2024年12月19日(木) 韓国大統領
隣国の韓国で、政治情勢が大きく動いている。
12月14日夕刻、韓国国会で、ユン・ソンニョル現大統領の、弾劾決議案が可決され、大統領の職務が停止された。
弾劾についての憲法裁判所の判断が出るまで、ハン・ドクス国務総理(首相)が職務を代行することとなった。
報道やネットで分かる範囲で、以下に、状況を整理してみた。
○弾劾決議
韓国国会の勢力図と、弾劾決議の投票結果を下図に示す。
(参照:韓国大統領の弾劾訴追案が可決、与党12人以上が賛成…尹錫悦氏「私は決して諦めない」(読売新聞オンライン) - Yahoo!ニュース.html)
野党と無所属議員の総数192人のほか、与党から、12人の造反者が出たようで、全体の2/3以上を超える204の賛成で可決されている。
弾劾決議案が上程され決議されたのは、2度目で、1度目の12月7日の決議では、与党議員の殆ど会場を出て行ったために、審議が出来ず、廃案となっている。
筆者は、野党議員だけになると、弾劾が決まると思ったのだが----------。
○今後想定される流れ
今回の弾劾決議の妥当性について、下図に示すように、180日(6ヶ月)以内に、憲法裁判所が判断することとなっている。
(参照:前出のサイト)
図のように、弾劾が妥当とされ失職する場合と、弾劾決議が棄却され、復職する可能性もある。
並行して、検察が大統領の身辺を捜索するようだ。
○非常戒厳令
12月3日、ユン大統領が、非常戒厳令を宣布した。
この宣布について、大統領は、外国(北朝鮮など)の脅威や、反国家勢力から国を守るためと説明したようだ。(下図)
一方、議会では、弾劾の解除が決議され、発令から数時間後には解除するという、慌ただしさだったようだ。
客観的に非常戒厳令に相応しい状況だったのか、大統領の思い込みだったのではないか、など、批判もあるようだ。
2022年5月に大統領に就任したが、今年春の総選挙で、前出のように野党が圧勝し、加えて、汚職スキャンダルなどの疑惑もあり、最近は、身動きが取れない状況だったという。
〇歴代大統領
第六共和制となった、1988年以降から現在までの歴代大統領は、以下の様だ。
(参照:大統領 (大韓民国) - Wikipedia.html)
〇弾劾決議を受けた大統領
上図にあるように、歴代大統領の中で、弾劾決議を受けたのは、2人で、今回で3人目となり、以下のようだ。
大統領 弾劾決議年 憲法裁判所の結果
ノムヒョン 2004年 復帰
パククネ 3016年 罷免
ユンソンニョル 2024年 ?
〇戒厳令の宣布
韓国では、戒厳令は、これまで何度か発令されていて、以下のようだ。
(参照:戒厳 - Wikipedia.html)
この中で、1980年のパクチョンヒ大統領暗殺事件の時、チョンドファン大統領が宣布したのは、大きな事例で、今回は、それ以来という。
我が国との関係では、ユン大統領になってから、最悪だった関係が、徴用問題などが、大幅に改善されているだけに、状況が変わらないことを願いたいところだ。