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虐待とハラスメント  続続き

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2019年8月8日(木)  虐待とハラスメント  続続き 

 

 

この春に、千葉県野田市で起こった児童虐待事件をきっかけに、児童相談所(児相)の在り方が大きな話題となり、当ブログでも

 

 ・虐待とハラスメント 1   (2019/3/2)

 ・虐待とハラスメント 続き  (2019/4/22)

 と、投稿してきたところだ。  

その後は、筆者としては、諸事に紛れて取り上げてはいないのだが、最近では、改正児童虐待防止法が成立し、野田市での事件の裁判も行われている。 また、この6月、国連の組織であるILO総会で、職場での暴力とパワハラを禁止する条約が採択されている。

 本稿では、これらの話題を、取り上げることとしたい。

 

 ◎南青山での児相建設問題

  昨年の暮れ頃だが、南青山で起った、児相建設計画に対する地元住民の反対運動は、強く印象に残っている。そして、野田市での事件によって児相が一層注目されることとなった。

 

◇区毎の児相

 2016年に、児童福祉法が改正された。質的には、「子供目線への転換」という、大きな変化があったのだが、その中の一つとして、特別区の23区でも、区ごとに児相を持てることとなった。

「児童福祉法」が大幅に改正…子どもの虐待を予防するために何が変わった?

 東京23区については、児相の現状は、以下のように、複数の区をまたがって受け持つ施設になっていて、場所としては7か所、センターとしては9か所に分かれている。  

  ・児童相談センター     ・練馬区 他

  (都家庭児童センター内)  ・渋谷区 文京区 台東区 豊島区 他

                ・新宿区 中央区 港区 千代田区 他

  ・北児童相談所        北区 荒川区 板橋区

  ・品川児童相談        品川区 目黒区 大田区

  ・杉並児童相談        杉並区 中野区 他

  ・江東児童相談所       墨田区 江東区 江戸川区

  ・足立児童相談        足立区 葛飾区

  ・世田谷児童相談所      世田谷 他

    都全体としては、他に、児相が4か所ある(八王子、立川、小平、多摩)。

 この中で、港区が、単独で施設を建設しようとして、住民運動が起こったわけだ。

 

 ◇南青山での住民運動に対しては、賛否を巡って、色んな意見が出ている。一般的に、公的施設の建設は、住民の理解が得られることが多いのだが、ごみ処理施設の建設等では、反対運動も多いことだ。

 児相ができると、自分たちの素晴らしい住環境が悪くなるので、迷惑施設だ、と捉えて建設反対を唱える人たちもいる。 一方で、児相は、地域や社会には必要な施設だということから、反対者を批判する意見もある訳だ。

ややこしい言い方になるが、このように反対派を批判することの危うさを指摘した以下の意見は、詳細は略すが、筆者には傾聴に値するものだ。(「南青山の児相反対派」をボコボコに叩く、そんな風潮がよくない理由)

また、下記のサイトも、立派な知見と思われる。

  ( 『ルポ 児童相談所』著者が語った南青山問題の本質。「23区全てにあるべき」  BUSINESS INSIDER JAPAN)

 

  子と親の関係を、二元論的に単純化すると、以下のようなパターンとなる。

   ・子供はだれのものか、(親のもの/社会のもの)

   ・子供を守り育てる責任は誰が負うのか、(親・家庭/社会・行政)

 日本社会には、子供は親のもので、守り育てる責任は親にある、という、二元論的な伝統的な社会通念があり、内と外を明確に区別するのが美徳、という考えがあるように思える。 社会通念や価値観がやや固定的で、周囲のお世話にはならず、お世話もしないとして、多様性を容認したがらない、と言えるようだ。

 このため、非行を行う子供の親は、周囲の支援が少ない中で、生涯それで苦しむことが多くなる。問題を、社会的にも捉える、ということができにくいのだ。 

 実際には、親と子が実際に生活し子供が育つている地域社会があり、自助、公助、に加えて、共助の概念もある。問題が起こる原因として、社会的な背景を考える視点や、社会的な支援を得て暮らしていく視点が必要と言えるだろうか。

 

◇野田市の事件は、南青山の地域住民の意識にも変化を齎したようで、反対運動も沈静化した様だ。この状況を受けて、住民説明会も開催され、2019年3月、南青山を所管する港区議会で、児相建設が決議されたようだ。

 国から取得した一等地に、6.6億円の工事費を投じて、通常の児相の他、母子家庭の支援施設なども入る、「子ども家庭総合支援センター」が建設される予定だ。 この8月に着工し、2021年4月に開設となっている。

東京新聞南青山の児相着工へ 港区議会で予算案可決社会(TOKYO Web) (2).url

前稿で触れた、足元の足立区での児相建て替え工事も、進んでいるようだ。

◇児相等を、問題児が集まる収容所と捉えるのでなく、子育ての疑問や悩み事を相談に行くと、支援し、解決してくれる組織・窓口にしよう、との動きがある。前稿と同様、山脇由貴子氏のサイトから、下図を再度引用させていただく。図で、通報する人は、周囲の人だけでなく、悩みを抱える当人も含まれるのは勿論のことだ。

     

  最終目標として、図の左下に、「家族再統合」とあり、元の家族に戻ることとなる。又、右下に「社会的養護」とあり、子供は児童養護施設、里親などのもとで生活することとなる。

 日本は、制度的にはアメリカなどと同じだが、子供を受け入れる、里親の数や比率が圧倒的に少ないようだ。

  

◎改正児童虐待防止法の成立

 野田市の事件を含め、このところ、家庭内暴力(DV)等が多発していることから、児童の生命を守ることが急務として、児童虐待防止法の改正が急がれ、与野党協調で取り組みがなされたようで、この6月に、改正児童虐待防止法が成立し、来年4月から施行されることとなっている。

 この中で、親や施設関係者が、しつけとして「体罰」を加えることを禁止することを明文化したことが大きな前進と言われる。一方、児相関係者の、家庭への介入も強化され、全体としての人的体制の強化と、関係機関の連携強化がはかられるようだ。

改正児童虐待防止法が成立 体罰禁止が柱

 

 この8月1日、厚労省から、昨年度の児相への相談件数(速報値)が公表されたが、過去最高件数になっているという。

 内訳は、心理的虐待(面前DVなども)が55%を占め、身体的虐待が25%、ネグレクト(育児放棄)は18%、性的虐待は1%とのことだ。

相談件数の増加は、関係機関の連携と情報共有が進み、社会的な関心が高まったことが理由、と分析しているようで、単純に虐待が増加したとは見ていないようだ。

 一方、対応件数の増加で、児童福司士などの専門職が足りず、争奪戦になっているという。(読売新聞 2019年8月2日朝刊 より)

 

◎野田事件の裁判

 野田事件で、傷害幇助罪に問われた母親に関する裁判が行われ、2019年6月26日、千葉地裁判決が下ったようだ。

懲役2年6か月(検察の求刑は2年)で、3年の執行猶予つきである。判決の後、裁判長は最後に母親を説諭したという報道がなされた。「社会で反省の日々を」 心愛さん母、裁判長の言葉に涙:朝日新聞デジタル.url

DVの張本人である夫の裁判は、今後行われるようだが、日取りは未定という。

 

 今回の裁判に関して、識者の一人である、武蔵大学の千田有紀教授は、関連するサイトで、以下のように述べており、そのまま引用させていただく。(赤下線は筆者)

求刑を上回る判決の根拠は? 野田、心愛ちゃん虐待死事件判決の謎(千田有紀) - 個人

    

 千田教授は、今回の裁判では、夫の家庭内暴力(DV)の下での母親に対する状況認識、夫と子供の中間にある母親に対する理解が全く不十分と言っていて、唯一の解決策は、子供を連れて逃げることだった、と痛烈に批判している! 筆者には、このような判決が出る遠因は、敢えて言えば、男性中心の社会の価値観の問題だと思われることだ。 

 

◎ILO条約

 この6月、国連のILO総会で、職場での暴力やハラスメントを禁止する条約が採択されている。日本も賛成している。

前々項にあるが、日本国内で、この5月に改正児童虐待防止法が成立したのと同じタイミングでの条約の採択である。

ILO総会でハラスメント禁止条約が採択され、初の国際ルールが成立 ただしLGBT保護は盛り込まれず)

日本の批准までには、国内法の整備など、紆余曲折があるだろうか。

 

 アメリカの映画界での事件をきっかけにして、女優に対する映画監督のパワハラが大きな話題となり、全世界的に、#Me Too運動、が盛り上がったことがある。これについては、下記記事で触れている。

  虐待とハラスメント  1  (2019/3/2) 

#Me Too運動のその後はどうなっているのだろうか。 運動自体は収まっているようだが、アメリカのある調査では、パワハラ、セクハラと見られることを怖れて、職場で、女性社員との関わりを避けるようになっている男性が多くなっている、とのデータがあるようだ。(MeToo運動で、男性が女性を避けるようになった。  ハフポスト

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

    


フランスのこと  その3

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       2019年8月16日(金)  フランスのこと  その3

 

 

 先だって、本ブログに、以下の記事

   ・フランスのこと  その1 (2019/7/8)

   ・フランスのこと  その2 (2019/7/29) 

を投稿し、その1では、フランスの国土の形や、地理について触れ、その2では、フランスでの地域行政組織や、海外領土等について取り上げている。

 本稿は、これらの続編であり、冒頭で、G7サミットに触れている。続いて、フランスの交通インフラ全般と、個々の、高速道路、鉄道、航空路、運河について述べている。

 

◎G7サミット

 今月末の8/24(土)~8/26(月)の3日間、フランス南西部のベアリッツで、先進国首脳会議(G7)が開催される予定で、在日のフランス大使館の下記サイトによれば、サミットに先立って、関係閣僚会議が、この4月から7月までの間、8回に亘って、フランス各地で開催されているようだ。 閣僚会議の中には、日本ではあまり聞き慣れない、ジェンダー平等大臣、G7社会雇用大臣の名前を冠したものもある。(G7議長国フランス - La France au Japon.url

 上記の日本のフランス大使館のサイト情報によれば、今回のG7サミットは、「不平等との闘い」を中心テーマとして、

・ジェンダーなどの運命の不平等と闘うこと

・地球を守りながら環境の不平等を削減すること

・公正で公平な貿易・租税・開発政策を推進すること

・社会基盤を揺るがす脅威・テロと戦うこと

・デジタルやAIによる好機を人間中心に活用すること

の5つがテーマという。(要約は筆者)

 地球環境問題については、4年前の2015年のCOP21で、歴史的なパリ協定を成立させ、存在を示したフランスだが、その後のアメリカの協定脱退などがあり、また、中国やロシアの動きなど、世界情勢が見通せないことから、今回のテーマの一つではあるが、2020年からのパリ協定の本実施に向けて、かなり土台が揺らいでいるようにみえる。

 この6月には、大阪で、G20サミットが開催されたばかりだが、世界の首脳たちの、慌ただしい動きが続いている。

 数年前、クリミア問題で、G7からロシアが締め出されたり、中国の存在が大きくなるなど、G7の存在意義がかなり薄れている。今回は、イギリスの首相が、メイ首相から、ジョンソン首相に交代したばかりだが、10月期限のイギリスのEU離脱問題を抱えていること、EUのリーダー的存在だったドイツのメルケル首相が、2021年の任期で引退することが決まっていて、ご自身は健康問題を抱えていること、昨年6月に連立で発足したイタリアのコンテ首相の政権が、連立崩壊の危機にあるとのニュースがあるなど、G7は、元気が出ない状況だろうか。 

 G7もG20も、このところの首脳会議は、新たな方向を打ち出すというよりも、意見の違いを確認する場のようにも見える。

 G7サミットの会場となる、フランスのベアリッツは、筆者は知らなかったロケーションだが、スペイン国境に程近い、大西洋ビスケー湾に面した保養地(人口2万程)で、バイヨンヌ(人口4.4万)の近郊にあるようだ。次項にあるフランス鉄道網の図には、バイヨンヌが出ている。

 ◎ フランスの交通インフラ 

 交通機関が、移動手段として、どの程度利用されているかを表す尺度として、旅客については、旅客数と移動距離を掛けて算出する、人キロベースという単位があり、貨物については、トンキロベースという単位がある。

 このデータから、フランスと日本について、交通機関ごとの利用比率を求めたものが、以下である。

 

     フランス(2005年)    日本(2005年)  

     旅客     貨物    旅客     貨物 

乗用車  82.8%  71.1% 59.9%   4.0%

バス    5.0%         6.2%

 

鉄道   10.1%  16.3% 27.7%  58.7%

航空    2.0%   0.7%  5.9%   0.2%

海運    ー            0.3%  37.1%                 

パイプ          8,4%

    表で、旅客輸送の自動車(乗用車、バス)は、貨物輸送では、トラックになる。

 

 フランスと日本と比較した場合、旅客では、フランスでは、道路利用の比率がかなり高く、鉄道依存度は低いようだ。一方、日本では、航空の比率が高いが、これは、国土の形か細長いこともあるだろうか。

貨物については、フランスでは自動車の比率が高く、日本では鉄道の比重が大である。

又、フランスでは、貨物輸送でのパイプラインの比率がかなり大きいのが目につくが、下図のように、フランスをはじめ、EUの域内では、北海のガス田から、パイプラインが蜘蛛の巣状に敷設されているのには、改めて驚かされたことだ。パイプラインは、道路と同じような公共施設と言えようか。

(以上は、主要5カ国の主要交通統計 国土交通省 2009より 引用)

   

           EU域内に敷設されたパイプライン網

 

ここで、輸送機関別のエネルギー消費量という尺度を観てみる。1995年の日本のデータでは、以下のようだ。

          エネルギー消費量原単位(*) 指数(鉄道を100)

鉄道        117.5           100

自動車(営業用)  696.0           592

   (自家用) 2298.4          1956

内航海運      125.8           107

航空(国内線)  57O3.5          4853

*kcal/トンkm

言うまでもなく、自家用自動車利用では、利便性が得られる反面、エネルギーの無駄がある訳だ。一方、航空利用では、エネルギー消費量に見合った高い料金を払って、時間を買っていることとなる。

 

 ◇ 高速道路 

 下図は、フランスの高速道路網だが、世界でも、アメリカ、カナダ、ドイツに次いで、高速道路が整備されており、モータリゼーションが進んでいると言われる。

最近、政府所有の、高速道路会社の株式の売却が完了したようで、これら売却を受けた3社と、純粋民間の1社の4社が、図のように地域を分けて運営しているようだ。 

・ASF  南フランス高速道路会社       青

・APRR パリ・ライン・ローヌ高速道路会社  薄茶

・SNEF 北・東フランス高速道路会社     緑

・Coliroute コリルート株式会社    茶

               (世界の有料道路 主要国の現状Ⅱ を参照)

                  

       フランスの高速道路網

 

◇鉄道

 下図は、ネットから引用したフランスの鉄道網で、パリを中心に、放射状に展開している。

      

 以前の稿で参照した鉄道網図にはなかった、バイヨンヌが入っていて、G7会場となるビアリッツは、バイヨンヌの近郊となる(図 左下〇印)。

又、観光地として超有名な、モン・サン・ミッシェルも入っているのは嬉しい(図 左上 〇印)。

 

 

パリからの所要時間でみると、本土内は、5時間程度でカバーできるようだ。

5時間以内なら、鉄道を利用するよう行政が勧奨していると聞いたことがある。鉄道を利用すれば、自動車や航空機と比べた場合、CO2 排出量が、圧倒的に少なく、環境負荷が減るためだ。

旅客輸送に関し、鉄道を1とした場合の、単位輸送量当たりのCO2 排出量(平成17年度データ)は、日本のデータだが、以下のようだ。(国交省:交通白書 より) 

 

  鉄道      19    1

  バス      51    2.64  ≒2.7倍

  航空機    111    5.84  ≒約6倍 

  自家用乗用車 173    9.1   ≒約9倍

 

 

◇ 航空路

フランスでは、国内だけでなく、外国との往来に、空路が利用されることも多く、以下の図に示すような空港が整備されている。(図は、ネットより)

      

  パリには、天下のシャルルドゴール空港があり、空港規模は、欧州全体で見て、ロンドンのヒースロー空港に次いで2位である。パリには、他に、国内中心のオルリー空港があり、下述のように、旅客数では、フランス1、2位だ。 

旅客数の多い順(2009年データ)で見ると、10位までは以下のようだ。(フランスの空港 - 旅行のとも、ZenTech.url

 1 パリ・シャルル・ドゴール空港

 2 パリ・オルリー空港(図にはない)

 3 ニース・コート・ダジュール空港

 4 リヨン・サン・・テグジュベリ空港

 5 マルセイユ・プロヴァンス空港

 6 トゥールーズ・ブラニャック空港

 7 ベール・ミュールーズ空港(図のユーロエアポート ベールはバーゼルのこと) 

 8 ボルドー・メリニャック空港

 9 ナント・アトランティック空港 

 10  ボーヴェ・チル空港(パリ北東 俗にパリ第3の空港 図にはない)

 

◆ユニークなユーロエアポート

図にあるユーロエアポートは、フランスのミュールーズにある空港だが、近隣のスイスのバーゼル、近郊のドイツのフライブルクの3都市に跨って運営されているユニークな空港のようだ。

IATAの空港コードは、フランス国内線はミュールーズ(MLH)、スイス国内線はバーゼル(BSL)、国際線はユーロエアポート(EAP)のようで、3つの空港コードが付与されているのは珍しい。

 

◇ 運河   

  本格的な海港を利用する大型客船や、貨物運搬船は現代も健在だが、往時は、フランス北・東部などで、ローカルな運河が多数作られたようだ。

  17世紀、国家プロジェクトとして、大西洋のビスケー湾の、ガロンヌ川の河口から、ボルドーを経て、トゥルーズ、ベジェを通り、地中海のセートを結ぶ「ミディ運河」が、14年もの歳月をかけて建設されたという(下図)。これにより、悲願であった大西洋と地中海が水路で結ばれ、鉄道が開設されるまで活躍したようだ。ミディ運河は、手持ちのフランスの地図にも出ているが、1996年、世界文化遺産として登録されている。

         

            ミディ運河

 

◎ 飛び恥 

 先月7/21の、NHKの朝の番組で、ヨーロッパで広がっている、「飛び恥」(flygskam)運動が紹介され、聞きなれない言葉もあって、印象に残った。

 ”旅行は、航空機でなく鉄道で”ということで、スエーデンの少女トゥーンベリさんが、言い始めたスローガンで、エコを指向する流れの仲で、欧州では、彼女は、大変な人気という。でも、冒頭に述べたように、世界的には、環境問題への取組みは、やや、心許ない状況だろうか。

 語源の「flygskam」だが、直感的に、flyから、

    fly+gskam

と分解し、ネットで見つけた、スエーデン語の翻訳サービスを使って調べてみると、

   fly   英:fly?   →エスケープ

   gskam 英:shame? →グカム?

となり、特に、後半がうまく行かない。

 然らばと、区切りを変えて、

   flyg+skam

でやってみると、なんと、以下のように翻訳され、全体としても解る意味合いになった!

   flyg →飛行

   skam →詐欺

   flygskam →空気の恥(恥ずかしい雰囲気?)

「飛び恥」は直訳的だが、「恥の文化」を自認する我が国では、急所を突いた訳語だろうか。

 

 番組では、航空機は、鉄道に比べて、CO2 排出量が20倍とあった。

でも、本稿で調べたところでは、前項にあるように、CO2 排出量では約6倍で、エネルギー消費量では、約49倍となり、番組と数字が違い過ぎるのだがーー。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

天皇陵が世界遺産に   3

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  2019年9月8日(日) 天皇陵が世界遺産に その3

 

 

 この7月6日に、日本の古墳群が世界遺産に登録されたことを受けて、当ブログでは

 

      天皇陵が世界遺産に  その1  (2019/7/15)

    天皇陵が世界遺産に  その2  (2019/7/22) 

 

を投稿し、その1では、日本の世界遺産への登録状況と、世界全体でみた場合、登録国が欧州地域に偏在している、等について触れている。その2では, 今回登録された遺産の、具体的な構成資産と、古墳時代の天皇の系図と各古墳との対応等について述べている。

 

その後、暫く時間が経過したが、本稿は、これらの続編であり、前半で、世界の三大陵墓について扱っている。そして後半では、今回の最も重要な遺産である、仁徳天皇陵(大仙陵)について具体的に取り上げている。

 

  本稿をもって、一連の世界遺産シリーズを、締めくくることとしたい。

 

 

◎世界三大陵墓の比較

  世界三大□□は数多くあるが、その中に、「世界三大陵墓」というのがあるようだ(日本が言い出した?)(世界三大一覧 - Wikipedia.url。)堺市のHPに、三大陵墓の大きさ比較で、下の図と、数値が載っている。(世界三大墳墓の大きさ比較 堺市.url

 

 

陵 墓 名       高さ   全長   体積     世界遺産登録年

クフ王のピラミッド  146m 230m 260万㎥  1979  

                            ピラミッド群で登録

秦の始皇帝陵        76    350    300万㎥  1987  

                            関連施設の兵馬俑坑も

仁徳天皇陵      35.8 486  140万㎥    2019

                           赤字は三つの中での最高値

 

 いずれも、当時の支配者の絶大な権力を象徴しているが、各々についての関連情報を以

下に示す。

 

◇クフ王のピラミッド 

        所在地 エジプト カイロ市近郊(ギザ地域)

        呼称  世界三大ピラミッドの中で最大。

              建造 BC2550年頃

            近くに、カフラー王のピラミッド(クフ王よりやや低い)、

            メンカウラー王のピラミッド(さらにかなり低い)がある。

            ピラミッドの呼称は、形が似ているギリシャのパンから。 

        形状  四角錐(2等辺三角形)の真正ピラミッド

            他地域には、形状の異なる階段ピラミッド、屈折ピラミッドも

            ある。

        その他 内部・外部の学術調査を何度も実施(γ線による内部調査も)               

                                ツタンカーメン王の陵墓の発掘(黄金の、棺とマスクの発見)

            世界七不思議の中で、唯一現存

      

◇秦の始皇帝陵 所在地 中国 峡西省西安市 西安の北東30kmの驪山

        建造  BC500頃 

        構造  地下宮殿(170m x 145m)があるが、未調査。 

             

  始皇帝陵の副葬品とされる兵馬俑坑

        始皇帝陵から1.5km程東方の場所   

        1974年(45年前)住民が井戸掘りで、偶然に発見

               (文献にはあったが場所は謎だった。)       

        発掘作業  1、2、3号坑  広がり2万㎡ 

               等身大(180cm程)の武士俑8000体 陶馬600体 等 

        発掘することで、俑の彩色が退化することから発掘作業を抑制                   

                  →広大な未発掘地域があるようだ!                       

                 

◇仁徳天皇陵  所在地 日本 大阪府堺市大仙町 

        建造  AD400頃

        詳細  次項

 

                

◎ 仁徳天皇陵

◇構造

 陵墓本体の周りには、濠(ほり)と堤(つつみ)が多重に巡らされていて、陵墓本体ー内濠ー中堤ー中濠ー外堤ー外濠となっている。(濠と堤の呼称は筆者が便宜的に付与)

 その外側に、約2.8kmの周回路がある。(皇居の一周は5km弱)

 方角は、ほぼ、北向きになっていて、西側が海に面している。(下図はネットより) 

  

 この前方後円墳は、陵墓が鬱蒼とした森で覆われているが、地表面の空中調査等では、北側の円墳が頂上部(35.8m)で、そこから、南側の方墳に向けて坂状に緩やかに下がっているようだ。地表では、神事が行われたという。

 下図は、森林を除いた前方後円墳の構造を、CG画面で表したものだ。(後述のNHKサイトから引用)

  

 前方後円墳の方墳側(写真右)が正面になっていて、正面入口の奥に拝所があり、内濠越しに陵墓を拝める。円墳の中央部に陵墓の石棺があると言われる。

 

◇陵墓の周遊

 下図は、下記のサイトで見つけた、仁徳天皇陵の案内図である。

    (世界遺産に登録!堺市の仁徳天皇陵古墳を一周しよう!  大阪府  LINEトラベル

 正面の拝所は図の右側の赤紫色の●印になり、周遊路は、茶色の●●●で示されている。

    

     案内図                                  案内図の下方の「現在地」にある案内板

  ネットのこのサイトの記事では、JR阪和線の百舌鳥駅を出てから、収塚古墳(図にはない。図右上の欄外)から始まって、時計回りに周回した時の状況についての記述がある。詳細は略すが、主な経由地点は以下だ。(*は図に表示)

 →収塚(おさめづか)古墳からスタート。

 ・正面 拝所*

 ・銅亀山古墳*

 ・大阪女子大学舎跡(→ガイダンス施設建設予定地)
 ・樋(ひ)の谷*  以下の説明と写真は、ネットの記事からの引用。

 樋の谷の排水遺構 

❛さらに北へ歩を進めると、濠の水を調整して排水する施設があり「樋の谷」と呼ばれています。こ

 こは古墳造成以前から天然の開析谷があった場所で、古墳がつくられる際は、海側の低地への排水

 のための場所であったと考えられます。西側(海側)に排水するため、南北に長い古墳がつくられ

 たとする説もあり、百舌鳥古墳群形成の謎を解くための貴重な遺構です。❜

 

  ・丸保山古墳*

 ・茶山古墳(中堤に)*

 ・大安寺山古墳(中堤に)*

 ・源右衛門山古墳*

 ・塚廻(つかまわり)古墳

 →スタートの収塚古墳に戻る。 

◇謎に迫る

・5月25日(土)のNHK番組 「ブラたもり」で、世界遺産登録が確定していた仁徳天皇陵について紹介された。その中で、建造当時の、赤茶色の壮大な仁徳天皇陵が、CG画像で示され、それが大阪湾にある船の上から見えた、と報道されたことが、強く印象に残っている。上述した、陵墓の西側の海側に面している「樋の谷」を通して、大阪湾まで、濠の水の排水作業も行われたと思われる。

・世界遺産登録後の7月18日(木)に放映された、NHKクローズアップ現代+ の番組では、かなり突っ込んだ情報や幾つかの疑問点が伝えられた。被葬者は? 石棺は1個だけでなく、方墳側や坂の途中にも、2、あるいは3個目がある?、という説もあるようだ。地域住民との入会地の関係などもある。明治の初期には、陵墓内の調査が行われ、石棺の所在は確かめられたようだ。でもそれ以降、陵墓内部の調査は行われておらず、周辺の濠や堤の調査も部分的なようで、出土品も限られているため、疑問点は明確にはなっていないようだ。

  さらには、仁徳天皇の在位期間と、陵墓の建造時期とにかなりの開きがあり、被葬者が仁徳天皇という治定(宮内庁の判断)にも、疑問が残るという説すらあるという。 

最近の調査では、内濠には、長年の間に、濠の水面下に、2mものヘドロが蓄積していると言われるが、そんなに濠を深くした理由は何だろうか? 古くなるほど真実は分からなくなるが、太古のロマンとして楽しむべきかもしれない。

(以上 新発見続々!世界文化遺産 古墳ミステリー - NHK クローズアップ現代+  などより) 

 

◇今後に向けて

 クフ王のピラミッドなどには、あの高さまで巨石を積み上げるのは、現代の技術でも謎と言われるほどの凄さがある。世界の七不思議と言われる所以だ。

 又、秦の始皇帝陵墓そのものは、びっくりするほどではないが(陵墓の地下には。未調査の地下空間もあるようだが)、副葬品である兵馬俑は、数が膨大であるだけでなく、等身大で個々の表情が多様な事は、驚異的であり、未発掘地域も残っているという。

 これに対し、大仙陵は、地表面積では超巨大だが、信じられないような事項は見つかってはいない。

 上述のように、多くの疑問がある中、陵墓の今後の発掘への期待は大きい訳だが、令和の現在まで、連綿と続いてきた天皇家の墓地だけに、学術調査であっても、発掘は憚られ、難しいのではないか。

イコモスの評価(2018/5)では、古墳時代の埋葬の伝統と社会政治構造を明らかにし、日本の支配体制の成立過程を示すものとして、顕著な普遍的価値があるとされたようだ。古墳時代から飛鳥時代にかけて、大和朝廷の権威が確立していく事となる。 

  上記のような、被葬者が誰か、何人か、などで、今後、結果が変わったとしても、世界遺産としての価値は変わらないだろうと思われる。

むしろ、イコモスが懸念しているように、長年守ってきた折角の文化遺産が、観光事業圧力や、都市の開発圧力、自然災害等で、これ以上消失することがないように、維持保全していくことが強く求められている。

 

「余談」 仁徳天皇陵の思い出

 かなり前のことになるが、筆者が、NTTの現役の頃だが、実家が堺市という職場の同僚がいて、一緒に大阪へ出張した時に、仁徳天皇陵を案内してもらったことがある。殆ど記憶はないのだが、拝所に行き、しばらく周遊路を歩いたろうか。

 その日の夜は、彼の家に泊めてもらったのだが、夜中に珍しい騒動が起こったのである! 深夜、玄関のドア付近でごそごそ物音がして、家族が目を覚ましたようだ。鍵穴にいくつかの傷跡があったものの、幸いにも、ドアは開けられずに済んだのだが、翌朝、肝を冷やしたこの話で、もちきりとなったことだ。

残念ながら、最近は、彼との音信はないが、忘れられない思い出ではある。

 

 

 

 

 

 

 

ローマカトリック教皇の来日 

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2019年12月14日(土)  ローマカトリック教皇の来日

 

 

◎ 概況

 ローマカトリック教会の最高指導者である、フランシスコ教皇が、11月下旬に来日し、精力的に滞在日程をこなして、疾風のごとく、バチカンに戻られた。

 

◇来日のスケジュールは、以下のようだ。(ローマ教皇フランシスコの来日日程、バチカンが詳細を発表  を参照)

 

 23日(土)

 移動 タイ バンコク ⇒ 日本 東京(羽田)

 歓迎式 (羽田空港) 

 司教との集い(ローマ教皇庁大使館 千代田区) 

 

24日(日)

 移動:羽田 ⇒ 長崎

 ●核兵器に関するメッセージ(長崎爆心地公園)

 日本二十六聖人殉教者への表敬(西坂公園)

 ミサ(長崎県営野球場)

 移動:長崎 ⇒ 広島

 ●平和のための集い(広島平和記念公園)

 移動:広島 ⇒ 羽田

 

25日(月)

 東日本大震災被災者との集い(ベルサール半蔵門)

 天皇との会見(皇居)

 青年との集い

 教皇随行団とともに昼食

 ●ミサ(東京ドーム)

 首相との会談

 ●要人及び外交団との集い

 

26日(火)

 イエスズ会員とのミサ・朝食、司祭訪問

 上智大学訪問 教皇の講話

 別れの式(羽田)

 移動:日本 東京(羽田)⇒ ローマ(フイミチーノ  愛称 レオナルドダビンチ空港) 

 

◇ローマカトリック教会の最高指導者の訪日

 ローマカトリック教会の最高指導者である、ヨハネパウロ2世が、1981年に訪日したのが最初で、この時は、58歳と若く、長崎 広島 東京と訪問し、天皇 首相とも会見するなど、大変なフィーバーだったようだ。

 今回の最高指導者の訪日は2回目で、38年ぶりとなるが、フランシスコ教皇は、82歳と高齢であるが、ほぼ前回と同じように、各地を訪問し、多くの人たちと交流している。

 日本での呼称だが、前回の訪日を機に、カトリック関係者では、教皇に統一することに決めたようだが、マスコミ等には周知されなかったことから、一般には、ローマ法王と呼ばれた。

今回、訪日直前の11/20になって、外務省から、呼称を教皇にすると公表され、関係者の呼称に合わせたという、尤もな理由のようだが、テレビを見ていて驚いたことだ。(大鷹外務報道官会見記録 | 外務省.url)

 

  今回の訪日のテーマとロゴは、わざわざ作成されたようだ。(ローマ教皇の来日テーマ  POPE IN JAPAN 2019.url  より引用)

 

    

  

 PROTECT ALL LIFE  「すべてのいのちを守るため」  Tは十字架

 

  緑の炎    自然豊かな日本列島

  赤い炎    礎となった殉教者

  青い炎    全人類を抱く聖母マリア      

  赤い円    すべての命を包み込む太陽

 

POPE FRANSIS IN JAPAN  23-26 NOVEMBER 2019

 

  

◎主なスピーチ

 主なスピーチ(前記日程中の●印)の要旨は以下のようだ。(ローマ教皇 日本で語ったことばから見えたもの  NHKニュース.url を参照)

言語は、教皇の出身地アルゼンチンのスペイン語と思われるが、ミサや質疑応答では、ラテン語やイタリア語や英語もあっただろうか。  

 

◇長崎と広島訪問は、原爆や核兵器の廃絶が大きなテーマである

「この場所は、私たち人間が、ドレだけひどい苦痛や悲しみをもたらすかを深く認識させる」と核兵器の非人道性を非難している。

「核兵器や大量破壊兵器をもつことは、平和や安定につながらずむしろ妨げになる」と述べ、核兵器のない世界の実現に向けて、一致団結して取り組むことをよびかけた。

広島では、「戦争のために原子力を使うことは、犯罪以外の何物でもない」と、核兵器の使用は倫理に反すると強調している。

長崎では、有名な写真「焼き場に立つ少年」に、「戦争がもたらすもの」というメッセージを添えて関係者に配布し、この写真を撮った従軍カメラマンの息子に会っているようだ。

 

長崎は、教皇にとって、原爆が投下された地域であるとともに、キリスト教徒の街という印象も強いようだ。

爆心地に近く、被災して崩壊したカトリック大浦天主堂(大正時代に建造、東洋一の規模とも)は、被災遺産とすることなく取り壊され,今は、立派に建て替えられているという。敷地内には、前回のヨハネパウロ2世の訪問を記念して、教皇の銅像が建立されているようだ。

一方、離れていたために殆ど被災しなかったカトリック浦上天主堂は、この6月の世界遺産委員会で、他の、多くの構成資産とともに、世界文化遺産に登録されている。禁教政策を取った徳川幕府の、厳しい迫害に耐えながらも、信仰を守った信者たちの行動が評価されている。市内にある二十六聖人の表敬は、その表れであろうか。

余談になるが、教会の呼称が、方や「大浦」、方や「浦上」と、何とも紛らわしいことではある。 

 

◇東京では、被災者との集いや、若者の悩みを聞く集いに参加し、弱者に寄り添っている。

いじめ問題についても発言しており、日本のように高度に発展している社会でも、孤立している人も少なくないと聞いたとも述べて、思想信条を超えて、人と人のととも対話を促している。

総理との会見後の、各国大使を前にしたスピーチでは、広島長崎の破壊が、二度と繰り返されないための仲介役を要請している。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

イギリスの総選挙とEU離脱

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   2019年12月21日(土) イギリスの総選挙とEU離脱

 

 

 イギリスのEU離脱問題(Brexit)に関しては、当ブログでは

 

   Brexit  1~4 (2016/7/2、7/9、7/13、10/10)

           その後、その後続 (2019/1/16、2/1)

 

と取り上げてきたところだが、このところのイギリス議会とEU間の混迷ぶりから、関心も薄くなっていたところだ。

 それが、イギリスで、先日の12月12日に、総選挙が実施され、政権を担う保守党が快勝する結果となり、迷走を続けたイギリスの今後の方向が、少し、見えてきたようだ。

 

◎ イギリスの議会

 イギリスは、世界の民主主義の手本と言われている。

まず、イギリスの議会の構成について、改めて調べてみた。(イギリスの議会 - Wikipedia.url )

 

貴族院 House of Lords (上院相当)

 定員 798名  非公選  任期は不定

    構成員

     ・聖職上院議員  聖職者

     ・世俗上院議員  連合王国貴族(首相の承認要)・一般貴族

 議決 下院に対し非優先 下院で否決された法案は上程されない

 党派 非公選で選ばれること等から、よく分らないことが多いが、いくつかの政党

    の党派に分かれているようだ。 

 

庶民院  House of Commons (下院相当)

 定員 650名 公選 単純小選挙区制のみ(日本のような、複数定員区・比例代 

    表は無)

    議員の任期は5年⇒自動的に総選挙

 議決 下院優先を法定(上院で否決されても、下院の可決が優先)

 内閣 首相は、下院議員から選ぶ議員内閣制

 解散 下院は、不信任案可決か、2/3以上の賛成で解散

    (日本流の首相の解散権はない)

 

 

◎ 総選挙実施まで

 7月に、メイ首相から保守党政権を引き継いだ、ジョンソン首相は、EUとの10月 

末の交渉期限を前に、議会に対して、解散動議など、矢継ぎ早に繰り出したものの成功 

しなかったが、EUと交渉して、期限を、2020年1月末まで延ばすことに成功。

 ここで、時間を稼いだ政権は、2/3でなく、過半数の賛成でよい解散法案(不信任

と同じ?)を提出した。(本来の解散条件との違いが、いまいち、不明だが)

3年半という、長引いた混迷状態に終止符を打ち、解散して民意を問う必要があると 

の判断が、与・野党に多かったのだろうか、10月29日の議会で、11月6日に下

院を解散し、総選挙を12月12日に実施するという法案が、賛成438、反対20で

可決されたようだ。最大野党の労働党が、賛成に回ったことが大きいという。

英下院、12月12日の解散総選挙を可決  ブレグジットこう着打破へ - BBCニュース.url

 

 

◎2019総選挙の状況(2019年イギリス総選挙 - Wikipedia.url

 

 投票日 2019/12/12 即日開票

 有権者(18歳以上) 4580万人

 投票率 67.3%  前回より▽1.6p 

 

 党派別得票状況  過半数326議席

             現有議席  獲 得 議 席

                   予想   結果(現有差)  得票率

  保守党(CON)   298   368  365 +67  43.6%

  労働党(LAB)   244   191  203 -41  32.2%

スコットランド国民党(SNP)  48    55   48 +13   3.9%

  自由民主党(LD)   10    13   11 -10  11.6%

 

(予想は 英総選挙 BBC出口調査 保守党368議席 労働党191議席  NHKニュース.url

 

 国政選挙での出口調査は、日本では周知のことだが、イギリスでの今回の総選挙で

も登場した。むしろ、日本が、これを真似たのであろうか。

議席の予想数と結果とを比べた、平均的中率は以下のようだ。

                 予想数/結果        差

  保守党           365/368= 99.2   3

  労働党           191/203= 94.1  12

  スコットランド国民党        55/48 =114.6   7 

  自由民主党          13/11 =118.2   2

投票締め切りと同時に発表された出口調査結果は、議会全体の構成の変化の見通し等に使われるようだ。的中率は、全体の平均値であり、小選挙区での個々人の当落とは全く別である。

 

 保守党の選挙スローガン ❛GET BREXIT DONE❜で、GETとDONEの使い方が、さすがで、❛BREXITを成し遂げる❜という意味だろう。

   

 

 

     選挙戦で演説するジョンソン保守党党首

 

「余談」 当確情報

  日本では、NHK等が競い合うように出している当確情報だが、筆者は、常々、疑問を持っている。

選管が、仕事として、徹夜で、開票作業をやっている状況下なのに、たかが数時間早めて予測しているだけで、筆者には、失礼極まりない行為で、無駄な作業としか思えない。

開票状況と選管の判断を、速報で伝えることは、マスコミの重要な役目で、これに徹するだけでいい。

NHK等では、当確情報を出す以上は、出口調査を含め、真剣に情報の収集と分析を行っているだろう。でも、予測の精度を、ただ競い合っているだけに見える。

開票結果が出るまでに数日や数週間がかかるならいざ知らずである。

  いっそのこと、当確情報も、天気予報や競馬新聞のように、有料で提供する方が、まともかも知れず、選挙事務所など、必要な向きは、金を払って買えばいいのだ。

イギリスでも、出口調査等をもとに、当選確実を出しているのだろうか。また、その場合、予測と結果が異なった事例は、これまでないのだろうか。また、日本では、外れた事例はないのだろうか。

 

 

◎ EU離脱に向けて

  離脱に関する、イギリスとEU間の交渉期限は、2020年1月末となっている。そ 

れまでの間に、イギリスは国内の条件を整え、EU当局と交渉しなければならない。最  

大でも、2年間の猶予期間があるようだが、ジョンソン首相は、延長はしないと明言し

ている。

 関連する法案が準備され、議会での審議が始まったようだが、果たしてどうなるか、

世界が注目している。

地球環境問題とCOP25

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    2020年1月16日(木)  地球環境問題とCOP25

 

 

 内外の大ニュースが多かった昨年だが、新たに迎えた2020年は、年初から、ゴーン被告の逃亡や、アメリカのイラン攻撃など、大ニュースである。

  筆者にとって関心のある地球環境問題だが、昨年12月に開催されたCOP25で、一時注目されたものの、急速に、影が薄くなっている。

 

 COP25は周知のように、国連気候変動枠組み条約(United Nations Framework on Climate Change:UNFCC)に関する第25回締約国会議(Convention:COP 25)のことである。

 

◇ UNFCCの歴史とパリ協定 

 UNFCCは、1992年に、ブラジルのリオデジャネイロで開催された国連の会議で採択された国際条約で、1994年に発効し、日本も含めた197ヶ国が加入している。

 以降、この条約に基づいて活動が行われ、COPが開催されて来ているが、1997年のCOP3(京都で開催)で採択された京都議定書(Kyoto Protocol)が、温室効果ガスの削減目標が入った、国際的に拘束力のある、初めての合意になっている。

 

 この議定書だが、当初はよかったものの、先進国中心だったこともあって、次第に各国の足並みが乱れ、形だけのものとなってしまっている。

 京都議定書の不備を反省し、先進国だけでなく発展途上国も含めた、全員参加型の合意を得るべく取り組まれた。

 その結果、2015年末にパリで開催されたCOP21で採択されたのが、画期的なパリ協定(Paris Agreement)であり、翌2016年に、発効している。

 これに関して、当ブログに、以下の記事を投稿している。

   ①地球温暖化防止対策ーCOP21 (2015/12/29)

   ②パリ協定が発効         (2016/11/06) 

 

 パリ協定については、上記記事にあるので詳細は略すが、地球全体の温度上昇を、21世紀末で、産業革命当時に比して、2℃以下(目標1.5℃)にするという壮大な理想を掲げ、数年の準備期間を経て、オリンピックイヤーの今年・2020年から行動に移す、というロードマップになっている。

 

 パリ協定成立後、毎年開催されたCOPは、以下である。

  COP22  2016年 モロッコ  マラケシュ

  COP23  2017年 ドイツ   ボン    (議長国 フィジー)

    この関連で、以下の記事をブログに投稿している

     ③COP23  (2017/11/23)

  COP24  2018年 ポーランド カトヴィッツエ

  COP25  2019年 スペイン  マドリード (議長国 チリ)

  COP26は、今年の11月に、イギリスのグラスゴーで開催される予定だ。

   上記で、事情があって、開催国と議長国が異なった場合を、( )で示している。   

 これまでの経過の中で、中国に次いで排出量が世界第2位のアメリカが、トランプ大統領に変わって、2017年に、条約から脱退するとの意向を表明し、2019年暮れに、正式に離脱手続きが完了している。(③の記事でも触れている)

 

◇ COP25

 昨年の12月2日から13日まで、スペインのマドリードで開催されたCOP25では、2020年からのスタートに必要な合意を得るべく努力がなされ、期日を2日延長して、何とか、形だけは合意にこぎつけたようだ。 

   

          COP25風景 (ネット画像より)

が、今回採択された合意書では、原文は見ていないが、各国がそれぞれに努力することが謳われただけで、見直した新たな目標値は出されておらず、取引ルールについても先送りとなったようだ。

 パリ協定の採択時は、主導的に動いた中国だが、今回はどのようなスタンスだったのか、よく見えなかった。(かなり後退したとの報道もあった。)

 日本からは小泉環境相が出席し、意見表明はしたものの具体的な中味がなく、不名誉な化石賞*を、2回も受賞した。

 *石炭など化石燃料を多用していることへの批判と、取り組み姿勢が化石のように古いことへの強烈な風刺が込められた賞

 

◇ IPCC

 国連では、地球の温暖化に関して、科学的に調査研究する専門家集団が組織されていて、政府間パネル(Intergovernmental Panel on Climate Change)と呼ばれている。

 IPCCは、2014年11月に第5次統合報告書(AR5)を公表しているが、その後、AR6のサイクルが進行中で、2021年から活動結果が公表され、2022年に第6次統合報告書(AR6)が公表される予定だ。

それまで待ってはおれないということで、以下のように、3件の特別報告書が公表されている。(環境省_気候変動に関する政府間パネル(IPCC)第6次評価報告書(AR6)等について.url

◎1.5℃特別報告書(2018/10)

            (Global Warning of 1.5℃)

◎土地関係特別報告書(2019/8)

            (Climate Change and Land)

◎海洋・雪氷圏特別報告書(2019/9)

          (Ocean and Cryosphere 

               in a Changing Climate)

これらによれば、地球上の温暖化は、確実に進行しているようだ。

 

 パリ協定では、2100年時点での地球上の平均気温の増加を、産業革命時に比して、2℃としているが、IPCC報告では、この数値で進んだ場合と、1.5℃に抑えた場合を比較して、1.5℃に抑える必要性を強調しているようだ。

 

          2℃の場合     1.5℃の場合

海水面上昇               左より10cm低くなる

北極海の夏季の氷  10年に1度    1世紀に1度

サンゴ礁      70-90%減少  事実上全滅(99%超が死滅)

 北極海では、近年、氷の融解が進み、氷上のシロクマの生存が危ぶまれている。

 島嶼国等では、海水面の上昇で、年々、陸地が浸食されている深刻な事態のようだ。 

 地球温暖化との因果関係は、やや、はっきりしていないものの、世界各地で、砂漠化が進み、旱魃が起っているようだ。

また、

      アメリカ西部(カリフォルニア州)

      オーストラリア東部(ニューサウスウェールズ州 等)

で発生ている、大規模な森林火災は深刻である。人間社会の営みへの打撃に加え、野生生物への影響も懸念されている。

 前者は、幸いに、昨年11月に鎮火したようだが、後者は、現在も進行中のようで、北海道(7.8万㎢)よりも広い面積(10万㎢)が、消失したと言われる。

モリソン首相率いる政府の、指導力と責任が問われていて、支持率が急落しているという。 

 

 IPCCが公表した、特別報告書が切っ掛けとなって、国連気候行動サミット (UN Climate Action Summit 2019)が、国連本部で、昨年の9月23日に開催され、グテーレス事務総長が、各国政府代表を前に熱弁を振るい地球環境問題への積極的な関与を要請している。でも、各国の具体的な行動には結びついてはいないようだ。

 最近、世界の若者たちは、地球環境の未来に強い関心と懸念を示し、サミット会場周辺や世界各地でデモをやったり、スエーデンの少女活動家 トゥーンべリさんは、飛行機を使わずにヨットでマドリード入りしてCOP25に参加するなどしている。

 

◇ 日本のエネルギー事情

 東日本大震災を契機に、日本では、電力需要全体の可なりの部分を占めていた原発が、全面的に停止した。 震災後は、太陽光や風力を利用した自然エネルギーへの転換もすすめているものの、石炭火力を大幅に増やさざるを得ないエネルギー事情にある。最近の電力構成は下図のようだ。(【エネルギー】日本の発電力の供給量割合[2018年版](火力・水力・原子力・風力・地熱・太陽光等)  Sustainable Japan.url より)

 上図では、分りにくいのだが、2011年の大震災による原発事故で、それまでは、エネルギーの1/4ほども占めていた原発が、全面的に停止したことで、石炭とLNGが大幅に増えていて、これらは、言うまでもなく、温室効果ガスを出す化石燃料である。新エネルギーは数%程度と小さく、再稼働した原発からの供給量は微々たるもので、脱炭素への道のりは程遠い。

 

◇ 地球の未来

 宇宙全体でも、地球は、生命が存在する、数少ない天体の一つと言われるが、未来の地球での生命の存続に繋がる環境問題を、どう解決していくかは、極めて重要な課題だ。

 社会の産業活動や生活レベルの向上に伴い生起する問題の中で、プラスチックごみやPM2.5などの、公害問題は、因果関係が、かなりはっきりしていることから、解決していく必要があり、これまでも、多くの公害問題を解決してきている。

 

 一方、地球の温暖化問題は、影響を受ける被害者側の実態は具体的なのに、加害者側がやや不明確であり、責任の所在もはっきりしない。一方、発展途上国等から見れば、産業の振興や、生活の向上を図りたいといった要求もある。

 こんな中で、パリ協定採択時に掲げられた理想の実現に向かって、必死に取り組む事が考えられるのだが、国連気候行動サミットのように、笛吹けど踊らず(踊れず 日本など)というのも、各国の、偽らざる腹の内だろうか。

 

 これに対して、③に述べたように、やや諦めムードになるが、温暖化の進行は、人類が生きていくための必要悪・業(ごう)と考えて、受け入れていく姿勢もあるだろうか。

日本で言えば、多発する台風などの異常気象災害への対処法や、採れる魚群の変化や降雪量の変化に対処していく工夫、などだろうか。

 

 いずれにしても、絶滅危惧種とならないために、人類が、己自身をどれだけコントロールできるか、にかかっているようだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

Brexitの実行

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   2020年1月31日(金) Brexit実行へ

 

 

 イギリスのEU離脱問題(Brexit)に関しては、当ブログで取り上げた以下の記事、

 

   Brexit 1~4 (2016/7/2、7/9、7/13、10/10)

   Brexit その後、その後続 (2019/1/16、2/1)

 

に示すように、2016年の国民投票で、離脱賛成が多数を占めて以降、保守党のメイ首相が苦闘し、国内の意見がまとまらぬ混迷が続き、昨年6月、辞任する結果となった。

 その後昨年7月、保守党党首がジョンソン氏に交代して首相に就任し、瞬く間に、EU離脱期限が10月31日だったのを、EUと交渉して、今年の1月末まで延長することに成功、稼ぎ出した時間内に総選挙が行われるという、マジックを実現したのである。

 保守党の選挙スローガンは、❛GET BREXIT DONE❜で、「BREXITを成し遂げる」という意味だ。

 

 総選挙の結果については、当ブログで、久々に、Brexitについて取り上げ、   

   

   イギリスの総選挙とEU離脱 (2019/12/21)

 

で触れたように、政権を担う保守党が快勝する結果となり、良し悪しはともかくとして、迷走を続けたイギリスの今後の方向が見えてきて、イギリスのEU離脱が、実行段階に入ることとなった。 

 今回の記事は、上記の続編で、最近のイギリス情勢を取り上げている。

 

 

◎ EU離脱に向けてのタイムスケジュール

 離脱に関するタイムリミットは、前述のように、本日2020年1月末となっている。

離脱に関する関係法案が、イギリス議会下院に上程され、この1月10日に可決され、引き続いて、上院で審議・修正可決され、1月23日にエリザベス女王の裁可によって、イギリスのEU離脱に関する基本法が成立するという、スピード振りである。

引き続き、1月23日にEU議会の憲法問題委員会で、審議採決され、賛成23反対3棄権0で承認されたようだ。

そして最終的には、一昨日1月29日のEU議会の本会議の採決で

    賛成 621

    反対  49

で可決され、イギリスのEU離脱が正式に承認されたようだ。

 EU(旧EC)の長い歴史の中で、イギリスが加盟したのが、1973年で、以来、今回の離脱まで、47年にも及ぶ長~い付き合いである。

 議決の後、名残を惜しむ各国の代表たちは、スコットランドの民謡である離別の唄(蛍の光)を、憐れみの気持も込めて合唱したという。(EU議会 イギリスの離脱協定案承認 31日に離脱へ  NHKニュース.url )

      

                  EU議場内で蛍の光を合唱

 73名もいるイギリス代表議員たちは、ブラッセルにあるEU議会の事務所を引き払う準備に余念がない様子も報道されていた。

 

可決承認された合意文書は、見ていないが、マスコミ報道から推測される主要次項は以下のようだ。

 

離脱日時

 GMT(イギリス:グリニッチ標準時) 1月31日 23:00

     UTC 0 

 CET(EU:EU中央標準時) 1月31日 24:00(2月1日 0:00)

     UTC-1

 JST(日本:日本標準時)   2月1日   8:00

     UTC-8

  UTC:協定世界時 Universal Time、Coordinated

 

移行期間

 上記の離脱日時以降から始まる、2020年12月31日までの移行期間内は、イギリスーEU間は、これまでの条件が適用される。この移行期間内に、貿易協定などの移行条件を具体化することとなる。 

 EU側は、混乱を回避するため、移行期間の延長を提案したようだが、イギリスの政権側は、今年末の11か月で良い、としたようだ。通常の貿易交渉などでは数年かかることから、考えられない短期間である。果たして交渉はまとまるだろうか。

 

交渉事項 

 モノの移動

  EU域外となるイギリスと、EUとの間の貿易のルール(FTA)を、新たに定める必要がある。

 EUと域外とのFTAにはいろんなケースがあるようだ。

  欧州地域で未加入のスエーデン方式のFTAや、北米カナダとの間のFTAや、アジアの日本との間で2018年に締結したFTAもある。(下図)     

             

                                                         FTA合意で握手

                      ユンケル委員長*  安部総理   トウスク大統領**

                             *現在 フォンデアライエン氏     **現在 ミシェル氏

   

   イギリス側は、カナダ+++(カナダ方式に幾つかの条項を付加+)を希望しているが、EU側は、カナダ並みを主張しているようだ。

 

 人の移動

  イギリスは、域外となり、自由な移動が制限される。

      

 通貨

  イギリスの通過は、ユーロから、元のポンドに戻る。

 

 その他

 

 

北アイルランドーアイルランド間の国境問題

  イングランドからアイルランドが独立する時に、北アイルランドが、イギリスの一部として残ったが、以来、これを巡って根深い闘争が絶えず、今回のEU離脱でも、この国境問題はきわどい問題だ。

  厳格な出入国チェックや税関業務は、双方とも、行いたくないのが本音だろうが、かといって、この国境が抜け道になって、不公正や、いいとこどりが行われるのは、防がなければならない。

 野球等で、

  バックストップ(backstop) 

という用語が使われていて、ボールが場外に出ていかないようにする防護ネットのことで、日本ではバックネットともいわれる。

 この用語を、Brexitでは、イギリスーEU間での交渉が、期限内にまとまらない時のための安全策を指すようだ。意味するところは、交渉が纏まるまで、現行の関税ルールを継続する案という。

 この案は、EU側からみれば、最悪、合意なき離脱となっても、イギリスが関税同盟に留まることになり、支障はない。

 一方、イギリス側から見れば、アイリッシュ海を境にして、北アイルランドがイギリス本国から離れ、アイルランドに併合されるような方向になる。

EUの運営には口出しはできなくなる中で、関税同盟の縛りで自国の自由な貿易が制限されることから、なんとしても避けたい事態といえる。

 

 イギリスが、EU離脱で、往時の大英帝国時代のパワーが戻ってくる方向になるのか、それとも、じり貧の道に進む方向なのか、いずれにしても、今年末までの交渉劇が見ものだ。

 一方、Brexitが実行されると、各国内にある、反EUの動きが活発になる懸念もあり、注目したい。

 

 多様化、分断化、自国化が世界の趨勢の中で、統合化を目指すEUは、ユニークな動きと言われる。

 加盟各国の議会、政府、司法、税制や軍・警察はそのまま残しながら、経済面では、EUとして、あたかも国家のように関税同盟と統一通貨がある。

でも、屋上屋を重ねるように、欧州議会があり、欧州政府があり、欧州裁判所がある。何ともややこしい、無駄の多い二重構造にも見える。

 自由な関税同盟の名のもと、力のある国や世界企業が、EU内で支配力を強め、EU加盟国間の経済格差が大きくなっているようにも見える。各国の経済力に見合った分担金(一種の税金)を徴収し、これを弱い国に配分することで、格差の平準化が図られていると言えるのだろうか?

筆者には、どのような共同体を目指すのか、EUの終着駅が、見えないところだ。

 

 

 

 

 

 

  

    

 

 

 

 

新型コロナウイルスの脅威

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    2020年3月9日(月) 新型コロナウイルスの脅威

 

 新型コロナウイルス感染症(COVIDー19)が、あっという間に広まって、国内外を席巻している状況が続いており、TVのニュースは、どのチャンネルも、連日この話題で持ち切りという、異常事態である。抵抗力が少ないと言われる後期高齢者の一人である筆者としても、他人事ではない。

 身近に迫って来ている予期せぬ脅威について、自分なりに、調べて整理してみることとした。

先ず、発端となったクルーズ船と、PCR検査の話題である。

 

〇大型クルーズ船から始まる!

  横浜港から出港し、鹿児島、香港、ベトナム、台湾と寄港し、沖縄経由でまた横浜に戻ってきたクルーズ船「ダイアモンド・プリンセス号」から、我が国のコロナウイルス騒動が始まった。(以下は、現場からの概況:ダイアモンドプリンセス号におけるCOVID-19症例.url 参照)

  客船の巡航途中、香港で下船した乗客から、2月1日、新型コロナウイルスの感染が確認された。客船は2月3日に横浜に戻ってきたが、下船が許可されず、乗客乗員全員の健康診断が実施された結果、2月5日に、症状のある人からウイルス感染が確認された。この日から14日間に亘って検疫が行われ、乗客は、船内に缶詰状態で留め置かれた。

  当時、中国湖北省の武漢市では、大変な数の新型コロナウイルスの感染者が発生していて、日本としては、水際作戦で国内へのウイルスの侵入を防ごうということで、何とか食い止められるのでは、との期待もあった。

 

  客船内の人員は、約3700人(乗客2666人、乗員1056人 計3711人)だが、船内の感染者は増えていき、その都度、国内の病院等に搬送されるとともに、客船内での防護区域の設定・隔離など、病院に準ずるような難しい問題もあり、当事者は大変な状況だったと思われる。

  観察期間経過後は、黄色のバスで搬送され、元気な日本人は自宅へ帰り、外国人は、チャーター機で自国に帰るなどが相次いだ。

  慌ただしく報道された日ごとの状況については、此処では省略する。

 

  この3月1日、厚労省から、客船の全乗客乗員の下船が完了したとの発表があった。(クルーズ船、乗客乗員全員の下船終了 横浜港を出港へ [新型肺炎・コロナウイルス]:朝日新聞デジタル.url

 このクルーズ船は、イギリス船籍で、運行しているのはアメリカのプリンセス・クルーズ社と言われるが(製造は、日本の長崎)、今後は、船内の消毒整備後、移動する予定という。

              ↓搬送用の黄色バス

  

             海側からのダイアモンドプリンセス号(ネットより) 

  一生に一度の楽しみにしている利用者も多いというクルーズ船の船旅だが、世界的なコロナウイルス感染の広がりの中で、現在進行形で地球上を運航中の多くのクルーズ船はどうしているだろうか。

  横浜などで入港を拒否されて、各国でも盥回しに遭った、「ウエステルダム号」は、なんとか、カンボジア南部のシアヌークビル港に2月13日に入港出来たようだ。また、COVIDー19の患者が出ていて、目下、カリフォルニア沖合での停泊を命じられている「グランド・プリンセス号」などの話題もある。

  今回のこれらの騒動で、今後、豪華客船によるクルーズのイメージが変わる心配はないだろうか。以前、家内が、日本郵船のクルーズ船「飛鳥」の乗員(ベビーシッター)として、何度か乗船した経験があるだけに、筆者としては気になるところだ。

 

 〇PCR検査

  幾つかの話題を取り上げる予定だが、まず、PCR検査である。

PCR検査とは、DNAポリメラーゼ連鎖反応を活用して、目的のウイルスに感染しているか否かを判定する検査のことで、筆者は、先月末だったか、国会での総理の答弁の中で初めて聞いた用語なのだが、最近では、TV等でも、普通に聞かれるようになっている。今年の流行語大賞候補の一つになるかもしれない。

 

 受け売りだが、PCRとは以下の頭文字という。

Polimerase Chain Reaction: ポリメラーゼ連鎖反応

  Polimerase 長鎖を合成する酵素の名称

  Chain      連鎖の

  Reaction   反応 

ウイルスの構造は、細菌とは異なり、細胞膜を持たず、核の中に、DNA、RNA遺伝子が螺旋状になっているという。生化学的に、検体となるウイルスの核中の螺旋状の遺伝子を解きほぐして、酵素の触媒作用でDNAを増殖させることで、検出能力を高めて行う検査法という。被験者の粘膜等から採取した少量の検体を、何倍にも増殖させて、その中に病原となるウイルスがいるかどうかを調べる訳だ。

 遺伝子工学や生化学分野の技術として、この方法を編み出した、米国の生化学者 キャリー・マリス氏と、カナダのマイケル・スミス氏に対して、20数年前の1993年、ノーベル化学賞が授与されているようだ。

この方法が見つかって以降、ウイルスや遺伝子分野の研究が大きく前進し、今も、日進月歩と言われ、今回のウイルスだけでなく、ノロウイルスやエイズウイルスの研究など、多方面に使われているようだ

 

 PCR法が編み出される前の、従来の検査法では、1dl中のウイルス数は、500万個も必要だったのが、PCR検査法では、100~1000個あれば良くなったという。検出能力で見ると、500万/1000=5000倍に上がったことから、検査に必要なサンプル数が、大幅に少なくて済むようになったという。(残念ながら、この数値のネットの出典は、行方不明になってしまった!)

 

 現行のPCR検査装置では、判定結果が出るまで、1~数時間かかるという。検査装置は、国産ではなく外国製のようで、値段は300万円程と高価で、この検査装置が設置されている国内の機関は、正確な情報は分からないが、国立感染症研究所と地方の専門機関、大学病院等と、国内では、大都市地域が主で、地方では、ごく限られているようだ。各機関には、勿論、専門の医師や医療スタッフ等が必要なのは言うまでもなく、採取した検体を運搬する手段の問題もある。

 下図のPCR検査装置の写真は、以下のネット記事から引用させてもらったが、記事では、地方である福井県の状況が示されている(現時点で、福井県では、感染者は出ていない)。(新型コロナウイルス検査確定は何時間 遺伝子で感染調べ、終日可能に  社会  福井のニュース  福井新聞ONLINE.url


新型コロナウイルスの脅威  続き

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    2020年3月19日(木) 新型コロナウイルスの脅威 続き

 

 

 国の内外で、新型コロナウイルスの脅威が、増強する傾向で続いている。

前稿では、主に、クルーズ船ダイアモンド・プリンセス号と、PCR検査の話題を取り上げたが、その続きとして、先ず本稿では、国内について、感染の状況と、各方面で進められている、感染の拡大を抑える対策について取り上げることとしたい。

 

〇国内の感染者数の推移

 感染者の状況については、ネットでは、多くのものが見受けられるが、NHKの下記サイトの情報が適格だ。感染者数の累計値と1日毎の発表数が切り替えて表示されるが、今後の蔓延の方向を占うには、後者が有効で、最新のデータ(3/16まで)を、以下に引用したい。(WEB特集 新型コロナウイルス関連 特設サイト・特集 リンク一覧  NHKニュース.url )

 

これまででは、 3/6に大きくなったが、その後は、

   3/6  56

   3/7  44

   3/8  33

   3/9  28

と下降だったので、ピークは過ぎたかと淡い期待を抱いたのだが、図にあるように、

   3/10 59

とピークを更新し、以降、以下のように、

   3/11 53

          3/12 56

         3/13  35

と、やや安定したが、

   3/14 63

と、再び、最大値が更新されている。

 

その後は、

   3/15 31

   3/16 17

となったが、暫くは増減を繰り返すと思われる。

 専門家の予測では、暫く増加傾向が続き、ピークを経て、先日、加藤厚労大臣が示した下図の赤線のように、抑制策が功を奏して、4月に入れば、下降傾向になるだろうとのことだ。

     

 医療対応の体制強化により、図の青色の横線で示されている患者数を、医療機関の収容能力以内に抑えて、重症患者が収容できなくなる「医療崩壊」を防ぐことが、当面の目標だろうか。

 これまで、今が瀬戸際、正念場、山場と何度も言われたが、現在は、分岐点を過ぎて、上図の赤いグラフのように進行していると見ているが、「現時点」がどこなのかは明確にはわからない。(後日、結果的に、判明するものと思われる。)

 

〇感染経路

  新型コロナウイルスは、空気中では、一定時間以上は生きられないため、

 ①空気感染(感染者から出たウイルスが空気中に浮遊して他人に伝染する)

はしないと言われている。最近の発表では、エアロゾルという状態で空気中でも生きる   

場合もあるとのことだがーー。

  感染経路は、以下が主という。

 ②飛沫感染(感染者の咳、クシャミ、鼻水などが、他人に吸収され喉などに付着する)

  マスク着用は、自分が加害者になるのを避けて、飛沫を飛ばさないということである。人前で飛沫を飛ばさないのは、マスクに関係なく、日常生活でも必要な、エチケットである。

  一方、自分が被害者にならないために、飛んでくる飛沫を防ぐことも必要だ。

 外出したり、他人と接する機会には、現今の状況では、マスクでガードするのが妥当だ。

  花粉症対策などもあり、昨今はマスクをつける人も増えたが、本来は、対話する時は顔を見せるのがエチケットだ。ムスリムの女性は外出時はヒジャブと呼ぶ衣装を着けるが、顔をみせず目だけになる事もあるようだ。彼女たちは、マスクは不要?

  マスク以前に、腕が届かない程度に距離をとることが必要だ。

 

③接触感染(感染者の体や、手で触れた手すりなどから、他人に移り喉などに吸着する)

 手はウイルスの運び屋と言われ、接触感染の重要な悪役だ。 

 外出で帰宅後に、手洗いや消毒や嗽(うがい)を習慣づけることだろうか。 

 某自治体での選挙戦では、握手の自粛で、肘タッチが工夫されている。

 でも、このところ、マスクも消毒液も手に入らなくなっている!  

  

先日、専門家会議から、集団的な感染を防ぐための方策が提言された。下図の

ように、三つの悪条件が重なると、集団感染が起るリスクが、特に高くなるという。

イ 密閉空間で換気が悪い :窓のない地下のイベント会場

ロ 近距離での会話・発声がある :屋形船での宴席

ハ ・手の届く距離に多くの人とがいる :満員電車

 

当初、各地で感染が発生してマスコミで大きく取り上げられ、この感染の調査・分析が進められた。次項に述べるクラスターの概念が明確になり、専門家会議からの提言は、貴重な知見であり、以降の施策や国民生活に取り入れられていいる。

〇クラスター 

クラスター:cluster とは、もともとは、植物の実や花が、房状に集合した状態をいう言葉だが、分子の世界や、コンピュタータの分野や、兵器の分野(クラスター爆弾)、感染学の分野でも使われてきたようだ。このところのコロナウイルス感染症の世界的な拡大で、感染者集団をさす言葉として、すっかり市民権を得ている。

感染者が判明すると、その人や関連者の行動パターンを追跡し、どこでウイルスをもらったか、誰から移されたか等をトレースし、感染経路を明らかにしていく手法が明確になっている。

この調査の結果、いくつかの集団感染が判明している。下図のように、国内では、5人以上の感染者集団(クラスター)が、21箇所、挙げられている。(5人以上の「クラスター」 9都道府県の計21か所で発生  NHKニュース.url )

各地域での感染者集団は以下だ。表には、都道府県の全感染者数A(3/17AMの数値)、クラスターの感染者数B(( )は死者数、3/12の数値)と、両者の比B/Aを示す。

都道府県 全感染者数A クラスターの感染者数B     B/A  

北海道   152人  札幌 ライブバー   16人  19%

            北見 展示会     14  

新潟     21   新潟 卓球教室    12   57 

千葉     31   市川 スポーツクラブ  5   35

            市川 デイサービス   6

東京    102   江戸川区 屋形船   15   19

            足立区 家族      5

神奈川    59   相模原 病院      7(2)44   

            相模原 駅       6

            相模原 福祉事業所   8

            鎌倉 鎌倉保健所管内  5   

愛知    125   名古屋 スポーツクラブ39   73

            名古屋 デイサービス 53(6)

兵庫     86   姫路 病院      10   33

            伊丹 介護施設    12

            神戸 認定こども園   7(1)

大阪    112   大阪市内ライブハウス 44*  80

            大阪市内ライブハウス 33*

            大阪市内ライブハウス  6

            大阪市内ライブハウス  7

和歌山    15   湯浅町 病院     11(1)73

 

都道府県の全感染者数Aと集団感染者数Bの比をみてみると、感染者数が比較的少ないのに比率が高い地域がある(新潟 和歌山)一方で、愛知では、多くの感染者が集団的に発生している。大阪の感染者数の数値には重複*があるようだが、大阪でもライブハウスでの集団感染が多いのが特徴だ。

 

〇国内での感染拡大の抑制防御策

このところ打ち出されてきた、感染拡大の抑制策の主なものは以下のようだ。

*国家レベル

天皇誕生日(2/23)の参賀中止

令和になって初の天皇誕生日の参賀が中止となったが、国民の衝撃は大きかっただろうか。令和元年の去年は、平成⇒令和の新旧天皇の交代時期の関係で、天皇誕生日は無かった!

中国の習近平国家主席の訪日延期(4月上旬に国賓として訪日予定だった)

その前の、3月5日開催予定だった、中国の国会に当たる全人代(全国人民代表大会)が延期されている。

2月26日、政府は、感染拡大防止のため10日間程のイベント等の自粛を要請

  3月10日、さらに、自粛期間を10日間延長するよう要請。

 ・小中高校を3/2から2週間休校に(そのまま続けて春休みになるところも)

  感染者が出ていない自治体では、一時的に学校を再開する動きがあり、卒業式等の工夫の話題も多い。

 ・スポーツ関連

  大相撲    3/8からの大阪場所を、無観客で実施

         コロナが発生すれば場所を中止する条件

         発熱で休場中の千代丸は陰性でOK⇒一昨日から出場

  プロ野球   2月29日からのオープン戦が無観客で実施

         公式戦の開始を、3/20から遅らせる⇒4/10の公算大

  Jリーグ   既に始まっている公式戦をプロ野球に準じて中断・延期の方向

  選抜高校野球 全高校が休校の中、3/19無観客で開催予定⇒3/11の臨時会で、主催者(高野連 毎  

  日新聞社)は、中止を決定 

 ・文化イベント等 国立劇場で一定期間の中止、大企業等での入社式の中止

          東京ディズニーランド、USJなどが休園の期間延長 

         (5/4の国立劇場で出演予定の演奏会の開催の可否は不明)

 ●今後の最大のイベントである、五輪・パラ輪については次稿以降に。

 

*個人レベル

個人レベルの、身辺での各種会合や集まりは、以下のように、軒並み、中止となっている。 

 2/18 2/23 2/28 2/29 3/2 3/9 3/16 3/21   

 3/22 3/23 3/31 4/5 4/14

 

地域の診療所の姿勢

こんな中で、行きつけの地域の診療所が、月1回で開催してきた、高齢者を対象とした楽しい集まりが、2月26日に予定されていた。

当今のご時世のこと、多分中止だろう、と思って前日に行ってみると、なんと、「やる」という。

当日は、予め配られている予定を変更して、緊急レクチャーとして、診療所院長による、

    「新型コロナ肺炎を正しく怖れる」

というものだった。

 

感染を怖れて、参加者が少ないのではと思ったのだが、驚いたことに、当方の夫婦だけでなく、元気な高齢者が多数来訪し、いつもと変わらぬ盛況だったのだ!

単純に不安に駆られるのではなく、知識を得て、正しく怖れる、というタイトルが素晴らしい。話の内容は、客観的な最新情報に基づき、感染症の発生状況、症状の特徴、日常的な予防策、今後の見通し等について、解りやすく解説された。(にわか仕込みの筆者の情報と理解もカバーされていた)。

地域の医療機関としての責任を果たしていると言え、敬意を表したい。

次の3/25も、予定通り開催し(一昨昨日確認)、認知症に関する、院長のミニ講話が予定されているが、その頃の、コロナウイルスの状況も含めて、どんな話が聞けるか楽しみである。

 

久しぶりのJR乗車

最近は、近隣へ自転車で出かけるくらいだが、3/10の火曜日、品川(NTTビル)での定例の、趣味の集まりに出席するために、久しぶりにJR電車(山手線)に乗って出かけた。いつものように、昼前の時間だが、思ったほど空いてはおらず、乗客でマスクをつけていないのは、2~3割ほどだ。昼近くに下車した品川駅のコンコースは、結構な人の往来があり、世の中は止まってはいないと実感。NTTビルの受付ロビーの人の往来も結構賑やかで、NTT得意のテレワークでは済まされないビジネスも多いのだろうか。

受付には、消毒液が置いてあり、使わせてもらった。

 趣味の集まりは、高齢者もいるのだが、皆さんよく出て来ていて、会場も使えることから、込み合う時間は避ける事で、次回3/24も開催となった。でも、その後、政府の要請に応じて、3月中は、NTTの会場が使用不可になってしまった。

新型コロナウイルスの脅威  続続き

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    2020年4月4日(土) 新型コロナウイルスの脅威  続続き

 

 

 新型コロナウイルスの脅威について、当ブログでは、先日

   新型コロナウイルスの脅威  (2020/3/9)

で、クルーズ船ダイアモンド・プリンセス号と、PCR検査の話題を取り上げており、続いて、

   新型コロナウイルスの脅威  続き (2020/3/19)

で、日本国内について、感染の状況と、各方面で進められている、感染の拡大を抑える対策等について取り上げてきた。

 

 このところ、新型コロナウイルスを巡る大きな動きが目まぐるしく起こっていて、これらを、時系列的に整理して示す暇がない程慌ただしいことだ。

  大きなところでは、  

・3月19日の専門家会議で、新たな提案が示され、

・3月24日には、文科省から公立学校の再開の指針が示され、

・3月24日夜になって、極めて大きな懸案である、TOKYO2020について、IOCバッハ会長と安部総理との、関係幹部が同席した電話会談により、1年程度の延期が固まっている。

・3月25日夕は、小池都知事の緊急記者会見が行われ、オーバーシュート(感染爆発)の懸念から、週末28、29日の外出自粛が要請された。

外出自粛の28日の都内は、朝からの雨が、雪に変わり、一時、向かいの屋根や植木の上が白くなった。俺にも出番を呉れ、と云わんばかりに、ウイルスとは異なる「自然」が主張しているようで、どことなく心が落ち着いたことだ。 

・28日夜は、総理の会見が行われた。

・29日には、総理とIOCバッハ会長との電話会談で、TOKYO2020の日程をほぼ1年遅れとすることが、トップダウンで固まった。調整には、4月末までかかると言われていたのだがーー。

・30日には、都知事の会見で、都内での医療崩壊を防ぐための、重症患者の収容ベッド数を増やす話等があった。

 都知事と総理の会談も行われ、緊急事態宣言について話し合われた模様。

・タレントの志村けんさんが、感染で3月半ばに入院し、あっという間に3月30日に亡くなったというニュースは衝撃的。誰でも知っている国民的なコメディアンだっただけに、コロナが、如何に怖い病気かを示す象徴的な出来事となった。

・31夜のNHK番組 クローズアップ現代+で、都のアドバイザーを務める、国際医療研究センター長の大曲貴夫氏が、なんとしてでも抑え込むという姿勢が印象的。大曲氏は、3日夜のNHKTV番組にも出演し(ネタドリ!「感染爆発 重大局面首都圏で何が?」)、日本では感染爆発は絶対の起こさない、と言い切られた。

・4月1日 専門家会議が開催され、新たな提言が示された。感染状況に応じた3種の地域(感染拡大警戒地域、感染確認地域、感染未確認地域) 別に、感染予防と学校再開の方策等が示された。

 先日の4月1日から新年度が始まったが、新型コロナウイルスの関連から、例年とは全く異なる様相を呈している。 

・又、イタリア、スペイン、フランス、イギリス、アメリカ等、諸外国での感染拡大の諸々の情報が駆け巡っている。

 

 国内感染者の状況

最近の足許での国内感染者の状況だが、下図のように、新規感染者数は急上昇の傾向であり、

28日  200 これまでの最高値  4日間で5倍のペース

29日       169

30日   94

31日  242 最高値を更新

 1日  267 最高値を更新

 2日  279 最高値を更新

 3日       353 最高値を更新!

となっていて、感染爆発寸前である。(感染者数 日本国内 NHK 全国/都道府県 WEB特集 新型コロナウイルス関連 特設サイト・特集 リンク一覧  NHKニュース.url  )

 

 都道府県別でみると、当初は、北海道で一時急増し、緊急事態宣言が発出されたことだが、その後納まり、感染拡大の地域が、東京、大阪、神奈川、愛知などの、大都市圏に移っていて、感染経路がつかめないケースが50%程と多いようだ。

 先日26日の都知事の会見では、新規感染者数が急増していることを受けて、不要不急の外出の自粛要請が行われたのだが、最近の状況は以下だ。(感染者数 東京都 都内の最新感染動向  東京都 新型コロナウイルス感染症対策サイト.url 参照)

    

 25日  41人

 26日  47

 27日  40

 28日  63 

 29日  69

 30日  13

と、30日の数値が極めて小さいのは意外だったが、

 31日  78

  1日  66

  2日  97

  3日  89

と、3桁に迫る勢いだったが、本日遂に、

  4日 118

と3桁で最高値を更新している。

   台東区などでの集団感染もある中で、感染経路がわからないケースも多い(68%)ようで、この先、大幅に増える懸念があり、危険域にある。

 今週末は、前週末以上に、大都市圏を中心に、外出自粛が求められている。 

 

 

 世界の状況

 世界の感染状況とともに死者数等がわかる、適当なものは少ないが、米国のAFPが纏めた、4月1日(GMT11:00)時点の状況のデータが見つかった。

(出典 新型コロナウイルス、現在の感染者・死者数(1日午後8時時点) 死者4.3万人に 写真6枚 国際ニュース:AFPBB News.url  )

 以下のグラフは、外務省の情報を引用している。(外務省 海外安全ホームページ|各国・地域における新型コロナウイルスの感染状況.url )データは、現時点のものという。

世界の国々の、感染者数が多い順に、1~9位の国を以下に示す。

 

  イタリア、スペインでの急激な増加が目立ったが、なんといっても、アメリカでの異常な増加で、瞬く間に世界1位の感染国になっている。 

中国については、作為もあるようで、データ自身の信憑性が疑わしい。

 

以下は、10位~20位の国である。

トルコでの急激な増加が目立つが、ベルギー、オランダも中々のものだ。

 

 

 

新型コロナウイルスの脅威  続続続き

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    2020年4月9日(木) 新型コロナウイルスの脅威  続続続き

 

 

 新型コロナウイルスの脅威について、当ブログでは、先日

   新型コロナウイルスの脅威  (2020/3/9)

で、クルーズ船ダイアモンド・プリンセス号と、PCR検査の話題を取り上げており、続いて、

   新型コロナウイルスの脅威  続き (2020/3/19)

で、日本国内について、感染の状況と、各方面で進められている、感染の拡大を抑える対策等について触れ、次の

 新型コロナウイルスの脅威  続続き (2020/4/4)

で、目まぐるしく起こっている大きな動きの中で、国内の感染状況について、緊迫した状況と、世界の感染拡大状況について取り上げている。

 7日は、漸くにして、特措法に基づく、政府の緊急事態宣言が発出されたところだ。この関連と、日本の取り組みのユニークさについて、次稿以降で扱うこととしたい。又、すっかり市民権を得た、新型コロナウイルス感染に関する「用語」についても、今後、改めて取り上げたい。

 

 今回は、主要な世界各国の状況と、感染を防ぐための、3密などの身近な行動について取り上げることとしたい。

 

 

◎ 世界各国の状況

 世界の感染状況については、リルタイムに近い形で分かるデータはある一方、同時に死者数が分るものは少ないが、前稿でも引用したフランスのAFP社が纏めたデータの最新版(4月5日(GMT19:00)時点(JST 6日4;00)が見つかり、今回、下記に引用する。

(出典新型コロナウイルス、現在の感染者・死者数(7日午前4時時点) 死者7.3万人に 写真3枚 国際ニュース:AFPBB News.url )

 

  ◇ 世界全体 死亡数 73,139 (+5,005)  感染者数 1,310,9308(+66,187)

 

イタリアITALY 死亡数16,523(+636) 感染者数 132,547    

     イタリア北部地方(ミラノ、ベネチア、等)から感染爆発が始まり、3月上旬、全土で都市封鎖(ロックダウン)を布告。

  発生する患者を病院に収容しきれず、医療崩壊が起っている。棺で埋め尽くされている教会の映像が衝撃的。医師の死亡が50人とも。

 

スペインSPAIN 死亡数 13,055(+637) 感染者数  135,032    

  スペインも、3月半ばに全国土のロックダウンに踏み切ったが、医療崩壊が起っていて、感染者数が前稿ではイタリアより少なかったが今回でイタリアを上回ったようだ。

アメリカUNITED STATES 死亡数10,389  感染者数 347,003   

  感染者の増加が収まらず、遂に感染者数は30万を超し、死者数も1万を超えている。

 

  3月末、米医薬品大手のJ&Jが、来年早い時期までに、ワクチンを完成させると発表している。

  また、3Mは、医療用マスクについて、国内で不足している状況下で輸出していることをトランプ大統領に批判されたが、医療用マスクを月間5000万枚に増産すると発表した。来年は、全世界向けに20億枚生産する計画だ。

  また、民間に協力を求める法律(国防生産法:朝鮮戦争時に制定)に基づき、大統領権限で、民間の医療器具の製造を支援することを明らかにした。

 人工呼吸器については、フォードがGEと協力して5万台を、GMも月間1万台を生産するという。

 ニューヨーク市内のセントラルパークには、感染者を収容するテントが多数張られ、さながら野戦病院のよう。ニューヨークの港には軍の病院船も出動しているようだ。

 

 底力のあるアメリカのこと、やることがでかい! 

 

フランスFRANCE 死亡数 8,911(+833)  感染者数 98,010

  ラテン3国では、伊、西よりは少ないものの、フランスも大変な状況だ。

  普段は、マクロン大統領の陰に隠れて存在が薄い、フィリップ首相だが、出番が多いようだ。 

イギリスBRITAIN 死亡数 5,373(+439)  感染者数 51,608   

  ジョンソン首相、ハンコック保健相の感染が判明

   4/6のNHK  ジョンソン首相が入院 4/5集中治療室へ

  チャールス皇太子が感染 軽症で、陰性のカミラ夫人とスコットランドに隔離同居

イランIRAN  死亡数3,739(+136)  感染者数60,500
 当初は感染が急速に広がったが、やや落ち着いているだろうか。 中国本土CHINA(mainland)  死亡数 3,331(+2)  感染者数81,708  

   データの信憑性が疑わしい。

     無症状者の扱いや、死亡数等、データへの作為はないのか?

   3/8に、武漢市の封鎖解除が伝えられたが、果たして社会活動や市民生活は大  

  丈夫なのだろうか?

ドイツGERMANY  死亡数  1,434(+92)  感染者数 95,391

  欧州各国(伊西英)に比し、死亡者数が少ないことが注目される。(流石 医学の国)

  検査数を増加(50万件/週)させ、早期発見でウイルスを抑制する政策 

韓国SOUTH KOREA 4/5 死者数 183  感染者数 10,237

  SARSの経験が生かされているようで、死亡数は少ない。

  コロナ対策が、総選挙(4/2公示~4/15投開票)の争点に。  

  北朝鮮NORTH KOREAの感染状況については信頼できるデータがない。

台湾TAIWAN 3/31 死亡数 5   感染者数306

  SARSの経験が教訓に。

日本JAPAN   4/8  

    日本全体 死亡数 109  感染者数 5,184

      東京都        35           144

   我が国では、欧米先進国に比して、死亡数が極めて少ない事が、筆者には注目されることだ。

 

◎感染初期のパターン

最初の感染が確認されてからの経過には幾つかのパターンがある。下図はネットより引用。

  

 

日本やアメリカでは徐々に増えているが、イランでは一気に増加している。

また、その後の増え方については、イタリア、フランスでは増え方が急である。

 

 

◎3密

 専門家会議の結果を受けて、尾身福座長から、3月9日に発表されたのが、下図で、クラスター(感染集団)が発生するリスクが高い3つの状況が示されている。

    

 内容は一緒だが、各々に、密という言葉を入れて、これを分かりやすく覚えやすい、3密の形で表したのが、4月1日夜に都知事から発表された、下図だ。

    

 

3つの日本語、

   密閉、密接、密集

の3密には、語彙、語感の違いがあり、小池さんのセンスに敬服するところだ。

当初の副座長の同じ図に、3密を入れたのが、下図だ。

 

   

 

4/6のNHK番組 あさイチでは、外出時は3密の場所を避けるとして、

   密閉  むんむん   換気のない部屋

   密集  がやがや   イベント会場 

   密接  ぎゅうぎゅう 満員電車

 のように、状態語(?)で表現していたのが面白い。

 

 

 

朧月夜

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 2020年4月14日(火)  朧月夜

 

 

 4月10日(金)の、NHKあさドラ「エール」を見ていて、主人公の一人「音」が、学芸会での観客を前に、最後に、童謡「朧月夜」を歌った、大変感動的な場面があった。

 劇中劇である「かぐや姫」の役の後、月の世界に住む身の上から、帝の許には行けないと、最後に、この歌を歌うのである。 

                           竹を切った中から出てきた かぐや姫

                                      帝                           かぐや姫                       おじいさん 

 音楽が話題の中心である今回のあさドラでは、吹き替えや代理出演ではなく、役者自身が出演するというのが、ユニークな方針という。音の子役を務めた 清水香帆チャンも、澄んだ声で、全力で、朧月夜を歌って呉れた。途中涙ぐむシーンがあったが、役者と自分との間で、緊張と感動が交錯したのだろうか?

  あさドラは、今週からは、子役から大人に変わったが、今後の展開が楽しみである。

 

 所で、この朧月夜について、手持ちの歌集(にほん童謡・唱歌185曲集 2000年 オンキョウ)で調べてみた。また、歌の発表時期については、ネットの、このブログの利用法 二木紘三のうた物語.url 等で調査。

 調べた結果は、以下のように、

    朧月夜  作詩 高野辰之  作曲 岡野真一  大正3年発表

である。

      

    高野辰之             岡野真一

朧月夜の歌には、日本人の誰もがイメージできる、原風景の一つがあるとも言え、作詞者の生地の信州に繋がっているだろうか。

 

このコンビ、どこかで見たことがあると思って、同じ本を調べたら、超有名な

     故郷   大正3年

が同じコンビで、更に

    春が来た 明治43年

    紅葉   明治44年

    春の小川 明治45/大正元年

も、同じコンビで発表されているのである!

 どの曲も良く知っていて今でも歌われ続けている曲だけに、筆者としては、再発見した喜びがある。

 曲が生まれる場合の、作詞者と作曲者の関係はよくは分からないが、名コンビには、阿吽の呼吸のように、通じ合うものがあるのかも知れない。

 これら5曲は、2007年に文化庁が主管し、ファンの投票で選ばれて発表された、「日本の歌百選」(親子で長く歌い継いでほしい愛唱歌ー童謡・唱歌・歌謡曲ー)に入っている。 


作詞者・作曲者の名コンビには、良く知られた、

   北原白秋作詞 山田耕作作曲  からたちの花 大正15年

                  ペチカ    大正13年

があり、手持ちの、世界名歌150曲集(オンキョー 2005)に載っている。

 上記2冊の歌曲集を調べたら、このコンビが作った、今はあまり歌われないが、

    あわて床屋 待ちぼうけ かやの木山の

などもある。  

 

 

 

  

新型コロナウイルスの脅威   続続続続き

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       2020年4月19日(日) 新型コロナウイルスの脅威  続続続続き

 

 

 新型コロナウイルスの脅威について、当ブログでは、

   新型コロナウイルスの脅威      (2020/3/9)

   新型コロナウイルスの脅威  続き  (2020/3/19)

       新型コロナウイルスの脅威  続続き (2020/4/4)

       新型コロナウイルスの脅威  続続続き(2020/4/9)

と取り上げてきている。

 本稿では、最近の動きについて、特に、外出自粛を中心に触れることとしたい。

 

 

◎ 足許の感染者数と死者数

◇ 東京都の状況

ここ数日間の、注目される東京の状況は、一旦減少傾向かと思われたが、またぶり返しが起っていて、最高値を更新する結果になったのは由々しき事態である。この日の感染経路についての調査結果では、経路不明の割合がかなり高いようだ。  

 このところ、医療機関などでのクラスター(集団感染)も見受けれれるものの、感染経路がわからないケースが可なり高いことが懸念材料だ。

 

         新規感染者数  (内)経路不明感染者 % 

4/10    189        147    77

4/11    197*       152    77  *最高値と推定

4/12    166         64    38

4/13     91         76    83    

4/14    161        105    65   

4/15    127         80    62

4/16    149        103    49

4/17    201         134           67 **最高値を更新!

4/18    181                           124         68

4/19    107 

16日夜行われた小池都知事の会見では、都民の「自粛疲れ」を戒めている。        

 

 

◇全国の状況

これまでと同じ、一日ごとの感染者数の図は以下だ。

 

図を数字で示すと、日ごとの新規感染者数は以下になる。

4/9   573

4/10  637 

4/11  719  *最大値?

4/12  499

4/13  294 

4/14  282

4/15  549

4/16  573

4/17       555

4/18  584  (まだ図にはない)

 

新規感染者は,4/11をピークに減少傾向と思われたが、その後、感染拡大もみられ、予断を許さない状況だ。東京以外の6府県では、15日あたりから外出自粛が本格化している。

 

一方、これまでの指定地域以外の、特に、北海道、茨城、石川、岐阜、愛知、京都 の6府県では、増加が著しいようだ。

これを受けて、諮問委員会の専門家の意見を求めた上で、16日夜には、政府の委員会で、緊急事態宣言の対象地域を、7都府県から、上記の6道府県を加えた13都道府県を特別警戒都道府県とするとともに、対象地域が全国へ拡大されることとなった。

16日夜には、総理の会見が行われ、以下のような点が強調された。

 

1 移動に伴う感染拡大の抑制 

   感染拡大を抑制するために、人間の接触機会の8割減を実現し、一段の努力が

  求められる。従来の家庭からの外出自粛から、視点を広げて、地域間の移動の自

  粛が要請され、特に、感染者が多い都市部から、地方への移動は厳禁である。  

  

2 医療崩壊の危機への対処

   感染者の急増で医療崩壊が起らないよう、各地で、ぎりぎりの対応が行われて

  いるという。症状に応じた病院の役割分担、感染者を受け入れる施設の拡充整備

 (軽症者用のホテルの借り上げ 等)、治療用器具(人工呼吸器、ガウン 等)の調

  達、従事する医療関係要員の確保等は、喫緊の課題だ。

   特に厳しいのは保健所職員で、通常の相談窓口、PCR検査の調整、感染者の

  病院への照会等で、アップアップの状態という。PCR検査が民間でも行われる

  ようになって、保健所に余裕ができることを期待したい。

 

3 経済的な支援(個人に対する支援、事業者に対する支援)

  本項に関しては、本稿では取り扱わないこととしたい。

 

  日本国内に、クルーズ船の分を加えた数字は

    感染者数 11562人  死亡数 220人 となる。

 

 

                           4/18 午前10時までの全国都道府県別の状況

 

 上図のように、感染者数の全国累計は、1万人を超えており、死者数は、220名ほどだが、今後の感染急増と医療現場の緊迫によって、死者数の増加が懸念される。

 15日、後述する西浦教授が、接触を減らす行動を全く採らない場合、想定される死者数は42万人になるという、恐ろしい予測数字を発表し、警鐘を鳴らしている!

行動制限なしなら42万人死亡 クラスター班の教授試算 [新型コロナウイルス]:朝日新聞デジタル.url   )

 

 

◎ 外出自粛

◇政府は、先日の非常事態宣言で、人と人との接触機会を8割減らすため、国民に外出自粛を要請している。

 これについて、諮問委員会の尾身座長が、8日夜のNHK番組に出演され、理解しやすく解説しているので、下図に引用したい。

3つのケースごとに、国民の目線で、削減目標が示されている。

 3密・夜の街 ⇒10割減

    生活のあらゆる場で、3密を避けることを徹底する

      家庭内、止むを得ない外出時 

      手洗い消毒うがいの励行

    夜の街は絶対行かない

                バー、キャバレー、ライブハウス、ホストクラブ、ネットカフェ、

               ナイトクラブ等  

 外出 ⇒8割減 

      不要不急の外出は避け、週5日のうち、4日は自宅で(外出は2割に)

          冠婚葬祭 イベント参加 友人知人との集まり等は極力控える          

 仕事 ⇒4割減~  

      週5日のうち、2日は出勤自粛

          事業自体の休業 

           東芝の英断:4/20~5/5の間、全拠点休業            

           (「全拠点原則休業」、東芝が異例の対応 グループで感染者5人)  

          テレワーク(在宅勤務)の推進 

                携帯電話 郵便利用

                インターネット利用

                テレビ会議

          リモートオフィス(自社専用 社間でシェア)   

          リモート診療 

          ネット授業

          時差出退勤(5つの時間帯に分散する例も)

          無観客ライブ送信

                       等ーーー。          

   

 ◎外出自粛状況の把握

   実施状況を、ビッグデータとして把握する動きもある。 

  ◇携帯データ (NTTドコモ 人口統計サービス 外出自粛の成果分析

 

  後述の西浦教授によれば、7割ではまだまだ駄目である! 

 

◇ 画像解析(渋谷の人出が半減 外出自粛要請の効果、行動データ

 

◇ 出勤状況アンケート 

   テレビでは、出勤状況のアンケートも行われている報道があった。

   休日は、8~9割減と期待通りだが、平日は、仕事の関連等で出勤しなければなら

   ず、4割減程度という。

 

◎8割削減の根拠 

新型コロナウイルスの感染の特徴は、飛沫感染 接触感染であることから、人の行動パターンを変え(行動変容*)人間同志の接触機会を制限することで、感染者の再生産数を、1以下に抑えて、感染の拡大を防ぐという、極めて人間的な施策が必要となる。(数年前、身辺を騒がせたジカ熱は、ヤブ蚊の駆除という、具体的な目標があった。)

コロナウイルスなどの感染予測に、数理モデルを使う、理論疫学の権威である 北海道大学 西浦博教授の推計では、以下のようになるようだ。(教授は厚労省クラスター対策班のメンバーでもある)

 

 上図の横軸だが、行動を変えてから、感染者数の減少という結果が出るまでには、発症までの時間、検査の実施と報告時間などで、2週間ほどの時間遅れがあり、直ちにリアルタイムで結果が出る訳ではないのは、要注意。

2割減では、一時的に増加は抑制され、減少に向かうものの、すぐに感染増大の軌道 

 に戻る

3~7割減でも、暫くは減少するものの、日数経過後上昇し感染爆発に向かうという。

8割以上減ならば、感染者数が、図のように急峻に減少するという。素人には、やや分かりにくい。

これについて、より分かりやすくして、対策実施後の感染者数の減少傾向を示したのが下図だ。(ネット画像より)

  自粛6割削減 ⇒ 感染者数が減少せず水平のまま

  自粛7割   ⇒ 感染者数が2か月弱で制御可能なレベル*に減少                              

  自粛8割   ⇒ 感染者数約1か月で制御可能なレベルに減少

              *新規感染者数100

武漢市のように、都市封鎖で、100%移動を禁止すれば、2週間後には新規感染者数は0となる。

 

  *行動変容

    健康保持・増進のためにライフスタイルを変えていく事。

    生活習慣病 ダイエット 禁煙 禁酒等で実行されていて、5段階のステップが 

    あると言われる。 

    今回のコロナ対策では、生命の安全のために段階を飛ばして、即刻の実行!

   (行動変容のプロセス|患者様へ|徳山医師会病院.url

 

これから3週間、これまで以上に、「運動」と「栄養」と「睡眠」と「人とのつながり」に留意しながら、自粛疲れを起こすことなく、忍耐強く行動を自制することになるだろうか。

 

 

新型コロナウイルスの脅威再び 1

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     2020年11月23日(月) 新型コロナウイルスの脅威再び 1

 

 

 新型コロナウイルスの脅威について、当ブログでは、この春以降、

 

   新型コロナウイルスの脅威       (2020/3/9)

   新型コロナウイルスの脅威  続き   (2020/3/19)

       新型コロナウイルスの脅威  続続き  (2020/4/4)

    新型コロナウイルスの脅威  続続続き (2020/4/9)

       新型コロナウイルスの脅威  続続続続き(2020/4/23)

と取り上げてきている。

その後については、コロナの状況の変化の速さを追い切れず、上記を最後に投稿を行っていない。

また、自身の体調不良もあって、ブログ自体も上記を最後に休止状態であった。

 

最近のコロナ感染の第三次の急速な拡大で、東京都をはじめ、危機的な状況であることは見過ごせない所。

本稿では、気持ちを立て直し、コロナの最近の動きについてフォローし、ブログを再開することとしたい。

 

 

◇ 東京都の状況

最も注目される東京都の状況では、8月1日の数値を超えて、これまでの最高値となり、由々しき事態である。

東京都の新規感染者数は下図のようである。

医療機関などでのクラスター(集団感染)も見受けられ(感染経路特定 黄色)、感染経路がわからないケース(感染経路不明 水色)が可なり高いことが懸念材料だ。

   一次             二次              三次

                  

             特別感染経路 感染経路不明 

 8月1日  472人  (167     305)

11月18日 493人  (210     283)

   19日 534人  (216     318)

   20日 522人  (224     298)

   21日 539人  (208     331)

   22日 391人  (184     207)           )

 

19日行われた小池都知事の会見では、当面の対処策として、これからの年末年始の忘年会等を控えて、最も感染が起りやすい会食の場を取り上げ、注意点として、いつもの解りやすさで、以下の「5つの小」を、呼び掛けている。

小池都知事が会見。会食は「5つの小」で - トラベル Watch.url)      

 小人数で  5人未満

小1時間で 長居は禁物

小声で   大声はしわぶき

小皿で   大皿はダメ

こまめに  手洗い・マスク・換気をこまめに 

 

忘年会・新年会では、これらが守られなくなる「アルコール」は禁止したいのが本音!

 

◇都道府県別(19日のデータ)の新規感染者

下図(19日のデータ)にあるように、殆どの地域で、これまでの最高値が、ここ数日で更新されている。

地図で抜けているのは、以下である。

  北海道245 沖縄32

 

 

新型コロナウイルスの脅威再び 2

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       2020年11月30日(日) 新型コロナウイルスの脅威再び2

 

 

 当ブログでは、先日、新型コロナウイルスの脅威について、

 

   新型コロナウイルスの脅威再び1  (2020/11/23)

   

で、久々に取り上げ、東京都と全国都道府県の新規感染者の、危機的な第三次の感染拡大について触れた。

 先日27日の東京都の新規感染者数は、570人と、これまでの最高値となり、札幌や大阪など、各地でも感染が拡大している危機的な状況で、28日も、ほぼ同様だ。

 

 本稿では、前回の続編として、

   ・ウイルスとそれによる感染症

   ・マスク着用、消毒などの日常的な行動

等について触れたい。

 

◇ウイルスと感染症

 今回の世界的な感染拡大の病原は、新型コロナウイルス(COVID-19)と言われ、呼称は、2019年末にWHOで決まった。先行して流行した、SARSから派生した、SARS-CoV2ウイルスという。(下図)

ウイルスの人体内での潜伏期間は、8~14日程度とされている。

 NIAID―RML

 

人類がこれまで経験したウイルスが原因の病気には、身近なものとして

   SARS,MERS、エボラ出血熱、デング熱、

   インフルエンザ(毎年のようにやってくる)

等がある。他に、エイズウイルスなどもある。

 

 この中で、

   SARS 2002年中国で流行し、蝙蝠が原因と言われるが、突如、2年間で死滅したと言われる。

   MERS 2012年 サウジアラビアなどの中近東で流行し、ラクダが原因と言われるが、現在も、細々と残存して

                        いるという。

   COVID-19 2019年暮れから流行し、現在、世界的パンデミック状態だ。

 

 目に見えないウイルスが病原だけに、今回のCOVID-19は、どのような風に感染伝搬していくのかの仕組み等は、まだ明確になっていない。

 

 検査で陽性となって感染者となっても、症状がなく、潜伏期間は、8~14日程度と言われるが、8割の人は自身の抵抗力で治ってしまうようだ。

 

 先日の24日には、地域の診療所での例会で、診療所の院長の講話を聞いた。

参加者は、50人ほどで、女性の高齢者が主体の集まりだ。

 講話のタイトルは以下。

    「インフルエンザと新型コロナウイルス」ーーーこの冬に両方流行するのか?」

コロナの話は、今回で3度目で、上述のコロナウイルスのことや、検査の話、治療や予防の話などを聞いた。本稿でも、下図など、多くを参考にしている。

 

◇日常的な感染対策

 ウイズコロナ( With CORONA)で、ウイルスと共生した習慣化が大事である。

 

〇マスクの着用

これまでは、マスクは、風邪を引いた時や、歯医者などが治療時に着ける程度だった 

が、最近は、外出時は、マスク着用が普通になっている。

・種類 一般用(性能が高度な医療用もある)

   布製/不織布製で、長短がある

   口元が見える透明なフェイスガードもある。

・効果 出るを防ぐ・入るを防ぐのが目的だが、後者は殆ど効果がないと言われる。

   エチケット的な意味合いもあるが、一時、過剰反応の「自粛警察」もあった。

   効果についての、スパコン(富岳)を使ったシュミレーションでは、出る飛沫エアロゾル)の飛散範囲と滞留状

   況が示され、窓の開放やエアコンの効果が証明された。

   世界トップクラスのスパコンが登場するところが凄く、説得力がある。

    (人と会うときは不織布マスク 素材、形状で性能差 「富岳」分析 )

〇出入時の消毒

    店の出入口には、アルコールが常備されているのが一般化

     手の消毒 

    店側では、テーブル等の触る箇所のアルコール消毒も行っている。

    帰宅時のうがい(嗽)の励行

〇距離 ソーシャルディスタンス(Social Distance)が流行語から、定着

     スーパーでの距離を置いた行列とカウンターでの間仕切りは、当たり前に習慣化している。

     レストランでの席の配置の工夫も行われている。 

     接触を避ける、身振りのハイタッチや、エルボウタッチのジェスチャーもある。

〇防護 

最後の砦として、逃げ場がない第一線の医療関係者は、防護服で武装する。

千円ていどの安価なものから、高度な完全武装まであるようだ。(下図) 

      

◇検査・診断

・抗原検査

抗原検査は、体に、抗原(antigen)であるウイルスが入って居るかどうかを調べるもので、PCR検査は、最も効果的な方法として、多用されている。

 PCR検査については、この春の記事

  新型コロナウイルスの脅威  (2020/3/9)

で取り上げているので、此処では省略する。

 

PCR検査  費用は、自己負担時 1.5万位、行政検査(指定病院)は無料

  抗原迅速診断キットは、安価だが陽性的中率がやや低いようだ。

 

  この夏、筆者が、腫瘍除去で入院した時に、PCR検査を受けた。入院の一環だったため、費用は、3千円程度と安価だった。

  細い金属製の綿棒を、鼻から挿入する時は、痛みはないものの、不思議な感覚。受診する側は一人だが、検査する側は、同じことを何度も繰り返す単調さについて、担当者に聞いたら、順番に交代しているという。

 

 下図は、著名人であるアメリカの州知事が、PCR検査を受ける風景で、怖くはないとPRしているようだ。

 

・抗体検査(体にウイルスが入った反応があるかどうかを調べる)

  体内にウイルスが侵入すると抗体(antibody)がつくられる。

   血液で検査する

  検査キットが市販されているが精度は低く、厚生省が承認したものはない。

 

必死の対策が間に合わず、感染が拡大し、多くの人が抗体を持つようになると、蔓延が収まるという、皮肉的な結果となることもようだ。

 

次回は、コロナ感染の、社会的な側面を取り上げたい。


新型コロナウイルスの脅威再び 3

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      2020年12月6日(日) 新型コロナウイルスの脅威再び3

 

 

 当ブログでは、先日以来、新型コロナウイルスの脅威について、

 

   新型コロナウイルスの脅威再び1  (2020/11/23)

   新型コロナウイルスの脅威再び2  (2020/11/29)

 

と、取り上げてきたところだ。

 全国的に感染が拡大している危機的な状況は、今も続いていて、大阪、北海道(旭川)等は深刻である。

感染拡大を抑えながら、社会活動も進めていくというバランスが重要なのは、言うまでもない。感染者数が増加しているのは、活動・行動が活発化しているからと言えるが、一方、PCR検査数が増加している側面もあるだろうか。

 

 本稿では、これまでの続編として、主に、感染拡大の医療の側面について、

          ・疾患の程度と、重症患者の増加傾向

    ・地域で起こっている医療崩壊

    ・医療にかかわる、施設、スタッフ、機材等の逼迫

等について触れたい。

 

 

◇健康な人が患者になるまで

・健康な人の場合は、知らない間にウイルスに感染し、自らの抵抗力によって、自覚症

   状が無い無症状のまま治ってしまう。人口の約8割程度は、これに該当すると言われ

   ている。

・自覚症状はないが心配だったり、手続き上で必要だったり、又、自覚症状がある場

 合は、PCR検査を受けることがある。

 *検査結果が陰性(検査数の約9割以上)の場合は、いうまでもなく、安心していい。

 *PCR検査を受けて、陽性と分かった場合(検査数の約6%程度)は「コロナ感染者」となる。

  感染者でも、自覚症状が無い場合もあるが、何らかの自覚症状がある場合は、「コロナ患者」となる。

 

   *検査後の患者の疾患の程度としては、下記のような段階があり、途中で状況が変化することもある。     

    ・軽度(軽症患者)

    ・中程度(中程度患者) 

    ・重度(重症患者)

  疾患の程度については、医療機関、自治体、政府の間に認識の違いがあるかもしれない。

 

 

◇重症患者数の傾向

最も注意すべきは、重症患者であり、高齢者や、持病のある人は、重症化しやすいようだ。

  ・重症患者とは

   延命治療を行うための機器(人工呼吸器・ECMO(後述))を必要とする患者が、重症患者とされる。コロナ以

          外でも、これらの機器を必要とする患者は多い。

  ・延命治療は、病院内のICU(集中治療室  Intensive Care Unit)で行われる。

  ・重症患者数の傾向は、新規感染者数の傾向に2週間ほど遅れて、おおよそ合致している。 

   重症患者数の状況を下の図1、図2に示す。(図はネット情報より)

 

 図1

  

 図2

 上の図2では、12/4で350程と、図1よりも少なくなっているが、機器の装着数から求めている本図の方が、実

    態に近いだろうか?

    ネットには、重症患者数は、12/1で、全国493名という数値もある。

 

◇医療関連の逼迫度

医療関連の逼迫状況は、社会全体としてのバランスを見る事が必要である。

病床数や機器数等のハード面の機械的な過不足だけでなく、医療従事者の充実度というソフト面の対策が重要と言われて

いる。

ハード面

 ・病床数の不足 

 ・機器の不足 

ソフト面

 ・医療従事者(医師、看護師)の不足 

   重症者の受け入れには、後述のように、通常の数倍の人手が要るという。

  医療従事者は、社会のエッセンシャルワーカーのグループの1つである。

 

◇医療崩壊

  地域の医療施設全体で、受け入れができなくなり、先の見通しが立たなくなると、社会的に、医療崩壊(collapse of

       health care、breakdown)が起る。

  医療崩壊が起っている地域、ぎりぎりで崩壊を持ちこたえている地域は多い。

 

  ・北海道の状況

   旭川市の複数の主力病院で、院内感染(クラスター)が発生しているようだ。

        クラスター(cluster)については、記事(2020/3/19)「続き」、にクラスターの語源と意味が述べられ

          ている。

  ・大阪市の状況

   大阪市で、誰でも知っている建物(通天閣、太陽の塔)が、シンボリックな警鐘として、先日から、赤色に染まっ

           ているようだ。

   以前、東京で、同様に、東京ゲートブリッジが、赤くなったことがある。

  ・埼玉県の状況

    大宮 川越の中心部の繁華街での規制強化が進められている。

 

  感染対策で、感染経路を追っていくこれまでの手法には、限界が見えているようで、これからは、感染経路不明を前提としたアプローチが必要と言われる。

 

◇医療機器

  人工呼吸器(下図 ネット情報):コロナでは通常の4倍程のスタッフが必要と言わ

 れる。

      

 ECMO:コロナでは通常の10倍程のスタッフが必要と言われる。

  ECMOは、肺疾患を治療する機器(ExtraCorporeal  Membrane  Oxygenation)の

  略称である。

  下図は、ネット情報より。

  下図左は、機器の構成を、下図右は、血液の流れを表している。患者の血液が、

  人工肺(ECMO)で酸素が付加(酸素化)される。

 

新型コロナウイルスの脅威 4

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2020年12月11日(金) 新型コロナウイルスの脅威再び4

 

 

 当ブログでは、先日以来、新型コロナウイルスの脅威について、

   新型コロナウイルスの脅威再び1  (2020/11/23)

   新型コロナウイルスの脅威再び2  (2020/11/29)   

   新型コロナウイルスの脅威再び3  (2020/12/5)

と、投稿したが、1、2では、拡大する感染状況について、前稿の3では、医療的側面について取り上げた。

 

 全国的に感染が拡大している気の抜けない状況は、今も続いている。先日10日には、東京都の新規感染者数が、これまでの最高値となり、翌11日も、高い値が続いている。

ワクチンの準備について、先の見通しが具体化するという、嬉しい情報がある一方で、旭川や大阪では、看護師不足を解消するため、自衛隊に派遣を要請するなど、医療面の逼迫は極めて厳しい状況だ。

感染拡大を抑えながら、社会活動も進めていくという、我が国の独自の方向が、どこまで維持できるかが問われる、正念場だ。

 

 本稿では、医療面に加え、社会的な側面についても取り上げ、これまでの締めくくりとしたい。

 

 

◇GOTOシリーズ

*全体

 感染拡大を抑えながら、社会活動を継続していくための、国のキャンペーン事業として、GO TOシリーズが進められている。

 

脇道にそれるが、GO TO 〇〇は、昔、学校で習った英語、

 Go to School  学校に行く(登校する)

   Go to Church  教会にいく(礼拝にいく)

が思い出される言い回しで、親しみやすい。

でも、今回の、GO TO 〇〇の、主要な事業である、GOTOトラベル は、Travel (旅行する)で、go  to  travel  という表現は見当たらず、

  make  a  trip 、travelling

等となるようだ。

又、GOTOイートは、Eat(食べる)で、go to eat という表現は見当たらず、

take supper at restaurant

等となるようだ。 

 GO TO 〇〇という表現は、Nativeの人たちから見れば、和製英語気味だろうか? 

 

 

 

  

*GO TOトラベル

 主旨:旅行(移動)に関する事業で、個人よりも、会社・学校等の団体が主体だ。

 対象:交通費、宿泊費、食事費等で、国の支援がある。

 支払:クーポン券

 範囲:事業の開始当初で混乱もあったが、その後、東京を含めるか否か、出と入りと 

    の関係、実施時期等が話題となった。

  コロナ対策の一つとして、この事業を一時中止する話題も出ている。      

 

 

*GO TO イート

 主旨:食事に関する事業で、同様に、個人よりも、会社・学校等の団体が主体だ。

 対象:地域での食事

 支払:クーポン券

 範囲:地域ごとに工夫されていて、期間や内容に違いがあるようだ。

 

*GO TOシリーズには、他に、GO TOイベント(Event)、GO TO商店街(Market) などもある。

 事業としては挙がっていないが、社会活動の基本となる通常の会社勤務は、

   Go to Office  

等となろうが、今後は、ネットを活用した、リモートオフィス(遠隔勤務)、オンライン勤務、オンライン授業 等が増えて来るだろうか。

 

 

◇活動規制とワクチン

 *社会活動の規制

  感染拡大を阻止するために、社会的活動・行動を規制することが、国内外で行われて

  いる。これには、医療の側面とともに、社会・政治の側面もある。

・日本には、感染症に対処するため、新型インフルエンザ等特別措置法(特措法)が

 あり、今回の新型コロナウイルス(COVID-19)が指定された。指定に伴い強制力

 を持つ自粛勧告ができるが、行動の禁止はできず、違反時の罰則はない。

 この6月、非常事態宣言が発出され、国民の思いが揃った。

・欧米(フランスなど)や中国では、罰則付きで外出禁止が行われた。違反した場合

 の罰金は、可なりの額のようだ。

 地域の外出禁止は、都市封鎖(ロックダウン lockdown)と言われる。

  規制の程度は、様々だ。

 

 *ワクチン

  ワクチンには、医療の側面に加えて、社会・政治の側面がある。

以前、WHOのテドロス事務局長が、国際協調でのワクチン開発を提唱したが、笛吹

けど踊らずだった。

 

 

最近、イギリス政府は、ファイザー(米)とビオンテック(独)が共同開発したワク

チンを承認。早速、試験的に使用し、6000件で2例の問題が出たものの、方向は

変わっていない。

 

 日本では、このファイザー社のワクチンを、来年6月以降、購入(6000万本)し、 

接種を始めるという。薬品の保存には、超冷凍設備(-70℃)が必要なため、中核医

療機関に限られる。

時期は、来年6月以降で、接種の優先順位は、高齢者、基礎疾患のある人、医療従事 

者 等。費用は国負担(クーポン)で、接種回数は2回となる可能性大という。

 

アメリカのトランプ大統領は、ワクチン開発は、自政権の手柄にしたいようだ。ロシ 

アや中国でも、緊急に、自国のワクチン開発を進めているようだ。

 

◇新語・流行語大賞

「現代用語の基礎知識」を発行している、自由国民社が主管しているのが、新語・流行語大賞だが、今年の言葉が決定した。

各界の選考委員6名が絞り込んだ、今年の言葉30(下表)がノミネートされ、その中から、一般投票で、トップ10が決まり(下図)、大賞には、3密が選ばれた(関係者は小池都知事)。

全体として、今年は、コロナ関連(下表の*印)が多くを占めている。

 

ノミネートされた今年の新語・流行語は以下。

 

愛の不時着/第4次韓流ブーム 新しい生活様式/ニューノーマル* あつ森 アベノマスク* アマビエ ウーバーイーツ AI超え エッセンシャルワーカー* おうち時間/ステイホーム* オンライン〇〇* 顔芸/恩返し カゴバク 鬼滅の刃 クラスター* 香水 Go Toキャンペーン* 3密(三つの密)* 自粛警察* Zoom映え 総合的、俯瞰的 ソーシャルディスタンス*  ソロキャンプ テレワーク/ワーケーション* 時を戻そう(べこば) Nizu(ニジュー) 濃密接触者* BLM(KlackLivesMatter)運動 PCR検査* フワちゃん まあねえ(ぼる塾)

 

トップテンは下図である(図はネット情報)。

 

 

 

 

シャンシャンの帰国延期

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2020年12月14日(月)  シャンシャンの帰国延期

 

 

 一昨年の6月12日は、上野動物園の人気物、ジャイアントパンダ シャンシャン(香香)の、満2歳の誕生日である。

上野は、自宅から比較的近いこともあり、息子達が幼い頃は、何度も行ったりしたので、上野のパンダには、特別な親近感があり、トイレにも、パンダの写真を飾ったりしていた。

 

 パンダの帰国は、中国との約束で、当初のオリンピック終了後の、今年の12月に予定されていたが、来年5月に延期されることとなった。 コロナの関係で、帰国時の飼育関係者の随行が難しいため、というのが理由という。

 

 当ブログには、これまで、シャンシャンに関して、以下の3件の記事を投稿している。

①  なんとも可愛いシャンシャン  (2017/3/2)

②  シャンシャン、1歳の誕生日  (2018/6/12)

③ シャンシャン2歳       (2019/6/17)

このところ、コロナに絡む暗いニュースが多い中で、本稿では、楽しい話題として、上野のパンダについて、久しぶりに、取り上げることとしたい。

 

〇シャンシャンの成長

 シャンシャンの3枚の写真を以下に示す。(図はネットより) 大まかに、約1歳、約2歳と、現在の約3歳半、の時のものだ。

やはり、パンダは可愛い動物だ。

成長によって、1歳と3歳半では、体格や表情が、かなり変わっている筈だが、残念ながら筆者には、相違が分からない!

 

  

  図1 2017.5  約1歳

    

  図2  2019.6 約2歳

 

  図3 2020.12  約3歳半

 

コロナ禍での感染防止のため、動物園は、全体、しばらく閉園していたようだが、6月以降は、防止策つきで園内を見物できるという。

 

        

〇ワシントン条約と帰国延長

周知のように、中国からのパンダは、当初は、贈与だったのだが、その後、ワシントン条約で、絶滅危惧種に指定され、種の保護のため、国際的な取引が禁止されたことから、貸与に変わって来ている。 現在は、学術目的の貸与となっており、上野も、和歌山も、親も子も借り物で、返却しなければならない約束だ。

 

シャンシャンの2歳の誕生日を前にした、今年の5月31日、嬉しいニュースが流れた。 もっと日本に居て欲しいという、多くのファンからの切なる要望を踏まえて、東京都の小池知事が中国と交渉の結果、返還期限が、満2歳になった6月頃から、2020/12末頃までに延長されたのである。このところの、良好な日中関係を反映した結果と思われる。年間95万弗(約1340万¥)の料金を、東京都が中国に支払っているという。

 

一方、両親である父リーリー、母シンシンの貸与期間は、2012年から10年間で、   2022年が期限となるが、もともと、レンタル料は、両親の貸与分だけで、生まれた子供の分は、満2歳時に返還されれば、無料ということのようだ。

 

〇里帰りの夢 

前稿に書いたのだが、筆者の一つの夢が、シャンシャンの里帰りである。

シャンシャンの故郷は、勿論、誕生した上野であり、里帰りとは、日本に戻ってくるこ

とだ。

シャンシャンにとっては、(本人?に)聞くまでもなく、上野で一人で遊ぶよりも、中国へ戻って、多くの仲間たちと一緒に暮らしたい筈だ。

 

来年以降、立派な大人となって、再び、婿さん同伴で実家(日本の上野)に里帰りし、待望の子供を産むというのが、筆者の夢なのだ。

その頃は、彼女の両親は健在かどうかは定かではないが、日本では、たくさんの人間の子供たちが待っている! 

 

 いずれにしても、夫婦で傘寿を迎えた我が身だが、何とか長生きし、その日を迎えたいものである!

 

 

 

 

「長崎の鐘」によせて

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       2020年12月17日  「長崎の鐘」に寄せて

 

 

このところ、「長崎の鐘」の歌が、耳元を離れない。古関裕而が作曲した曲自体は、歌いやすいのだが、作詞者サトーハチロウの鮮烈な表現が、なかなか出てこず、字数合わせで、他の歌詞も作ってみたりした。

昨夜も、寝ながら、何度も何度も、堂々巡りのように、歌詞を思い出していた。

 

こうなったきっかけは、先日、NHKの新BS日本の歌で、五木ひろしがこの曲を歌ったのが、極めて印象的だったことだ。彼の持ち歌の、千曲川、遠き昭和の・・・、も歌った。 

番組の内容を確かめようと、NHK番組表で、過去に遡ってこの番組を、何度か検索したが、見つけられなかった。

 

一方、作曲家古関裕而を主人公にした、12月始めまでの、先の朝ドラ 「エール」があるが、ドラマの中で、ウインクしながら、山崎育三郎が、長崎の鐘を歌っている。

 

以下に、この歌について、触れることとしたい。

 

 

〇全体

原爆 広島と長崎の、2度の原爆で、終戦

   怒りの広島、祈りの長崎と言われる。

作詞者サトウハチローの思い

   戦争と原爆に対する、怒り、悲しみ、祈り、鎮魂歌

   復興への希望

作曲者 古関裕而の思い 

   自身の戦争協力への贖罪 

    ⇒ なぐさめ以降の後半で、短調Dmから長調Dへ転調し、希望を表現 

発表時期 戦後の焼け野原からの復興を象徴(昭和24年)

デビューは、端正な、藤山一郎が歌った。

 

下図の楽譜は、ネットより(長崎の鐘 楽譜.png)

 

〇歌詞の逐条解釈

歌詞1番          自分の印象と解釈

青字は間違いやすい箇所

 

こよなく晴れた青空を  素晴らしい青空の風景 

            自分としては、こよなく を、このように使った記憶はない。

            広辞苑 語意

                 こよなくは、形容詞こよなしの連用形(副詞)

                 この上なく 非常に

                   例示 こよなく晴れた秋の空

 

悲しと思うせつなさよ  ”悲し友よせつなさを” のように聞いていた。

            すっきり晴れた青空が、悲しくせつなく思える、という意味

                                               ー晴れ渡る空が切ない、恨めしい、腹立たしいー

                                           がよく理解できなかった。

 

うねりの波の人の世に  憂いの波の-----、のように記憶

            ウネリノナミノヒトノヨニ の字数合わせから、心のきずを慰めて、のようにも。

            うねりの波の人の世:戦争に対する作詞者の強烈な表現

             うねりの波:大事件・大混乱の被害の表現

                   晴れ渡る空に、原爆のキノコ雲が浮かぶ風景が見える。

             人の世:人間が生起させたもの 

                 人事(ひとごと)、人の世の出来事

はかなく生きる野の花よ 生きるは、咲ける、と聞いていた。

            野の草花は死に絶えることなく、焼け野原で、はかない小さな花を必死に咲かせている、とい

                                           う、生きていることへの感動がある。

            歌うと、強弱の関係で、字余りになることがある。 

なぐさめはげまし    なぐさめるように、はげますように

             漢字でなく、ひらがな なのがいい。やわらかく優しい印象

            

長崎の鐘が鳴る     新たな復活の象徴として、教会の鐘の音が響きわたる風景が見える 

            なぐさめるように、はげますように、聞こえる教会の鐘の音   

            この鐘は、廃墟の中から、掘り出され、現在も保存されているという

ああ 長崎の鐘がなる  ああの後、同じ繰り返しがあるのがいい    

 

歌詞2番 青字は間違いやすい箇所

召されて妻は天国へ     残された夫のキリスト信者としての表現

別れてひとり旅立ちぬ    残された夫の寂しい心境

かたみに残るロザリオの   ロザリオは、肌身離さず、亡くなった妻が身に着けていた

鎖に白きわが涙       首飾りの鎖に涙が落ちる風景

なぐさめはげまし長崎の

ああ 長崎の鐘が鳴る

 

〇長崎の鐘等

 ・鐘:被爆した浦上天主堂の瓦礫の中から発見され、現存しているという。

 ・歌詞2番の主人公:筆者は、賀川豊彦と思っていたが、永井隆の誤り

  永井 隆   長崎医大の医者    

   夫人は緑で、原爆で教会で被爆し死亡(贈ったロザリオを着けて)

  賀川豊彦    社会活動家(1888.7.21-1960.4.23)

   夫人はハル(1888.3.16-1982.5.25)

 ・浦上天主堂

  被爆で全壊したが、昭和34年に、下図のように再建された。(カトリック浦上教会 - Wikipedia.html

 

〇電子オルガン

 家内の知人が、エレクトーンで、この曲を演奏し、鐘の音も入れたCDを作った。

 家内のクラス会の集まりで、このCDに合わせて、恩師が、長崎の鐘を、朗々と歌ったようだ。

 

 

「余談」筆者の長崎の思い出

かなり前だが、職場の部下の結婚式の仲人役で、夫婦で長崎を訪問。(結婚式は東京)

特急寝台列車だったと思う。

市内のレストランで、皿うどんを御馳走になったことは、鮮明に覚えている!

又、

 グラバー亭(長崎造船所の遠望)

 眼鏡橋の印象(水災害の前)

 浦上天主堂(階段を上ると白亜の教会 これは家内の証言)

も訪れていると記憶。

 

 

 

 

地球環境問題

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  2020年12月18日(金) 地球環境問題

 

 

このところ、地球環境関連の話題が、時々出て来る。

当ブログでも、地球環境関連では、国連の活動や日本の里山など、何度か取り上げたテーマだ。

 

地球環境問題に関する国連の活動の中で、なんといっても、エポックメーキングなイベントは、2015年末に採択されたパリ協定(Paris Agreement)だ。

パリ協定については、

   地球温暖化防止対策 COP21(2015/12/29)

の記事で、詳しく取り上げている。

 

最近の地球環境関連の話題について、触れることとしたい。

 

〇パリ協定 

・概要

2019年暮れ、フランスのパリで開催された、国連気候変動枠組み条約(UNFCCC*)の、第21回締約国会議(COP21)で採択され、批准・成立した国際条約だ。

協定参加国は、日本を含めて、195カ国であり、全員参加となっている。

  *UNFCCC:UNITED NATIONS FARAMEWORK 

          CONVENTION ON CLIMATE CHANGE

・パリ協定の内容       

 21世紀後半に、産業革命以降の地球の温度上昇を、2度以下にするとしている。

 準備期間を経て、2020年(以前の東京オリンピックの年)から実行する計画だ。

・パリ協定採択以降のフォローアップ

 2015年  COP21  パリ       フランス  パリ協定採択

        COP22  マラケシュ    モロッコ 

        COP23  ボン       ドイツ

        COP24  カトヴィツエ   ポーランド

        COP25  サンチアゴ(チリ)      

               ⇒マドリード   スペイン  チリの政治情勢で変更   

 2020年  COP26  グラスゴー       イギリス  コロナ禍で21年に延期

 

・アメリカの動き

 アメリカのトランプ大統領は、2017年11月に、この条約からの脱退を表明し、1年後の、先だっての11月初旬、脱退手続きが完了している。でも、次期大統領に決まっているバイデン氏は、この条約への復帰を表明しているのは明るいニュースだ。以前の京都議定書でも、米国は脱退した前科がある。  

・日本の方向

 なかなか手が回らない状況であり、排出する炭酸ガスの削減目標など、進んでいない。

 

・ポストコロナ

コロナ禍が大きく影響して、今年のCOP26が、1年後に延期になったが、ワクチンの接種などで、今後コロナが沈静化するとして、どのような新たな方向が、国際的に模索されるのだろうか?

 

〇脱炭素社会

・語源

 地球温暖化ガスの主体である空気中の炭酸ガス(CO2)は、炭素(C carbon)が主成分だ。

 このため、CO2を減らすことを、脱炭素(decarboniz(e)ation)と言っている。

 空気中のCO2濃度を減らすことが、地球環境保護のための急務で、その中で、CO2を直接閉じ込める技術の開発も進んでいる。

 

・脱炭素社会(decarbonized/carbon-free society)

 菅総理の発言

 10月26日の国会所信表明演説:2050年目標に脱炭素社会を実現すると表明

  11月下旬、G20関連の国際会議で、同様の意向を表明

  どちらも、具体策は示されず、将来に対する意向・態度表明と言える。

  低炭素社会(low-carbon society)とも言われる。

   カーボンニュートラル(carbon neutral)という考え方:植物が介在し、CO2を出す側と取り込む側 がバランスするという概念で、環境化学用語の一つ。下図はネットより。

 

・排出権取引

 地球環境保護のための経済用語で、国や企業ごとに、最初にCO2の排出枠を割り振るが、実際に、枠内に納まりきらなかった国や企業が、枠に余裕のある国や企業と取引することとなる。

 国同士では、工場等が多い先進国側が枠不足で、森林等を抱える途上国側が枠に余裕がある事が多く、両者間で取引が行われる。

 京都議定書で取り決めがある。

 

 

 

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