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平成から令和へ  3-1

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2019年5月9日(木)  平成から令和へ 3-1 

 

 平成から令和への移行も重なった超大型連休も、先日の振替休日で終わりで、世は、通常の活動に戻りつつある。

これまで、当ブログに、以下の記事を投稿している。

 

   平成から令和へ  1 (2019/4/30)

   平成から令和へ  2 (2019/5/5)

 

1では、天皇の代替わりに伴うさし向きの行事と10連休、祝休日に関するワークライフバランスの話題を、2では、天皇と元号の歴史等についての話題を、取り上げて来たところだ。

 

 本稿はその続編で、令和の意味や典拠等について取り上げる予定だが、とりあえず扱いやすい、令和の漢字標記と、書体、ローマ字表記について、先行して触れることとしたい。

 

 

●漢字表記

  令和の漢字表記について少し調べてみた。漢和辞典の部首の、どこに入るのだろうか?

部首名一覧  参照)   

 

* 令の字は、漢字の構成で分類する場合の、「冠」(かんむり)の一種で、「人」の形をした、「ひとやね」と呼ばれる部首(にんべんの仲間)になるようだ。この部首の他の例としては、今、企、倉 等、多くがある。

  

  令の字の、4、5画にあたる部分は、部首名にもなっている、卩「わりふ」と似ているが、よく比べて見ると、上の部分が、少し違っているようだ。令は、上述のように、わりふの部首には入っていない。

 

  卩は「ふしづくり」とも言われるが、この部首には、印、卸などの漢字がある。卩の形は、昔、商取引で使われた、割符の形を現していると言われる。

 又、古い漢和辞典によれば、卩は部首だけでなく、節の古字とあり、セツと発音するようだ。     

 

* 和の字は、形を見て直感的に、漢字構成の「偏」(へん)の一種の、「のぎへん」の部首と思ったのだが、違っていた! 「のぎへん」の部首には、私 秋、など多いのだがーー。

 和は、口「くち」の部首になるようで、他には、右、台など多くの漢字がある。

  口が右側にあるので、口「くちつくり」(旁)という部首とも思ったのだが、この名の部首は無い。   

  一方、やや小さい口の字の、「くちへん」には、吾 君、哲 嘉 等、多い。

 

  前述のように、漢字をどのように分類し、どの部首に入れるかは、単純ではないようだ。たまたま知ったのだが、漢字 命は 、「ひとやね」でも、「わりふ」でもなく、口「くち」の部首になるという。また、漢字 問は、「構」(かまえ)の一種の「もんがまえ」でなく、「くち」の部首というのも、やや驚きで、ややこしことだ。漢字の成り立ちに遡って考える必要があるのだろうか。

 

  漢和辞典には、通常、見開きに、部首索引がついている。

 普段よく使っている新修漢和大辞典(S27 博友社)では、画数別に、計231個の部首が載っている(さらに、小さい見出しが41あり、これを含めると、272となる)。 

  

  中国には、漢の康熙帝時代に編纂されたという、「康煕字典」(こうきじてん)というのがあり、それには、214の部首が載っていて、日本を含めて、その後のスタンダードになっているという。PCでも、文字カテゴリの中に、「康煕部首」が入っている。

  この康煕部首と、上記の日本の漢和辞典とで、部首数がかなり異なっているが、具体的な関連は、今後の検討課題(F.S.)としたい。

  

  日本の漢和辞典では、多くの部首に、名前がついていて、上述の辞典の部首索引の裏面に、主な部首(150、小さい字の部首を含めて189)の名称が載っている。

  これによれば、「まだれ」、「ふるどり」や、「なめしがわ」、「きにょう」など、ユニークな呼称もある。

 さらに今回、ネットの漢和辞典(前掲の 部首名一覧. など参照)によれば、約400の部首名があることが分かった!

 「ひとやね」、「わりふ」の呼称は、今回、初めて知ったことだ。  

 

*漢和辞典

  中国から伝わった漢字文化は、これまでの日本文化の重要な基礎の一つであるが、現代中国では、画数の多い文字の、略字化が進められ、現代の日本では使われない、見慣れない漢字が多数ある。出発点は同根なのに、日中で、異なって変化してきているのだ。

 このことから、我が国の現代の漢字は、日本自身で責任をもって、メンテしていかなければならない。漢和辞典という呼称は、もはや馴染まなく、和文字辞典、日本文字辞典などとすべきかも知れない。 

  中国では、画数の多い漢字を簡略化する作業が進んでいて、従来の古い漢字は、繁体字(traditional)と呼び、簡略化した字体を簡体字(simplified)と呼んで、普及を図っているようだ。簡体字には、日本で作られた略字も含まれている場合もあるという。  

 一例を、以下に示す。

        

 

● 書体

  新元号「令和」の文字が、政府から公表された時の写真が図1である。

     

          図1                              図2

  

 令の字の形として、公文書や印刷物などでは、図2のようになっていて、「ひとやね」の下

に、横棒ーがあり、その下に、「わりふ」に似た形がある。 

 政府発表時に、官房長官の掲げたもの(図1)は、令の字が、いささか、違っいて、横棒

が点になっているようだ。

 又、通常の場合の令の字は、横棒は点で、わりふ部分は、カタカナのマのことが多い。

どれが正しいのだろうか?

 

 PCには、多くの書体・フォントが収容されているが、代表的な書体の例は、以下の様だ。 明朝体、ゴシック体は、畏まった形でやや硬く、通常、学校で習ったり、手書きで使うのは、馴染みやすい、楷書体や、教科書体が多いようだ。  

   

  

 政府発表時の書体の名称をネットで調べたところ、図3に示すように、草書体の一種で、

毛筆で書く場合の、「衡山毛筆」に近いようだ。(図は、「令」のページ - 文字拡大 から

引用) 残念ながら、手持ちのPCには、草書体のフォントは入っていない。

       

              図 3

   ネット情報では、令の字の書体は、どれでもいいというのが文化庁の見解とあるが、それならそうと、発表時点で、そのことを明確に示して欲しかったことである。 

 

●ローマ字表記

*RとLの発音とヘボン式の謎

 令和のローマ字表記は、REIWA とRから始まる。 

明治以降の元号は

   M T S H R

と重ならないこととなるが、明治36年(1903年)生まれ(116歳)が、日本人で世

界最高齢とあって、これだけ区別できれば十分だ。

 

  日本のローマ字表記は、ヘボン式で、ら行は、

  Ra、Ri、Ru、Re、Ro

となっている。

 Rの発音は、よく言われるように、巻舌を、上顎に着けないで発音するので、日本人には、

特に難しい。 

 英語を習い始めた時から現在まで、

    world、lightとright、leftとright、

などの発音では苦労したことだ。 

 自分の発音では、らりるれろ は、舌を上顎に着ける

  La、Li、Lu、Le、Lo

なのだがーーー。

 

 専門家の見解では、以下のようだが、筆者の発音の、具体的な改善にはつながらないことだ。(日本語の「らりるれろ」は英語の「ra」か「la」か より引用 )  

 

  アメリカ人である、考案者のヘボン氏が、なにゆえ、ら行を、Rでなく、日本人の発音により近い(と思える)Lとしなかったのか、以前からの大きな疑問で、今も変わっていない。

 

*ヘボン式の壁 

  ネットで見つけた、あるフランス人の話だ。フランスで生まれた子供の出生証明書の名前を「Lisa」とした人が、日本でのパスポート発行の申請時に、名前の表記を、ヘボン式の「Risa」にしないと受け付けられない、と言われたという。あわてて沢山の書類を取り揃えて、何とか、Lisaとすることが認められたという。

  パスポートの名前のLが、Rになっただけというが、当人にとっては重大問題だ。コラムの著者は、日本の例を出して、名前が「京子」なのに、同じ発音の「強固」にされるようなものだ、と憤慨している。

  我が国の後進性を示す、信じられないような笑い話がネットに載っている訳だが、上記の著者(日本・ドイツのハーフ)は、これを、「ヘボン式の壁」と、皮肉たっぷりに呼んでいる。(『ヘボン式』に悩むハーフ(日独ハーフの視点22)  


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