2022年2月27日(日) QUADのこと
最近は、クワッドアクセル、クワドルプル、4か国のQUAD連携などの言葉が、聞こえてくる。
〇語源
先日、本ブログに投稿した、下記記事、
Quwadaxel (2022/2/21)
は、北京冬季オリンピックの、フィギュアスケート競技の、ジャンプについて触れたもので、前稿にあるように、quadaxelは、正式には、quadruple axelとなり、4重の、4回転のアクセル、の意味である。
手持ちの、かなり古い研究社編、「コンサイス英和辞典」によれば
QUADの語意は、
1.quqdangle 四辺形のこと
2.quadruplet 四つ組みのこと
とあり、本来の長い言葉を、赤字のように、短縮して言っているように見える。
〇 政治の分野でも、クワッドQUADが登場しており、日本 アメリカ オーストラリア インド 4か国の首脳が集まる場である。
正式には、「日米豪印戦略対話」
:Quadrilateral Security Dialogue
(Quadrilateral:四辺の、四辺形 の意)
で、インド太平洋地域の、4か国による戦略的同盟と言われる。
名称にあるように、4か国の同盟というより、2か国間の対話(Dialogue)が先にあり、それを基本にしているところがユニークである。
この所、国際的に存在感を増している、中国を意識した連携と言われる。
〇 最近の動き
・2021/9/24 アメリカ ワシントンで、バイデン大統領の主導で、QUAD首脳会議が開催されている。
参加メンバーは、以下だ。
日 菅首相(当時) 米 バイデン大統領 豪 モリソン首相 印 モディ首相
その後の状況は以下。
・2022年1月初め、オンラインテレビ会議形式で、日豪首脳会談が行われて、岸田総理とモリソン首相が会談している。
・2022/2/11 オーストラリアのメルボルンで、QUAD外相会議があり、林外相が出席した。次項にある首脳会談の、日程、議題のすり合わせ等を行ったようだ。
・外相会議の方向を受けて、2022年前半 東京で、QUAD首脳会談開催予定だ。
先日の、日米首脳のオンライン会談で方向が決まったようだ。(今年前半に日本でクアッド首脳会談 日米首脳が一致 _ 日本経済新聞.html )
日米会談後、取材を受ける、岸田総理
〇各国の思惑
WUADに参加する各国の思惑は、様々なようだ。以下は、NHKのサイト(【詳しく】QUAD(クアッド)とは?中国とどう向き合う? _ 菅内閣 _ NHKニュース .html)を参照。
・日本
・基本的価値観を共有する4か国の連携
自由で開かれたインド太平洋の具体化
・重要課題(コロナ・ワクチン、新しい技術、気候変動など)を論議
・アメリカ
・最大の競合国の中国に対抗する狙い
・同盟関係にない、インドが参加した連携活動を重視
・最先端技術(5G、AI・人口知能等の分野での、中国の主導権を阻止
・オーストラリア
・中国の行動を抑えたい(*AUKUSへの加盟の流れの中で)
・コロナの発生源調査を巡って、中国が豪州産ワインや大麦への関税を強化したことへの反発
・最大の貿易相手国の中国市場への依存見直し
・インドとの関係強化
・インド
・中国との国境紛争での中国との対立
・中国の「一帯一路」構想へ周辺国が取り込まれている状況
・最大の貿易相手国を刺激したくない
・中国包囲網に参加している印象は避けたい
*AUKUS
豪英米の三国軍事同盟 2021年9月15日 発足
以下の頭文字
Australia、United Kingdom、United States
AUKUSのスタートで、QUADは、経済安全保障を重視する方向に