2021年6月9日(水) ミャンマーとCDM
ミャンマーで、この2月1日、軍によるクーデターが生起し、アウン・サン・スー・チー氏などの要人が拘束され、軍による、市民への抑圧が続いている。現在も、ニュース番組等で、ミャンマーの市民たちが、抵抗運動を続ける様子が報道されている。
下図にある、抵抗運動のシンボルとして、3本指を立てる仕草が印象的で、スーチー氏の写真も掲げられている。
一方、下図のように、CDM と書いた、プラカードを持っている画像も多い。CDMとは、
Civic Disobedience Movement(市民不服従運動)
の意味という。JOIN IN CDMと、CDMへの参加と連帯を呼び掛けている。
このような抵抗運動は、隣国インドで、ガンジーが、時の支配者であるイギリスへ抵抗した、不服従運動が連想されるが、ミャンマーの動きは、同じ延長線上にあるだろうか。ガンジーは、「非暴力主義」、「非暴力・不服従」を唱導したようだ。
スーチー氏は拘束中で、活動はできないが、志は、市民が受け継いでいると言えよう。
政争が繰り返されたミャンマーだが、2018年、選挙で与党NLDが圧勝し、民主化のシンボルとして、スーチー氏が政権に就いた。この事態を不服とした軍が、選挙に不正があったと難癖をつけ、この2月のクーデターによって政権を奪取した。
女性のリーダーとして、しなやかで強靭で、民衆に人気が高いスーチー氏には、政権としては太刀打ちできないようだ。氏には、イギリス留学の経験もある。
ミャンマーは、旧称ビルマ(Burma)と言われ、最大の都市ヤンゴン(旧称ラングーン)(図の●印)と、第2の都市マンダレー(図の●印)との中間にある、ネピドー(図の★印)が首都である。
国土が日本の約1.7倍の広さに、人口は、日本の約47%だから、人口密度は、日本の、26%程と、かなり疎らである。
ミャンマーは、クーデター前は有望な後発途上国(Latest Developped County)として、世界から注目されている国柄であった。
旧称ビルマと聞くと、筆者には、竹山道雄著「ビルマの竪琴」が思い出される。この本は、子供向けの本ながら、戦後間もない昭和23年に、毎日出版文化賞などを受賞している。下図の新潮文庫本は、現在も販売されているのだろうか?
仙台の大学生だった筆者は、この本に痛く感銘を受け、頼まれた家庭教師の子の教材の一つとして、この本を使った。主人公の水島上等兵が、竪琴(ハープ)演奏で、「埴生の宿」を歌うシーンが印象的だが、彼は、亡くなった戦友を弔うために、仏門の僧になる決意をして、ビルマに残ったのである。その生き様に感動したことだ。