2018年4月16日(月) ピョンチャン冬期オリンピック 2
光陰矢の如しで、月日の経つのは早く、ピョンチャン五輪・パラ輪も疾うに終ったが、筆者には、日本代表の選手たちの活躍が、幾つか記憶に残っている。
ピョンチャンオリンピックについては、過日、下記記事
ピョンチャン冬期オリンピック 1 (2018/3/6)
で、スケート競技を取り上げたが、今回は、取り急ぎ、カーリングである。
筆者は、カーリングについて、前回のソチ大会の時に強く興味をそそられ、競技のルールや、日本女子チーム(北海道銀行 スキップ小笠原)の試合結果について、かなり詳しく以下の記事にしている。
ソチ五輪 カーリング 1 (2014.3.5)
ソチ五輪 カーリング 2 (2014.3.11)
本稿では、これ等との重複を避けながら、印象に残った点について、掻い摘んで取り上げることとしたい。
○ カーリング日本代表
今大会には、日本から、男子、女子の両チームが参加した。
◇男子チームの出場は、長野大会以来16年振りで、開催国枠でない実力によるものだが、日本代表は、SC軽井沢クラブ(SC:Suports Community)の以下のメンバーである。
リード 両角(弟)
セカンド 小野
サード 清水
スキップ 両角(兄)
リザーブ 平田
両角兄弟は、長野オリンピックの時は、まだ中学生・小学生で、選手たちの活躍を見て、カーリングに興味を持ったと言う。
今大会では、10チームが参加したが、予選リーグ(総当たり戦)は、善戦したものの8位に終わり、準決勝には進めなかった。対戦状況については、省略する。
◇女子チームは、長野以来の連続5回目の出場で、日本代表は、LS北見クラブで、以下のメンバーである。
リード 吉田(妹)
セカンド 鈴木
サード 吉田(姉)
スキップ 藤沢
リザーブ 本橋
LSの語源は、出身地の北海道常呂町をもじった、
L:Local 常呂っ子 Sorare(イタリア語)太陽
と言われるが、 公式には、チーム創設者の本橋選手の所属する NTT Learning Systemsの略称という。
吉田(姉)は、ソチ五輪にも出場している。
○女子チームの活躍
以下、女子チームの活躍の跡を、簡単に振り返りたい。
◇予選リーグでは、
緒戦で米国に10-5で勝ち
第2戦でデンマークに8-5で勝ち
2連勝と幸先のいいスタートを切った。そして、
第3戦で韓国に7-5とアウエー戦ともいえる試合に勝ち、3連勝となった。
その後、
第4戦は中国に6-7で敗れ
第5戦はOARに10-5で勝ち
第6戦はカナダに4-8で敗れ
第7戦はスエーデンに5-4で勝ち
第8戦はイギリスに6-8で敗れ
第9戦はスイスに4-8で敗れ
て、予選リーグを終了。
これら予選の各試合は、結構、TVで見たのだが、詳細は省略。
予選全体では、
予選1位 8勝-1敗 韓国
予選2位 7 -2 スエーデン
予選3位 6 -3 イギリス
予選4位 5 -4 日本
で、日本は4位となり、決勝トーナメントへ進出するという、歴史始まって以来の快挙となった。決勝トーナメントの組み合わせは、下図のようになった。
◇準決勝の韓国戦
第1エンドは、日本は不利な先攻で、スチールするチャンスも作れず、韓国に3点を取られてしまった。・その後、なんとかこれを挽回しようとしたが、追いつきそうになっては、韓国に先行され、漸く、9、10エンドで、7-7のタイに持ち込んだ。だが、延長戦は、不利な後攻とあって力尽きた。日本は敗れて、三位決定戦へ回り、メダルを狙う事となった。
◇三位決定戦はイギリスと
この対戦は、序盤から、イギリスに1点先行されては追いつくという展開で、中盤の5エンド終了時はイギリスが、3-2とリードしたが、6、7エンドはブランクで、8エンドで、日本が漸く追いついて3-3のタイとなった。そして、不利な9エンドで、日本がスチールしたのが大きく、4-3と逆転。
日本が先攻の最終10エンドは、日本の作戦が成功し、ハウス内は、下図の様なストーンの配置で、イギリスのスキップ ミュアヘッド選手の最終投となった。(図はネットより)
イギリスのミュアヘッドの選択肢は以下だろうか。
案1 このエンドで決着させる。
このため、最終投AでBをTakeOutし、Aは中心に残し、A、Cで2点とする。
しかし、Bより手前に見える日本の石を避けて、Bに当てるという、かなり際どいコースになる。
案2 ハウスの内側にあるNo.1のCの石を残して、1点獲得し延長戦に進む⇒不利な後攻となり、勝てる保証はない。
結局、ミュアヘッドは、案1を選んだが、前回3位の英国の実力からみて、だれしもが、英国の勝ちと諦めた。しかし、ミュアヘッドの投げた時計廻りの石の進路は、図では、やや右のコースになり、Bの側面に当たったために、図の様な石の動きとなった。そして、日本のBの石が、ハウスのほぼ中央に移動するというハプニングになったのである。
現地会場の選手たちは勿論、テレビで見ていた多くのファンが驚き、歓喜した。銅メダルが転がり込んだ、とも言えるが、不利な先攻めで、ガードストーンを効果的に配置していった、日本の勝利でもある。
北見市に凱旋した女子チームメンバーは、祝賀パレードなど、地元で大変な歓迎を受け、市民特別栄誉賞も授与されたようだ。
○ミックスダブルス
ピョンチャンオリンピックで、初めて採用されたカーリング競技種目に、ミックスダブルスがあり、残念ながら日本は出場できなかった。
この種目の、日本国内選手権が、ピョンチャンの興奮も冷めやらぬ、3月14日から予選が、3月18日に決勝戦が行われたようで、スポーツニュースで伝えられた。
各地域で勝ち上がってきた16ペアに加え、ピョンチャンで活躍した日本代表の男女のメンバーによるペアも加わって、全体で21ペアで行われ、以下の様な成績だったようで、流石に日本代表だ。
女子 男子 結果
藤沢 山口 優勝
吉田姉 清水 3位
吉田妹 両角兄
(北澤) 平田 2位
ミックスダブルスは、余り知られていないが、大まかには以下のようだ。
・カーリング競技の基本は通常と同じ
・男女のぺアで対戦(通常は4人のチームで対戦)
・エンドは8エンドまで(通常は10エンドまで)
・各エンド5投ずつ投げる(1・5投、2~4投は 同一人)
(通常は8投ずつ投げる (1,2,3,4投を 4人で)
要は、競技時間の短縮を狙ったもののようで、今後人気が出るかもしれない。