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砂山の歌に寄せて

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022年9月4日(日)  砂山の歌に寄せて

 

この所、これといったきっかけは無いのだが、童謡の「砂山」が思い出されることだ。

この歌の作詞は、著名な詩人、北原白秋で、作曲は、これも著名な作曲家、中山晋平だ。

歌が発表されたのは、1922年(T11年)という。

一方、白秋の同じ詩に、山田耕筰が作曲した歌が1926年(T15年)に発表されている。

 

北原白秋作の、砂山の歌詞は以下だ。

   

佐渡が見える、新潟県の砂山がある海辺の、夕暮れ時の風景だ。

遊んでいた子供達も、すずめ達も、またあした、と塒へ帰っていく。

 

大家の同じ歌詞に、二人の大家の作曲家が、違う曲調のメロディーを作曲した、というのは、何という幸運だろうか!

 

晋平版の曲調は、長調で、軽やかであり、歌謡調で、庶民的で子供たちに好かれる雰囲気がある。二木絃三氏の、サイト(砂山 山田耕筰 二木紘三のうた物語)では、晋平版では、「子供の世界の温かさを表現している」、とある。

 

耕筰版の曲調は、短調で、重厚で、大人の雰囲気がある。同じく、二木絃三氏の、サイトでは、耕作版では、「歌曲っぽい曲調で、夕方の海辺の、寂しさを表現している」、とある。

 

中山晋平が作曲した童謡等には、今でも歌われている、以下のような曲がある。

  ・シャボン玉(詞 野口雨情) ・肩たたき(詞 西条八十) ・てるてる坊主(詞 浅村鏡村)

  ・雨ふり(詞 北原白秋)、・雨ふりお月(詞 野口雨情)、・しょうじょうじの狸ばやし(詞 野口雨情)

  ・黄金虫(詞 野口雨情) ・あの町 この町(詞 野口雨情)・背比べ(詞 海野 厚)

  ・兎のダンス(詞 野口雨情)、

    

   「あの町 この町」の発売当時のレコード          中山晋平

筆者の個人的な思い出だが、仙台の学生時代、手にした、英語の歌集に、Shinpei Nakayamaの名で、

Ano Machi Kono Machi(This Road or That)が、載っていたのである。

 

中山晋平には、野口雨情とのコンビの童謡が多いのだが、大人向けの

     波浮の港  船頭小唄

等もある。 

 

山田耕筰は、音楽家として、広範に活動したようだが、その中で、童謡や、やや、歌曲風の曲に限って挙げると、以下だろうか。

   ・赤とんぼ(詞 三木露風) ・あわて床屋(詞 北原白秋) ・からたちの花(詞 北原白秋)

   ・この道(詞 北原白秋) ・のばら(詞 三木露風) ・ペチカ(詞 北原白秋)

   ・待ちぼうけ(詞 北原白秋)

北原白秋とのコンビの歌が多いようで、雰囲気が合ったのだろうか。

        北原白秋                 山田耕筰

 

こうやって調べてみると、現在も、子供達に愛唱されている、多くの童謡等が、一時代を画した作詞家、作曲家によって齎されていることが分かり、嬉しく思うことだ。

 

以前、文化庁と、日本PTA全国協議会が共同で、日本の歌100選を選出した事がある。

     日本の歌100選ロゴ (蝶になった可愛いい子供達)

これについては、当ブログの下記記事に載っている。

   朝はどこから  (2022/6/4)  (T91)

今回、改めて調べたところ、この100選の中に、今回出てきた、中山晋平、山田耕筰両氏の曲が、9曲も含まれていることが分かった。以下である。

  赤とんぼ、あの町この町、あめふり、雨降りお月、肩たたき、からたちの花、この道、シャボン玉、背比べ  

  (下線無しは、中山晋平、下線は、山田耕筰)

 

 


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