2021年9月20日(月) 自民党総裁選
オリンピック・パラリンピックが終わったと思ったら、自民党の総裁選で、現総裁である菅総理が、立候補しないと表明したことで、にわかに慌ただしくなっている。
先日の9月17日は、丁度1年前に、菅総理が、首班指名で内閣総理大臣に指名された日のようである。
〇総裁選のスケジュール
可なり前から、以下のスケジュールが公表されている。
一国の総理を選ぶ機会だけに、広く国民の意見を聞くために、立ち合い演説会や討論会も、計画されている。
告示日の17日は、
岸田前総務会長
高市前総務相
河野行革相
野田幹事長代行
の各氏が立候補している。
これまでの総裁選で存在感があった石破氏は、立候補せず、河野氏の支援などに回るようだが、石破派は、決戦投票になった場合などで、キャスチングボートを握れる可能性もある。
スケジュールに従い、早速、4候補が登場した立会演説会が開催され、各候補から、内政・外交の諸課題について、見解が示されている。オンラインの討論会も企画されている。
〇有権者数と得票要件
選挙は、国会議員各1票の383と、全国113万の党員による、同数の党員票385で行われる。
上位2名の決選投票の場合は、同日に、国会議員と都道府県代表の投票で行われ、投票数は、383票+47票=430
となり、過半数215で争われる。
〇派閥の状況
国会議員の中の派閥の、現在の勢力は、下図の様だ。
各派閥とも、自派内の意見の集約に苦慮しているようで、一本化でまとまることなく、票の分割・分散もやむを得ない状況のようで、現時点では、以下のように伝えられている。
最大派閥の細田派に属する、 前総理安部晋三氏の動きも見逃せない。
無派閥である、高市、野田両候補は、支持の獲得に苦慮したようだ。
〇各候補の主張など
自分が自民党総裁になり、総理となった場合の政治姿勢や主要な政策などについて、述べている。
河野候補 人と人が寄り添う温もりある社会を作る
【演説全文】河野太郎氏「人と人が寄り添う温もりのある社会を作りたい」 自民党総裁選・所見発表演説
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岸田候補 多様な意見に肝要な政治が求められている
【演説全文】岸田文雄氏「今求められるリーダーは私だと確信」 自民党総裁選・所見発表演説会
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高市候補 国民の生命財産と国家の主権と名誉を守り抜く
安倍氏「森友」再燃を警戒 高市氏支援、岸田氏けん制か 自民総裁選(時事通信) - Yahoo!ニュース
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野田候補 主役にならない人々へ向けた政策を
【演説全文】野田聖子氏「自民党は反省と検証が必要」 自民党総裁選・所見発表演説会 (1_2).html
各候補は、公開討論会では、
当面のコロナ対策 エネルギー問題、地球環境問題、災害対策、外交国防問題、憲法改正、女性問題などについて、所見を問われている。
近々、オンライン討論会も企画されているようだ。
野党の動き
自民・公明の動きに埋没しないために、野党の動きもあるようだ。
10月上旬に予定されている、臨時国会で、首班指名が行われると、俄かに、総選挙が動き出すが、野党共闘がどうなるのか、注目されるところだ。
〇立候補を辞退
菅総理は、二階幹事長を含め、党役員人事を刷新するとの意向が伝えられていたが、
9月3日の自民党の臨時役員会で、立候補辞退を表明したのは、想定外の事態で、党内の各派閥とも、大いに慌てたところだ。
菅総理は、当初は、総裁選で再任を果たし、党役員や閣僚を選びなおして、再度、総理・総裁を務めるつもりだったと思われる。
それが、直前になって、思いが変わらざるを得なかったのは、どんな理由があったのか、よく、分からない。 抵抗が、かなり大きかったと考えられる。
臨時役員会での総理の言葉をまとめた、以下の記事がネットに乗っているので、引用したい。
菅総理の言い方は、両方をこなすのは到底無理なので、自分は、最優先と考えるコロナ対策に専念し、政治は、新たに選ばれる人に任せる、と聞こえる。
一国の総理であり、党の総裁を兼ねる菅氏本人が、総裁選への出芽を断念したというのはどういうことか? ここのところが腑に落ちないところで、最も肝心な業務を投げ出す、敵前逃亡にも見える。
総理には、どのような選択肢があったのだろうか
コロナ対策は、当面の政治の喫緊の最優先課題だが、コロナの不満の責任を取らされたと言える面もあるかも。
菅氏の今後の政治活動や、政治生命はどうなるのだろうか?
9月末、菅総理は、バイデン大統領の招待で、アメリカを訪問し、米豪印日の4首脳による、「QUAD」に出席予定だ。
いわば、死に体の一国の総理が、土壇場で、国際会議に出席することの意味合いに疑問符が投げかけられている。
新総裁・新政権に望むことは、以下のような事項だろうか。
コロナ対策と蔓延の終息
オリンピック・パラリンピックの後処理と評価
プラスの遺産の継承(9月1日デジタル庁の創設など)
マイナスの遺産の処理(支援した補選候補者の敗北 過去の失政の処理(文書の偽造等)
来るべき総選挙の顔のすげ替え
10月頭の臨時国会で、首班指名が行われ、新総理が誕生する段取りだ。
菅総理在任期間の行われた政治活動の評価は、追って行われるだろうが、菅氏の、党内での派閥なしの勢力図からみて、前総理、前総裁として、院政を行う可能性はないだろう。
筆者個人の意見だが、河野総理 野田副総理の、挙党一致内閣が面白い。当面の課題のコロナ対策では、河野さんなら、コロナ担当だったので安心できる。