2022年2月21日(月) Quadaxel
4回転という言葉をよく耳にする。最も有名にしたのが、北京オリンピック・アイススケート競技での、羽生結弦選手の、4回転アクセル(クワッドアクセル quadaxel)である。
〇2月8日のアイススケートのフリー競技で、羽生選手は、4回転アクセルジャンプに果敢に挑戦し、転倒してしまったのである。
図はネットより引用
これまで、公式競技では、誰も達成していなかったのだが、審判団が、クワッドアクセルだったと、初めて認めたのである。
転倒後の彼は、しっかり立て直し、滑り切った。彼に続く後の選手たちが、アクセル以外の4回転を無難にこなし、高得点を得ていて、羽生選手は、4位に終わったのである。
オリンピックで、2回連続で金メダルを獲得している王者の彼は。先日の記者会見では、今後のことについては、再度挑戦するかどうかは、明言しなかった。
この3月の世界選手権が最後になるかも、といった情報もある。
〇後述のように、ジャンプする時の踏み切る足の向きから、アクセルは、実際は半回転多くなる。このため、クワッドアクセルは、4回転半を回ることとなり、難易度は最高となる。以下は、荒川静香さんの下記サイトの情報などに依っている。
(【荒川静香さんがアドバイス】観戦がより楽しくなる知識~フィギュアスケート・ジャンプ編~ _ SEIKO HEART BEAT MAGAZINE _ セイコーホールディングス.html)
フィギュアスケートの得点は、以下のようになるようだ。
得点=技術点TES+演技構成点PCS―減点
技術点TES:Technical Element Score
演技構成点:PCS:Program Element Score
減点:転倒、時間オーバー、違反など
技術点=基礎点+出来栄え点GOE
基礎点: ジャンプの種類によって、大きく異なり、アクセルが高く、トウループが低く配点され、得点の主要
部分となっている。
出来栄え点GOE: Grade Of Execution
―4.0~+3.6の範囲の11段階で評価される。
〇ジャンプの種類ごとに、基礎点が高いものから、順に、以下のようになる。
アクセルA ルッツLz フリップF ループLo サルコウS トウループT
幾つかの技を図解したものを、上記のサイトから、以下に引用した。
基礎点は下図のようになる。(フィギュアスケートの採点方法は?ジャンプの種類や基礎点は?|【SPAIA】スパイア.html から引用)
基礎点などのルールは、毎シーズン、見直されているようで、2019-2020シーズンは、上図と同じだが、昨日閉会したオリンピックでは、これとは異なっているとの情報もありよく分からない。ここでは、これ以上の詮索は控えることとしたい。
筆者の想定だが、クワッド(4回転)は、現在は、男子の主流になっているが、技術等の進歩で、いずれ、このクワッドアクセルも、どの選手も、普通に飛べるようになるだろうと思われる。
〇 スノボーでの回転数
先日、男子スノーボード競技のハーフパイプで、平野歩夢選手が金メダルを獲得した。
平野選手の空中技
この競技の空中技で、縦横の複雑な回転技を競うのだが、横の回転数を表すのに、トリプル、クワッドなどは使わず、角度で表すのが面白い。
1回転の角度は、360度だが、これを基準に、半回転180度づつ加えていくと、横方向の回転数は、以下のようになる。 これを、角度を2桁ずつ区切って読んでいくのだ。
1回転 360度 スリーシックスティー
1回転半 540度 ファイブフォーティ
2回転 720度 セブントゥエンティ
2回転半 900度 ナインハンドレッド
3回転 1080度 テンエイティ
3回転半 1260度 トウエルブシックスティ
4回転 1440度 フォーティーンフォーティ
更に、これに縦方向の回転(コーク:シングル、ダブル、トリプル)が加わり、試技全体では、平野選手が今回完成させた、トリプルコーク1440、などとなる。
〇多重を表す英語表現は、以下の様で、n重、n回、n倍の意味がある。
1重 single フィギュアスケート 音楽:solo 独奏 独唱
2重 double フィギュアスケート 音楽:duo 2重奏 2重唱
3重 triple フィギュアスケート 音楽:trio ピアノ3重奏
4重 quqdruple フィギュアスケート 音楽:弦楽4重奏 quartet
5重 quintet 音楽:ピアノ5重奏 ピアノ、バイオリン2本 ビオラ チェロ
シューベルト作曲「鱒」は、バイオリン1本をコントラバスに編成