Quantcast
Channel: つれづれの記
Viewing all articles
Browse latest Browse all 856

縄文遺跡が世界文化遺産へ

$
0
0

 2021年5月31日(月)  縄文遺跡が世界文化遺産へ

 

先日、南西諸島のヤンバルの森などが、世界遺産に登録されることを、当ブログの記事、

  ヤンバルの森などが世界自然遺産へ  2021/5/28

で投稿したところだ。

今回は、これに続くもので、この7月に開催される世界遺産委員会で、同時に審議されることになっている、北海道・北東北の縄文遺跡のことを、とりあげることとしたい。

 

◎日本の世界遺産

日本の世界遺産は、現在、前稿でも引用した下図のように、

   自然遺産  4件

   文化遺産 19件

となっている。

この中で、今回、文化遺産として、縄文遺跡が追加される予定だ。

 

◎イコモスの勧奨

世界遺産委員会に推薦する役割を持つ、イコモス(*)が、先だっての5月12日、北海道・北東北の縄文遺跡が、世界文化遺産として、普遍的価値があると、見解を公表したのである。

我が国の世界文化遺産は、すべて有史後のものなのだが、有史以前の遺跡が対象になるのは、初めてである。

 (*) ICOMOS: International Council on Monuments and Sites

 

◎今回推薦される構成資産

今回、日本から推薦される案件の構成資産は、以下の17資産と関連2遺跡のようだ。( )

 1 大平山元遺跡 縄文時代のはじまりを示す遺跡

 2 垣ノ島遺跡  居住域と墓域の分離を示す遺跡

 3 北小金貝塚  内浦湾に面した大規模な貝塚を伴う集落跡

 4 田小屋の貝塚 古十三湖に面した貝塚を伴う集落跡

 5 二ッ森貝塚  海水性及び汽水性の貝塚が環境の変化を示す集落

 6 三内丸山遺跡 特別史跡 多様な施設で構成される大規模な拠点集落

    この建造物が、何に使われたのか、筆者の長年の関心事。

 7 大船遺跡 祭祀場が発達した拠点集落

    大型竪穴建物跡

 8 御所野遺跡 墓域と祭祀場を中心とした拠点集落

 9 入江・高砂貝塚 共同の祭祀場や墓地を支えた集落跡

10 小牧野遺跡 複雑な配石構造をもつ大規模な環状列石

11 伊勢堂岱遺跡 4つの環状列石が集中した祭祀遺跡

12 大湯環状列石 特別史跡 規則的な構造を示す2つの環状列石

    

         

                           万座環状列石                         野中堂環状列石(日時計?)

13 キウス周堤墓群 高い土手で囲まれた共同墓地

14 大森勝山遺跡 岩木山麓につくられた大規模な環状列石

15 入江・高砂貝塚 内浦湾に面した共同墓地

16 亀ヶ岡石器時代遺跡 芸術性豊かな土偶や多彩な副葬品が出土した共同墓地

            

17 是川石器時代遺跡 竪穴建物・土杭墓・水場・捨て場などを伴う集落跡

関連遺跡 長七谷貝塚 縄文海進期の貝塚を伴う集落跡

関連遺跡 鷲ノ木遺跡 北海道最大規模の環状列石

   発掘時の風景

 

◎ 各遺跡の時間的な発展過程

各遺跡が、時間的にどのように成立したかが、6つのステージ、

 Ⅰ 定住の開始  Ⅰa Ⅰb

 Ⅱ 定住の発展  Ⅱa Ⅱb

 Ⅲ 定住の成熟  Ⅲa Ⅲb

に区分されており、下図に示す。

 関連遺産1はⅠa、関連遺産2は、Ⅲa

◎ 所感

・これらの遺跡は、これまで、特別史跡や史跡として、地域で、大切に守られてきたものだ。三内丸山遺跡など、地元の喜びようは大変なも  のだ。東北出身の筆者には、今回の世界遺産への登録勧奨は嬉しいニュースで、青森にいる息子家族も喜んでいる。

・有史以前の、しかも、縄文時代が対象になるのは素晴らしい。遺跡からの出土品や、貝塚など、生活の匂いが感じられる。 

 以前、文京区の弥生町に住んでいたことがあり、弥生式土器が発見された所だ。弥生時代になると、狩猟生活から農耕文化へ徐々に変化していくが、縄文時代と弥生時代の対比は、面白いかも知れない。

・今回推薦予定の遺跡には、環状列石(ストーンサークル)が、多数あるようだ。

 イギリスには、下図の、ストーンヘンジと呼ばれる、親分格の環状列石があり、巨大な岩石が、二重になっているという。世界文化遺産に登録されている。

  

 

 


Viewing all articles
Browse latest Browse all 856

Trending Articles