2023年9月20日(水) ドイツ語の歌
この所気になっている、ドイツ語の歌を取り上げる。
◎ ムシデン
♪ムシデン ムシデン♪で始まる歌があり、筆者が、以下の原語の発音で、よく知っているものだ。
ムシデン ムシデン ツムシュテッテレナウス シュテッテレナウス
ウント ドウマイシャッツ ブライディール
ベニコンベニコン ベニビデュルムコン ビデュルムコンケリ
アイマイシャツ バイディール
カニグラーイミットアルバイ バイヅルザイン
ハリドッホマイフライトアンディール
ムシデンは、虫でんに聞こえ、ベニコンは、紅こんに聞こえて、そう覚えたことだ。
ネットの以下のサイトに、原語と日本語訳が出ているが、日本語訳は、後述の楽譜にある歌詞が一般的だ。
(参照;別れの歌 ムシデン Muss i den ドイツ民謡.html )
歌のタイトルは、「別れの歌」「別離の歌
手持ちの、古い歌集には、この歌は、南ドイツ シュバーベン地方の民謡と出ている。
楽譜は以下である。(参照:別れの歌 ムシデン Muss i den ドイツ民謡.html)
日本語の歌詞では、楽譜にある、岡本敏郎訳がよく知られている。
◎菩提樹
釈迦の木と言われる菩提樹は、ドイツ語では、Lindenbaumと呼ばれる。
著名な楽曲 「菩提樹」は、ミュラーの詞に、シューベルトが作曲し、歌集「冬の旅」で発表したようだ。
筆者も、ほぼ、原語に近い発音で、次のように、今でも覚えていることだ。
アンブルンネンホールデントーレ ダシュテート アインリンデンバーム
イッヒトラウムト インザイネンシャッテン ゾマンヘスシーセントラウム
(以下 略)
原詞は以下である。
曲調は、2番で短調に転調し、3番の冒頭で、嵐の気配となるが、長調に復調後は、柔らかい雰囲気となり、全体として、ロマン的味わいがある曲となっている。
ネットには、著名なバリトン歌手のフィッシャー・ディスカウが歌っている動画もあり、久しぶりに聞いたことだ。
◎故郷を離るる歌
この歌は、今は、ポーランド領になっている、旧ドイツ領シレジア地方の民謡で、旅立っていく者が、故郷に別れを告げる歌という。
以下に、ネットにある楽譜を引用する。
(参照:故郷を離るる歌/うたごえサークルおけら.html)
この歌は、日本では、大正初期に、東京音楽学校関係の演奏会で、混声合唱曲として、紹介されて、大変、流行したようだ。日本では、吉丸一昌の訳詞で歌われていて、小百合や撫子や千草や、つくしの丘や柳の土手など、舞台装置が賑やかだ。
が、元歌の民謡の歌詞は、以下のサイトに拠れば、別れの歌であるのは同じだが、貧しさの中で、愛する人との、別れを惜しむ光景が描かれているようだ。
元歌の解説を、少々長いが、以下に引用する。
(参照:故郷を離るる歌 歌詞の意味・和訳 ドイツ歌曲.html)
吉丸一昌訳詞では、故郷の風物全体を別れの対象として、汝(なれ)と呼び、別れを惜しんでいる。引用した上述の歌詞にある、若い男女は登場しない。風紀が乱れるとの配慮があったかも知れない。
どうして、このような訳詞になったのだろうか、信じられないことだ。
筆者の理解では、日本語の歌詞は、元歌のメローディを借用した“替え歌”とすればよいようで、吉丸一昌は、訳詞者でなく、作詞者となる。
スコットランド民謡の「麦畑」の、節だけを借用し、全く異なる、「故郷の空」(詞 大和田建樹)にしたのと、類似している。
◎学生時代とドイツ語
筆者は、学生時代、第2外国語として、ドイツ語を選択したのだが、一寸した日常会話も出来ずに終わってしまっている。
今回、朧気な記憶を頼りに、ドイツ語の歌を取り上げたが、学校で、ドイツ語をまともに覚えなかった、罪滅ぼしのような感覚もあるだろうか。
3曲とも、手持ちの、古い歌集に出ているものだ。