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ウクライナのこと  その5

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  2022年4月2日(土)  ウクライナのこと  その5

 

 

連日、ウクライナ関連のニュースが飛び交っていて、最近の情報では、トルコ イスタンブールで、両国代表団による、停戦交渉などが行われたようだ。

ロシアのウクライナへの軍事侵攻の関連では、本ブログで、これまで、下記記事を投稿している。

 ・ウクライナのこと その1 (2022/3/16) 

   米国高官の議会証言、ロシアTVでのハプニング 等

 ・ウクライナのこと その2 (2022/3/19)

   ウクライナの、国旗、国土、キリル文字、都市と州制度 等

 ・ウクライナのこと その3 (2022/3/24)

   ウクライナの政治体制、経済状況 国軍 パラ輪不参加 等

 ・ウクライナのこと その4 (2022/3/27)

   ゼレンスキー大統領の各国と、日本の議会での演説  等

 

今回は、その5として、停戦交渉の状況、NATOとワルシャワ条約機構、ソ連邦の崩壊とその後の状況、等について取り上げる。

 

〇停戦交渉

ウクライナとロシアとの、当事国同士の停戦交渉だが、3月29日、トルコの仲介で、トルコのイスタンブールで行われたようだ。

       ウクライナ代表                     ロシア代表

ウクライナ側からは、自国の中立化や非核化などを確認する書面を提出したようで、ロシア側の代表は、協議は「建設的だった」と評価したと言う。

また、ウクライナ側から、NATOへの加盟は諦めるが、その、見返りとして、関係国による、安全保障を求めたようだ。関係国として、国連安保理事会の5理事国(米、ロ、英、仏、中)に、カナダ、トルコ、ポーランド、イスラエルを加えることを求め、NATO条約5条のような規定を求めたと言う。

一方、クリミヤ半島の併合の撤回や、ウクライナ東部の自治政府の承認の撤回などは、ウクライナとしては、認めるわけにはいかないが、長い時間を要する問題で、当面は、棚上げする意向という。

両者によるオンライン交渉なども含めて、今後、停戦交渉がどのように進展するかが注目される。

 

〇NATO

今回の、ウクライナ関連では、すっかり有名になった、NATOである。

NATOは、

  North Atlantic Treaty Organization 

の頭文字を取ったもので、日本語では、「北大西洋条約機構」と言われる。

 この組織体は、第二次世界大戦の終了間もなくの、1949年に、下図に示す、原加盟の、西ヨーロッパの10か国に、アメリカ、カナダ2か国が加わった形で、設立されている。

戦後の世界の秩序を維持することが、目的であるが、NATOへの関心は高く、加盟国は、図にあるように、旧ソビエト連邦構成国も含め、加盟が増加している。

 

      2020.3加盟   北マケドニア  

旧ロシア連邦構成国では、図にあるように、

   バルト三国(エストニア、ラトビア、リトアニア)

   東欧諸国(ポーラアンド、チェコ・スロバキア、ルーマニア、ブルガリア)

が、NATOに加盟している。

 

 

〇ワルシャワ条約機構

NATOに対抗するように、1955年に、ソビエト連邦を中心として、東欧諸国で設立されたのが、下図の、「ワルシャワ条約機構」である。ポーランドのワルシャワで合意されたため、この名がある。この設立に参画したのは、下図の、赤色の広大なソビエト連邦と、図の左下に、白い線で示されている東欧の国々、ポーランド、東ドイツ、チェコ・スロバキア(後に、チェコ、スロバキアに分離)、ハンガリー、ルーマニア、ブルガリア、アルバニア(後に、離脱)である。(東ドイツは、図では、桃色である。)

   

ドイツが東西に分割されていた時代で、東ドイツは、ワルシャワ条約機へ、西ドイツは、NATOへ、加盟している。

ドイツがNATOに加盟したのは、先述の図にあるように、東西ドイツが統一された後の、1955年のことだ。 

 

〇ソビエト連邦の崩壊と旧連邦構成国

1991年のソビエト連邦の崩壊は、大きな変革の出発点となった。戦後体制である、ワル

シャワ条約機構も解消されている。

ソ連崩壊の原動力となったのは、ソビエト連邦の、最後の指導者となったソゴルバチョフ氏で、氏が推し進めた、政治体制の変革を目指した、再構築運動(ペレストロイカ)である。

これにより、ロシアは、大統領制となり、初代大統領には、かの、エリツイン氏が就任した。

 

ソビエト連邦が崩壊した時の、ソビエト連邦の元構成国は、下図の15か国である。

此の中で、バルト三国(エストニア、ラトビア、リトアニア)は、ロシアの頸木から逃れて、いち早く独立した。そして、しばらく後、先述の図にあるように、揃ってNATOに加盟している。

 

元構成国15のうち、上記のバルト3国を除く、以下の12か国が参加して、1991年12月のアルマ・アタ宣言で、CISの創設が決定されている。 

CISは、Commonwealth of Independet States の略で、日本語では、「独立国家連合」と呼ばれるが、緩やかな国家連合体で、ベラルーシのミンスクに本部があるようだ。  

  アゼルバイジャン  ジョージア(旧称 グルジア) アルメニア ウズベキスタン 

  トルクメニスタン カザフスタン キルギス タジキスタン ウクライナ ベラルーシ

  モルドバ ロシア連邦

ロシアとしては、旧構成国を、自国の影響下に置きたい意向があったと思われるが、CISが、どの様な組織で、現在はどうなっているのかは、よく分からない。

 

〇GUAM

一方、今般、初めて知ったのだが、GUAMというグループもあるようだ。これは、元ソビエト連邦の構成国の中で、ロシアの姿勢に不満を持つ反ロシア的な、下記4か国の頭文字を取った組織で、1996年に創設され、ウクライナのキエフに事務局がある。 

名称に、「民主主義と経済発展の機構」が、付されているようだ。

  Georgia Ukraine Azerbaijan Moldova 

下図の茶色の諸国がこれになる。

図にあるように、トルコとラトビアは、オブザーバーになっているようだ。

 

〇CSTO

一方、CSTOという、軍事組織もあるようだ。これは、英語の、

  Collective Security Treaty Organization 

で、日本語では、「集団安全保障条約機構」と称されていて、固有名詞でなく、一般名詞になっているのは珍しい。

下図の、ロシア連邦の周囲にある、白色で区切られている諸国、東欧のベラルーシ、中央アジアのタジキスタン、カザフスタン、ウズベキスタン、トルクメニスタン、キルギスが、CSTOに加盟しているようだ。

   

図で、アゼルバイジャン、グルジアは,脱退国 ウクライナ、モルドバ、トルクメニスタンは、非加盟国である。

CSTOが、どのような軍事同盟なのかは、よく分からない。


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