2021年5月28日(金) ヤンバルの森などが世界自然遺産へ
◎ ヤンバルの森などが推薦される!
先日の5月12日、世界自然連合(*)より、日本のヤンバルの森などの地域が、世界自然遺産として相応しいとの見解が示され、このお墨付きを得て、この7月16日~7月30日の間、オンラインで開催される世界遺産委員会に、日本から、推薦することとなった。
この不透明な時代にあって、爽やかな嬉しいニュースである。
世界遺産委員会は、2020年に、中国 福州で開催される予定だったが、コロナ禍で開催されなかったため、今回は、2回分が審議される。
*IUCN International Union for Conservation of Nature and
Natural Resources
◎ 今回の対象地域
今回の対象地域について、環境省のサイトには、下図のように示されている。
図にあるように、世界自然遺産として評価された理由が以下になっている。
⇒ 大陸から分離し、小島嶼が成立するかていにおいて、地史を反映した独自の生物進化がみられる。
(日本列島は、地球の歴史の中で、大陸から分離したと言われている。)
⇒ 国際的にも希少な固有種に代表される生物多様性保全上重要な地域である。
上図にあるように、この地域に生息している固有種の生き物は、以下のようだ。
・アマミノクロウサギ 分布は奄美大島・徳之島 絶滅危惧種
・ヤンバルクイナ 分布は沖縄本島 飛べない鳥で絶滅危惧種
「やんばる」とは、沖縄島北部の山を指していて、「山原」が語源という。
・イリオモテヤマネコ 分布は西表島 野生のヤマネコで絶滅危惧種
・イシカワガエル 分布は沖縄本島・奄美大島 2011年に分類変更 絶滅危惧種
◎ 日本の世界遺産
現在の自然遺産は、上図に、赤茶色で示されている、4地域である。
知床 白神山地 小笠原諸島 屋久島
これに、今回が加わると、5地域となる。
◎ 余談
以前、筆者が沖縄へ旅行した時、西表島の川を、船で遡ったことがある。期待していた、イリオモテヤマネコ君には、出くわさなかったが、川岸に迫ってくる、ヒルギ(マングローブの現地呼称)の林と、地上に出ている逞しい気根の風景は強烈。 奥地の岩の上に流れ落ちる滝も印象に残っている。
ヤエヤマヒルギと気根
今回の委員会で、同時に審議される予定の文化遺産については、次稿で取り上げることとしたい。