2016年4月8日(金) ウクライナ大統領の来日
ソチ冬季オリンピックの前後に、世界の大きな話題となったウクライナだが、そのウクライナのポロシェンコ大統領が、目下来日中のようで、6日の安部総理との首脳会談の様子が、ニュースで伝えられた。
筆者にとっては、ウクライナ大統領の訪日は、やや突然のニュースであるが、日本が、今年の伊勢志摩G7サミットの議長国であることで、根回しに来られたようだ。
日ウ 首脳会談 (ネット画像より)
ウクライナ問題については、下記のように、当ブログでも取り上げて来たところだ。
ウクライナ情勢の行方 1 (2014/5/17)
ウクライナ情勢の行方 2 (2014/5/20)
ウクライナ情勢の行方 3 (2014/5/30)
ウクライナで民間航空機が撃墜 (2014/7/19)
◇その後、ウクライナを巡っては、ロシアの一方的なクリミア領有に反発した西側諸国は、2014年にソチで開催予定だったG8サミットを中止し、ロシアをメンバーから外して、元のG7の形で、ベルギーで開催しており、各国で、温度差はあるものの、ロシアに対して経済制裁を行うこととしている。
ウクライナの東部地域で、政府軍と反政府勢力との間での戦闘が続いたが、これを収束させるべく、2014年9月に、隣国ベラルーシのミンスクに、仏、独、ロ、ウクライナの首脳が集まって協議し、2015の2月15日から停戦するという、ミンスク合意が出来ている。 (ミンスク合意 | ロシアNOW など) この合意が、どの位守られているかがポイントだが、実状は定かではない。
ポロシェンコ大統領との首脳会談で安部総理は、G7議長国として、ウクライナ情勢についてG7での議論をリードしていきたいと述べ、ウクライナによるミンスク合意の完全履行と国内改革の加速が重要だと伝えたようだ。
日本としては、ウクライナの国内改革を支援するため、約2000億円の経済支援を着実に実施すると表明している。
対して、同大統領は、重火器の撤去や軍の撤退、憲法改正や地方選挙など、ミンスク合意に述べられている事を実行しており、今後は、積極的に改革努力を行っていくと応じたようだ。
両首脳は、当然の事だが、ロシアによるクリミア半島の編入については、「力による現状変更は容認できない」との立場を再確認している。(日ウクライナ首脳 東部紛争などで意見交換(日本テレビ系(NNN)) - Yahoo!ニュース など)
今や、国際関連の主要な懸案は、ウクライナ問題から、テロとIS(Islamic State)の問題等に移っているだろうか。
特に、テロでは、多数の犠牲者が出ている、昨年9月に起きたパリ連続テロ事件と、この3月のブリュッセルテロ事件だ。このテロ対策が、今回のG7サミットでの、主要議題の一つであろう。 国内的には、サミットが無事終了するまでの、テロへの万全の警戒も至上命題である。
又、中東やアフリカでの紛争が原因とも言われる、ヨーロッパへの大量の難民・移民の流入は、人道上の深刻な問題である。
◇世界には、政治的・経済的な結びつき(会議)だけでも、各種あるが、主なものは、
G7 :2016年(#42回)は日本で開催
G20 :2016年(#11回)は中国で開催
BRICS:2016年(# 8回)はインドで開催
だろうか。これらのメンバーとなっている国名は、下図左だ。
又、G7、G20のGDP(国内総生産)、人口が、世界に占める割合を示したものが、下図右である。
(南アは、現在は、BRICSとして、正式メンバー)
今後は、欧米に偏っているG7よりも、地勢的にもバランスしていて、GDPや人口でも捕捉率が極めて高いG20が、主要な会議となっていくと言えるだろ。(G20のメンバー国とシェア:『見直し屋七兵衛』の世界標準の資産形成術)
これらの最近の会合の様子を、下図に引用している。(ネット画像より)
G7会議 2015年6月 ドイツ(エルマウ)
G20会議 2015年11月 トルコ(アンタルヤ)
BRICS会議 2015年7月 ロシア(ウハ)
世界は、多極化の方向にあり、課題・問題を抱えている国や地域も多く、それぞれが、自らの進むべき方向を模索している、と言えるだろうか。
国連は勿論のことだが、上述の、G7、G20、BRICSがリーダーシップを発揮して、世界の平和と安定と発展が図られることを、切に望みたいところだ。