2017年5月8日(月) アフリカの諸国 1
当ブログでは、ここしばらく、アメリカに因む話題を取り上げてきたが、前記事までのトランプ政権の100日シリーズで、一区切りである。
パズル形式で州あてクイズを楽しめるサイトも見つかって、目標としてきた、全米50州の名前や位置が、ほぼ、頭に入った状況であり、アメリカについては、そのうち、改めて取り上げることとしたい。
筆者の地図好きは、アメリカの州の数(50)とほぼ同じ数(54)の国々があるアフリカについて、挑戦してみようという展開となった。
アメリカについて御世話になった上述のサイトで、アフリカの国々についても、パズル形式で、国名と位置について早速やってみた(Africa - Geography Maps -Map Game)。
だが、結果は、殆どの国が曖昧で、自信をもって答えられたのは、
エジプト、エチオピア、南アフリカ、マダガスカル、ソマリア
くらいだった。
アフリカには、広大な面積の国々や、細々と小さく仕切られた国々が、全部で54あるが、当惑したのは、筆者の知識と比べて、国境や国名が、かなり変化してきていることで、以前、地図に出ていた名称が、何時の間にか、変わってしまっている!
アフリカには、欧州列強の植民地として支配され、地域紛争も絡んだ中で、そこから独立してきた歴史がある訳で、勢い、歴史を調べる必要も出てきたようで、こちらは容易ではない。
ともあれ、アフリカの現状からスタートすることとし、先ず、地理的な状況を見てみたい。
◇地理的状況
地理的な状況は、時間が経過しても、変化しない訳だが、アフリカ大陸の通常の地図は、国境線が入った、下図のようなものだ。(ネット画像より)
アフリカ大陸は、世界全体の陸地の22%をも占めている。
・スエズ地峡でユーラシア大陸と繋がっていて、地中海、大西洋(ギニア湾)、インド洋、紅海に囲まれていて、ヨーロッパとの間には、ジブラルタル海峡がある。
アフリカ大陸周辺の島嶼には、インド洋上の、日本全体の約1.6倍も広いマダガスカル島(間は、モザンビーク海峡)は別格として、コモロ諸島 セイシェル諸島 モーリシャス諸島など、多くの島々がある。
・大陸全体としては、平らな台地状の地形が多く、これらは、地学的には、楯状地、卓状地とよぶようだが、これらについては、まだ、把握してはいない。(地体構造-新期・古期造山帯,安定陸塊(楯状地・卓状地))
その地形の上が、熱帯雨林や、高原(エチオピア高原等)や、砂漠(サハラ砂漠、ヌビア砂漠、カラハリ砂漠等)、草原(マサイ草原等)、盆地(コンゴ盆地等)、平野(ナイルデルタ等)などとなっているのだろうか。
・山脈としては、日本からすれば極めて少なく、生成時期が新しいとされる、北端地中海沿岸のアトラス山脈と、生成時期が古いとされる、南端に近いドラケンスバーグ山脈があるだけだ。他に、独立峰的に、赤道近くのキリマンジャロ山(アフリカ最高峰 5895m)や、サハラ砂漠の中のところどころ等に、高山がある。
・水系では、世界最長のナイル川(白ナイル、青ナイル)、流域面積が広いコンゴ川、ニジエール川、ザンベジ川などがある。
湖としては、大陸最大のビクトリア湖(ナイルの源流)、タンガニーカ湖、マラウイ湖、チャド湖(水量が激減)等がある。
◇大地溝帯
・アフリカ大陸の、地質学的な特徴としては、巨大な地割れである、地溝帯(Rift Valley)が存在する事だろう。下図に赤線で示す、東北部のエチオピア高原から、ビクトリア湖の東側を経て、タンガニーカ湖、マラウイ湖を通り、ザンビアに達する、長大な東リフトバレーがあり、エチオピアの反対側は、紅海を通って死海にまで達するという。
一方、ビクトリア湖の西側を通り、マラウイ湖からザンベジ川流域に達する西リフトバレーがある。(図のように、海側は、ニアサ・リフトバレーと呼ぶこともある)
(ネット画像より)
・地溝帯沿いには火山も多く、温泉などもあるようだ。地溝帯に属する、エチオピア北部のエルタ・アレ火山には、地下のマグマが、恒常的に地表に表れている溶岩湖があるようで、TVで観た事もある。(アフリカ大地溝帯を歩く(エチオピア) - 西遊旅行の添乗員同行ツアー(130号) )
・地溝帯は、地球内部のマグマが、地表を押し上げる結果、地割れが生じて形成されるようだが、年間4cm程度づつ、地割れ広がっているそうな。計算するまでもなく、100年で400cm=4mも広がることとなり、このままだと、数10万~数百万年後には、アフリカの東部が、南北に分断されるという。地球は動いている、という実感だ(地球のダイナミズム)
◇ アフリカの気候
・世界各地の気候は、通常、下図のケッペンの気候区分で表示される。(ネット画像より)
この気候区分では、植生に着目し、気温と降雨量によって、
5 気候帯
12 気候区分
に分けられ、気候区分は、さらに、29まで、細分化されている。
・アフリカの気候は、中央を走る赤道との関係などから、特徴的だが、ケッペン気候区分で表示したのが、下図である。(ネット画像より)
アフリカ大陸の気候には、3つの気候帯があり、それぞれが
熱帯気候 3区分、
乾燥帯気候 2区分
温帯気候 4区分
に分かれて、全体で、9に区別できるようだ。(下図、凡例参照)
気候帯 熱帯 乾燥帯 ← 温 帯 → ← 亜 寒 帯 → 寒帯
区分 雨林 砂漠 地中海性 冬期少雨 湿潤 ( 省 略 ) ツンドラ
弱乾季 砂漠 地中海性 冬期少雨 西岸海洋 ( 省 略 ) 氷雪
サバナ ステップ 冬期少雨 西岸海洋 ( 省 略 )
( 省 略 )
太字は、アフリカに存在する区分 ( 省 略 )
・赤道周辺には、コンゴ盆地とコンゴ川流域に熱帯雨林があり、その周囲の、ギニア湾周辺や、モザンビーク東海岸に、サバナが広がっている。
・熱帯気候地帯の北部には、世界最大の、広大なサハラ砂漠がある。また、東部のソマリア半島周辺や、南部の西海岸にも、砂漠地帯がある。砂漠の周囲には、ステップ気候帯が広がっている。
・南回帰線よりも低緯度なのだが、アフリカ南部のザンビアなどに、温帯性気候の地域があるが、湿潤な日本と違って、冬期は、雨が少ないようだ。
又、狭い地域ながら、地中海に面しているモロッコ北部は、地中海性気候に属し、南端のドラケンズバーグ山脈の南には、西海洋性気候の地域もあるようだ。
・マダガスカル島には、上記の地域が混在しているようだ。
アフリカ全体としては、台地状の陸地を、広大な砂漠と、熱帯雨林とサバナ、ステップが大半を占めていて、居住や耕作に適した温暖な地域は、ごく、限られていると言えるだろう。
ナイル川に支えられて、古代文明が栄えたエジプトも、カイロを含め、全体が砂漠地帯である、というのは、やや驚きである。