2024年10月25日(金) 西行法師
最近、テレビを観ていたら、西行法師のことが報道された。
今回は、この関連の話題を取りあげる。
○西行法師には、筆者も知っている、著名な以下の歌がある。
(参照:【願わくは花の下にて春死なんその如月の望月の頃】徹底解説!!意味や表現技法・句切れなど _ 短歌の教科書|短歌の作り方・有名短歌の解説サイト.html)
願わくは、鼻の下にて、春死なん、その如月(きさらぎ)の、望月のころ
西行は、建久元年(1190)2月16日に、亡くなったが、これは旧暦である。(新暦では、月は弥生で、手持ちの神宮館歴では、満月となる望月は、3月25日になり、桜も見頃だろうか)
神宮館歴では、旧暦の望月は16日で、まさに、ドンピシャで往生できたようだ。
○西行法師には、うろ覚えだが、小倉百人一首に入っている、以下の歌もあるようだ。
(参照:【百人一首 86番】嘆けとて…歌の現代語訳と解説!西行法師はどんな人物なのか|百人一首解説サイト.html)
嘆けとて、月やはものを、思わする、かこち顔なる、わが涙かな
この歌は、月を擬人化した上で、反語表現の「やは」を使った、複雑な構成となっている。
「月やはものを思わする」の「やは」は、反語表現で、お月様は思ってはいないだろう、の意だ。
「かこち顔」は、「かこつ」とともに、手持ちの広辞苑第七版には、以下のように載っている。
託(かこ)つ :関係のない他の物事のせいにする、かこつける
託ち顔 :嘆いている顔つき、恨めしそうなようす
嘆きなさいと、お月様は、思ってはくれないだろ。出家する前の恋人が忘れられず、嘆きながら、押しつぶされそうな恋心に、涙するばかりだ、の意味のようだ。