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御嶽山の噴火  6   その他の火山

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2014年11月6日(木)  御嶽山の噴火 6   その他の火山  

 

 

 御嶽山の噴火に関連したシリーズとして、これまで投稿してきた、富士山、阿蘇山に続いて、本稿は、その他の印象に残った火山についての体験談である。

 

 

○浅間山

 浅間山は、これまで、旅行の途中などで、何度か眺めた事はあるが、登った事はない。

少し前だが、仲間数人とのドライブ旅行で、浅間山麓の知人の別荘に一泊し、翌日、「鬼押し出し園」を見て廻った。

  

                               浅間山の噴煙と鬼押し出し(ネット画像) 

溶岩が固まって出来た、黒々とした無数の巨岩、奇岩による異様な光景が印象深い。

 その後、草原に出て、浅間山の山頂から立ち上る噴煙を眺めながら、昼食で食べた「お(●)に(●)ぎり」は格別であった。

 

 鬼押し出しは、言う迄もなく、天明3年(1783年)の大噴火の時に、北側の広大な範囲に流れ出た溶岩流の跡だ。

周辺一帯では、火砕流、溶岩流、噴石、泥流などによる死者が1151人と、大変な被害があったようで、死体が川に流れていたり、江戸にも火山灰が降下したという。(気象庁 | 浅間山 有史以降の火山活動、 浅間山 - Wikipedia) 

鬼押し出しというユニークな表現の由来だが、“浅間山中に住んでいる鬼が、火口で暴れて岩を押し出した”、との言い伝えがあるようだ。 

 

 この旅行の暫く後に、浅間山でかなり大きな噴火があり、周辺に火山灰が積もったようで、ラッキーだったと、ほっと胸を撫で下ろした次第。 

 

 浅間山といえば、何故か思い起こすのは、島崎藤村の、「千曲川旅情の歌」の一節だ。

初めて、この詩に接したのは、高校生の頃の、国語 現代文の授業である。

 

    小諸なる 古城のほとり 雲白く 遊子悲しむ

    緑なす はこべは萌えず 若草も 藉(し)くによしなし

    ーーーーー略ーーーーーーーーー

 

    暮行けば浅(●)間(●)も見えず 歌哀し 佐久の草笛 

    ーーーーー略ーーーーーーーーー

 

 詩の内容については、当時は、よく理解できない所もあったが、抒情的な情景描写と、見事な5―7調が、すっかり気に入り、最後まで、諳んじたもので、今でも殆どOKである。

この詩では夕暮れ時で見えなかった浅間山だが、やはり、煙を出していたのだろうか。 

 

 

○桜島

 鹿児島の桜島は、民謡「鹿児島おはら節」で、

      ♪花は霧島 たばこは国分

       燃えて上がるは オハラハー 桜島

と歌われているように、古来から、噴煙を出す火山として、良く知られている。


 以前、鹿児島に行った折りに、煙を出す桜島を初めて見たが、鹿児島市内では、火山灰が降ってくるのは、日常的な出来事で、通常のゴミとは別に、火山灰を分別し指定の場所に出すことになっていたのには、驚かされたが、現在もそうなのだろうか。

 地元では、桜島の噴火と火山灰は、生活の一部として定着していると言う事だろう。

 数年前のNHK大河ドラマ「篤姫」の中で、主人公が、時折、故郷のシンボルである桜島を遠望する光景が出て来るのが、今も印象に残っている。 あれは、以前案内された、城山公園からの眺めだろうか。  

   

    鹿児島市と桜島の噴煙(ネット画像)

 

 地域の人の案内で、対岸の大隅半島にまわり、大きな岩の間の道を通って桜島まで渡って、林扶美子の文学碑を見たりした。碑には、

              “花のいのちは短くて、苦しきことのみ多かりき”

という、作者が色紙などに好んで書いたという言葉が刻まれていて、以前愛読した「放浪記」が思い出された。

 

 桜島は、大古の昔は、やはり、海を隔てた島だったが、大きな噴火が何度かあって島が次第に大きくなり、終に、比較的新しい、100年前の1914年(大正3年)の噴火で流れ出た溶岩で、大隅半島と陸続きになったようだ。この噴火で58名もの死者が出たという。  

     

         錦江湾北部の姶良カルデラと桜島(ネット画像)

 

 専門家に拠れば、2万5千年も前に、南九州で火山が大噴火し、マグマや火山灰を噴出するとともに、一帯が陥没して、姶良(あいら)カルデラというものが出来たという。 その陥没地域に海水が流入し、現在の錦江湾奥(鹿児島湾奥))になったと言われ、桜島は、このカルデラの南端に出来た火山という。何と、スケールの大きい理論だろうか。

 海になっているので、阿蘇カルデラのようには目視出来ず、外輪山もはっきりしないが、姶良カルデラは、 上図にあるように、直径約20kmの円形で、両者は、ほぼ匹敵する規模だろうか。(姶良カルデラ - Wikipedia 桜島 - Wikipedia

 

 

○その他の火山

◇その他の活動中の活火山でこれまで体験した主な山は以下である。

・昭和新山・硫黄山(北海道) 

 昭和30年代後半の学生時代だが、北海道一周旅行で、洞爺湖近くの、昭和18年に出来たという昭和新山や、弟子屈の、噴煙が立ち 上る、硫黄山を廻った。

 また、定かな記憶ではないが、勇駒別温泉から大雪山に登った時に、山腹に噴煙が出ていたかもしれない。

・三原山(伊豆大島)  

 昭和30年代末ころ、知人と夜行の連絡船で大島へ渡り、上まで登って、噴煙の出ている火口を覗き込んだ。当時は、身投げの場所としても有名であった。

 こんな所に良く飛びこめるものだと、怖れをなす一方、決心して飛び込めば、後には何も残らない不思議さも感じたものだ。

・那須茶臼岳(栃木)

 少し前になるが、知人たちと那須茶臼岳に登った時に、熱い噴煙の出ている登山道を、恐る恐る通った記憶がある。

 

◇一方、活動中ではない火山で体験したのは、以下の様な山である。

・蔵王山(山形、宮城) 

 蔵王山は、出身地山形で、毎日のように遠望していた山で、登ったり蔵王温泉に泊まったりした回数は数えきれず、コマクサ等の高山植物は良く知られている。

 主峰の熊野岳には、大きな火口のお釜があり、そこのエメラルドグリーン色の水が素晴らしい。 

 先月後半、山形市の蔵王温泉に1泊する、高校時代の同期生による、喜寿祝いの集まりがあり、参加した。 現地では、御嶽山の噴火騒動の余波で、登山者向けのヘルメットの整備等が、ニュースになっていた。 

・磐梯山(福島)

 東日本大震災後、友人達と、裏磐梯から会津の方へ出るドライブ旅行をした。山容が大きく変化する、山体崩壊と言われる明治21年(1888年)の大噴火の時の様子や、その時に出来た、幾つかのせき止め湖などを見て回った。

死者が477名という、明治新政府にとっては、大変な災害だったようだ。  (磐梯山 - Wikipedia

・草津白根山(群馬)

 ゆっくり登って眺めた広々とした御釜の風景が、素晴らしかった。    

 

 

○ジオパーク(Geopark)

 先の阿蘇山の記事でふれたジオパークだが、地質学的な生きた教材で、地球に親しみ学ぶ自然公園として、現在国内には、36か所のジオパークがあるようだ。その中の7か所が、世界ジオパークにも、認定されているという。

これらの中で、火山が関係しているものを見て見ると、世界ジオパークに登録されている場所は、

     洞爺湖有珠山、島原半島、阿蘇

の3か所である。

 一方、火山の関連で、国内ジオパークに登録されているのは、上記に加えた、

     桜島・錦江湾、伊豆大島、磐梯山、箱根、霧島

の地域である。(以上 日本ジオパークネットワーク を参照)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


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