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ソチ五輪パラ輪  総集編 4

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H2014年4月17日(木) ソチ 五輪パラ輪   総集編 4

  

 

 本稿は、下記の続編となるものである。

    ソチ 五輪パラ輪   総集編 1  (2014/3/29)

    ソチ 五輪パラ輪   総集編 2  (2014/4/2)

    ソチ 五輪パラ輪   総集編 3  (2014/4/8) 

 

◎今回のキーワードは、「パラ輪」である。  

◇パラ輪の歴史とロゴ 

* パラリンピック(Paralympic)という言葉は、当初は

     Paraplegia+Olympic

という意味だったという。

 para― という接頭語は、二つという意味で、−plegia(麻痺)と組み合わされ、両足が不自由な人達を、paraplegia(パラプレジア 下半身麻痺者)と言うようだ。 障害者の競技会は、この人達が、車いすを使って競技することから始まったという。 paralysis(麻痺)と言う言葉もある。 

 パラリンピックに相当する国際競技会は、1960年に第1回(ローマ)が行われたようだ。そして、1964年の東京オリンピックの時に、第2回(東京)があったようだが、呼称も含めて、過渡的な開催となっている。東京の時は、どの様に行われたのかは、残念ながら、筆者の記憶には無い。 

パラリンピックという呼称で、オリンピックと同一都市で、セットで開催されるようになって、定着したのは、1988年のソウルオリンピック以降で、これらを機に、パラリンピックという言葉は、

          Parallel(もう一つの)+Olympic

と再解釈されているようだ。(以上は パラリンピック - Wikipedia より) 

 

 筆者は、パラリンピックを、略して、パラ輪と言う事が多い。上述のように、パラリンピックは、オリンピックの弟分であり、日本語では、オリンピックの略称の「五輪」との語呂合わせも良いので、「パラ輪」という略称も、便利に使いたいものと思っている。

 

* パラリンピックのシンボルマーク(ロゴ)は、五つの輪ではなく、「心」という漢字に似ていて、赤・青・緑色の、踊るような3つの図形が、それぞれ、心・肉体・魂を象徴するという、独特のデザインである。(以下は、ネット画像より)

     

            パラリンピック シンボルマ−ク                        選手達が一休み−ソチでの風景 

 

  パラリンピックのロゴマークの歴史や詳細については、当ブログの、下記記事で触れているので、省略したい。

                ロンドンパラリンピック その1 (2012/9/13) 

 

 

◇開会式

 オリンピックの20日程後の、3/7から、引き続いて開催されたソチパラリンピックには、45カ国から、550名程が参加したようだ。

参加国の一つウクライナは、迷った末に参加することにはしたものの、折りしも始まったクリミア紛争への抗議の意を、世界にアピールするため、開会式では、旗手たった一人だけの入場であった。 

 五輪と同様、ロシア語の順での入場で、日本の選手団20人と関係者が、最後尾の開催国ロシアの前に入場した。旗手はクロカンの大田選手で、主将はアルペンの森井選手である。

 

 開会式では、盛りだくさんのプログラムがあったが、今でも印象に残ったのは、映像とリアルを組み合わせた、巨大な砕氷船で、映像とは思えなかった。 事実、船の上にある甲板には、人間の乗組員もいたのだが、この部分だけ、天井から吊り下げたのだろうか。

   

                   砕氷船                                    М    И     Р

 この船の名前が、ロシア語で、

     МИР(Mi−ru ミール 平和という意とか)  

とあった。 

 パラ輪の聖火は、何処からどの様に運ばれたのかは、未調査だが、聖火のリレーでは、東京オリンピックの招致で大活躍した、陸上の佐藤真海さんもランナーの一人として、義肢を見せながら加わっている。 

 

 

◇競技種目

 今大会では、

   ・アルペンスキー

   ・クロスカントリー

   ・バイアスロン

   ・アイススレッジホッケー

   ・車いすカーリング

の5競技があり、全体で72種目に分れている(バンクーバー大会からの変更は未調査)。

  競技内容は、オリンピックとほぼ同じだが、スキーの、アルペンやノルディックでは、大きく、立位、座位、視覚障害に分けられ、更に、障害に応じて、細分化されているようだ。 日本からは出場していない珍しい視覚障害のカテゴリーでは、ガイド役が一緒に滑るという。

日本からは、車いすを使う、アイススレッジホッケーと、車いすカーリング競技には、出場していない。これらでは、予選の国際大会で敗退し、参加枠が貰えなかったようだ。

  

 車いすカーリングだが、TVで簡単に放送された競技の様子を視る機会があった。このカーリングでは、車いすなので、静止した状態で、長い棒のような道具(キューと呼ぶ)を使ってストーンを押し出すようにする。

通常のカーリングでの、慌ただしい動きをするスイープ作業は、はらはらさせられるので、いっそのこと止めにしたら、と先だっての当ブログ記事

           ソチ五輪  カーリング 2 (2014/3/11)

で述べているのだが、車いすカーリングは、まさに、スイープは行われないので、ゲーム展開は静かなものである。 

でも、スイープの甲高い掛け声と慌ただしい動作がないカーリングは、不思議なことに、どこかしら淋しいのだ。スイープは、カーリングの一つの風景で、魅力でもあったのか、と気付かされたようだ。 

  スイープする、しないの差だが、解説によれば、スイープしないと、氷面での摩擦が増えるため、石の回転が効き始めるポイントが、2〜3m程手前になるという。

 

 

◇日本チームは20人の参加なのだが、獲得したメダル数が

   金3個、銀1個 銅2個

と活躍した。中でも、アルペンで、金2個の狩野選手、同じく、金、銅の鈴木選手の活躍は立派だ。

主将役の森井選手は、スーパー大回転で銀メダル、バイアスロンの久保選手は銅である。 今大会のメダリストは、男子だけで、バンクーバーで活躍した女子は、含まれなかったのは残念だ。 

 

 日本選手がメダルを獲得した競技種目全てが、座位であることは、注目したい。

 1本だけのスキーに乗って滑るなどの、座位形のアルペン競技では、使用する道具が大きなポイントだが、日本の技術力が生かされているようだ。回転時に重心を後ろに懸けてターンすることで、所要時間を短くするなど、道具メーカーと選手とが、一緒になって色んな工夫が行われたという。

 鈴木選手(ネット画像より) 

 立位は、道具もさることながら、パワーが物を言う競技と言え、日本人が欧米人に伍していくのは大変なことだろうか。

 

 ソチパラ輪でのメダル獲得総数を見ると、ロシアは80個で圧倒的な1位だが、ウクライナは2位の25個で、実績を残している。(ソチパラリンピック - Wikipedia

 アジアでは、メダルを獲得したのは、日本だけだ。ロンドンパラ輪で大活躍した中国や、次回の冬のパラ輪開催国である韓国に、メダルがないのは何故だろうか。 調べた所では、中国の参加は10名(クロカン、車いすカーリング)、韓国の参加は27名(アルペン、クロカン、車いすカーリング、アイススレッジホッケー)とある。 

 

 

  パラ輪については、全体として、TVのライブ中継などの放送時間も少なく、自分も含めて、一昨年夏の、ロンドンパラリンピック程には盛り上がらなかったように感じる。

これには、五輪とパラ輪の違い、夏季と冬季の違いなどもあるが、この最大の理由は、日増しに激しくなる、クリミア半島とウクライナをめぐる、ロシアや西欧の動きだろう。

 プーチン大統領は、オリンピックで最高に盛り上がったロシア国民の愛国心を、巧みに利用して、あらぬ方向へミスリードしてしまったのではないか。

世界の国々は、最高の平和の祭典である、オリンピック・パラリンピックどころではなくなり、関心を大きく減殺してしまったと言えるようだ。

 砕氷船の名前が、今となっては、空疎な響きに聞こえる。 閉会式でのウクライナ選手団の入場で、旗手の着ているシャツの胸に、「МИР Peace」と大書してあったのが印象的であった。

 

 

 

 

 

 

 


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