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19年ぶりに復活した赤飯

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2013年11月7日(木)  19年ぶりに復活した赤飯

 

 

 この所、レストラン等でのメニューの中に含まれる食材名について、誤表示、虚偽表示が大きな社会問題になっている。個別に挙げればきりがないのだが、

表示 クルマエビ      実は  ブラックタイガー

    芝エビ              パナメイエビ

    国産牛肉            チリ産牛肉

    鮮魚               冷凍魚

などなどで、問題は、大手有名デパート等にも拡大しており、“あそこでも!”と言った状況だ。 

 でも、これらの食材に関する表示については、本稿では、これ以上は取り上げないが、賞味期限の表示に関することで、最近、意外な経験をしたので、簡単に取り上げて見た。

 

 

 最近だが、我が家の台所のストッカーをワイフKが整理していたら、炊いた赤飯を乾燥させ、ビニル袋に封入した食品が出て来た。赤飯だから、赤紫色で小豆も入っている。

 

       上 赤飯の密封ビニル袋  下 紙箱  

   

       ビニル袋の製造年月日表示                   紙箱裏面の賞味期限表示

 

 上図のように、製造年月日をみると、1994年11月23日とあり、又、賞味期限は製造年月日より3年と表示されているので、1997年11月がデッドラインとなる。 これ即ち、現在で、製造後、凡そ19年経っている訳で、賞味期限切れからでも、既に、16年も経過していることとなる。製造時に、どの様な加工をし、封入したのかは明記されてはいない。

 通常なら、あっさり廃棄処分する所だ。でも、透明なビニル袋を外部から観察する限り、小豆色をした赤飯は、さらさらした綺麗な干飯の状態で、特に、カビなどの異常も見当たらず、小豆も正常のようだ。

 

  物は試しと、食べてみることとした。開封しても、変なにおいはなく、ワイフKが、指示された通りに水を加えて、炊飯器で炊いて見たのである。

  出来上がった赤飯は、やや、粘り気が無いものの、ほのかな香りもあり、今日の昼ごはんとして、吸い物つきで、美味しく頂いた所である。炊いた赤飯を、軽くフライパンで焼き、海苔を巻いて、お握りにしても食べた。

           19年振りに復活した赤飯 

  最近は、殆どの食品で、賞味・消費期限の表示が行われている。賞味期限は、食品の風味が保たれ、美味しく食べられる期限、消費期限は、食品が変質し悪くなるまでの期限、と理解している。

 製造年月日に関する大きな偽装事件では、以前の、大阪の超一流日本料理店での賞味期限等の事件や、伊勢神宮の門前にある赤福餅の事件などが思い出される。

 食品の衛生状態を適正に保ちながら、製品を世に出していくのが基本なのだが、これらの偽装事件にみられるように、材料の消費期限がぎりぎりだったり、製品の売れ残りが出た時、それをどう扱うか、等が問題となる。

棄てないで有効利用して出来るだけコストを下げたい、という企業の要請もあろうし、日本人的なモッタイナイという感覚もあろうか。  

 身近にあるスーパーの中には、期限切れが近くなった食品を、割安価格で売り捌いたり、閉店が近くなると、その日に焼いた菓子パンは、半値で売りきるパン屋などもある。

 

 今回の赤飯の件は、ごくごく小さな話題だが、それにしても、?6年過ぎても、まあまあ大丈夫だった、とは驚きである。 

我が家では、これを購入後、常温で、台所のロッカーに保存していたのだが、特別に、保存条件が良かった、とも思えない。でも、消費期限が3年という表示は、短か過ぎると言えるのだろうか。

 往時、武士たちが戦で出陣する時は、干飯を腰にぶら下げて行ったと言われるが、乾燥することで、風味はともかく、実質の保存可能期間は大幅に長くなるのだろうか。

昨今は、防災用の食料品に対する関心も高いが、特にご飯について、どんな加工食品があるのか、風味や品質はどうなのか、機会をみて調べてみたいものだ。

 

 冒頭に述べた使用食材の表示や、上記の賞味期限の表示については、偽装は許されることではなく、正しく表示されるよう、提供側に要求することが基本なのは勿論だ。

 一方で、偽物や紛い物が出回るのは世の常とすれば、消費者側としても、口にした時の、自分の舌の感覚や、臭いを嗅ぎ分ける鼻の感度を上げ、己の刀を研いで自己防衛し、食べ分ける事が、最後の砦になるように思う。

今の子供達は、本物の食材の味や、カビが生えた食品や腐った食品の、臭いや感触を、何処かで、自分の五感で体験しているだろうか。

 この時代、世は、食品の分野でも、消費者のブランド指向が強く、賞味期限や食品名や産地名等の表示情報に頼り過ぎる余り、味を見分け、変質に対する安全性を確保する、本来備わっている本能的な五感感覚が、使われることなく、だんだんに失われつつあるのではないか。

 食品の偽装事件が後を絶たない最大の理由は、消費者側の偏ったブランド指向と表示情報依存にあるように思える。 


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