2013年6月30日(日) 統一球問題で第三者委員会
日本プロ野球機構(NPB)が、プロ野球で使用する統一球の規格を、今季から変更していた事を隠蔽していた問題が明るみに出たことで、かなりの話題となり、当ブログでも
イ プロ野球のルール変更 BSO (2013/6/18)
ロ プロ野球のルール変更 規格とデータ (2013/6/19)
ハ プロ野球のルール変更 組織の運営 (2013/6/20)
と、野球を愛するファンの一人として、集中的に取り上げた所だ。
直近の記事 ハで触れているが、今回の問題(事件)を調査し、提言を行うための「第三者委員会」を設けることとなり、その委員の人選が行われた。 そして、この28日に、第1回の会合が開催されたようだ。(【統一球変更隠し】第三者委員会第1回会合 9月末めどに報告書 - MSN産経ニュース)
委員会のメンバーは以下と言う。(各委員の経歴は未調査)
委員長 那須弘平 氏 弁護士
委員 佐々木善三 氏 弁護士
米 正剛 氏 弁護士
アドバイザー 桑田真澄 氏 元巨人軍・MLB 投手
委員会のスケジュールは、当初は、7月一杯に結論を得る予定としたが、時間的余裕をみて(或いは時間稼ぎ?)、9月末にしたようだ。 週1回のペースで会合を開くと言う。
委員会として、報告書を作成する過程で、球界関係者に対して、どのような調査権限を持ち、出来上がった報告者が、どの様に扱われることになるのかは、はっきりしていないのだが、那須委員長のコメントでは、
“一番重視する点は、12球団はもとより、選手、ファンを重要な利害関係者であると考え、すべての方々に納得していただける報告書 を作るつもり”
とあるようで、球団とともに、選手、ファンを忘れた(無視した)、NPBの今回のやり方は変えなければならない、と言う、強い意気込みと言えるだろうか。
でも、今回の問題をそんなに重大な事態とは捉えず、形だけの委員会となって、現体制を温存させる可能性は十分にある。
そもそも、今回の問題で、委員会で解明されるべき点は、
・NPBがボールの規格変更を隠していた理由と、
・加藤コミッショナーが隠蔽に関与していたのかどうか、
の2点だけでいいのだ、とも言われる。これらに関して、前稿で述べたように、隠蔽した理由は良く理解できない一方、現コミッショナーの姿勢は、自己保身まる見えである。
第三者とは言っても、実態は、NPBの手の平の上で踊っているだけ、なのだから、その下で運営される委員会の提言に対して期待するのは、土台、無理というものだろう。
でも、唯一の期待の星である桑田氏の
“いろいろな角度から調査する。組織に対して臆することなく、自分の意見を貫いていきたい”
と言う言葉に期待したい。MLBで、2軍に落ちながらも頑張り続け、日本のリーグに戻ってこなかった桑田選手の生きざまには、敬意を表しているところだ。
この委員会で、日本におけるプロ野球界に関して、突っ込んだ調査分析と問題提起がなされ、今後の進むべき方向について、コミッショナー制、組織運営の在り方、体質の問題等も含めて、抜本的な改善策が提案される可能性も、僅かながらある、と信じたい。
今回の問題を巡って、委員会の前日の27日には、日本プロ野球選手会が加藤コミッショナーの事実上の退任を要求する要望書を提出しているようで、球界トップは、その適性を否定された形となっている。
又、マスコミやネットでは、色んな論評がなされているが、以下の様なラディカルな意見も多いようだ。(加藤コミッショナーの退場でプロ野球が大きく発展する?という話(石渡 進介)) いずれにしても、期待過剰にならずに、活動状況を見守っていくこととしたい。