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イギリスで保守党党首選i

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2022年11月 2日(水)  イギリスで保守党党首選

 

 

〇先日、イギリスで、政権党の保守党の党首を選ぶ、党首選があり、新たな党首が選出された。選挙結果だが、立候補者が一人だけだったので、選挙が行われず、リシ氏が、新党首に決定した。

リシ党首は、この9月8日に即位した、チャールズ3世国王から、組閣を命じられ、首相に任命されている。

   

 

 リシ・スナク(Risi Sunak)氏は、インドに起源をもつ庶民院議員という。夫人は、インドの富豪の娘で、生活は不自由ない暮らしだったようで、庶民の生き方や気持ちが分かるだろうか、と懸念されている面もある。

 

党首選では、当初、複数の立候補者が出るのではと予想された。その中には、スナク氏の他、以前、党首となり首相となった、B.ジョンソン氏がおり、去就が注目されたが、結局、出馬せず、スナク支持に回った。

また、P.モーダント庶民院院内総務の立候補も取りざたされたが、100名の支持者を集められず、立候補を断念している。

スナク氏は、まだ、42歳という、信じられない若さであり、今後の采配ぶりが着目されるが、なんといっても、経済面の物価高騰や生活の問題などの目先の課題への対応があり、局面は厳しいようだ。

 

〇2019年の総選挙で、労働党を破って保守党が勝利し、保守党政権がスタートした。以降、今回の首相交代を含め、 イギリスでは、保守党政権のたらい回しが続いており、新鮮味が無く、閉塞感は否定できない。

 

 ここ数年のイギリスの政治史を調べてみた。

 鉄の女と言われた、イギリス初の女性首相が、保守党の、M,サッチャー氏である。

続いて3代、労働党政権になり、その後の保守党のキャメロン首相時代に、イギリスのEU離脱をめぐる国民投票で、離脱を支持する票が過半を占め、首相は退陣している。

 

以降、保守党では、以下の様に、慌ただしく党首が交代し、

  D.キャメロン首相→T.メイ首相→B、ジョンソン首相→L.トラス首相→R,スナク首相

現在に至っている。

 

ジョンソン首相は、コロナ禍の中で、パーティーをやった等の疑惑で、辞任に追い込まれ、党首選が行われることとなった。

最終決戦に残ったのは、トラス氏とスナク氏で、トラス氏が勝利した。

新任のトラス党首は、イギリスのエリザベス女王を、亡くなる直前に訪問し、組閣を要請され、首相に任命されている。奇しくも、これが、女王の最後の公務になったようだ。

この時の画像が下図で、下記ブログ記事に掲載したものである。

  イギリスの元首が交代 (2022/9/14) (O28)

 

 

トラス首相は、減税によって経済を成長させるなどを掲げたが、大型減税計画が、市場の大混乱を招き、与党内での信頼感も失い、就任後44日で、辞意を表明することとなり、在位期間は、史上最短となったようだ。

 

〇ここで、議会の解散についてみてみたい。

イギリス政治の最近の状況を見ると、2011年に、「議員任期固定法」が成立し、議会の解散に制約が出来たようで、解散には、庶民院の2/3以上の賛成が必要となったようだ。

しかし、イギリスのEU離脱(Brexit)をめぐる問題で議会が混乱したこと等から、2022年3月、先行していた議員任期固定法を廃止し、「議会解散・召集法」を成立させ、首相の解散権が復活したようだ。議員の任期は5年で、期限が来ると自動的に解散になるという。

日本の場合、議会の解散は、首相の専権事項となっており、首相が政治状況を判断し、解散を宣言すればよく、これ迄、何度も、解散が行われてきている。

 

議会制度や議院内閣制などのお手本であるイギリスで、解散権に関して、このような動きがあるのは、興味深いことだ。

 

 


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