Quantcast
Channel: つれづれの記
Viewing all articles
Browse latest Browse all 864

いろはかるた

$
0
0

2018年7月1日(日)  いろはかるた 

 

今年は、関東地方は、ほぼ平年並みの6月6日に、梅雨入りが宣言されたが、その頃、NHK-TVの天気予報を視ていたら、梅雨の話に関し

         「栗花落」

という言葉が紹介された。

強い臭いを出す房状の栗の雄花が、梅雨入りの頃になると地面に落ちてくることが由来で、この字は、

     ツユイリ→ツユリ

と読むようだ。

TVを視た時は、俳句の季語の一つと思ったのだが、改めてネットで調べてみると、極めて珍しい、苗字(名字)の一つという事だ。(「薬袋」「小鳥遊」「栗花落」「月見里」? 読めたらスゴイ難読名字10選

      

                  栗の雄花

  一方、今年は、梅雨に入っても雨が少なく、6月29日(金)に、早々と、関東地方の梅雨明けが宣言された。 昨年よりは、22日も早く、6月の梅雨明けは、初めてのことと言う。これから、真夏の猛暑と、深刻な水不足になりそうな予感がある。

 所で、上述のネットのサイトには、珍しい苗字として、幾つか紹介されているが、その中に、

     「京」

があった。 この漢字は、時々、耳にする苗字で、通常は、キョウと読み、著名人もいる。でもこの字は、苗字として、

     「カナドメ」

と読むようだ。一瞬、驚いたことだが、いろはかな文字の最後の止めとして、京(きょう)とあることから、カナの最後の止め、と言う意味のようだ。

関西等では、苗字として、こう呼ぶ地域があるようだが、詳細は未調査である。 

 

 このことが切っ掛けとなって、「いろはかるた」や、「いろは歌」について調べてみた。更には、万葉仮名と仮名文字、五十音表、旧仮名文字等、日本語の歴史について、改めて関心が深まり、シリーズものとして、少しく、取り上げることとした。

今回は、馴染みの深い、「いろはかるた」の話題である。

 

○ いろはかるた

 古来、平易なかな文字を覚える手習いの教材や、遊びの道具として、いろはかな47文字が使われてきた。

そして、各文字を頭にした、諺や格言、処世訓等を集めたものが「いろはかるた」で、京都、大阪、江戸、名古屋等と各種ある。この中で、東北出身の筆者にとっては、「江戸いろはかるた」が馴染み深いので、本稿では、主に、これを取り上げる。幼少時は、絵札を見ながら、かるたで良く遊んだものだ。 

 有名な「いろは歌」の作者については、はっきりしないようだが、弘法大師作などという、説もるようだ。仏教思想を反映した七五調の短歌だが、筆者がこの歌の存在を知ったのは、高校に進んでからである。 小さい頃には良く口にした、いろはかるたは、ゐ、ゑは、旧仮名の文字で入っていた。

区切り方については、七五調ではなく、以下の左欄のように、我流で区切って覚えていたように思う。 

  いろはにほへと   7  (いろはにほへと   7)

  ちりぬるをわか    7  (ちりぬるをわか    7)

  よたれそつね     6  (よたれそつねな   7)

  ならむうゐの      6  (らむういのおく     7)

  おくやまけふこえて 9  (やまけふこえて   7)

  あさきゆめみし   7  (あさきゆめみし    7)

  ゑひもせす      5  (ゑひもせす       5)

 

   京          1

 

一方、47文字を上の右欄のように、7文字ごとに区切って並べて、末尾だけをみると、

   とかなくてしす (咎なくて死す)

となる、という穿った見解もあるようだ。(いろは歌 - Wikipedia から)

 

○ 幾つ覚えているだろうか。

 後期高齢者であるこの年になって、「いろはかるた」を幾つ覚えているか、前項の区切りに従って、答えを見ずに、記憶を辿って、思いつくままに、関連する諺なども挙げて見たのが、以下である。“犬も歩けば棒に当たる”から始まる、別称 犬棒かるたで、最後は、48文字目の、京の夢大阪の夢で終わる。

△▲は、諺等がなかなか思い浮かばなかった項で、下線は、調べたら、「江戸かるた」では無かったものである。

      

        いぬもあるけば ぼうにあたる                  京のゆめ 大さかのゆめ

 

い:犬も歩けば棒にあたる  一寸先は闇  石の上にも三年

ろ:論より証拠

は:花より団子  早起きは三文の得

に:憎まれっ子世にはばかる(憚る)

ほ:△仏作って魂入れず 骨折り損のくたびれ儲け

へ:屁をひって尻つぼめ

と:年寄りの冷や水

 

ち:ちりも積もれば山となる

り:律儀者の子沢山

ぬ:盗人の昼寝

る:瑠璃も針も磨けば光る

を:老いては子に従え  負うた子に教えられ

わ:割れ鍋に閉じ蓋

か:かったいのかさ羨み  勝って兜の緒を締めよ

 

よ:よしのずいから天井のぞく  夜目遠目笠の内

た:旅は道づれ世は情け 蓼食う虫も好き好き

れ:れう(良)薬は口に苦し

そ:総領の甚六

つ:月夜に竈をぬく

ね:念には念を入れ

 

な:泣きっ面に蜂 長いものには巻かれろ

ら:楽あれば苦あり

む:無理が通れば道理引っこむ

う:△馬の耳に念仏  嘘から出たまこと  

ゐ:ゐ(井)の中の蛙大海を知らず  ゐも(芋)の煮えたもご存知ない

の:のど元過ぎれば熱さ忘れる

 

お:鬼に金棒 終わり良ければ全て良し

く:▲薬九層倍  腐っても鯛 口八丁手八丁 苦しい時の神頼み  君子危うきに近寄らず  臭いものに蓋

や:安物買いの銭失い

ま:負けるが勝ち

け:▲下すの勘ぐり  芸は身を助ける  

ふ:△ふぐは食いたし命は惜しい 文はやりたし書く手は持たぬ

こ:△紺屋の白袴 後悔先に立たず 子は三界の首かせ 

え:得手に帆を揚げる

て:▲鉄は熱いうちに打て  亭主の好きな赤烏帽子 

 

あ:悪事千里を走る  秋茄子は嫁に食わすな 頭隠して尻隠さず

さ:三べん廻って煙草にせう  猿も木から落ちる

き:△聞くは一時の恥、聞かぬは末代の恥 極楽見て地獄

ゆ:油断大敵

め:目の上のたんこぶ

み:身から出た錆

し:知らぬが仏

 

ゑ:ゑん(縁)は異なもの味なもの

ひ:日暮れて道遠し  火の無い所に煙は立たぬ 人の噂も七十五日 火の用心  貧乏暇なし

も:餅は餅屋  門前の小僧習わぬ経を読む

せ:急いては事をし損じる 背に腹は代えられぬ

す:△住めば都 雀百まで踊り忘れず 粋は身を食う 

 

京:京の夢大阪の夢

 

 

 

 


Viewing all articles
Browse latest Browse all 864

Trending Articles