2020年12月18日(金) 地球環境問題
このところ、地球環境関連の話題が、時々出て来る。
当ブログでも、地球環境関連では、国連の活動や日本の里山など、何度か取り上げたテーマだ。
地球環境問題に関する国連の活動の中で、なんといっても、エポックメーキングなイベントは、2015年末に採択されたパリ協定(Paris Agreement)だ。
パリ協定については、
地球温暖化防止対策 COP21(2015/12/29)
の記事で、詳しく取り上げている。
最近の地球環境関連の話題について、触れることとしたい。
〇パリ協定
・概要
2019年暮れ、フランスのパリで開催された、国連気候変動枠組み条約(UNFCCC*)の、第21回締約国会議(COP21)で採択され、批准・成立した国際条約だ。
協定参加国は、日本を含めて、195カ国であり、全員参加となっている。
*UNFCCC:UNITED NATIONS FARAMEWORK
CONVENTION ON CLIMATE CHANGE
・パリ協定の内容
21世紀後半に、産業革命以降の地球の温度上昇を、2度以下にするとしている。
準備期間を経て、2020年(以前の東京オリンピックの年)から実行する計画だ。
・パリ協定採択以降のフォローアップ
2015年 COP21 パリ フランス パリ協定採択
COP22 マラケシュ モロッコ
COP23 ボン ドイツ
COP24 カトヴィツエ ポーランド
COP25 サンチアゴ(チリ)
⇒マドリード スペイン チリの政治情勢で変更
2020年 COP26 グラスゴー イギリス コロナ禍で21年に延期
・アメリカの動き
アメリカのトランプ大統領は、2017年11月に、この条約からの脱退を表明し、1年後の、先だっての11月初旬、脱退手続きが完了している。でも、次期大統領に決まっているバイデン氏は、この条約への復帰を表明しているのは明るいニュースだ。以前の京都議定書でも、米国は脱退した前科がある。
・日本の方向
なかなか手が回らない状況であり、排出する炭酸ガスの削減目標など、進んでいない。
・ポストコロナ
コロナ禍が大きく影響して、今年のCOP26が、1年後に延期になったが、ワクチンの接種などで、今後コロナが沈静化するとして、どのような新たな方向が、国際的に模索されるのだろうか?
〇脱炭素社会
・語源
地球温暖化ガスの主体である空気中の炭酸ガス(CO2)は、炭素(C carbon)が主成分だ。
このため、CO2を減らすことを、脱炭素(decarboniz(e)ation)と言っている。
空気中のCO2濃度を減らすことが、地球環境保護のための急務で、その中で、CO2を直接閉じ込める技術の開発も進んでいる。
・脱炭素社会(decarbonized/carbon-free society)
菅総理の発言
10月26日の国会所信表明演説:2050年目標に脱炭素社会を実現すると表明
11月下旬、G20関連の国際会議で、同様の意向を表明
どちらも、具体策は示されず、将来に対する意向・態度表明と言える。
低炭素社会(low-carbon society)とも言われる。
カーボンニュートラル(carbon neutral)という考え方:植物が介在し、CO2を出す側と取り込む側 がバランスするという概念で、環境化学用語の一つ。下図はネットより。
・排出権取引
地球環境保護のための経済用語で、国や企業ごとに、最初にCO2の排出枠を割り振るが、実際に、枠内に納まりきらなかった国や企業が、枠に余裕のある国や企業と取引することとなる。
国同士では、工場等が多い先進国側が枠不足で、森林等を抱える途上国側が枠に余裕がある事が多く、両者間で取引が行われる。
京都議定書で取り決めがある。