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エルサレム問題   続

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2017年12月22日(金)  エルサレム問題  続 

 

 先日、当ブログに、下記記事

     エルサレム問題  (2017/12/20)

を投稿したところだが、その後の状況変化等について、続編として補足したい。

 

① 国連安保理

 エルサレムをイスラエルの首都と認定する、という、12月6日のアメリカのトランプ大統領の宣言に関し、18日に開催された国連安保理(日本が現在の議長国)に、アメリカの決定を無効とする決議案が提出されたが、アメリカは拒否権を行使して、この決議案は否決されている。

日本は、珍しく、アメリカには追随せず、賛成したようだ。(安保理:エルサレム「首都」撤回決議案を否決 米が拒否権 - 毎日新聞

 

② 国連総会

 国連総会の緊急特別会合が21日に開催され、アメリカの宣言の撤回を求める決議案が提出され、採決の結果、以下のように、賛成多数で承認されたようだが、法的拘束力は無いという。

  賛成 :128 日本、英、仏 など

  反対 :  8 アメリカ、イスラエル など

  棄権 : 35 カナダ、豪、中南米諸国、東欧諸国 など

ここでも日本は、アメリカに追随せず、賛成票を投じたようだ。 

 決議案の採決に先立ってアメリカは、これに賛成すれば、当該国への援助額を減らすぞ、と脅したという。 反対/棄権した国の中には、米国の仕返しを恐れた国もあるだろうか。(国連総会、エルサレム巡り米非難決議 反対9・棄権35 (写真=AP) :日本経済新聞 )

でも、撤回を求められたアメリカには、その動きは全く無いようだ。

 

③ 国の首都と大使館

 筆者は、当初は、今回の宣言は、「エルサレムを首都と認識することは含まれておらず」、大使館の移転だけのことで、大使館は、必ずしも首都で無くてもよい、と思っていたことである。

このことから、筆者は、トランプ大統領の宣言について、改めて、報道された原文を調べた所、以下のようになっている。(下線は筆者)

 President Donald Trump on Wednesday recognized Jerusalem as Israel’s capital and announced he would begin moving the U.S. embassy there, despite warnings from leaders across the globe that the move would undermine peace efforts and spark violence.

Trump Recognizes Jerusalem as Israeli Capital in U.S. Shift - Bloomberg より)

すなわち、“エルサレムをイスラエルの首都と認識し、そこに大使館を移す準備をする” とある。

  民族紛争等の結果、ある地域が新しく独立宣言した場合等は、それを国家として承認するか否かは、国際関係上の、大きな問題である。各国が、イスラエルやパレスチナ政府と、どのように付き合うかは、まさにこれに該当するだろう。

でも、その国の首都の位置がどこかについては、他国がとやかく言う事ではないだろう。今回のアメリカの言動は、主権侵害とも言えるのではないか?

  どこを首都とするかは、各国が自由に決められる、主権の表れそのものでもあり、以下のような事例もある。

     オーストラリアのキャンベラ

     ブラジルのブラジリア

     インドのニューデリー

     スリランカのスリジャヤワルダナブラコッテ 

 前稿でも触れたように、イスラエルはエルサレムを、パレスチナ自治政府は、東エルサレムを首都にしようとしているが、目下は、エルサレムは国連の管理下にあり、暫定的に、他の都市(テルアビブ、ラマラ)に、当該国の政府機関を置き、各国の大使館もそこにある、と言う事だ。

 

 

 

 


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