2019年6月22日(土) フランスばやり その1
このところ、フランスで開催される、スポーツ大会や文化イベントなどの話題が多く、フランスばやり、の状況である。
さし向きのイベントは以下だ。
①アニメーションといえば、目下、NHKの朝ドラ、「なつぞら」で話題になっているが、
先日、アヌシーで、国際アニメーションー映画祭が開催された。
②モータースポーツファンにはたまらない、伝統的な24時間耐久レースが、ルマンで開
催されている。
③サッカー男子では、Uー22クラスのトゥーロン国際大会が先日終わったところだ。
④サッカー女子では、W杯の予選リーグが進行中で、日本代表の「なでしこ」は、パリで
のアルゼンチン戦、レンヌでのスコットランド戦、一作日20日朝の、ニースでのイン
グランド戦を終えて、決勝トーナメント進出となった。 次試合の開催地は、レンヌの
ようだ。
イベントの開催地は、よく知っている所もあれば、名前がよくわからず、場所も言えないところもある。この状況は、地理好きの筆者には、フランスのことを知るいい機会でもある。
本稿では、各イベントの内容について、大まかに触れるとともに、合わせて、フランス全般について、順次、取り上げていくこととしたい。
◎イベントの開催地
これらの開催都市を調べるのに、思いついて、ネットにあるフランス自慢の高速鉄道網(TGV)を見たのだが、幸いに、全部が載っている! (下図 ネットより)
以前、スイス・ジュネーブでの国際会議への出席後に、パリ見物をしたいと、ジュネーブから、リヨンを経由してパリまで、TGVに乗ったことがある。当時の列車の速度はよく覚えていないが、通常の特急電車並みだっただろうか。
フランスでのイベント開催地とTGV網
図では、開催都市を赤〇で示している。パリ、ニース以外のフランスの主要都市である、リヨン、マルセイユを、参考として、青〇で示している。
アヌシーは、リヨンの東部
トゥーロンは、マルセイユの東部(ニースの手前)
ルマンは、パリのほぼ西部
レンヌは、パリのほぼ西部(ルマンの更に西)
上図のTGV網をみていると、パリを中心とした鉄道網が、東西南北方向に、放射状に広がっている感じで、一極集中ともいえる。 パリの市内が、凱旋門を中心にして放射状になっているのと、似ている印象である。
◎イベントの概要
①アヌシー国際アニメーション映画祭
権威と伝統を誇るカンヌ映画祭は、大戦後の1946年から始まっているようだが、1960年に、アニメ部門が分離独立して、アヌシー映画祭は始まったようだ。 当初は隔年開催だったが、暫くして毎年になっていて、今年で43回目を数える。世界的に見て、アニメ部門では、突出した存在となっているようだ。
日本の作品では、これまで、長編部門で、
1963年 紅の豚
1965年 平成狸合戦ぽんぽこ
2017年 夜明けを告げるルーのうた
がグランプリを受賞している。
今回、日本からの作品は、長編部門で3本*(全8本中)、新設された、コントラシャン部門(実験的・革新的表現)で1本**(全8本中)ノミネートされた。
先日の6月15日、審査結果が発表されたが、残念ながら、日本作品は賞を逃している。どれも見てはいないが、映画作品のテーマや視点が多様化しているだろうか。
* きみと、波にのれたら
バースデー・ワンダーランド
あした世界が終わるとしても
** 海獣の子
世界には、三大映画祭なるものがある。 これまで、日本からの多数の作品が、最高賞を受賞していることだ。
カンヌ映画祭 地獄門、影武者、楢山節考、うなぎ、万引き家族
(カンヌは、南仏コートダジュールの町 前図でニースの直近)
ベルリン映画祭 武士道残酷物語、千と千尋の神隠し***
ベネツイア映画 羅生門、無法松の一生、HANAーBI
かおなし(千と千尋の神隠し)
日本には、芸術活動などで、外国で認められて箔を付けたい、との舶来志向が未だにあり、換言すれば、文化面での後進性でもある、と言えるかもしれない。
アニメの世界でも、素晴らしい技術をつかって、いい作品をつくるのだが、世界から作品をあつめて、コンクールをやるという「舞台作り」役は、あまり得意ではないようだ。
これで思い浮かぶのは、テニスのウインブルドン大会だ。最近は、イギリスのプレーヤーが優勝することは殆どないが、テニス4大大会の最高の舞台として、頑として、伝統を守り主催し続けてきている姿勢は、敬服に値することだ。
〇アヌシー
アヌシーは、オーベルニュ・ローヌアルプス州に属していて、人口12,4万(2014)程で、アルプスに囲まれた、アヌシー湖湖畔の町。ジュネーブとの関係が深いようだ。モンブラン山、シャモニーも近隣である。
2018冬季オリンピックに立候補したが、韓国のピョンチャン(平昌)に敗れているようだ。