2014年4月8日(火) ソチ 五輪パラ輪 総集編 3
本稿は、下記の続編となるものである。
ソチ 五輪パラ輪 総集編 1 (2014/3/29)
ソチ 五輪パラ輪 総集編 2 (2014/4/2)
◎今回のキーワードは、「五輪閉会式」である。
ソチ五輪が始まる前は、ボイコット騒ぎで揺れたモスクワ五輪の苦い記憶があるだけに、テロ行為などがかなり心配されたのだが、表向きは大きな事件は無かったようで、無事、閉会式を迎えられたのは、何よりであった。
*五輪マーク
開会式では、光で表した五輪マークの仕掛けの5つ目が開かず、四輪+蕾? となる、大失態を演じて仕舞った。(下図左)
閉会式では、大勢の踊り手たちが五輪マークをつくったが、一瞬、アレ! またも開かないの? と思わせた後、今度は、五輪が綺麗に揃ったのである。(下図右 上→下)
開会式での失敗で、多分、責任者はこっぴどく叱られた事だろうが、ハプニングを逆手にとった、素晴らしいジョークであった。この様な演出が出来るロシアの、懐の深さの様なものを感じた次第。(図は、ネット画像より)
開会式でのハプニング 閉会式 またも?→綺麗に揃った!
*クロカンの表彰
スキーでのクロスカントリーは、最後の2日間に、女子の30km、男子の50kmが行われたが、なる程、雪原のマラソンとも呼ばれるだけあって、半端な距離ではない。
女子は本場ノルウエー勢が、金、銀、銅を独占したようだ。
一方男子だが、TVで観戦する機会があった。ゴール直前まで激しいデッドヒートが演じられた。全体では、1時間40分以上も掛かる、長丁場の競技なのだが、記録上では、
1位 ロシア 1時間46分55秒2
2位 ロシア 1時間46分55秒9
と、1−2位の時間差は、0.7秒。
そして、ゴール直前で追い抜いて、3位もロシアとなってメダルを独占したが、時間は、
3位 ロシア 1時間46分56秒0
と、なんと2位とは、0.1秒差。
1〜3位迄の時間差が1秒以内という凄まじさであった。
このクロスカントリー最後の種目の表彰式を、閉会式の会場で行うのが、この所の慣例になっているようで、雪原の王者達を讃えるに相応しい場なのであろうか。
男子の表彰では、ロシアの3選手が、晴れの表彰台に上がったことで、会場や国内の愛国心は最高潮に達しただろう。(⇒その後のロシア政治の暴走を、一層助長してしまった!)
ジャンプとクロカンがセットになっている、ノルディック複合は、往時は日本のお家芸とも言われたが、今大会で渡部選手は、個人ノーマルヒルで、見事銀メダルを獲得している。この種目でのクロカンの距離は、10kmであるがーー。
*ピョンチャンへ引き継ぎ
閉会式では、ソチ市長から、次の冬の開催予定地である、韓国ピョンチャン(平昌)市長に、オリンピック旗が手渡され、会場には、よく知られた「アリラン」の曲が流れた。
韓国としては、2018年のピョンチャン大会は、1988年夏のソウルに続く、初めての冬の開催となる。更に、その2年後には、夏の東京オリンピックが控えているだけに、韓国としては、日本に負けじと、今後は、国を挙げて、大いに盛り上げていく事だろう。
オリンピック開催地を巡っては、2011年のIOC総会では、ソチとピョンチャンで争われ、第1回投票ではピョンチャンが1位だったのが、決選投票で、逆転でソチになった経緯があったようだ。
更にその4年前の、バンクーバーに決まる時の2007年の総会では、1回目の投票ではピョンチャンが最多得票だったのが、2回目の決選投票で、僅差で敗れているようだ。
ピョンチャンとしては、立て続けに苦杯を舐めさせられた後での、3度目の正直だったようだ。
*マスコット達
ソチ大会のマスコットとしては、ロシア国内のTVの人気投票で、ロシアに因む3種類の動物達が選ばれたようだ。 以下のように、擬人化されていて、現地での愛称があり、生活圏もあり、特技もあるようだ。
現地愛称(種類) 生活圏 特技
ミーシカ(ホッキョクグマ) 北極圏 ボブスレー
レオパールド(ユキヒョウ) コーカサス山地 スノーボード
ザーイカ(ノウサギ) 冬の森 スポーツ全般
閉会式では、ぬいぐるみのマスコット人形が出てきた。クモの子のように見える、小さな人間達と比べると、その巨大さに驚かされるが、ロシア人は、大きな物を好むようだ。
マスコット達が、聖火を吹き消し、余韻を残しながらソチオリンピックは終了した。
巨大なマスコット達
聖火を消す ザーイカ ミーシカ レオパールド