2023/3/4) (O81)
◇多様化するセクシュアリティ
最近は、性的マイノリティを表す、LGBTという言葉が、定着してきている印象だが、内容が多様化しているようで、LGBTQIA+といった表示もあるようだ。
以下に概況を示す。
Lレズ(女性同性愛)
Gゲイ(男性同性愛)
Bバイセクシャル(両性愛)
Tトランスジェンダー(身体的性と性自認が不一致)
Q:クエスチョン (性自認が自分で分からない)
I:インターセックス (性発達が途中段階)
(LGBTQIAとして含めることに異論もある)
A;アセクシャル (性的興味を感じない)
+;その他の、もろもろを表す。英語のetc。(エトセトラ)と同じ意味。
これらの他、以下もあるようだ。
X;エックス (男女どちらにも属さない性自認)
セクシュアリティは、ますます、多様化していく傾向で、複雑不可解である。
◇全人口に対する比率
性的マイノリティの人たちの、全人口に対する比率については、調査時点や調査方法の違い、等で、データがかなり異なるようで、自分がマイノリティであると、言いたくない人もいるなど、正確な数値は得にくいようだ。
*国際比較
ネットには、国別の、以下の数字が出ている。
人口比は数%~十数%程度(十数人に1人程度)だろうか。
(参照サイト:LGBTの割合は?日本と世界でグラフ化。[2020年最新の調査結果])
*連合の意識調査
2016年8月、労働団体の連合が、セクシュアリティに関し、職場の意識調査を実施し
ている。
調査結果は下図で、LGBT当事者は、8%とある。
非当事者は、女性45.3%、男性46.7%で、全体で92%である。
図中緑色のアセクシュアルは、性的関心が沸かない人たちで、前項のLGBTQIA+のAにあたる。図にあるように、LGBに比し、TとAが予想以上に多いのが注目される。
(出典:連合調べ LGBTに関する職場の意識調査|日本労働組合総連合会)
◇世界の同性婚
*許容している国の比率
女性同士や、男性同士などの同性婚を許容している国や、同等の制度がある国を図示すると下図の様になる。(引用サイト;世界の同性婚 _ EMA日本.html)
図右のように、世界人口に占める国の数は18%で、精度のない国が82%である。人口が多い、中国、ロシア、インドなどが、入っていない。
一方、図左のように、同性婚を認める国の割合を、世界GDPに占める割合でみると、52%で、制度なしの国を上回っている。これは、欧米先進国が入っているためだ。
*同性婚、同性愛が認められない国
同性婚、同性愛が認められず、刑罰が課される国は、結構多いようだ。
中には、死刑となる国もあるという。正確なデータはないが、以下の様だ。
・死刑 イエメン イラン スーダン ソマリア サウジアラビア
・刑罰 アフリカ地域など、かなり多いようだ。(
(カメルーン、ジャマイカ、ウガンダ、ブルンジ、ブルネイ、―――)
イスラム教、キリスト教の聖典には、同性愛を否定する内容があると言われ、イスラムの世界では、女性差別が今でもあるようだ。
◇LGBTとSDGsとの関係
参照:《徹底解説》LGBTQとは|SDGsとの関係から、現状や課題まで徹底網羅
前稿で触れたように、SDGsの中では、目標5として、ジェンダーの平等を謳っているが、LGBTとの関連については、明確には、触れられていない。
同性愛者は厳しく罰せられ、死刑となる国もあること等から、LGBTを、世界共通の目標である、SDGsに包含するのは相応しくないという、判断がある。
このことに関し、当時、SDGsの採択に関わった、元国連事務総長のパン・ギムン氏は、
「SDGsの中に、LGBTについて明確な表示はされていなくとも、誰一人置き
去りにしないという、SDGsの理念は変わらない。どんなセクシュアリティの人も、
差別されてはならない」
との意志を表明している。(参照:最近、よく耳にするLGBTQ+って何のこと? SDGsとの関係は? _)
以下のサイトに、LGBTとSDGsの関係について、詳細に述べられているので、省略する。
(参照:SDGsがLGBTQに明確に言及しない、知られざる理由。)
◇世界の状況
本稿の纏めを兼ねて、同性愛が違法な国、合法な国を、下図に示す。
凡例にあるように、違法とされる国が、濃い紫色(死刑)や、薄い紫色(刑罰)で示されている。
(参照;地図で見るLGBT違法の国、合法の国 _ ナショナル ジオグラフィック )