2022年3月24日(木) ウクライナのこと その3
昨23日の夕方、ウクライナのゼレンスキー大統領の、日本国会での、オンライン形式での演説があった。本件については、各国議会での演説も含めて、改めて取り上げる予定である。
ロシアのウクライナへの軍事侵攻について、これまで、下記記事を投稿している。
ウクライナのこと その1 (2022/3/16)
ウクライナのこと その2 (2022/3/19)
今回は、その3として、ウクライナの政治体制や経済状況などについて、取り上げている。
〇ウクライナの政治体制
ウクライナは、大統領制を取っており、最近のニュースによく出てくる、現職の、ゼレンスキー大統領(下図)は、2019年以降、この座にあるようだ。氏は、面白いことに、コメディアンの出身といい、独特のセンスがあるようだ。
一方、ウクライナには、政府があり、実務をこなす首相がいて、現在は、下図のシュミハリ首相であるが、殆ど表には出てこない。
シュミハリ首相
また、これまで、下図の、女性実業家で美人のティモシェンコ氏が、首相として、2回登板しているようだ。
立法府である議会は、ヴェルホーブナ・ラーダ(最高議会)と呼ばれ、1院制で、定数は、450という。
〇ウクライナの国軍
今回、ロシアのウクライナ軍事侵攻を受けて、果敢に戦っているのが、以下の、ウクライナの国軍だ。 (ウクライナ軍 - Wikipedia.html 参照)
陸軍 特殊作戦軍 基地:キエフ(首都)、ハルキウ(州都)
海軍 基地:オデッサ(州都)
空軍 基地:ヴィーンメィツャ(州都) ハルキウ(州都)
空中機動軍 基地:ジトーミル(州都)
上記サイトによれば、国軍の総数は、20万9000人と言う。
ニュースによれば、一般市民も、軍の後方支援や道路の封鎖などで、徹底抗戦しているようだ。
〇ウクライナの経済と産業
主要産業について、彼我の数値を調べたところ、以下のようだ。
*ウクライナの主要産業の状況は以下だ。(ウクライナ基礎データ|外務省.html 参照)
主要産業(産業別構造比)
卸売・小売業、自動車・二輪車修理業(14.0%) 製造業(11.0%)
農業、林業、漁業(9.3%) 情報・通信(5.0%) 鉱業・採石業(4.5%)
教育(4.3%) 専門・科学・技術的活動(3,3%)
2020年:ウクライナ国家統計局)
上に示されている比率だが、外務省のデータなので、信頼度は高いはずだが、全体を足し合わせても、50%程度にしかならない。卸売・小売業の数値が抜けている等、大きなミスがあると思われる。残念ながら、他のサイトを探したが、欲しいデータは、見つからなかった。
*これに対し、日本の産業別構成比の推移を下図に示す。(産業別構成比の推移 参照)
分類の尺度が異なるので、相互比較は難しいが、日本に比して、ウクライナの特徴は、以下
だろうか。
・一次産業(農林漁業)の比重が高いこと
・サービス業の比重が低いこと
・鉱業がやや高いこと など。
また、一人当たりの国民総所得でみると、手持ちの地図帳の情報(2013年のデータ)では、以下のようだ。
ウクライナ 3960 ドル 日本 46140ドル
⇒ウクライナは、日本の、約8.5%
〇クリミア併合
2014年のロシアによるクリミア併合により、ロシアによって意図的に、傀儡と言える自治政権がつくられ、ロシアの領土として、南部連邦管区内の、クリミア共和国とセヴァストポリ市として、組み入れられている。
(ロシアによるクリミアの併合 - Wikipedia.html および
(2014年クリミア危機 - Wikipedia.html を参照)
下図は、ウクライナ国内での、ロシア語を母語とする、話者の割合を、州別に示した図である。
「西低東高」と言える状況で、特に、クリミア半島や、ドネツィク州、ルハーンシク州では、割合は高いようで、ウクライナからの分離・独立の動きもあるようだ。
国際的には、クリミア併合は、もちろん、認められていない。
〇オリンピックとロシアの動き
クリミア併合が行われたのは、ソチオリンピックの時である。そして、今回の北京オリンピック・パラリンピックでも、イベントの終了を待つかのように、ロシアが、ウクライナに軍事侵攻している。
北京パラリンピックに関しては、軍事進攻を予見するかのように、バーンズ会長の決断で、ロシアROC、ベラルーシROCチームの参加が、認められていない。
以前、当ブログで、ウクライナの事を取り上げたことがあると思って調べたところ、以下の記事を投稿していることが、分かった。
ウクライナの行方 1 2014/5/17
ウクライナの行方 2 2014/5/20